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THE GROUND ZERO Chapter1
第1章 レジスタンスの少女【2】
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「おい殴るのはその辺にしておいてよぉ、そろそろ体の方をいただこうぜ」
「たく……テメエは性欲が強いんだよ。もう少し俺の趣味にもつき合えよな」
「お前のそれも欲求だろうが、ほら時間がねえんだ!」
「分かった分かった……じゃあっ!」
そう言うや否や、男は彼女の胸倉を両手で掴み、そして茶褐色のドレスの胸元を強引に、ビリビリっと破った。
「ひっ……っ!」
その時、今まで男を睨みつけていた、女性の怒りに満ちた眼差しが一変し、恐怖に浸食された。
体に受けた傷は、時間が経てば時期に癒され、回復していく。
しかしこういうことに関しては、精神的に受けた傷というものは、例えどれくらい時間が費やされようとも、癒えることはあっても、無くなることはない。
犯された傷は、ずっと、一生に渡って背負い続けることになる。
だからこそ、彼女は恐怖を悟ったのだろう。ここに至って初めて、恐れおののいたのだろう。
「おお……ドレスが大きかったせいでそこまでには見えなかったが、テメエ結構良い体してるじゃねえか!」
男は彼女の露わになった胸元を見ながら、いや、視姦しながらに、そんなことを言って見せる。
それを聞いて彼女は更に恐怖してるように、僕には見えた。
「た……たす…………」
「おお? なんだ? ここにきてやっと、助けを乞いだしたってのか?」
「たす……けて……誰……か……っ!」
儚いほどにそれは小さな悲鳴だったが、離れている僕にもそれは、確実に聞き取れた。
助けを求める、この危機を救ってくれるヒーロー……彼女は勇者を求めたのだ。
こういう面倒事に好んで首を突っ込むようなお人好しではないけれど、別に彼女に、ひと目惚れをしたとかそんなのじゃないけれど。
でも、ここで彼女を助ければ、彼女の勇者には、誰かの勇者にはなれると、僕は本気で思ってしまったのだ。
僕は兵士になりたかったのじゃない。僕は、英雄になりたかったのだから。
「ん……おいっ! そこに誰かいるのか!」
女性を羽交い絞めにしている兵士の男が、声を荒げる。
当然、僕は隠れることをやめ、その現場の方へと歩を進めていたのだから。
「その恰好……なんだ、お前も兵士か」
仲間だと思い込み、男は安堵しているように見えた。
女性の顔付きは勿論、自然険しくなる。敵の仲間が増えたと、思い込んでいるのだろうから。
「お前確か……コヨミって名前じゃなかったか? 一時期は下士官の筆頭まで引きあがった」
「ああ! 次世代の勇者候補って言われてたあいつか!」
どうやら僕のことを知っているみたいだな、この二人。まあ僕も、一時期は有名人ではあったからな。
「ロクヨウ・コヨミです。次世代の勇者候補なんて懐かしいですね……今やもう、二等兵の落ちこぼれですけど」
「はっはっ! じゃあ俺達と同じだ! どうだコヨミ? お前もこの女を使って一緒に遊ばねえか? こいつレジスタンスだからよ、なにしたって文句は言われないぜ?」
僕は目の前の男にそう言われてから、羽交い絞めにされている彼女の方を見た。
当然、彼女は僕を軽蔑するような、もしその羽交い絞めが解かれたのなら、僕の喉元を引き裂いてきそうな程の、そんな憎悪や怒りをまとった視線を送っていた。
まあ、僕が今からやる行動を知らないのなら、そういう視線を向けられるのは当たり前のこと。
だから僕はそっと彼女に笑いかけてから、それから。
「ブフォォォォォォッッ!!!」
目の前の、彼女のドレスを破った男の、その変態面を殴ってやった。
「て……テメエ!!」
「ひゃっ!」
女性を羽交い絞めにしていた男が、その光景を見て怒号し、女性を横の方へと放り投げた。
「悪いけど先輩方、僕に輪姦の趣味は無いんだ。やるなら正々堂々、二人っきりがいい」
「ふざけやがってっ!!」
先程まで羽交い絞めにしていた男は、腰に装備していた拳銃を僕に向けた。
以前なら、そこには剣が仕舞い込まれていたはずなのに、今は拳銃を仕舞うためのホルスターとなっている。
嘆かわしいことだ。
「へっへっ……なんだテメエ? 兵士なのに拳銃持ってねえじゃねえか」
そう、僕の腰には拳銃はない。あるのは短剣一本のみ。
本当はもっと長い両刃の剣があったのだが、兵士の官給装備が拳銃へと変わり、剣が没収されてしまったため、今は僕個人で購入した短剣だけが収まっている。
「持ってないんじゃありませんよ、持たないだけです。僕は拳銃とか、そういう現代兵器が嫌いなので」
「はあ?」
「……別に理解してもらう必要はありません。というより、僕の主義を、あなた達には理解してもらいたくない」
「この……生意気なガキがっ!!」
男は確実に、着実に、僕にその銃口を真っ直ぐに向ける。
勿論、この男も兵士であり、それなりの戦闘能力は身に着けているはずだ。射撃訓練だって受けているはずなので、僕との、この数メートルの距離を外すはずが無い。
一方僕が所持している武器は、刃渡り十五センチほどの短剣のみ。とてもじゃないが、斬りかかるには届かないし、その距離を縮めようとした瞬間、発砲されて即お陀仏ということも考慮される。
まさに、絶体絶命。
そんな状況にも見え、それは目の前の男も理解しているようであり、余裕のしたり顔ともいうような、影の差す笑みを浮かべていた。
「へっへっ……仲間を殺すってのも抵抗が無いわけじゃねえが、そうだな……丁度レジスタンスの女がいることだし、戦闘中に流れ弾が当たって死んじまったってことにするかっ!」
指は、トリガーにかかっている。
多分目の前の男は勝ちを確信してるのだろう。だからこそ、その後処理の算段を立てていた。
だが、その算段の根底こそ間違い。
僕はこの男を、倒してしまうのだから。
「んなっ!!?」
それは、比喩したのではなく、本当に一瞬の出来事だ。
先程まで僕は、数メートル離れた男の目の前に立っていたのだが、今僕は、男の目の前というのは変わらないが、その男の首元に、刃渡り十五センチほどの短剣を突きつけていたのだ。
数メートルの距離は、一瞬にしてほぼゼロセンチの距離にまで縮まっていたのだ。
「たく……テメエは性欲が強いんだよ。もう少し俺の趣味にもつき合えよな」
「お前のそれも欲求だろうが、ほら時間がねえんだ!」
「分かった分かった……じゃあっ!」
そう言うや否や、男は彼女の胸倉を両手で掴み、そして茶褐色のドレスの胸元を強引に、ビリビリっと破った。
「ひっ……っ!」
その時、今まで男を睨みつけていた、女性の怒りに満ちた眼差しが一変し、恐怖に浸食された。
体に受けた傷は、時間が経てば時期に癒され、回復していく。
しかしこういうことに関しては、精神的に受けた傷というものは、例えどれくらい時間が費やされようとも、癒えることはあっても、無くなることはない。
犯された傷は、ずっと、一生に渡って背負い続けることになる。
だからこそ、彼女は恐怖を悟ったのだろう。ここに至って初めて、恐れおののいたのだろう。
「おお……ドレスが大きかったせいでそこまでには見えなかったが、テメエ結構良い体してるじゃねえか!」
男は彼女の露わになった胸元を見ながら、いや、視姦しながらに、そんなことを言って見せる。
それを聞いて彼女は更に恐怖してるように、僕には見えた。
「た……たす…………」
「おお? なんだ? ここにきてやっと、助けを乞いだしたってのか?」
「たす……けて……誰……か……っ!」
儚いほどにそれは小さな悲鳴だったが、離れている僕にもそれは、確実に聞き取れた。
助けを求める、この危機を救ってくれるヒーロー……彼女は勇者を求めたのだ。
こういう面倒事に好んで首を突っ込むようなお人好しではないけれど、別に彼女に、ひと目惚れをしたとかそんなのじゃないけれど。
でも、ここで彼女を助ければ、彼女の勇者には、誰かの勇者にはなれると、僕は本気で思ってしまったのだ。
僕は兵士になりたかったのじゃない。僕は、英雄になりたかったのだから。
「ん……おいっ! そこに誰かいるのか!」
女性を羽交い絞めにしている兵士の男が、声を荒げる。
当然、僕は隠れることをやめ、その現場の方へと歩を進めていたのだから。
「その恰好……なんだ、お前も兵士か」
仲間だと思い込み、男は安堵しているように見えた。
女性の顔付きは勿論、自然険しくなる。敵の仲間が増えたと、思い込んでいるのだろうから。
「お前確か……コヨミって名前じゃなかったか? 一時期は下士官の筆頭まで引きあがった」
「ああ! 次世代の勇者候補って言われてたあいつか!」
どうやら僕のことを知っているみたいだな、この二人。まあ僕も、一時期は有名人ではあったからな。
「ロクヨウ・コヨミです。次世代の勇者候補なんて懐かしいですね……今やもう、二等兵の落ちこぼれですけど」
「はっはっ! じゃあ俺達と同じだ! どうだコヨミ? お前もこの女を使って一緒に遊ばねえか? こいつレジスタンスだからよ、なにしたって文句は言われないぜ?」
僕は目の前の男にそう言われてから、羽交い絞めにされている彼女の方を見た。
当然、彼女は僕を軽蔑するような、もしその羽交い絞めが解かれたのなら、僕の喉元を引き裂いてきそうな程の、そんな憎悪や怒りをまとった視線を送っていた。
まあ、僕が今からやる行動を知らないのなら、そういう視線を向けられるのは当たり前のこと。
だから僕はそっと彼女に笑いかけてから、それから。
「ブフォォォォォォッッ!!!」
目の前の、彼女のドレスを破った男の、その変態面を殴ってやった。
「て……テメエ!!」
「ひゃっ!」
女性を羽交い絞めにしていた男が、その光景を見て怒号し、女性を横の方へと放り投げた。
「悪いけど先輩方、僕に輪姦の趣味は無いんだ。やるなら正々堂々、二人っきりがいい」
「ふざけやがってっ!!」
先程まで羽交い絞めにしていた男は、腰に装備していた拳銃を僕に向けた。
以前なら、そこには剣が仕舞い込まれていたはずなのに、今は拳銃を仕舞うためのホルスターとなっている。
嘆かわしいことだ。
「へっへっ……なんだテメエ? 兵士なのに拳銃持ってねえじゃねえか」
そう、僕の腰には拳銃はない。あるのは短剣一本のみ。
本当はもっと長い両刃の剣があったのだが、兵士の官給装備が拳銃へと変わり、剣が没収されてしまったため、今は僕個人で購入した短剣だけが収まっている。
「持ってないんじゃありませんよ、持たないだけです。僕は拳銃とか、そういう現代兵器が嫌いなので」
「はあ?」
「……別に理解してもらう必要はありません。というより、僕の主義を、あなた達には理解してもらいたくない」
「この……生意気なガキがっ!!」
男は確実に、着実に、僕にその銃口を真っ直ぐに向ける。
勿論、この男も兵士であり、それなりの戦闘能力は身に着けているはずだ。射撃訓練だって受けているはずなので、僕との、この数メートルの距離を外すはずが無い。
一方僕が所持している武器は、刃渡り十五センチほどの短剣のみ。とてもじゃないが、斬りかかるには届かないし、その距離を縮めようとした瞬間、発砲されて即お陀仏ということも考慮される。
まさに、絶体絶命。
そんな状況にも見え、それは目の前の男も理解しているようであり、余裕のしたり顔ともいうような、影の差す笑みを浮かべていた。
「へっへっ……仲間を殺すってのも抵抗が無いわけじゃねえが、そうだな……丁度レジスタンスの女がいることだし、戦闘中に流れ弾が当たって死んじまったってことにするかっ!」
指は、トリガーにかかっている。
多分目の前の男は勝ちを確信してるのだろう。だからこそ、その後処理の算段を立てていた。
だが、その算段の根底こそ間違い。
僕はこの男を、倒してしまうのだから。
「んなっ!!?」
それは、比喩したのではなく、本当に一瞬の出来事だ。
先程まで僕は、数メートル離れた男の目の前に立っていたのだが、今僕は、男の目の前というのは変わらないが、その男の首元に、刃渡り十五センチほどの短剣を突きつけていたのだ。
数メートルの距離は、一瞬にしてほぼゼロセンチの距離にまで縮まっていたのだ。
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