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THE GROUND ZERO Chapter4
第12章 破皇の再臨【4】
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「でもマジスター……そんな何百年も前からある剣が、あの爆発に耐えられるのかな?」
そう、僕はあの未曽有の大爆発をこの目で直に見て、そしてその爆発が残した惨状を今も見ている。
一つの要塞どころか、マグナブラ荒野の象徴であるエトワール・ロックの半分を丸ごと消し去ったほどの脅威。その脅威に、たった一本の、しかも何百年も昔から存在する剣が耐え抜けるとは、現実的に考えたら不可能である。
例えそれが、伝説の剣と呼ばれていようともだ。
「さあどうだろうな……現実的に考えれば無理だろうが、しかしこの世界には、現実と同じ分だけ奇跡もある。それにああなったルーナを止めるのは、いくらわしでも無理だぞ?」
そう言ったマジスターの指さす方向を見ると、誰よりも先に太陽の剣を探し始めたルーナの姿が、随分と小さくなるまで離れてしまっていた。
そうと決めたら真っ直ぐに突っ込んで行く……ホント猪みたいな子だな。
「そうだね……マジスターが無理なら、僕も止めれないよ。というか僕の場合、止めたら返り討ちを食らいそうだ……」
「カッカッカッ! じゃあ決まりだな!」
「二人ともなにボケっと突っ立ってるのよっ! ほら探す探すっ!」
遠くからルーナの叱咤する声が聞こえ、僕達は彼女の背を追うため、その場から歩み始めた。
『フン、やっと探す気になったか人間よ』
しばらく聞こえなかったライフ・ゼロだと名乗る者からの声が、再び聞こえてきた。
(別に僕はお前をまだ、ライフ・ゼロだと認めたわけじゃないからな)
『キッキッ……うぬがどう思おうが構わん』
(えらい余裕だな)
『うぬが何と言おうと、我がライフ・ゼロだという現実は変わらんからな。うぬが我を見つけた時、あっと驚くであろう』
(ドッキリっていうのは、正体不明のモノが現れたりするから驚くのであって、僕は仮にもお前の正体が分かっちゃってるから、そこまで驚かないぞ)
『おやおや、それは残念だ』
どこまでも余裕綽々の様子な上、僕を弄んでくるライフ・ゼロ……だと思われる声。
半信半疑であるとはいえ、もしコイツが本当にライフ・ゼロだったとしても、僕はそこまで驚かないだろう。
しかしそれは、その正体が分かっているからではない。その余裕から、態度から、言ってしまえば声からも、凄味というか、只者ではないという威圧感のようなものを感じるからだ。
だが、何故コイツは僕のことを『同類』だと言ったのだろうか……僕は大魔王でも無ければ、魔物ですらないというのに。
その真意とは……。
「ちょっと、コヨミ!」
僕がライフ・ゼロとの会話を終えて、考えに更けていると、右耳の方から超至近距離でルーナの怒鳴り声が、僕の鼓膜を突き破るかのように飛んできた。
「うわっっ!!? な……なんだビックリしたぁ!!」
「ビックリしたぁ……っじゃないわよっ!! ずっっっっとぼけーっとしてて!! 探す気あるの!?」
「あるよ。だけど今は、その探してくれって言ってきた依頼主と話してたんだよ」
「話してたって……そのライフなんとかっていう人の声が聞こえてきたってこと?」
「ライフ・ゼロだよ……ゼロよりなんとかの方が文字数多いのに……」
「名前なんかその内覚えるからいいのよ! それよりアンタ、今もその人と話せれるの?」
「え? まあ大丈夫だと思うけど……」
「それだったらその人に、今周りの風景が見えるかどうか訊いてみてよ」
「風景が? なんで?」
「だってアンタが言うには、その人その剣の中に封印されてるんでしょ? だったら外の風景が見えれば、剣のある位置の手掛かりが掴めるじゃない」
「ああ、なるほど」
確かに良いアイデアかもしれない。
僕はルーナの指示通り、ライフ・ゼロ……だと思われるやつを、こちらから呼び出してみることにした。
(おい、聞こえてるか?)
『……うぬ、人間の分際で我を馴れ馴れしく呼び出すな』
(お前は僕を呼びだしてくるくせに、文句言うなよな……)
『フン……して、なにようだ?』
(お前、周りに何か見えるか?)
『周り? 周りというのは、外のことか?』
(そうだ。何か手掛かりになるような物が見えたりしないか?)
『ちと待て』
それから僅か数秒ほど待ち、再び声が聞こえてきた。
『うむ……どうやら若干、我の力が降ってきた巨大な魔力により回復しているようだ。以前までは剣の外側などまったく見えなかったのだが、今はしかと見えたぞ……が、しかし』
(しかし?)
『うむ、見えぬ』
(見えないだって? さっきは剣の外側が見えるって言ってたじゃないか)
『剣の外側は見える……が、その剣自体がどうやら、真っ暗な場所かあるいは何かの下敷きになってしもうて、何も見えん』
(まさかあの爆風で、どこか遠くに吹き飛んだとか!?)
『そうかもしれんが、しかしうぬとこうして念波で会話ができている以上、そう遠くには飛んでないはずだ……むむっ!』
(今度は何だ?)
『僅かだが、光が見える。横に筋のような光が……どうやらこの剣は、何かの下敷きになってしまってるようだな』
何かの下敷きか……そういえば僕らがバイクを止めた場所にも、爆発の影響で崩れた岩がいくつか転がってたな。
多分それらの落石の、どれかの下敷きになっちまっているということなのだろうが、しかし無数というほどではないにしろ、バイクを止めた場所とそれ以外の場所にも多くの岩が転がっていたため、それら全てを根こそぎ調べ尽くすには、膨大な時間が掛かってしまう。
もう少しはっきりとした情報が欲しいところだが……。
『む……んん?』
(今度はどうした?)
『いや、光の先に何か見える』
(本当か!? どんなものだ?)
『どんなものか……残念だが我には説明できん……』
(説明できないだと?)
『あれは我の知らぬ物だ。しかもそれが二つもある』
(う~ん……どんな形をしているかくらいは説明できないか?)
『注文の多い人間だな……そうだな……馬車よりも小さい、車輪が二つくっついている物だ。一つが黒くて、もう一つが……なんだあれは? シマシマと言えばよかろうか?』
(車輪が二つで、一つが黒で、もう一つがシマシマ!? そうか! 分かったぞ場所が!)
もしこの声の主が本当にライフ・ゼロであって、本当に太陽の剣に封印されているのであれば、どうやら捜索するまでも無いほど、僕達の至近距離に太陽の剣は落ちていたようだ。
まさに伝説の剣を手にする千載一遇のチャンスではあるが、しかしそれを見つけることは、その伝説自体が偽りだったという証明にもなってしまうわけだ。
そして僕達は認めなければならない……ライフ・ゼロがまだこの世にいるという事実を。
なんて皮肉な話なんだろうな……ホントによくできた話だ。
そう、僕はあの未曽有の大爆発をこの目で直に見て、そしてその爆発が残した惨状を今も見ている。
一つの要塞どころか、マグナブラ荒野の象徴であるエトワール・ロックの半分を丸ごと消し去ったほどの脅威。その脅威に、たった一本の、しかも何百年も昔から存在する剣が耐え抜けるとは、現実的に考えたら不可能である。
例えそれが、伝説の剣と呼ばれていようともだ。
「さあどうだろうな……現実的に考えれば無理だろうが、しかしこの世界には、現実と同じ分だけ奇跡もある。それにああなったルーナを止めるのは、いくらわしでも無理だぞ?」
そう言ったマジスターの指さす方向を見ると、誰よりも先に太陽の剣を探し始めたルーナの姿が、随分と小さくなるまで離れてしまっていた。
そうと決めたら真っ直ぐに突っ込んで行く……ホント猪みたいな子だな。
「そうだね……マジスターが無理なら、僕も止めれないよ。というか僕の場合、止めたら返り討ちを食らいそうだ……」
「カッカッカッ! じゃあ決まりだな!」
「二人ともなにボケっと突っ立ってるのよっ! ほら探す探すっ!」
遠くからルーナの叱咤する声が聞こえ、僕達は彼女の背を追うため、その場から歩み始めた。
『フン、やっと探す気になったか人間よ』
しばらく聞こえなかったライフ・ゼロだと名乗る者からの声が、再び聞こえてきた。
(別に僕はお前をまだ、ライフ・ゼロだと認めたわけじゃないからな)
『キッキッ……うぬがどう思おうが構わん』
(えらい余裕だな)
『うぬが何と言おうと、我がライフ・ゼロだという現実は変わらんからな。うぬが我を見つけた時、あっと驚くであろう』
(ドッキリっていうのは、正体不明のモノが現れたりするから驚くのであって、僕は仮にもお前の正体が分かっちゃってるから、そこまで驚かないぞ)
『おやおや、それは残念だ』
どこまでも余裕綽々の様子な上、僕を弄んでくるライフ・ゼロ……だと思われる声。
半信半疑であるとはいえ、もしコイツが本当にライフ・ゼロだったとしても、僕はそこまで驚かないだろう。
しかしそれは、その正体が分かっているからではない。その余裕から、態度から、言ってしまえば声からも、凄味というか、只者ではないという威圧感のようなものを感じるからだ。
だが、何故コイツは僕のことを『同類』だと言ったのだろうか……僕は大魔王でも無ければ、魔物ですらないというのに。
その真意とは……。
「ちょっと、コヨミ!」
僕がライフ・ゼロとの会話を終えて、考えに更けていると、右耳の方から超至近距離でルーナの怒鳴り声が、僕の鼓膜を突き破るかのように飛んできた。
「うわっっ!!? な……なんだビックリしたぁ!!」
「ビックリしたぁ……っじゃないわよっ!! ずっっっっとぼけーっとしてて!! 探す気あるの!?」
「あるよ。だけど今は、その探してくれって言ってきた依頼主と話してたんだよ」
「話してたって……そのライフなんとかっていう人の声が聞こえてきたってこと?」
「ライフ・ゼロだよ……ゼロよりなんとかの方が文字数多いのに……」
「名前なんかその内覚えるからいいのよ! それよりアンタ、今もその人と話せれるの?」
「え? まあ大丈夫だと思うけど……」
「それだったらその人に、今周りの風景が見えるかどうか訊いてみてよ」
「風景が? なんで?」
「だってアンタが言うには、その人その剣の中に封印されてるんでしょ? だったら外の風景が見えれば、剣のある位置の手掛かりが掴めるじゃない」
「ああ、なるほど」
確かに良いアイデアかもしれない。
僕はルーナの指示通り、ライフ・ゼロ……だと思われるやつを、こちらから呼び出してみることにした。
(おい、聞こえてるか?)
『……うぬ、人間の分際で我を馴れ馴れしく呼び出すな』
(お前は僕を呼びだしてくるくせに、文句言うなよな……)
『フン……して、なにようだ?』
(お前、周りに何か見えるか?)
『周り? 周りというのは、外のことか?』
(そうだ。何か手掛かりになるような物が見えたりしないか?)
『ちと待て』
それから僅か数秒ほど待ち、再び声が聞こえてきた。
『うむ……どうやら若干、我の力が降ってきた巨大な魔力により回復しているようだ。以前までは剣の外側などまったく見えなかったのだが、今はしかと見えたぞ……が、しかし』
(しかし?)
『うむ、見えぬ』
(見えないだって? さっきは剣の外側が見えるって言ってたじゃないか)
『剣の外側は見える……が、その剣自体がどうやら、真っ暗な場所かあるいは何かの下敷きになってしもうて、何も見えん』
(まさかあの爆風で、どこか遠くに吹き飛んだとか!?)
『そうかもしれんが、しかしうぬとこうして念波で会話ができている以上、そう遠くには飛んでないはずだ……むむっ!』
(今度は何だ?)
『僅かだが、光が見える。横に筋のような光が……どうやらこの剣は、何かの下敷きになってしまってるようだな』
何かの下敷きか……そういえば僕らがバイクを止めた場所にも、爆発の影響で崩れた岩がいくつか転がってたな。
多分それらの落石の、どれかの下敷きになっちまっているということなのだろうが、しかし無数というほどではないにしろ、バイクを止めた場所とそれ以外の場所にも多くの岩が転がっていたため、それら全てを根こそぎ調べ尽くすには、膨大な時間が掛かってしまう。
もう少しはっきりとした情報が欲しいところだが……。
『む……んん?』
(今度はどうした?)
『いや、光の先に何か見える』
(本当か!? どんなものだ?)
『どんなものか……残念だが我には説明できん……』
(説明できないだと?)
『あれは我の知らぬ物だ。しかもそれが二つもある』
(う~ん……どんな形をしているかくらいは説明できないか?)
『注文の多い人間だな……そうだな……馬車よりも小さい、車輪が二つくっついている物だ。一つが黒くて、もう一つが……なんだあれは? シマシマと言えばよかろうか?』
(車輪が二つで、一つが黒で、もう一つがシマシマ!? そうか! 分かったぞ場所が!)
もしこの声の主が本当にライフ・ゼロであって、本当に太陽の剣に封印されているのであれば、どうやら捜索するまでも無いほど、僕達の至近距離に太陽の剣は落ちていたようだ。
まさに伝説の剣を手にする千載一遇のチャンスではあるが、しかしそれを見つけることは、その伝説自体が偽りだったという証明にもなってしまうわけだ。
そして僕達は認めなければならない……ライフ・ゼロがまだこの世にいるという事実を。
なんて皮肉な話なんだろうな……ホントによくできた話だ。
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