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勇者の試練
勇者の試練 第二十一話
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見た目も豪華で素材の味を生かした料理は満足度も高いと思うのだが、瑠璃にとっては少し物足りないものになってしまったようだ。
もう少し濃い味付けの方がいいかもしれないと俺も思ったけれど、これくらいの味の方が素朴な感じがしていいのではないかと思う。
何もかも濃い味付けにしてしまうのは良くないと思うのだ。でも、家で食べていた料理は薄味ではなかったなと今更になって思い出していた。
「美味しいご飯だと思うんだけど、なんか物足りないんだよね。もう少しこう、味にパンチがあるといいと思うんだけどな。兄貴はそんな風に思わない?」
「物足りないって気持ちはわかるけど、これくらいの味付けでいいんじゃないかなって思うよ。ほら、あんまり濃い味付けにすると塩分の取り過ぎとかになっちゃうんじゃないかな」
「塩分の取り過ぎの可能性ってのは私たちがいた世界の話でしょ。この世界の料理ってほとんど味付けされてないからそんな心配はないと思うよ。見た目も綺麗でソースも美味しそうな匂いなのに、口に入れたら素材の味しかしないってちょっとおかしいと思うな。この世界って、料理は目で食べるモノって思ってたりするんじゃないかな。ねえ、兄貴はそんなんでいいと思うの?」
「郷に入っては郷に従えって言葉もあるくらいだし、この世界の料理はこれでいいんじゃないかな。そもそも、俺たちがいた世界みたいに調味料がたくさんあるって感じでもないからね。そういった工場でも作ってこの世界の食文化を変えてみるのもいいんじゃない?」
「え、そんな面倒なコト私はしないって。そこまでする必要もないし、何か必要だったらイザーさんに頼めば少しくらい何とかなるんじゃないかな。だって、私達っていつまでもこの世界にいるわけでもないからね。兄貴が強くなれるまでだと思う」
俺が強くなるまでと言われても、みんなの戦っている姿を見ていると俺が強くなる必要なんて無いんじゃないかと思えてくる。女の子達だけに戦わせるのなんて良くないことだとは思うが、世の中には適材適所という言葉もあるわけで得意な人が得意なことをやればいいんじゃないかな。
その分俺も出来ることは全力で行うつもりだ。
「美味しいには美味しいんだけどなんか物足りないよね。兄貴は物足りないって思ってない?」
「いや、そこまで物足りないとは思わないかな。これくらいでも満足出来るし。食後にコーヒーを飲めればそれでいいよ」
「兄貴がいれたコーヒーとどっちが美味しいんだろうね。私はどっちも飲まないからわからないけど。でも、兄貴一人に飲ませるってのも申し訳ない気持ちになっちゃうし、私も久しぶりに飲んじゃおうかな。今日は兄貴も一緒だから大丈夫だよね」
瑠璃の前にだけ運ばれていたグラスにワインを入れるソムリエがいつの間にか現れていた。話に夢中だったという事もないし、考え事をしていたというわけでもないのだけれど、俺はこのソムリエがワインをグラスに注ぐまで存在を認識していなかった。
お酒を飲んで酔っ払いになった瑠璃は割と面倒くさいので酔っ払い出す前に帰ろうと思ったのだが、俺はこういう時に詰めが甘いとよく言われてしまう。
グラス一杯でワインを終わらせてもらおうとした時にはすでに瑠璃の前に空のグラスが無数に用意されていた。全く存在感を出さないソムリエが瑠璃のためにワインを注ぐ時だけは姿を見せていた。これは手品か何かなのだろうか。
そして、俺は自分に課せた今週最大のミッションが失敗に終わってしまった事に今更ながら気づいてしまった。
瑠璃が酔っぱらう前にグラスを回収するという事は不可能だったようだ。誰にも達成することの出来なミッションではあったが、ペナルティも特にないみたいなので俺はそのまま気にしないことにした。
どんな災いが俺に降り注いで来たとしても、俺は何事も無かったかのようにいつもと同じ行動をとっているはずだ。
「私一人で飲んじゃってもいいのかな。お兄ちゃんも一緒に飲んでしまおうよ。そうすれば、きっと楽しいことが待ってるよ」
「瑠璃は楽しそうでいいな。俺はお酒は飲まないよ。それに、二人とも飲んで帰って酔っ払たったら家に戻ってこれなくなりそうだし」
俺の言葉を聞いているようで聞いていない瑠璃は目の前にあるグラスの中身に注目している。
料理は全て食べ終えているので残す心配とかはないのだけれど、瑠璃は追加でお酒に遭う食べ物を頼んでいた。
何が来るのかわからないけど、お酒を飲まない俺でも酒の肴がいったいどんなものなのか気になってはいるのだ。
「さっぱりしたものでも味付けの濃いものでもいいんでさっさと持ってきてほしいよね。私の先輩に何を作っても同じ味にしかならない先輩がいたんだけど、ここのキッチンの人達はその先輩と同じ病気なのかな?」
「病気ではないと思うよ。味付けが全部一緒になるって、ちょっと興味あるかも。でも、ここの料理もほとんど味が変わらないような気がするけどね」
味の変わらない料理しか作れないという事は、いつも同じクオリティの物を作ることが出来るという事なのかもしれない。
それはそれで凄いことだとは思うのだ。レシピを見て調味料の分量を量っても安定しないことがあるのだけれど、それはどんな才能だというのだろうか。
「ねえ、お兄ちゃん。瑠璃はちょっとお酒飲み過ぎちゃったかもしれない。今日もお兄ちゃんのところでお世話になっちゃおうかな。大丈夫大丈夫、私は妹なんだから心配になるようなことはしないって。だから、お兄ちゃんは私をちゃんと連れて帰ってね。お持ち帰りってやつかな」
楽しそうにしている瑠璃を見て俺は一瞬だけ部外者を装いたかったのだが、店員も客も俺たちの事を知っているようだからちゃんと介抱してあげないといけないよな。
コレからどうすればいいのか、色々調べてみることにするよ。
もう少し濃い味付けの方がいいかもしれないと俺も思ったけれど、これくらいの味の方が素朴な感じがしていいのではないかと思う。
何もかも濃い味付けにしてしまうのは良くないと思うのだ。でも、家で食べていた料理は薄味ではなかったなと今更になって思い出していた。
「美味しいご飯だと思うんだけど、なんか物足りないんだよね。もう少しこう、味にパンチがあるといいと思うんだけどな。兄貴はそんな風に思わない?」
「物足りないって気持ちはわかるけど、これくらいの味付けでいいんじゃないかなって思うよ。ほら、あんまり濃い味付けにすると塩分の取り過ぎとかになっちゃうんじゃないかな」
「塩分の取り過ぎの可能性ってのは私たちがいた世界の話でしょ。この世界の料理ってほとんど味付けされてないからそんな心配はないと思うよ。見た目も綺麗でソースも美味しそうな匂いなのに、口に入れたら素材の味しかしないってちょっとおかしいと思うな。この世界って、料理は目で食べるモノって思ってたりするんじゃないかな。ねえ、兄貴はそんなんでいいと思うの?」
「郷に入っては郷に従えって言葉もあるくらいだし、この世界の料理はこれでいいんじゃないかな。そもそも、俺たちがいた世界みたいに調味料がたくさんあるって感じでもないからね。そういった工場でも作ってこの世界の食文化を変えてみるのもいいんじゃない?」
「え、そんな面倒なコト私はしないって。そこまでする必要もないし、何か必要だったらイザーさんに頼めば少しくらい何とかなるんじゃないかな。だって、私達っていつまでもこの世界にいるわけでもないからね。兄貴が強くなれるまでだと思う」
俺が強くなるまでと言われても、みんなの戦っている姿を見ていると俺が強くなる必要なんて無いんじゃないかと思えてくる。女の子達だけに戦わせるのなんて良くないことだとは思うが、世の中には適材適所という言葉もあるわけで得意な人が得意なことをやればいいんじゃないかな。
その分俺も出来ることは全力で行うつもりだ。
「美味しいには美味しいんだけどなんか物足りないよね。兄貴は物足りないって思ってない?」
「いや、そこまで物足りないとは思わないかな。これくらいでも満足出来るし。食後にコーヒーを飲めればそれでいいよ」
「兄貴がいれたコーヒーとどっちが美味しいんだろうね。私はどっちも飲まないからわからないけど。でも、兄貴一人に飲ませるってのも申し訳ない気持ちになっちゃうし、私も久しぶりに飲んじゃおうかな。今日は兄貴も一緒だから大丈夫だよね」
瑠璃の前にだけ運ばれていたグラスにワインを入れるソムリエがいつの間にか現れていた。話に夢中だったという事もないし、考え事をしていたというわけでもないのだけれど、俺はこのソムリエがワインをグラスに注ぐまで存在を認識していなかった。
お酒を飲んで酔っ払いになった瑠璃は割と面倒くさいので酔っ払い出す前に帰ろうと思ったのだが、俺はこういう時に詰めが甘いとよく言われてしまう。
グラス一杯でワインを終わらせてもらおうとした時にはすでに瑠璃の前に空のグラスが無数に用意されていた。全く存在感を出さないソムリエが瑠璃のためにワインを注ぐ時だけは姿を見せていた。これは手品か何かなのだろうか。
そして、俺は自分に課せた今週最大のミッションが失敗に終わってしまった事に今更ながら気づいてしまった。
瑠璃が酔っぱらう前にグラスを回収するという事は不可能だったようだ。誰にも達成することの出来なミッションではあったが、ペナルティも特にないみたいなので俺はそのまま気にしないことにした。
どんな災いが俺に降り注いで来たとしても、俺は何事も無かったかのようにいつもと同じ行動をとっているはずだ。
「私一人で飲んじゃってもいいのかな。お兄ちゃんも一緒に飲んでしまおうよ。そうすれば、きっと楽しいことが待ってるよ」
「瑠璃は楽しそうでいいな。俺はお酒は飲まないよ。それに、二人とも飲んで帰って酔っ払たったら家に戻ってこれなくなりそうだし」
俺の言葉を聞いているようで聞いていない瑠璃は目の前にあるグラスの中身に注目している。
料理は全て食べ終えているので残す心配とかはないのだけれど、瑠璃は追加でお酒に遭う食べ物を頼んでいた。
何が来るのかわからないけど、お酒を飲まない俺でも酒の肴がいったいどんなものなのか気になってはいるのだ。
「さっぱりしたものでも味付けの濃いものでもいいんでさっさと持ってきてほしいよね。私の先輩に何を作っても同じ味にしかならない先輩がいたんだけど、ここのキッチンの人達はその先輩と同じ病気なのかな?」
「病気ではないと思うよ。味付けが全部一緒になるって、ちょっと興味あるかも。でも、ここの料理もほとんど味が変わらないような気がするけどね」
味の変わらない料理しか作れないという事は、いつも同じクオリティの物を作ることが出来るという事なのかもしれない。
それはそれで凄いことだとは思うのだ。レシピを見て調味料の分量を量っても安定しないことがあるのだけれど、それはどんな才能だというのだろうか。
「ねえ、お兄ちゃん。瑠璃はちょっとお酒飲み過ぎちゃったかもしれない。今日もお兄ちゃんのところでお世話になっちゃおうかな。大丈夫大丈夫、私は妹なんだから心配になるようなことはしないって。だから、お兄ちゃんは私をちゃんと連れて帰ってね。お持ち帰りってやつかな」
楽しそうにしている瑠璃を見て俺は一瞬だけ部外者を装いたかったのだが、店員も客も俺たちの事を知っているようだからちゃんと介抱してあげないといけないよな。
コレからどうすればいいのか、色々調べてみることにするよ。
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