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THE GROUND ZERO Chapter2
第5章 抵抗者達【3】
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さて、他愛も無いやり取りをマジスターと交わしていると、バギーはユスティーツフォートの門の前へと辿り着き、その門前には二人の男が立っていた。
男たちの背中に現代武器が装備してあるところを見ると、おそらく門番といったところだろうか。
「アトス・マジスターだ。リーダーからの命令により、指定された者を引き連れてきた」
「アトス・マジスター……レジスタンスだと証明できる物は?」
「ほれ」
するとマジスターは自分の財布を取り出し、通貨であるタイトを二タイト門番に支払った。
「確かに」
すると門番は門の両端へと戻って行き、レバーのようなものを二人で一斉に動かすと、閉ざされていた門がたちまち開放された。
「よし! ついに入場するぞコヨミ!」
バギーのエンジンを起動し、マジスターはアクセルを踏んで門を潜り抜けていく。
「なんだあれ……証明できる物って言われて、何で金を出したら通してくれたんだ?」
「んん? カッカッカッ! ありゃ一種の暗号だよ」
「暗号?」
「そう、証明する物だと言われると、例えば身分証明書なんかを最初に想像するだろ? しかしそういう物は、もし敵に倒されて、奪われでもしたら流用されかねん。だからそういう特定の物ではなく、あらかじめ指定された金額のタイトを支払うのが、レジスタンスであるという証明となっているのだ」
「ははあ……なるほど」
「金額も月に一度変更されるから、レジスタンスの者でなければ知り得ないということだな」
「徹底してるな」
「そりゃあ一国どころか、世界をひっくり返そうとしている集団だからな今のレジスタンスは。さっきも言った通り、一人二人の集団じゃあないんだ。これ以外にも様々な用心が成されておるのだ」
「そうか……そりゃあなによりだな」
なにより……これだけセキュリティがしっかりしてるのなら、僕の安全はしばらく保証されるということだな。
よかったよかった……。
「カッカッ! と安心してるところ申し訳ないがコヨミよ、レジスタンスにはマグナブラへの前線派遣というものがある。あそこには支部があるからな。もしメンバーに加えられたら、お前はまたマグナブラに戻らなくちゃあいかんくなる」
「げっ……でも大丈夫、そういう時は兵団で鍛えたサボりテクニックを使うから」
「お前は兵団で何を鍛えとるんだ……でも兵団では上手くいったことも、こっちでは上手くいかんかもしれんぞ? 実際わしも、結構苦労させられておるからな。なんせわしは、敵のすぐ懐に忍んでおったんだからな」
「はぁ……そういう苦労話を聞かされると、僕は余計やる気をなくしちゃうからやめた方がいいと思うよ」
「お前なぁ……よくそんな調子で、次世代の勇者候補なんて呼ばれるようになったな」
「あれは別だよ。人間目標のためなら、ある程度限界を超えることもできるってこった」
「カッカッ! そうかそうか……それじゃあこのレジスタンスの活動が、お前の限界を超えさせるほどの価値がある活動だったらいいな?」
「そう持っていくか話を」
「カッカッカッ!!」
マジスターに都合の良い感じで話を切り返されたところで、僕達を乗せたバギーは車両の多く並ぶ倉庫のような場所へと辿り着いた。
倉庫には僕が今乗っているバギーの他に、バイクやトラック、装甲車なんかが二、三十台ほどずらっと並べられている。
一国の兵団が保持している数には満たないものの、しかし一組織が所持している車両の数としては多過ぎるくらいであり、その光景に僕は圧倒されてしまう。
「すごい数の車両だな……これ全部レジスタンスの物なのか?」
「カッカッ! そうだ! 中には敵から奪ってきた物もあるようだが、基本的には支援国から送られてきた物らしい」
「支援国? レジスタンスに協力している国があるのか?」
「ああ、主に有明の協定に入っていない非同盟国がレジスタンスの支援国となってくれている。まあ、彼らも彼らで暁の火からかなり睨みを効かされている連中なんだがな」
「同じ穴の狢ってことか」
「そういうことだな」
一団体組織がどうやってこんな大きな砦を築くことができたのか、これで分かったような気がする。
最早この争いは、マグナブラとレジスタンスとの抗争ではなく、暁の火とそれに反旗を翻す非同盟国との代理戦争となっていたわけだ。
それすらも、目の前の戦火にも気づかず、何も考えることなく兵団でのんびりしていた以前の僕は、なんてお気楽なノーテンキな奴なんだと、今なら非難したくなるものだ。
「さて、これからお前の到着をリーダーに知らせるため、首領室へと向かう。まあそれまでにレジスタンスに入るかどうか考えておいてくれ」
「ここまで連れて来てもらったんだ、一応入るには入るよ」
「カッカッ、そうか。しかしリーダーの入団許可も必要だから、まだわしからようこそとは言えないのだが……まあ、お前をここに連れて来る許可を得られたのだから、多分大丈夫だろう」
「リーダーさんの気まぐれ次第ってことだな」
そんな感じでマジスターと話しながら倉庫を歩いていると、僕の目の前を一人の女性が通りかかった。
赤茶色のレザージャケットを着用し、腰にはホルスターを巻き、拳銃が仕舞われている。おそらくガンマンなのだろうか。
しかし何故僕がその女性に目がいったのかというと、僕が男だからという理由を除いては、彼女の顔にどこか見覚えがあったからだ。
しかも、ごく最近、どこかで見たような顔なんだけど……。
「あ……ア、アンタなんでここにっ!」
僕が朧な記憶を探っていると、彼女は僕の顔を見てビックリ仰天といった感じに目を見開いていた。
この口調……この声……もしかして。
「もしかして君……あの時の路地裏の?」
「ちょっ! ちょちょちょっとそれはっ!」
「路地裏? ルーナ、コイツを知ってるのか?」
「えっ!? あは……あはははは! 知らないわよこんなヤツぅー」
僕に気づいたかと思えば、マジスターに知っているのか問われると知らない振りをしたりして……なにを考えてるんだこの子?
「ほう……なるほど。コヨミが言っていた茶色のドレスの女性はルーナ、お前だったのか。さてはお前、またここを抜け出してマグナブラに勝手に行ったな?」
「い……いや違うのよマジスターさん! わたしは……そうっ! 新しいメンバーの勧誘に行くためにマグナブラに行ったのよ! 勝手じゃないわ!」
「リーダーに指示されてか?」
「ええ、指示されてよ」
「そうか。これからリーダーのところへ向かうのだが、それだったら向かうがてらに、そのことも直接尋ねておくことにしよう」
「いっ!!?」
「指示されたんだろう? ルーナ?」
「うっ……ごめんなさいっ! 勝手に抜け出しましたああああああっ!!」
男たちの背中に現代武器が装備してあるところを見ると、おそらく門番といったところだろうか。
「アトス・マジスターだ。リーダーからの命令により、指定された者を引き連れてきた」
「アトス・マジスター……レジスタンスだと証明できる物は?」
「ほれ」
するとマジスターは自分の財布を取り出し、通貨であるタイトを二タイト門番に支払った。
「確かに」
すると門番は門の両端へと戻って行き、レバーのようなものを二人で一斉に動かすと、閉ざされていた門がたちまち開放された。
「よし! ついに入場するぞコヨミ!」
バギーのエンジンを起動し、マジスターはアクセルを踏んで門を潜り抜けていく。
「なんだあれ……証明できる物って言われて、何で金を出したら通してくれたんだ?」
「んん? カッカッカッ! ありゃ一種の暗号だよ」
「暗号?」
「そう、証明する物だと言われると、例えば身分証明書なんかを最初に想像するだろ? しかしそういう物は、もし敵に倒されて、奪われでもしたら流用されかねん。だからそういう特定の物ではなく、あらかじめ指定された金額のタイトを支払うのが、レジスタンスであるという証明となっているのだ」
「ははあ……なるほど」
「金額も月に一度変更されるから、レジスタンスの者でなければ知り得ないということだな」
「徹底してるな」
「そりゃあ一国どころか、世界をひっくり返そうとしている集団だからな今のレジスタンスは。さっきも言った通り、一人二人の集団じゃあないんだ。これ以外にも様々な用心が成されておるのだ」
「そうか……そりゃあなによりだな」
なにより……これだけセキュリティがしっかりしてるのなら、僕の安全はしばらく保証されるということだな。
よかったよかった……。
「カッカッ! と安心してるところ申し訳ないがコヨミよ、レジスタンスにはマグナブラへの前線派遣というものがある。あそこには支部があるからな。もしメンバーに加えられたら、お前はまたマグナブラに戻らなくちゃあいかんくなる」
「げっ……でも大丈夫、そういう時は兵団で鍛えたサボりテクニックを使うから」
「お前は兵団で何を鍛えとるんだ……でも兵団では上手くいったことも、こっちでは上手くいかんかもしれんぞ? 実際わしも、結構苦労させられておるからな。なんせわしは、敵のすぐ懐に忍んでおったんだからな」
「はぁ……そういう苦労話を聞かされると、僕は余計やる気をなくしちゃうからやめた方がいいと思うよ」
「お前なぁ……よくそんな調子で、次世代の勇者候補なんて呼ばれるようになったな」
「あれは別だよ。人間目標のためなら、ある程度限界を超えることもできるってこった」
「カッカッ! そうかそうか……それじゃあこのレジスタンスの活動が、お前の限界を超えさせるほどの価値がある活動だったらいいな?」
「そう持っていくか話を」
「カッカッカッ!!」
マジスターに都合の良い感じで話を切り返されたところで、僕達を乗せたバギーは車両の多く並ぶ倉庫のような場所へと辿り着いた。
倉庫には僕が今乗っているバギーの他に、バイクやトラック、装甲車なんかが二、三十台ほどずらっと並べられている。
一国の兵団が保持している数には満たないものの、しかし一組織が所持している車両の数としては多過ぎるくらいであり、その光景に僕は圧倒されてしまう。
「すごい数の車両だな……これ全部レジスタンスの物なのか?」
「カッカッ! そうだ! 中には敵から奪ってきた物もあるようだが、基本的には支援国から送られてきた物らしい」
「支援国? レジスタンスに協力している国があるのか?」
「ああ、主に有明の協定に入っていない非同盟国がレジスタンスの支援国となってくれている。まあ、彼らも彼らで暁の火からかなり睨みを効かされている連中なんだがな」
「同じ穴の狢ってことか」
「そういうことだな」
一団体組織がどうやってこんな大きな砦を築くことができたのか、これで分かったような気がする。
最早この争いは、マグナブラとレジスタンスとの抗争ではなく、暁の火とそれに反旗を翻す非同盟国との代理戦争となっていたわけだ。
それすらも、目の前の戦火にも気づかず、何も考えることなく兵団でのんびりしていた以前の僕は、なんてお気楽なノーテンキな奴なんだと、今なら非難したくなるものだ。
「さて、これからお前の到着をリーダーに知らせるため、首領室へと向かう。まあそれまでにレジスタンスに入るかどうか考えておいてくれ」
「ここまで連れて来てもらったんだ、一応入るには入るよ」
「カッカッ、そうか。しかしリーダーの入団許可も必要だから、まだわしからようこそとは言えないのだが……まあ、お前をここに連れて来る許可を得られたのだから、多分大丈夫だろう」
「リーダーさんの気まぐれ次第ってことだな」
そんな感じでマジスターと話しながら倉庫を歩いていると、僕の目の前を一人の女性が通りかかった。
赤茶色のレザージャケットを着用し、腰にはホルスターを巻き、拳銃が仕舞われている。おそらくガンマンなのだろうか。
しかし何故僕がその女性に目がいったのかというと、僕が男だからという理由を除いては、彼女の顔にどこか見覚えがあったからだ。
しかも、ごく最近、どこかで見たような顔なんだけど……。
「あ……ア、アンタなんでここにっ!」
僕が朧な記憶を探っていると、彼女は僕の顔を見てビックリ仰天といった感じに目を見開いていた。
この口調……この声……もしかして。
「もしかして君……あの時の路地裏の?」
「ちょっ! ちょちょちょっとそれはっ!」
「路地裏? ルーナ、コイツを知ってるのか?」
「えっ!? あは……あはははは! 知らないわよこんなヤツぅー」
僕に気づいたかと思えば、マジスターに知っているのか問われると知らない振りをしたりして……なにを考えてるんだこの子?
「ほう……なるほど。コヨミが言っていた茶色のドレスの女性はルーナ、お前だったのか。さてはお前、またここを抜け出してマグナブラに勝手に行ったな?」
「い……いや違うのよマジスターさん! わたしは……そうっ! 新しいメンバーの勧誘に行くためにマグナブラに行ったのよ! 勝手じゃないわ!」
「リーダーに指示されてか?」
「ええ、指示されてよ」
「そうか。これからリーダーのところへ向かうのだが、それだったら向かうがてらに、そのことも直接尋ねておくことにしよう」
「いっ!!?」
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