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THE GROUND ZERO Chapter2
第5章 抵抗者達【2】
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「ううむ……そろそろあれが見えてくると思うのだが……」
バギーは今、何も無い荒野を走っている。
遠くに岩場が見えたりするが、基本はだだっ広い、ただの荒野だ。
「マジスターさん、ここはどれくらいマグナブラから離れた場所なんですか?」
僕はあまりマグナブラの外に出たことが無かったので、この荒野が一体どの場所なのか、それが分からなかった。
遠征があっても、頑なにサボっていたからね。
「う~む……正確な距離は分からんが、マグナブラから約四百キロ程離れた場所かな。マグナブラのすぐ外はこんな荒野がずっと広がっているからな」
「ふうん、そうなんだ……ということはレジスタンスの連中は、こんな長い距離を毎回往復してマグナブラに来ていたのか?」
「カッカッ! そんな七面倒臭いことはさすがにしとらん。本拠地がこれだけ離れているだけで、マグナブラの市街地には別に支部がある。まあだから、本拠地からその支部に派遣されるという形になっているな。わしの場合は兵士だという点を利用して、兵団に潜り込んでいたのだけどな」
「なるほどな」
まあ、普通に考えたらそうだよな。
しかし兵団は、その支部すらもまだ見つけられていないところを考えると、こんなに離れた本拠地など早々見つけられるはずも無く、しばらくは雲隠れができそうだ。
まあ……国王を殺した大罪のほとぼりが冷めるのが、一体何年かかるかだなんて、途方もなさ過ぎて考えるだけ無駄なような気がするが。
「でも、昨日の晩から走り出してまだ四百キロか……僕はてっきりもっと遠いところ、隣国との国境をとっくに越えているのかと思っていたよ」
「カッカッ! まあ普通に走っていれば、アジトにはもう着いていただろう。だが途中で追手がやって来てな……奴らを撒くのに大幅な迂回をしたり、隠れながら走っておったから、かなり時間をロスしてしまったわ」
「追手が……僕が寝てる間にそんなことが……」
「まったく……あれだけ車が揺れとったのに、そんなものに動じることなく寝とったからなお前は……逃げ切れたから良かったものの、もし迎撃されとったら真っ先にお前は死んどったぞ?」
「うーん……つまり僕は二度も、マジスターさんに命を救われたってことなのか……」
「そうだ! 少しは感謝せい!」
「そうですね……今度コーヒー奢りますよ。二杯分」
「命を救った見返りがコーヒーってあまりにも軽すぎるだろっ! しかもコーヒー二杯も飲んだら、わしがその晩眠れんくなるだろうが!」
「夜も眠らず、僕の警護をよろしくお願いします。僕はその間熟睡するんで」
「わしはお前のボディガードじゃあなああああいっ!!」
そんなこんな戯れながら、僕達は広い荒野をバギーで突っ走る。
ずっと同じような景色が続いているので、僕には一体自分が今どこにいるのか、また先に進んでいるのか、それすらも分からない。
しかしマジスターはそんな僕とは違うようで、おそらく着実にレジスタンスの本拠地に向けてバギーを走らせている。その証拠に、マジスターはどうやら、本拠地のある場所の手掛かりを見つけたようだった。
「ん……おっ! 見えてきた四本の柱岩だ!」
「柱岩?」
「前にひょろ長い四本の岩が並んどるだろ? あの岩がアジトまでの目印になっているんだ。あれを越えた先に、レジスタンスのアジトがある!」
「あの岩の先にか……」
マジスターの言う通り、今まで何処まで行っても同じような風景だった荒野に、見たことの無い四本の柱状になった細い岩が連なっていた。
バギーはその岩のある方角へと真っ直ぐに進んでいき、岩の真下を過ぎ、その先へと出た瞬間、僕はその光景に目を疑った。
「な……なんだこれは……岩山……なのか!?」
そこにあったのは、巨大な岩山だった。
いやしかし……岩山にしてはごつごつした段差なんかが全く無い。そう、その岩山はまるで、そこら辺に落ちている一つの石っころを、丸々山程の規模に大きくしたもののように、僕には見えた。
「カッカッカッ! 山のように見えるだろ? しかしあれは、巨大な一枚岩なんだ。エトワール・ロックといってな。その昔、落ちてきた隕石がそのまま欠けることなく、この地に留まったものだと言われておる」
「なるほど、隕石なんだこれ」
「だけどこの隕石が降り注いだ影響で、ここら一帯は荒野になってしまったという一説があるがな」
「ふうん……自然の力ってすごいな」
「カッカッ! こんなもん見たら、人間なんぞよほどチンケなもんだと思えてくるもんだろ?」
「まあ……そうだな」
自然はこんな大きな力が働かないと微動だにしないというのに、俺達の世界は、たった一人の人間が数人に寄ってたかられて、いとも容易く首を刎ねられて、大混乱を起こすような世界だからな。
本当にちんけだな……僕達の世界は。
「エトワール・ロックの麓にアジトはある。あともう少しで到着だ」
「麓に……でもこんな目立つような場所にアジトを作って、よくこれまでばれなかったもんだな」
「カッカッ……いやぁ、わしも最初アジトに来た時はそう思ったが、この先に向かうと何故これまで見つからなかったのか、その理由が多分お前でも分かると思うぞ?」
ニヤリといったような感じでマジスターは笑い、僕の驚く姿が早く見たいのだろうか、アクセルを踏み込みバギーのスピードを上げる。
ふむ……そんなに期待されてしまうと、むしろその期待を大きく裏切りたくなるもので、こうなったら絶対に驚かないぞと、天邪鬼のような決心をしたのだが。
「おっ……おおおおおおおっ!!」
僕はマジスターの狙い通り、それを見て驚愕した。
エトワール・ロック、その巨大な一枚岩に、ほんの一部だけ亀裂が入っている場所がある。
しかしその巨大な岩からみると、亀裂はほんの一部といった感じなのだが、しかし僕達人間からすると、その亀裂は巨大な渓谷のようになっており、その渓谷の最深部付近に、巨大な砦のようなものが築かれていた。
「カッカッカッ! 見ろコヨミ、あれが我らレジスタンスの本拠地ユスティーツフォートだ! まさかこんな所に砦を築くなど誰も考えまい!」
「ああ……ここなら見つかることも無いだろうし、この峡谷が天然の要害になってて攻めるにも攻められない。完璧な要塞じゃないか」
「カッカッカッカッ!」
「……言っておくけど、僕が褒めてるのはこの砦で、マジスターさんのことを褒めてるわけじゃないからね」
「カッカッ……はぁ……何で急にそんな意地悪なことを言うんだ? 人がせっかく上機嫌だったというのに」
「いや、なんか勘違いされてたら嫌だなって思って。勘違いして天狗になってるおっさんの姿を見ると、ハラワタが煮えたぎるくらいイライラしてくるんで」
「勘違いだけでそんなに憎悪を抱かんでもいいだろっ! どれだけおっさんが浮かれるのが嫌いなんだよお前は!」
「だって何の需要も無いし……」
「需要とか言うんじゃあなああああいっ!!」
バギーは今、何も無い荒野を走っている。
遠くに岩場が見えたりするが、基本はだだっ広い、ただの荒野だ。
「マジスターさん、ここはどれくらいマグナブラから離れた場所なんですか?」
僕はあまりマグナブラの外に出たことが無かったので、この荒野が一体どの場所なのか、それが分からなかった。
遠征があっても、頑なにサボっていたからね。
「う~む……正確な距離は分からんが、マグナブラから約四百キロ程離れた場所かな。マグナブラのすぐ外はこんな荒野がずっと広がっているからな」
「ふうん、そうなんだ……ということはレジスタンスの連中は、こんな長い距離を毎回往復してマグナブラに来ていたのか?」
「カッカッ! そんな七面倒臭いことはさすがにしとらん。本拠地がこれだけ離れているだけで、マグナブラの市街地には別に支部がある。まあだから、本拠地からその支部に派遣されるという形になっているな。わしの場合は兵士だという点を利用して、兵団に潜り込んでいたのだけどな」
「なるほどな」
まあ、普通に考えたらそうだよな。
しかし兵団は、その支部すらもまだ見つけられていないところを考えると、こんなに離れた本拠地など早々見つけられるはずも無く、しばらくは雲隠れができそうだ。
まあ……国王を殺した大罪のほとぼりが冷めるのが、一体何年かかるかだなんて、途方もなさ過ぎて考えるだけ無駄なような気がするが。
「でも、昨日の晩から走り出してまだ四百キロか……僕はてっきりもっと遠いところ、隣国との国境をとっくに越えているのかと思っていたよ」
「カッカッ! まあ普通に走っていれば、アジトにはもう着いていただろう。だが途中で追手がやって来てな……奴らを撒くのに大幅な迂回をしたり、隠れながら走っておったから、かなり時間をロスしてしまったわ」
「追手が……僕が寝てる間にそんなことが……」
「まったく……あれだけ車が揺れとったのに、そんなものに動じることなく寝とったからなお前は……逃げ切れたから良かったものの、もし迎撃されとったら真っ先にお前は死んどったぞ?」
「うーん……つまり僕は二度も、マジスターさんに命を救われたってことなのか……」
「そうだ! 少しは感謝せい!」
「そうですね……今度コーヒー奢りますよ。二杯分」
「命を救った見返りがコーヒーってあまりにも軽すぎるだろっ! しかもコーヒー二杯も飲んだら、わしがその晩眠れんくなるだろうが!」
「夜も眠らず、僕の警護をよろしくお願いします。僕はその間熟睡するんで」
「わしはお前のボディガードじゃあなああああいっ!!」
そんなこんな戯れながら、僕達は広い荒野をバギーで突っ走る。
ずっと同じような景色が続いているので、僕には一体自分が今どこにいるのか、また先に進んでいるのか、それすらも分からない。
しかしマジスターはそんな僕とは違うようで、おそらく着実にレジスタンスの本拠地に向けてバギーを走らせている。その証拠に、マジスターはどうやら、本拠地のある場所の手掛かりを見つけたようだった。
「ん……おっ! 見えてきた四本の柱岩だ!」
「柱岩?」
「前にひょろ長い四本の岩が並んどるだろ? あの岩がアジトまでの目印になっているんだ。あれを越えた先に、レジスタンスのアジトがある!」
「あの岩の先にか……」
マジスターの言う通り、今まで何処まで行っても同じような風景だった荒野に、見たことの無い四本の柱状になった細い岩が連なっていた。
バギーはその岩のある方角へと真っ直ぐに進んでいき、岩の真下を過ぎ、その先へと出た瞬間、僕はその光景に目を疑った。
「な……なんだこれは……岩山……なのか!?」
そこにあったのは、巨大な岩山だった。
いやしかし……岩山にしてはごつごつした段差なんかが全く無い。そう、その岩山はまるで、そこら辺に落ちている一つの石っころを、丸々山程の規模に大きくしたもののように、僕には見えた。
「カッカッカッ! 山のように見えるだろ? しかしあれは、巨大な一枚岩なんだ。エトワール・ロックといってな。その昔、落ちてきた隕石がそのまま欠けることなく、この地に留まったものだと言われておる」
「なるほど、隕石なんだこれ」
「だけどこの隕石が降り注いだ影響で、ここら一帯は荒野になってしまったという一説があるがな」
「ふうん……自然の力ってすごいな」
「カッカッ! こんなもん見たら、人間なんぞよほどチンケなもんだと思えてくるもんだろ?」
「まあ……そうだな」
自然はこんな大きな力が働かないと微動だにしないというのに、俺達の世界は、たった一人の人間が数人に寄ってたかられて、いとも容易く首を刎ねられて、大混乱を起こすような世界だからな。
本当にちんけだな……僕達の世界は。
「エトワール・ロックの麓にアジトはある。あともう少しで到着だ」
「麓に……でもこんな目立つような場所にアジトを作って、よくこれまでばれなかったもんだな」
「カッカッ……いやぁ、わしも最初アジトに来た時はそう思ったが、この先に向かうと何故これまで見つからなかったのか、その理由が多分お前でも分かると思うぞ?」
ニヤリといったような感じでマジスターは笑い、僕の驚く姿が早く見たいのだろうか、アクセルを踏み込みバギーのスピードを上げる。
ふむ……そんなに期待されてしまうと、むしろその期待を大きく裏切りたくなるもので、こうなったら絶対に驚かないぞと、天邪鬼のような決心をしたのだが。
「おっ……おおおおおおおっ!!」
僕はマジスターの狙い通り、それを見て驚愕した。
エトワール・ロック、その巨大な一枚岩に、ほんの一部だけ亀裂が入っている場所がある。
しかしその巨大な岩からみると、亀裂はほんの一部といった感じなのだが、しかし僕達人間からすると、その亀裂は巨大な渓谷のようになっており、その渓谷の最深部付近に、巨大な砦のようなものが築かれていた。
「カッカッカッ! 見ろコヨミ、あれが我らレジスタンスの本拠地ユスティーツフォートだ! まさかこんな所に砦を築くなど誰も考えまい!」
「ああ……ここなら見つかることも無いだろうし、この峡谷が天然の要害になってて攻めるにも攻められない。完璧な要塞じゃないか」
「カッカッカッカッ!」
「……言っておくけど、僕が褒めてるのはこの砦で、マジスターさんのことを褒めてるわけじゃないからね」
「カッカッ……はぁ……何で急にそんな意地悪なことを言うんだ? 人がせっかく上機嫌だったというのに」
「いや、なんか勘違いされてたら嫌だなって思って。勘違いして天狗になってるおっさんの姿を見ると、ハラワタが煮えたぎるくらいイライラしてくるんで」
「勘違いだけでそんなに憎悪を抱かんでもいいだろっ! どれだけおっさんが浮かれるのが嫌いなんだよお前は!」
「だって何の需要も無いし……」
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