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THE GROUND ZERO Chapter4
第13章 荒野の決戦【9】
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「これ行き過ぎじゃないかルーナっ!!?」
そう、飛ぶ前の勢いをつけすぎたせいか、バイクは予想以上の距離を飛行していた。
ブラースティに着実に最接近しているのだが、しかし放物線でいうと、まだ最高地点にまで達しておらず、バイクは高度を少しずつ上げている段階にまだいた。
この距離ではもう、落下し始めなければブラースティの上に乗っかることなどできず、上空を通過してしまう。
「ああ……えっと……そうね」
「絶対無策で突っ込んだだろ!」
「だって……だってあんな時に冷静に頭を働かせれるわけないじゃないっ!!」
コイツ、開き直った! 潔すぎるだろっ!!
いやそうじゃない、今はルーナともめている暇は無い! この状況を打開する手立てを打たないと、それこそ本当にここまでの苦労が水の泡になっちまう!
考えろ……考えるロクヨウ・コヨミ、何かあるはずだ!
「くっ……こうなったらやるしかねぇっ!!」
だけどこんな緊急時に、頭など冷静に、まともに働かせることなどできるわけもなく、そんな時頼れるのはもう、もっと人間の原始的な部分……直感だけだった。
僕は剣を今までより強く握り……そして!
「くおらああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!」
絶叫しながら、後部座席を蹴り上げ、僕は自分の身を空中に投げ出した。
モチロン、諦めて身投げをしたわけではない。バイクが丁度ブラースティの上空に差し掛かったので、僕だけでもヤツの背中に乗っかるため、決死の覚悟で飛び出したのだ。
我ながら無謀な賭けにでたものだ……とてもじゃないが、ルーナに注意できるような立場ではない。
バイクに残ったルーナが僕の名前を叫んでいたような気がしたが、今はそちらに集中していられない。
僕は空中で剣のグリップを両手で握り、そして切っ先を真下に向ける。
ブラースティとの距離は、僕が落下するごとにどんどん狭まっていき、そして僕の決断は実った。
「ギュルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!」
真下に向けた剣は見事、ブラースティの下半身部分に突き刺さり、ヤツは今までに無いほどの絶叫をあげ、前へ進む動きを急停止させた。
僕はついに、ついに、ついに、ブラースティの体に、この太陽の剣を突き刺したのだ。
「オオオオオオオオオオオンッ! オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンッ!!」
「うわっ! うわっ!!」
だが喜ぶのも束の間、ブラースティは剣が刺さった直後、大暴れし始めた。
両腕を使って、右に左に体を強く振り回し、異物を取っ払おうとしている。図体がデカく、神経も鈍そうに見えるのだが、しかしどうやら見た目とは相反し、かなり神経質なヤツのようだ。
こんな化物のギャップに……良さなど微塵も感じない!! 例えコイツが女の子だとしても、僕にそういう物を好む性癖は存在しない!!
さっさとコイツの、この鬱陶しい動きを封じたいのだがっ!
(ライフ・ゼロ、まだかっ!)
僕は意識の内で、ライフ・ゼロに問い掛ける。
『そう急かすでないわっ! これだけ図体がデカい上に、暴走するほどの魔力をコヤツは蓄えておるのだぞ? いくら我の力であろうとも、早々には決着は着けられぬわ!』
(クソッ……それでも元魔王かよっ!?)
『そんな我にイチャモンを着けるのであればいいのだぞ? 吸収するのを止めても?』
(ごめんなさいっ! お願いしますライフ・ゼロ様! さっさとコイツの魔力を吸収しきってくれえええええええええっっ!!)
そんな意識の中では、ライフ・ゼロに乞うように嘆願し、外ではブラースティに、その遠心力によって、身体を今にも真っ二つに引きちぎられそうになるほど振り回されながら、僕は絶叫する。
もうなんでもいいから、さっさとこの事態を速く脱したい。そのためなら土下座でもなんでもする。
そんな気持ちで、そんな状況で、もう僕の心も体も、本当の意味で一杯一杯だった。
「くそ……もう限……界ぃ……」
ブラースティの振るい落そうとする力が強すぎて、剣を握る両腕がヒクヒクとしており、悲鳴をあげている。
こんなことなら剣術だけでなく、もっとボディメイクにも気合を入れるべきだったと、日頃の鍛錬を疎かにしていた後悔をしながら、諦めかけていたその時だった。
「ギュルオオオオオオオオオオオオオオオ……オオオオ…………オオオ……………」
刹那、ブラースティは自分の体を揺さぶることを止め、そしてその大きな体を揺さぶっていた剛力な両方の腕は、急にその力を失ったのか、ばったりと先に地面に倒れ、そしてそれに連なって、両腕で支えていた全身が地面に伏したのだ。
あまりにも一瞬の出来事だったので、僕も思わず面食らってしまった。
しばらくの間、何が起こったのかと呆然としていると、そんな僕を嘲笑うかのように、頭の中からこの事態を引き起こした元凶だろうヤツの、いつもの笑い声が聞こえてきた。
『キッキッキッ! なにマヌケ面を下げておるのだうぬは』
その声はかつての大魔王、ライフ・ゼロの声だった。
(お……お前、やったのか?)
『見ての通りだ』
(でも時間が掛かるって……)
『うぬの喚き声が耳障りでな。すこ~しだけ吸収する力を強めてやったのだ。ありがたく思え』
(強めてって……じゃあ最初からそうしろよっ!!)
最初は有り難い気持ちで一杯だったのに、一気に台無しだよ!
『キッキッ、そんなに剣幕をたてるでないわ。何事も見せ場というものが大事なのだ』
(見せ場って……)
『ほれ、ルーナとマジスターが呼んでおるぞ?』
意識を外に戻してみると、ライフ・ゼロの言う通り、下の方でマジスターとルーナが僕の名前を呼んでいた。
呼ばれるのはいいのだけれど、今僕はおよそ四メートルほどある巨体の上に乗っかっている状態にある。はてさてどうやって下に降りようか……。
「ん……おっ、そうだ!」
しばらく降りる方法を思案していた僕だったが、閃き、ブラースティに刺していた太陽の剣を引き抜き、そして……。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
僕は一気にブラースティの体の外側に向け走り出し、そして先程ルーナのバイクから飛び降りた時と同じように、剣を真下に向け両手で握り、地面に向かって落下した。
四メートルの高さから落下し、しかもそこに成人男性の全体重が掛かるとなると、並大抵の剣では刃がぽっきし折れてしまうのは必然ではあるが、そこはやはり伝説の剣。
その名に恥じない頑丈な刃をしており、剣は見事僕の狙い通り、刃が砕けるどころか地面にグッサリと刺さり込み、ガードの三十センチ程手前まで刃が地面に埋もれたところで、摩擦力やらなんやらの抵抗力が、剣が地面に突き刺さる力を上回り、その動きは完全に止まった。
そう、飛ぶ前の勢いをつけすぎたせいか、バイクは予想以上の距離を飛行していた。
ブラースティに着実に最接近しているのだが、しかし放物線でいうと、まだ最高地点にまで達しておらず、バイクは高度を少しずつ上げている段階にまだいた。
この距離ではもう、落下し始めなければブラースティの上に乗っかることなどできず、上空を通過してしまう。
「ああ……えっと……そうね」
「絶対無策で突っ込んだだろ!」
「だって……だってあんな時に冷静に頭を働かせれるわけないじゃないっ!!」
コイツ、開き直った! 潔すぎるだろっ!!
いやそうじゃない、今はルーナともめている暇は無い! この状況を打開する手立てを打たないと、それこそ本当にここまでの苦労が水の泡になっちまう!
考えろ……考えるロクヨウ・コヨミ、何かあるはずだ!
「くっ……こうなったらやるしかねぇっ!!」
だけどこんな緊急時に、頭など冷静に、まともに働かせることなどできるわけもなく、そんな時頼れるのはもう、もっと人間の原始的な部分……直感だけだった。
僕は剣を今までより強く握り……そして!
「くおらああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!」
絶叫しながら、後部座席を蹴り上げ、僕は自分の身を空中に投げ出した。
モチロン、諦めて身投げをしたわけではない。バイクが丁度ブラースティの上空に差し掛かったので、僕だけでもヤツの背中に乗っかるため、決死の覚悟で飛び出したのだ。
我ながら無謀な賭けにでたものだ……とてもじゃないが、ルーナに注意できるような立場ではない。
バイクに残ったルーナが僕の名前を叫んでいたような気がしたが、今はそちらに集中していられない。
僕は空中で剣のグリップを両手で握り、そして切っ先を真下に向ける。
ブラースティとの距離は、僕が落下するごとにどんどん狭まっていき、そして僕の決断は実った。
「ギュルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!」
真下に向けた剣は見事、ブラースティの下半身部分に突き刺さり、ヤツは今までに無いほどの絶叫をあげ、前へ進む動きを急停止させた。
僕はついに、ついに、ついに、ブラースティの体に、この太陽の剣を突き刺したのだ。
「オオオオオオオオオオオンッ! オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンッ!!」
「うわっ! うわっ!!」
だが喜ぶのも束の間、ブラースティは剣が刺さった直後、大暴れし始めた。
両腕を使って、右に左に体を強く振り回し、異物を取っ払おうとしている。図体がデカく、神経も鈍そうに見えるのだが、しかしどうやら見た目とは相反し、かなり神経質なヤツのようだ。
こんな化物のギャップに……良さなど微塵も感じない!! 例えコイツが女の子だとしても、僕にそういう物を好む性癖は存在しない!!
さっさとコイツの、この鬱陶しい動きを封じたいのだがっ!
(ライフ・ゼロ、まだかっ!)
僕は意識の内で、ライフ・ゼロに問い掛ける。
『そう急かすでないわっ! これだけ図体がデカい上に、暴走するほどの魔力をコヤツは蓄えておるのだぞ? いくら我の力であろうとも、早々には決着は着けられぬわ!』
(クソッ……それでも元魔王かよっ!?)
『そんな我にイチャモンを着けるのであればいいのだぞ? 吸収するのを止めても?』
(ごめんなさいっ! お願いしますライフ・ゼロ様! さっさとコイツの魔力を吸収しきってくれえええええええええっっ!!)
そんな意識の中では、ライフ・ゼロに乞うように嘆願し、外ではブラースティに、その遠心力によって、身体を今にも真っ二つに引きちぎられそうになるほど振り回されながら、僕は絶叫する。
もうなんでもいいから、さっさとこの事態を速く脱したい。そのためなら土下座でもなんでもする。
そんな気持ちで、そんな状況で、もう僕の心も体も、本当の意味で一杯一杯だった。
「くそ……もう限……界ぃ……」
ブラースティの振るい落そうとする力が強すぎて、剣を握る両腕がヒクヒクとしており、悲鳴をあげている。
こんなことなら剣術だけでなく、もっとボディメイクにも気合を入れるべきだったと、日頃の鍛錬を疎かにしていた後悔をしながら、諦めかけていたその時だった。
「ギュルオオオオオオオオオオオオオオオ……オオオオ…………オオオ……………」
刹那、ブラースティは自分の体を揺さぶることを止め、そしてその大きな体を揺さぶっていた剛力な両方の腕は、急にその力を失ったのか、ばったりと先に地面に倒れ、そしてそれに連なって、両腕で支えていた全身が地面に伏したのだ。
あまりにも一瞬の出来事だったので、僕も思わず面食らってしまった。
しばらくの間、何が起こったのかと呆然としていると、そんな僕を嘲笑うかのように、頭の中からこの事態を引き起こした元凶だろうヤツの、いつもの笑い声が聞こえてきた。
『キッキッキッ! なにマヌケ面を下げておるのだうぬは』
その声はかつての大魔王、ライフ・ゼロの声だった。
(お……お前、やったのか?)
『見ての通りだ』
(でも時間が掛かるって……)
『うぬの喚き声が耳障りでな。すこ~しだけ吸収する力を強めてやったのだ。ありがたく思え』
(強めてって……じゃあ最初からそうしろよっ!!)
最初は有り難い気持ちで一杯だったのに、一気に台無しだよ!
『キッキッ、そんなに剣幕をたてるでないわ。何事も見せ場というものが大事なのだ』
(見せ場って……)
『ほれ、ルーナとマジスターが呼んでおるぞ?』
意識を外に戻してみると、ライフ・ゼロの言う通り、下の方でマジスターとルーナが僕の名前を呼んでいた。
呼ばれるのはいいのだけれど、今僕はおよそ四メートルほどある巨体の上に乗っかっている状態にある。はてさてどうやって下に降りようか……。
「ん……おっ、そうだ!」
しばらく降りる方法を思案していた僕だったが、閃き、ブラースティに刺していた太陽の剣を引き抜き、そして……。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
僕は一気にブラースティの体の外側に向け走り出し、そして先程ルーナのバイクから飛び降りた時と同じように、剣を真下に向け両手で握り、地面に向かって落下した。
四メートルの高さから落下し、しかもそこに成人男性の全体重が掛かるとなると、並大抵の剣では刃がぽっきし折れてしまうのは必然ではあるが、そこはやはり伝説の剣。
その名に恥じない頑丈な刃をしており、剣は見事僕の狙い通り、刃が砕けるどころか地面にグッサリと刺さり込み、ガードの三十センチ程手前まで刃が地面に埋もれたところで、摩擦力やらなんやらの抵抗力が、剣が地面に突き刺さる力を上回り、その動きは完全に止まった。
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