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第37話 特別留学生
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昼休みが終わり午後の授業が始まる時間になると先生がやって来るのは当然のことなのだが、この時間の担当ではないはずの片岡瑠璃先生がやってきた。
片岡瑠璃先生は散乱している机や椅子を元に戻すように促すと生徒たちに自分の席に座るように指示をしていた。皆素直に自分の席へと着席しているのだが、宇宙から侵略しに来た少女はどうしていいかわからずに窓際で立ち尽くしていた。
「君が噂の宇宙人さんだね。そんなところに立ってないでこっちに来なさい」
片岡瑠璃先生の言葉が聞こえなかったのか少女はその場に立ち尽くしたままで生徒たちも少女の様子をうかがっていた。
宇宙からやってきた少女に注目が集まっていたのだが、その時に聞こえてきた片岡瑠璃先生が手のひらで机を叩いた音に反応して全員の視線が教卓へと移動していた。もちろん、少女も皆と同じように教卓に注目していた。
「宇宙人のあなた、そんなところにいないでこっちに来てもらっていいかな。私が優しくしている間にこっちに来て頂戴ね。早く来てくれないカムショットに言いつけるわよ」
宇宙人の少女は慌てた様子で片岡瑠璃先生の隣に移動していた。
何が起きているのか状況が飲み込めない生徒ばかりなのだが、宇宙人の少女もいったい何が起ころうとしているのかわかっていない様子であった。ただ、先ほどまで見せていた自信に満ち溢れていた姿ではなく、何かに怯えている小動物のように小さくなっていた。
「皆さんも知っての通り、この子は太陽系とは全く異なる銀河からやってきたみたいです。先生も詳しいことは聞いていないので聞かれても答えられませんが、この子を留学生として受け入れることが決まりました。昨日に続いて今日もうまなさんが殺されてしまったみたいなんですが、そういったことをおこなってはいけないという事を皆さんも教えてあげてくださいね。じゃあ、今日からこのクラスであなたも学んでいく事になるんで自己紹介をお願いしてもいいかな?」
話の流れを全く理解出来ていないのは宇宙人の少女だけではなくこの教室にいる生徒全員もであった。
栗宮院うまなを二日続けて殺してしまった宇宙人と一緒に勉強をしていくというのは正気なのかと思っている生徒が多かったが、事情通の野城君だけは片岡瑠璃先生の言っていることを理解し納得しているようであった。
「つまり、うまなちゃんを二日続けて殺してしまったこの宇宙人の女の子と俺たちが一緒に勉強していくって事ですね。どういう方法でコンタクトをとったのかわかりませんが、向こうの星の偉い人にこの子を頼むと言われたって感じですか?」
「まあ、そういう事になるかな。先生も決まったことを聞いただけなんで詳細は分からないけど、イザーさんが帰ってきたら詳しいことを聞いてみることにしましょう。イザーさんと太郎君はこの子の生まれ故郷に寄ってから帰ってくるとのことなので、学校に戻ってくるのはもう少し後になるかもしれないです」
「なるほど。イザーちゃんがこの子の生まれ故郷に過去に行ったことがあるという事ですね。その時に偉い人とのパイプが出来ていて、この子がうちの学校に留学するという話にまとまったって事なんですね。異世界の後に他銀河に行くなんてイザーちゃんは凄すぎますね」
「野城君、あなたの理解力も凄いと思うわ。そんなわけで、イザーさんと太郎君が戻ってくるのはちょっと遅くなるみたいです。じゃあ、黙ってないでみんなに自己紹介してもらっていいかな?」
全員の視線が宇宙人の少女に注がれている。
宇宙人と言う時点でも珍しいし、その宇宙人が二日続けて栗宮院うまなを殺したというのも普通ではないだろう。二日続けて同じ人間が殺されることは過去に何度かあったみたいだが、栗宮院うまなのような実力者がそうなることは今まで無かったことなのである。その事から、この宇宙人の少女がいかに強く危険かという事が理解出来るであろう。
ただ、そんな少女も自分だけに注がれる視線が怖いのか怯えた感じで自己紹介を始めていた。
「ワシの名前はクリームパイ。独立侵攻部隊隊長である。なぜそうなったのかはわからないが、今日からお世話になるようだ。ところで、本当にカムショット陛下に言われたのですか?」
「私が直接聞いたわけじゃないけど、この写真を見て貰えばわかるって言われてるのよね。この写真を見て何がわかるのかな?」
片岡瑠璃先生はみんなに見えないようにクリームパイにだけ写真を見せていた。
その写真が何を写しているものなのか誰も見てないのでわからないのだが、クリームパイの態度がまったく変わってしまったので何か凄いものを見せられたのだという事だけは伝わってきた。
「皆さんにはご迷惑をおかけして申し訳ない。ワシにもワシなりの事情があったとはいえ、行き過ぎたことをしてしまったと反省しております。これからは皆さんの仲間に加えていただけるように邁進してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
工藤珠希のクラスに留学生がやってきたのだが、誰一人として反発する者はいなかった。
話してみれば素直ないい子という評価に落ち着きそうなこともあったし、見た目も小さな女の子みたいで可愛らしいという事もあって嫌われるようなところはなかった。
ただ、栗宮院うまなを二日続けて惨殺しているという事を除けばの話なのである。
片岡瑠璃先生は散乱している机や椅子を元に戻すように促すと生徒たちに自分の席に座るように指示をしていた。皆素直に自分の席へと着席しているのだが、宇宙から侵略しに来た少女はどうしていいかわからずに窓際で立ち尽くしていた。
「君が噂の宇宙人さんだね。そんなところに立ってないでこっちに来なさい」
片岡瑠璃先生の言葉が聞こえなかったのか少女はその場に立ち尽くしたままで生徒たちも少女の様子をうかがっていた。
宇宙からやってきた少女に注目が集まっていたのだが、その時に聞こえてきた片岡瑠璃先生が手のひらで机を叩いた音に反応して全員の視線が教卓へと移動していた。もちろん、少女も皆と同じように教卓に注目していた。
「宇宙人のあなた、そんなところにいないでこっちに来てもらっていいかな。私が優しくしている間にこっちに来て頂戴ね。早く来てくれないカムショットに言いつけるわよ」
宇宙人の少女は慌てた様子で片岡瑠璃先生の隣に移動していた。
何が起きているのか状況が飲み込めない生徒ばかりなのだが、宇宙人の少女もいったい何が起ころうとしているのかわかっていない様子であった。ただ、先ほどまで見せていた自信に満ち溢れていた姿ではなく、何かに怯えている小動物のように小さくなっていた。
「皆さんも知っての通り、この子は太陽系とは全く異なる銀河からやってきたみたいです。先生も詳しいことは聞いていないので聞かれても答えられませんが、この子を留学生として受け入れることが決まりました。昨日に続いて今日もうまなさんが殺されてしまったみたいなんですが、そういったことをおこなってはいけないという事を皆さんも教えてあげてくださいね。じゃあ、今日からこのクラスであなたも学んでいく事になるんで自己紹介をお願いしてもいいかな?」
話の流れを全く理解出来ていないのは宇宙人の少女だけではなくこの教室にいる生徒全員もであった。
栗宮院うまなを二日続けて殺してしまった宇宙人と一緒に勉強をしていくというのは正気なのかと思っている生徒が多かったが、事情通の野城君だけは片岡瑠璃先生の言っていることを理解し納得しているようであった。
「つまり、うまなちゃんを二日続けて殺してしまったこの宇宙人の女の子と俺たちが一緒に勉強していくって事ですね。どういう方法でコンタクトをとったのかわかりませんが、向こうの星の偉い人にこの子を頼むと言われたって感じですか?」
「まあ、そういう事になるかな。先生も決まったことを聞いただけなんで詳細は分からないけど、イザーさんが帰ってきたら詳しいことを聞いてみることにしましょう。イザーさんと太郎君はこの子の生まれ故郷に寄ってから帰ってくるとのことなので、学校に戻ってくるのはもう少し後になるかもしれないです」
「なるほど。イザーちゃんがこの子の生まれ故郷に過去に行ったことがあるという事ですね。その時に偉い人とのパイプが出来ていて、この子がうちの学校に留学するという話にまとまったって事なんですね。異世界の後に他銀河に行くなんてイザーちゃんは凄すぎますね」
「野城君、あなたの理解力も凄いと思うわ。そんなわけで、イザーさんと太郎君が戻ってくるのはちょっと遅くなるみたいです。じゃあ、黙ってないでみんなに自己紹介してもらっていいかな?」
全員の視線が宇宙人の少女に注がれている。
宇宙人と言う時点でも珍しいし、その宇宙人が二日続けて栗宮院うまなを殺したというのも普通ではないだろう。二日続けて同じ人間が殺されることは過去に何度かあったみたいだが、栗宮院うまなのような実力者がそうなることは今まで無かったことなのである。その事から、この宇宙人の少女がいかに強く危険かという事が理解出来るであろう。
ただ、そんな少女も自分だけに注がれる視線が怖いのか怯えた感じで自己紹介を始めていた。
「ワシの名前はクリームパイ。独立侵攻部隊隊長である。なぜそうなったのかはわからないが、今日からお世話になるようだ。ところで、本当にカムショット陛下に言われたのですか?」
「私が直接聞いたわけじゃないけど、この写真を見て貰えばわかるって言われてるのよね。この写真を見て何がわかるのかな?」
片岡瑠璃先生はみんなに見えないようにクリームパイにだけ写真を見せていた。
その写真が何を写しているものなのか誰も見てないのでわからないのだが、クリームパイの態度がまったく変わってしまったので何か凄いものを見せられたのだという事だけは伝わってきた。
「皆さんにはご迷惑をおかけして申し訳ない。ワシにもワシなりの事情があったとはいえ、行き過ぎたことをしてしまったと反省しております。これからは皆さんの仲間に加えていただけるように邁進してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
工藤珠希のクラスに留学生がやってきたのだが、誰一人として反発する者はいなかった。
話してみれば素直ないい子という評価に落ち着きそうなこともあったし、見た目も小さな女の子みたいで可愛らしいという事もあって嫌われるようなところはなかった。
ただ、栗宮院うまなを二日続けて惨殺しているという事を除けばの話なのである。
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