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THE GROUND ZERO Chapter4
第12章 破皇の再臨【9】
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「お前が……ライフ・ゼロか?」
僕が訊くと、ライフ・ゼロはニヤリと笑って返してきた。
「いかにも。だが、魔力がまだ完全に戻っていないせいか、姿は完全体ではない。人間でいうところの、子供の状態だな」
「あ、やっぱりそうなんだ」
「どうだ? 子供ながら、人間には無い美しさを持っておろう?」
確かに人間には無い、なんというか魅了されるようなものを持っているが、しかしそれを自分で言うのか……。
かなりの自信家だな。さすがは魔王だ。
「そうだうぬ、我を彼らに紹介せよ。呆然としておるではないか」
ライフ・ゼロが指さしている先には、唖然呆然と、その場に突っ立っているマジスターとルーナがいた。
まあ突然目の前に魔王が現れたんだし、しかもそれが子供みたいな見た目だし……困惑する点が多すぎるよなこれ。
「えっと……二人とも紹介するよ。ライフ・ゼロだ」
「なんじゃそれは、もっとしっかり紹介せんか!」
「だって僕、それほどお前のこと知らないし……」
「まったく……キッキッ、人間共よ。我こそがかつて、この世界を滅亡の淵にまで追い込んだ存在。うぬら人間にはライフ・ゼロと呼ばれ恐れられた存在だ」
小さな胸を思いっきり張って、ライフ・ゼロは自慢げに言う。
これ……自己紹介なのか? でもまあ、言ってることは本人が本当にやったことだから……そうではあるのか。
僕も一度でいいから言ってみたいなぁ……世界を掌握したとかさ。ロマンだよ。
「ほ……本当にお前があのライフ・ゼロなのか?」
マジスターが問い掛けると、ライフ・ゼロは頭を縦に振った。
「いかにも。うぬは何者だ?」
「わ……わしはアトス・マジスターだ」
「マジスターか。そちは知恵もあり、頭もよく回る者のようだな。この中では、参謀といったところか?」
「わしのことを知っておるのか?」
「知らぬ。ただ剣の中から見た感じ、そんな気がしただけだ」
「あんな短時間でそこまで見抜いたというのか?」
「我はかつて数多くの魔物を適材適所に配置しておった。だから鑑識眼はあると自負しておる」
「う……むむむむ。さすがは魔王だといったところか」
「キッキッキッ! 褒められるのは気分が良い、もっと褒めてもいいのだぞ?」
ライフ・ゼロが褒められた悦楽に浸り、笑い始めると、その姿を見てマジスターは肩の力が抜けたのか、共に笑い始めた。
「……フッ……カッカッカッ!! あの破皇と呼ばれた者が、こんなにも気さくな奴だとは思いもしなかったわ! やはり本当の人柄とは、直接本人に会わないと分からないものだな!」
「人柄か。しかし我は人では無いがな」
「おっ! カッカッカッ! これは一本取られた!」
「キッキッキッ!」
最初の内は、二人の間に重い不穏な空気が流れていたのだが、しかしどうやら分かり合えたようで、くだらないことで二人してカッカッキッキッ笑い合っていた。
共に笑い声にクセのある、ある意味良いコンビなのかもしれないな。
「そしてうぬが……キッキッ……」
「な……なんでわたしの顔を見て笑うのよ……」
「いやスマンスマン、剣の中で見ていたうぬの姿が、あまりにもじゃじゃ馬だったからな」
「じゃ……じゃじゃ馬……」
ストレートに言われてしまい、ルーナは顔を真っ赤に染める。
ぷっ……さすがは魔王の鑑識眼、その通りだ! いや、目ん玉持ってるやつが彼女の姿を見たら、誰でもそう思うかな?
「ちょっとコヨミ! なに後ろで笑ってるのよ!」
「えっ? い……いや……笑ってなんかいないよ」
「むううううううううあああああああああっ!!」
ルーナはトマトのような顔をして、その場で地団太を踏んで、何故かものすごく悔しそうにしている。
じゃじゃ馬と言われたのに腹を立てているのか、それとも僕が笑ったことに怒っているのか……おそらく両者掛け合わせて、あのような怒りの表現になっちゃってるんだろうな。
ホント、怒ってる時ですら正直な子だなぁ。
「キッキッキッ……そう怒るな。じゃじゃ馬といっても、うぬには勢いがある。そういう者は戦いにおいて、真っ先に味方の士気を高める者となりえるから貴重な存在だ。それこそ、そこでニヤケ面を浮かべとるヤツよりかはな?」
そう言って僕の方を一瞥する、ライフ・ゼロ。
「ほっとけ……」
年中だらけてる僕には、関係の無い話だ。
確かにルーナの活発な姿を見ていると、僕にもその勢いが伝わってくるような、そんな気はするけど、でもそれを制御できないから彼女はじゃじゃ馬なんだよ……。
まあ……それが彼女の魅力でもある気はするけど。
「ん? キッキッ! そうかそうか。まあそうだな……容姿もまあ、我には劣るにせよ、彼女は端麗であるからな」
「あ? ……お、お前今っ!!」
「キッキッキッキッキッキッ!」
ライフ・ゼロはイタズラな笑みを浮かべる。
コイツ今、僕の思ったことを聞いてやがったな! なんて破廉恥な!!
コイツを取り込んだことによって、僕は思うことすらも、考えてから思わなくちゃならないのか。
僕の究極のプライベート空間が無くなっちまった!
「コヨミ、なにこの子にガン飛ばしてるのよ?」
さっきまで地団太を踏んでいたルーナが、訝しい顔つきで僕を見ている。
「え? いや別に……」
「そういえばその子、さっき容姿がどうとかって……」
「そんなこと言ってた?」
「アンタ……何か聞いてたでしょ?」
「知らぬ」
「口調がおかしいわよ」
「断じて知らぬ!」
僕は二枚貝のようにガッチリと口を閉じ、黙秘権を行使する。
「…………まあいいわ。確かにわたしも、その子の言う通りもう大人なんだから、少しは自分を制御できるようにならないといけないなとは思ってたし……」
「えっ? 思ってたんだ?」
「思ってたわよ!!」
ルーナにその自覚があったことが、僕にとっては一番の驚きだよ。
人の忠告も、自分のやらかしたことも顧みないような、そんな猪突猛進という言葉を人に置き換えたような子だと思っていたんだけどな。
「フン……コヨミ。うぬはそんなのだから女子にモテんのだ」
「んなっ!?」
ライフ・ゼロは鼻を鳴らして、僕に向かってそう言い切る。
何故コイツ、僕がモテないのを知ってるんだ……まさか記憶まで覗き見たのか!?
「キッキッ、我の一部がうぬの中に入ったにせよ、過去の記憶までは見ることはできん。これは我の直感だ」
「なんだよお前……女心が分かるとでもいうのかよ?」
「そうだな。我は女でもあるからな」
「女……でもある?」
それは確かに引っかかる言い方だった。
女でもある……ということは、男でもあるとでもいうのか?
「いかにも。我は女でもあって男でもある。逆を言えば、女でも無ければ男でも無い」
「ええっ? わたしてっきり、男の子だと思ってた!」
それを聞いて、驚きの反応を示すルーナ。
ちなみに僕は、女の子だと思っていたのだが……まさかどっちでも無いなんていう選択肢を持ち合わせているとは、考えもしなかった。
僕が訊くと、ライフ・ゼロはニヤリと笑って返してきた。
「いかにも。だが、魔力がまだ完全に戻っていないせいか、姿は完全体ではない。人間でいうところの、子供の状態だな」
「あ、やっぱりそうなんだ」
「どうだ? 子供ながら、人間には無い美しさを持っておろう?」
確かに人間には無い、なんというか魅了されるようなものを持っているが、しかしそれを自分で言うのか……。
かなりの自信家だな。さすがは魔王だ。
「そうだうぬ、我を彼らに紹介せよ。呆然としておるではないか」
ライフ・ゼロが指さしている先には、唖然呆然と、その場に突っ立っているマジスターとルーナがいた。
まあ突然目の前に魔王が現れたんだし、しかもそれが子供みたいな見た目だし……困惑する点が多すぎるよなこれ。
「えっと……二人とも紹介するよ。ライフ・ゼロだ」
「なんじゃそれは、もっとしっかり紹介せんか!」
「だって僕、それほどお前のこと知らないし……」
「まったく……キッキッ、人間共よ。我こそがかつて、この世界を滅亡の淵にまで追い込んだ存在。うぬら人間にはライフ・ゼロと呼ばれ恐れられた存在だ」
小さな胸を思いっきり張って、ライフ・ゼロは自慢げに言う。
これ……自己紹介なのか? でもまあ、言ってることは本人が本当にやったことだから……そうではあるのか。
僕も一度でいいから言ってみたいなぁ……世界を掌握したとかさ。ロマンだよ。
「ほ……本当にお前があのライフ・ゼロなのか?」
マジスターが問い掛けると、ライフ・ゼロは頭を縦に振った。
「いかにも。うぬは何者だ?」
「わ……わしはアトス・マジスターだ」
「マジスターか。そちは知恵もあり、頭もよく回る者のようだな。この中では、参謀といったところか?」
「わしのことを知っておるのか?」
「知らぬ。ただ剣の中から見た感じ、そんな気がしただけだ」
「あんな短時間でそこまで見抜いたというのか?」
「我はかつて数多くの魔物を適材適所に配置しておった。だから鑑識眼はあると自負しておる」
「う……むむむむ。さすがは魔王だといったところか」
「キッキッキッ! 褒められるのは気分が良い、もっと褒めてもいいのだぞ?」
ライフ・ゼロが褒められた悦楽に浸り、笑い始めると、その姿を見てマジスターは肩の力が抜けたのか、共に笑い始めた。
「……フッ……カッカッカッ!! あの破皇と呼ばれた者が、こんなにも気さくな奴だとは思いもしなかったわ! やはり本当の人柄とは、直接本人に会わないと分からないものだな!」
「人柄か。しかし我は人では無いがな」
「おっ! カッカッカッ! これは一本取られた!」
「キッキッキッ!」
最初の内は、二人の間に重い不穏な空気が流れていたのだが、しかしどうやら分かり合えたようで、くだらないことで二人してカッカッキッキッ笑い合っていた。
共に笑い声にクセのある、ある意味良いコンビなのかもしれないな。
「そしてうぬが……キッキッ……」
「な……なんでわたしの顔を見て笑うのよ……」
「いやスマンスマン、剣の中で見ていたうぬの姿が、あまりにもじゃじゃ馬だったからな」
「じゃ……じゃじゃ馬……」
ストレートに言われてしまい、ルーナは顔を真っ赤に染める。
ぷっ……さすがは魔王の鑑識眼、その通りだ! いや、目ん玉持ってるやつが彼女の姿を見たら、誰でもそう思うかな?
「ちょっとコヨミ! なに後ろで笑ってるのよ!」
「えっ? い……いや……笑ってなんかいないよ」
「むううううううううあああああああああっ!!」
ルーナはトマトのような顔をして、その場で地団太を踏んで、何故かものすごく悔しそうにしている。
じゃじゃ馬と言われたのに腹を立てているのか、それとも僕が笑ったことに怒っているのか……おそらく両者掛け合わせて、あのような怒りの表現になっちゃってるんだろうな。
ホント、怒ってる時ですら正直な子だなぁ。
「キッキッキッ……そう怒るな。じゃじゃ馬といっても、うぬには勢いがある。そういう者は戦いにおいて、真っ先に味方の士気を高める者となりえるから貴重な存在だ。それこそ、そこでニヤケ面を浮かべとるヤツよりかはな?」
そう言って僕の方を一瞥する、ライフ・ゼロ。
「ほっとけ……」
年中だらけてる僕には、関係の無い話だ。
確かにルーナの活発な姿を見ていると、僕にもその勢いが伝わってくるような、そんな気はするけど、でもそれを制御できないから彼女はじゃじゃ馬なんだよ……。
まあ……それが彼女の魅力でもある気はするけど。
「ん? キッキッ! そうかそうか。まあそうだな……容姿もまあ、我には劣るにせよ、彼女は端麗であるからな」
「あ? ……お、お前今っ!!」
「キッキッキッキッキッキッ!」
ライフ・ゼロはイタズラな笑みを浮かべる。
コイツ今、僕の思ったことを聞いてやがったな! なんて破廉恥な!!
コイツを取り込んだことによって、僕は思うことすらも、考えてから思わなくちゃならないのか。
僕の究極のプライベート空間が無くなっちまった!
「コヨミ、なにこの子にガン飛ばしてるのよ?」
さっきまで地団太を踏んでいたルーナが、訝しい顔つきで僕を見ている。
「え? いや別に……」
「そういえばその子、さっき容姿がどうとかって……」
「そんなこと言ってた?」
「アンタ……何か聞いてたでしょ?」
「知らぬ」
「口調がおかしいわよ」
「断じて知らぬ!」
僕は二枚貝のようにガッチリと口を閉じ、黙秘権を行使する。
「…………まあいいわ。確かにわたしも、その子の言う通りもう大人なんだから、少しは自分を制御できるようにならないといけないなとは思ってたし……」
「えっ? 思ってたんだ?」
「思ってたわよ!!」
ルーナにその自覚があったことが、僕にとっては一番の驚きだよ。
人の忠告も、自分のやらかしたことも顧みないような、そんな猪突猛進という言葉を人に置き換えたような子だと思っていたんだけどな。
「フン……コヨミ。うぬはそんなのだから女子にモテんのだ」
「んなっ!?」
ライフ・ゼロは鼻を鳴らして、僕に向かってそう言い切る。
何故コイツ、僕がモテないのを知ってるんだ……まさか記憶まで覗き見たのか!?
「キッキッ、我の一部がうぬの中に入ったにせよ、過去の記憶までは見ることはできん。これは我の直感だ」
「なんだよお前……女心が分かるとでもいうのかよ?」
「そうだな。我は女でもあるからな」
「女……でもある?」
それは確かに引っかかる言い方だった。
女でもある……ということは、男でもあるとでもいうのか?
「いかにも。我は女でもあって男でもある。逆を言えば、女でも無ければ男でも無い」
「ええっ? わたしてっきり、男の子だと思ってた!」
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