The Devil Summoner 運命を背負いし子供達

赤坂皐月

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間章2 天使を操る者

間章02【3】

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「ではミレイ様、あなたに魔王と戦う力を授けましょう!祈りの間の中央祭壇へ招待します」

するとミカエルは椅子から立ち上がり、本棚にある本の何冊かを奥に押し込む。
するとカチリと鍵が外れるような音が聞こえ、本棚を横にスライドさせると、奥から扉が出て来た。

「わあっすっごい!秘密の扉じゃない!!」

「ふふっ……祈りの間の中央祭壇は通常天使長の私しか入れませんので。ではどうぞミレイ様」

ミカエルに赴かれるまま、ミレイは扉を開きミカエルと共に進んでいく。
扉の先はすぐに祈りの間となっており、そこには祈りの間の真ん中にある、中央祭壇へ続く通路が設置してあった。
先程の騒動で駆けつけた天使達が、祈りの間の座席で通路を歩くミレイとミカエルに注目する。
救世主が誕生する瞬間をその目に収めるために。

「さあミレイ様、ここが中央祭壇です」

通路を渡り、ミレイとミカエルは祈りの間の中央祭壇へと辿り着く。
中央祭壇の真上には天窓が設置してあり、そこから光が差し込んでくる。一方の祭壇上には巨大な聖杯のようなものが三つ並び、天窓から入ってくる光を注ぎ受けていた。

「そういえばミカエルさん、この祭壇の天窓はステンドグラスになってないのね?」

ミレイは中央祭壇の天窓を見ながら、ミカエルに尋ねる。
ホールの壁窓や天窓は全て美しいステンドグラスとなっていたのだが、この中央祭壇にある天窓だけは透明な天窓となっていたのだ。

「ふふっ良いところに気づかれましたね。実はこの中央祭壇の天窓は天の扉という門のようなものになっていまして、この天窓からしか行けない、ある場所に繋がっているのです」

「ある場所?」

ミレイがミカエルを見て首を傾げると、更にミカエルはこう続けた。

「天上世界……そこは天界よりも更に上にあり、神が統治する世界です。この天窓の光はそんな天上世界から注がれる神の光なのです」

「神の光……へぇ……」

先程までは何の変哲もない光に感じていたが、そんな話を聞くと、何だか神々しいような、有難いような気分にミレイはなった。

「さて……ではこの天上世界からの神の光と私の力を使って、あなたの中に眠っている神の子の力を解放します。天使をも、そして時には神をも操ることの出来る力……エンジェルサモナーにっ!!」

「エンジェル……マモナー!?わっ!!」

ミカエルが右腕を挙げる。すると、祭壇上にある三つの聖杯から突如水のようなものが溢れ出て来るのを見て、ミレイは驚いた。

「大丈夫です、あれは水ではなく光です。神から送られてくる光を受けた聖杯が、それを光の聖水に変化させ水のように見えているだけです……ちょっとややこしいですか?」

「えっ!ま……まぁ……」

眉間にしわを寄せているミレイを見て、ミカエルは察する。

「ようは光です。だから濡れたりはしませんし、喉が潤うこともありませんが、手ですくって飲むことは出来ます。さっミレイ様、この聖杯から出ている光の聖水を飲んでください」

「こ……これをですか……」

言われるがまま、ミレイは聖杯から流れ出ている光の聖水を手ですくい取る。
手に持った感じは何ともなく、水のような冷たい感触も無ければ、本当にそこにあるのかすらも疑う程触っている感覚も無い。
まさに光そのものだった。

「んっ……んっ……プハァッ!……ってならないわねやっぱり」

ミレイは手ですくい取った光の聖水を喉に通すが、元々が光であるため飲んだ感触も無ければ、喉が潤うこともない、まるで空気を飲んでいるようなそんな感じだった。

「ふふっそんな感じで大丈夫です。ではあと二つの聖杯からもよろしくお願いします」

「えぇっ!?あと二つも!!」

「三つの聖杯からの光の聖水を飲まねば身体が清められない故、致し方ありません」

「責めて喉が潤えば飲みたい気分にもなるのに……」

そう言って、ミレイはあと二つの聖杯からの光の聖水も飲んでしまうが、三回も空気を飲んでいるようなことをすると逆に喉が乾いてくるような、そんな気が彼女はした。

「お疲れ様です。ではこのまま、開放の儀を行います」

するとミカエルは歌い始める。
それと合わせるように天使達も歌い始め、祈りの間にいる全ての天使達が歌う。
すると天窓からの光が強くなり、その光はミレイを包んだ。

「何だろう……力が湧き出てくる感じがする!」

身体から溢れ出てくるような力。その力こそが、今までミレイの中に封じ込められていた本当の力だったのだ。
そして力を開放したミレイの元に、天上世界と繋がる天窓から一冊の本がゆっくりと落ちてき、彼女はそれを手に取った。

「急に落ちてきたけど……何かしらこの本?」

ミレイは落ちて来た本の中身を読んでみるが、中身は全て真っ白なページとなっており、とても読めたものではなく、彼女は透かしがあるんじゃないかと本のページを光に当てたりしたがそうでも無かった。
するとミカエルや天使達による歌が終わり、ミカエルはミレイに告げる。

「お疲れ様でしたミレイ。これであなたは晴れてエンジェルサモナーとなりました。その証拠に、天使の書があなたに授けられました」

「天使の書?もしかしてこの真っ白なページの本のこと?」

ミレイが手に持っている本を指差し、ミカエルは首を縦に振る。

「えぇ、それです。今は中身は真っ白ですが、これから先、あなたに仕える天使達がそこに自分の印を示すことによってあなたのパートナーとなってくれましょう。そうするとミレイ様の力により、その天使は更なる力を引き出すことが出来、天技てんぎを使えるようになるのです」

「天技……もしかしてキョウスケ達が使っていた魔技っていうのの天使バージョンってこと!?」

「そうですね」

「やったやった!やっと手に入れたあたしの力だっ!!これで戦えるあたしもっ!!」

はしゃぎ回るミレイを見て、ミカエルはその無邪気な姿を微笑みながら見ていた。
しかし天上世界と繋がる天窓からの強い光は未だ強く差しており、ミカエルはそれを見て眉をひそめた。

「あれ……おかしいですね」

「どうしたのミカエルさん?」

すると、はしゃぎ回っていたミレイはそんな表情をするミカエルに気づいた。

「いえ……儀式が終われば通常ならば光は収まるのですが、全く収まる気配がしないのでおかしいなと」

「えっ?そうなの?じゃあまだ何かあるってことなのかしら?」

「さぁ……わたしにも分かり兼ねません」
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