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第30話 セクシーなお姉さんの正体
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永遠に続くと思われる言い争いは本当に終わる気配がなかった。
セクシーなお姉さんたちはみんなイザーの事を栗宮院うまなだと誤解しているようなのだが、工藤珠希はその誤解を解くことが出来ないか考えた結果、栗宮院うまな本人をココに呼べばいいのだと思ったのだ。
だが、そんな事をしても良いのか悩んでしまっているのも事実である。
セクシーなお姉さんたちは栗宮院うまなに対してあからさまに敵意を向けているのだが、そんな相手の前に栗宮院うまなを呼んできても良いものだろうか。工藤珠希は悩みに悩んだ結果、栗宮院うまな本人は呼ばないことにしたのだ。
おそらく、その選択は間違いではない。
「栗宮院うまなは強いって聞いてるんだけどよ、護衛もつけずに私らのテリトリーに入り込むほど強いって思ってるんだったら思い違いってやつじゃねえかな。あんたがどんだけ強くたって、私らはサキュバスの幹部なんだから負けたりなんてしないんだよ」
「そうだそうだ、どう見たって戦える体じゃないだろ。あんたが強いって言われてるのも、あの学校の中で守られてるからってだけの話だろうよ。私らみたいに外で命を懸けたやり取りをしてるわけじゃないもんな」
「あのパン屋に来たことだけは褒めてやるけどよ、それ以外は何も褒めるところも無いな。背も低いし胸も小さいし尻だって全然目立ってないじゃないか。そんなんで強い女って言われてるのが信じられないわ」
何を言われてもイザーの心には響いていないようで、イザーはずっと一点を見つめてぼーっとしているように見えた。
助け舟を出した方がいいとは思っている工藤珠希ではあるのだが、セクシーなお姉さんたちから感じる圧力が強くて近付くことも出来なかった。ただ見守ることしか出来ないのだが、どうにかしてイザーの力になりたいとは思っている。
栗宮院うまなを呼ぶのがダメだとしたら、工藤太郎を呼ぶのはどうだろう。彼ならきっとこの状況を上手くまとめてくれるとは思うのだけど、サキュバスの幹部が相手なのに男子である工藤太郎を呼んでも良いものなのだろうか。もしも、彼がサキュバスの魔の手に落ちてしまって向こうの味方になってしまったとしたら、助けを呼んだのにもかかわらず敵を増やしてしまうという事にもなりかねないのではないか。そう思ってしまった工藤珠希はますます何も出来なくなってしまった。
「さっきからシカトしやがってよ。人の話聞いてんのか?」
「ごめん、何も聞いてなかった。サキュバスの幹部がどうとか言ってたところまでは聞いてたような気がするんだけど、サキュバスの幹部って何?」
「何って、私らサキュバスの幹部だよ。ほら、みんなをまとめる指導者的なやつだって。あんただってそれくらいわかってるだろ?」
「何となくはわかるけどさ、今のサキュバスってそんな事をしてるわけ?」
「別にそんなのはどうでもいいだろ。今は私たちに囲まれて逃げ出すことも出来ない状況にいるってことをわかってるのか?」
イザーは自分を取り囲んでいるサキュバスの幹部であるセクシーなお姉さんたちの事を一人一人確認するように見ていたのだ。
何を確認していたのか不明だが、イザーがサキュバスの幹部たちを全く相手にしていないという事だけは伝わってきた。
「私の事をうまなちゃんだって勘違いする人は多いんだけどさ、これだけ違うって言ってたらわかってくれてもいいんじゃないかな。私とうまなちゃんが似てるのは事実だけどさ、似てるだけで同一人物じゃないってわかるよね?」
「だから、そんな言い訳しなくていいって。あんたは栗宮院うまなで間違いないんだよ。そんなに言うんだったら、本物の栗宮院うまなを連れてきてみろよ。そうしたらあんたが栗宮院うまなじゃないって認めてやるよ」
「は、お前らがうまなちゃんに何をしようとしているのかわかってるのに本人を連れてくるわけないだろ。目だけじゃなくて頭も悪いのか?」
「頭が悪いのはそっちだろ。私らに囲まれてるこの状況でそんなに強がって大丈夫なのか。私らはお前を痛めつけるのに手加減なんてしないぞ」
イザーは深くため息をつくと、そのまま顔をぐっと近づけてセクシーなお姉さんを挑発していた。
これ以上揉め事を大きくしないで穏便に済ませてほしいと願う工藤珠希ではあったが、この公園にまでついてきてしまった事でその願いは叶わないという事は理解出来ていなかった。
「お前らサキュバスの幹部か何か知らないけど、そんな貧相な体で私と戦えるとでも思ってるのかね」
「どっちが貧相だこの野郎。お前の方が胸も小さいし尻もペラペラだろ」
「そうだそうだ、私らみたいに男を喜ばせる体になってないだろ」
「横から見たらどっちが前かわからないくらい背中と胸が同じ厚さだろ」
「うちの新人サキュバスの方がスタイル良いぞ。小学生よりも胸が無いって、お前は本当にサキュバスなのか?」
「何を食ったらそんだけ成長しないのか、逆に教えてほしいくらいだ」
「脳だけじゃなくて胸にも尻にも栄養がいってないみたいだな。そんなんで本当にやっていけると思ってるのか?」
実際に思っていたとしてもそこまで言う事は無いだろうと工藤珠希は思っていた。
横から見てると胸のふくらみがあるように見えるので、サキュバスの幹部であるセクシーなお姉さん達の言いがかりに過ぎないのだが、イザーはそんな言葉の暴力にも屈する事は無かった。
ただ、イザーの拳は固く握られていて、爪が手のひらに食い込んでいるのが離れた場所にいる工藤珠希の目にも見えていたのだ。
セクシーなお姉さんたちはみんなイザーの事を栗宮院うまなだと誤解しているようなのだが、工藤珠希はその誤解を解くことが出来ないか考えた結果、栗宮院うまな本人をココに呼べばいいのだと思ったのだ。
だが、そんな事をしても良いのか悩んでしまっているのも事実である。
セクシーなお姉さんたちは栗宮院うまなに対してあからさまに敵意を向けているのだが、そんな相手の前に栗宮院うまなを呼んできても良いものだろうか。工藤珠希は悩みに悩んだ結果、栗宮院うまな本人は呼ばないことにしたのだ。
おそらく、その選択は間違いではない。
「栗宮院うまなは強いって聞いてるんだけどよ、護衛もつけずに私らのテリトリーに入り込むほど強いって思ってるんだったら思い違いってやつじゃねえかな。あんたがどんだけ強くたって、私らはサキュバスの幹部なんだから負けたりなんてしないんだよ」
「そうだそうだ、どう見たって戦える体じゃないだろ。あんたが強いって言われてるのも、あの学校の中で守られてるからってだけの話だろうよ。私らみたいに外で命を懸けたやり取りをしてるわけじゃないもんな」
「あのパン屋に来たことだけは褒めてやるけどよ、それ以外は何も褒めるところも無いな。背も低いし胸も小さいし尻だって全然目立ってないじゃないか。そんなんで強い女って言われてるのが信じられないわ」
何を言われてもイザーの心には響いていないようで、イザーはずっと一点を見つめてぼーっとしているように見えた。
助け舟を出した方がいいとは思っている工藤珠希ではあるのだが、セクシーなお姉さんたちから感じる圧力が強くて近付くことも出来なかった。ただ見守ることしか出来ないのだが、どうにかしてイザーの力になりたいとは思っている。
栗宮院うまなを呼ぶのがダメだとしたら、工藤太郎を呼ぶのはどうだろう。彼ならきっとこの状況を上手くまとめてくれるとは思うのだけど、サキュバスの幹部が相手なのに男子である工藤太郎を呼んでも良いものなのだろうか。もしも、彼がサキュバスの魔の手に落ちてしまって向こうの味方になってしまったとしたら、助けを呼んだのにもかかわらず敵を増やしてしまうという事にもなりかねないのではないか。そう思ってしまった工藤珠希はますます何も出来なくなってしまった。
「さっきからシカトしやがってよ。人の話聞いてんのか?」
「ごめん、何も聞いてなかった。サキュバスの幹部がどうとか言ってたところまでは聞いてたような気がするんだけど、サキュバスの幹部って何?」
「何って、私らサキュバスの幹部だよ。ほら、みんなをまとめる指導者的なやつだって。あんただってそれくらいわかってるだろ?」
「何となくはわかるけどさ、今のサキュバスってそんな事をしてるわけ?」
「別にそんなのはどうでもいいだろ。今は私たちに囲まれて逃げ出すことも出来ない状況にいるってことをわかってるのか?」
イザーは自分を取り囲んでいるサキュバスの幹部であるセクシーなお姉さんたちの事を一人一人確認するように見ていたのだ。
何を確認していたのか不明だが、イザーがサキュバスの幹部たちを全く相手にしていないという事だけは伝わってきた。
「私の事をうまなちゃんだって勘違いする人は多いんだけどさ、これだけ違うって言ってたらわかってくれてもいいんじゃないかな。私とうまなちゃんが似てるのは事実だけどさ、似てるだけで同一人物じゃないってわかるよね?」
「だから、そんな言い訳しなくていいって。あんたは栗宮院うまなで間違いないんだよ。そんなに言うんだったら、本物の栗宮院うまなを連れてきてみろよ。そうしたらあんたが栗宮院うまなじゃないって認めてやるよ」
「は、お前らがうまなちゃんに何をしようとしているのかわかってるのに本人を連れてくるわけないだろ。目だけじゃなくて頭も悪いのか?」
「頭が悪いのはそっちだろ。私らに囲まれてるこの状況でそんなに強がって大丈夫なのか。私らはお前を痛めつけるのに手加減なんてしないぞ」
イザーは深くため息をつくと、そのまま顔をぐっと近づけてセクシーなお姉さんを挑発していた。
これ以上揉め事を大きくしないで穏便に済ませてほしいと願う工藤珠希ではあったが、この公園にまでついてきてしまった事でその願いは叶わないという事は理解出来ていなかった。
「お前らサキュバスの幹部か何か知らないけど、そんな貧相な体で私と戦えるとでも思ってるのかね」
「どっちが貧相だこの野郎。お前の方が胸も小さいし尻もペラペラだろ」
「そうだそうだ、私らみたいに男を喜ばせる体になってないだろ」
「横から見たらどっちが前かわからないくらい背中と胸が同じ厚さだろ」
「うちの新人サキュバスの方がスタイル良いぞ。小学生よりも胸が無いって、お前は本当にサキュバスなのか?」
「何を食ったらそんだけ成長しないのか、逆に教えてほしいくらいだ」
「脳だけじゃなくて胸にも尻にも栄養がいってないみたいだな。そんなんで本当にやっていけると思ってるのか?」
実際に思っていたとしてもそこまで言う事は無いだろうと工藤珠希は思っていた。
横から見てると胸のふくらみがあるように見えるので、サキュバスの幹部であるセクシーなお姉さん達の言いがかりに過ぎないのだが、イザーはそんな言葉の暴力にも屈する事は無かった。
ただ、イザーの拳は固く握られていて、爪が手のひらに食い込んでいるのが離れた場所にいる工藤珠希の目にも見えていたのだ。
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