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第2部 青春の続き篇
第5話 七夕の日【11】
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「まあまあ岡崎君、誰にだって黒歴史の一つや二つ、あるものよ」
「……お前まさか、お前の黒歴史がばれたから、わざと誘導して俺に黒歴史を作らせたのか!」
「あのね岡崎君……そこまで出来たら、もはやわたしは予言者よ。それにあなたがそんなこと言うと知ってたら、わたしがあんなに笑うはずないじゃない」
「あっ……確かに」
「語るに落ちただけよ。自分の行いを呪いなさい」
天地の言う通り、自分が熱くなって、自分が自分の思いを口にしただけ。
つまりは誰のせいでもなく、自分のせい。
どうやら岡崎千羽矢という男は、後先のことも考えず、それでもなお、自分の気持ちを、自分の口で表現出来るような、そんな男になったらしい。
人間として、男として、それはほんの少しだけでも、成長したと言ってもいいんじゃないだろうか?
「『お前が俺を愛してる内は、俺はそれまでお前を愛し続けるし、俺がお前を愛し続けるなら、それまでお前は俺を愛していてくれ』……記憶したわ」
「復唱するな!」
「なによ、良い言葉じゃない。『迷言』は何度だって口ずさみたくなるものよ」
「せめて『名言』にしてくれよ!」
確かに言葉としても、俺の立場も現在進行形で迷走しちゃってるけどさぁ……。
「でもさっきの言葉、なんか岡崎君が優位に立ってるようで腹立つわね」
「まあ……勢いで言ったからな。正直そこまで言葉の配慮はしてない」
「そう、じゃあわたしも勢いで言っちゃうわね」
すると天地は、俺の両手を手放し、しかし俺の上に馬乗りになった体勢は崩そうとはせず、そのまま両手を地面に着いて、俺の目と鼻の先で、宣戦布告ともとれるような、こんな事を言ってきやがったんだ。
「愛され続けたいなら、わたしを奪ってみなさい?岡崎君?」
まるで囁くように、誘うかのように、天地魔白は俺に、そう告げた。
俺の両手を突如自由にしたのは、そういう意味なんだろう。俺に向けて、挑戦的な、ニンマリとした表情をしているのは、そういう事なのだろう。
そしてこの挑戦は、いわずもがな、受ける以外に俺の選択肢は無いのだろう。
「俺のキャラを守る為に前もって言っておくが、俺はお前以外には、こんな事するようなやつじゃないからな」
そんな事を言いながら、俺は解放された両手を彼女の背中へと回す。絡みつけるように、覆い囲むように。
そしてそのまま、彼女の体ごと俺の方へと引き寄せ、そして俺は……奪ってやった。
彼女の唇を、奪ってやった。
その後の事を、少しだけ話すとするならば……どうにか帰りの終電には間に合った俺達は、無事電車で四十分もかかる距離を、あの重い天体望遠鏡を担いで歩かずには済んだのだった。
それから電車に乗って、天地の家まで帰って来たのだが、その間、俺達二人は手を繋ぐのではなく、腕を組み、絡め合い、改札を通る時以外は片時も、その腕が離れることは決して無かった。
七月七日、七夕の日。
天の川に橋が架かり、織姫と彦星が繋がり合うように、俺と天地も、やっと初めて繋がり合えたような、そんな気がする一日であった。
「……お前まさか、お前の黒歴史がばれたから、わざと誘導して俺に黒歴史を作らせたのか!」
「あのね岡崎君……そこまで出来たら、もはやわたしは予言者よ。それにあなたがそんなこと言うと知ってたら、わたしがあんなに笑うはずないじゃない」
「あっ……確かに」
「語るに落ちただけよ。自分の行いを呪いなさい」
天地の言う通り、自分が熱くなって、自分が自分の思いを口にしただけ。
つまりは誰のせいでもなく、自分のせい。
どうやら岡崎千羽矢という男は、後先のことも考えず、それでもなお、自分の気持ちを、自分の口で表現出来るような、そんな男になったらしい。
人間として、男として、それはほんの少しだけでも、成長したと言ってもいいんじゃないだろうか?
「『お前が俺を愛してる内は、俺はそれまでお前を愛し続けるし、俺がお前を愛し続けるなら、それまでお前は俺を愛していてくれ』……記憶したわ」
「復唱するな!」
「なによ、良い言葉じゃない。『迷言』は何度だって口ずさみたくなるものよ」
「せめて『名言』にしてくれよ!」
確かに言葉としても、俺の立場も現在進行形で迷走しちゃってるけどさぁ……。
「でもさっきの言葉、なんか岡崎君が優位に立ってるようで腹立つわね」
「まあ……勢いで言ったからな。正直そこまで言葉の配慮はしてない」
「そう、じゃあわたしも勢いで言っちゃうわね」
すると天地は、俺の両手を手放し、しかし俺の上に馬乗りになった体勢は崩そうとはせず、そのまま両手を地面に着いて、俺の目と鼻の先で、宣戦布告ともとれるような、こんな事を言ってきやがったんだ。
「愛され続けたいなら、わたしを奪ってみなさい?岡崎君?」
まるで囁くように、誘うかのように、天地魔白は俺に、そう告げた。
俺の両手を突如自由にしたのは、そういう意味なんだろう。俺に向けて、挑戦的な、ニンマリとした表情をしているのは、そういう事なのだろう。
そしてこの挑戦は、いわずもがな、受ける以外に俺の選択肢は無いのだろう。
「俺のキャラを守る為に前もって言っておくが、俺はお前以外には、こんな事するようなやつじゃないからな」
そんな事を言いながら、俺は解放された両手を彼女の背中へと回す。絡みつけるように、覆い囲むように。
そしてそのまま、彼女の体ごと俺の方へと引き寄せ、そして俺は……奪ってやった。
彼女の唇を、奪ってやった。
その後の事を、少しだけ話すとするならば……どうにか帰りの終電には間に合った俺達は、無事電車で四十分もかかる距離を、あの重い天体望遠鏡を担いで歩かずには済んだのだった。
それから電車に乗って、天地の家まで帰って来たのだが、その間、俺達二人は手を繋ぐのではなく、腕を組み、絡め合い、改札を通る時以外は片時も、その腕が離れることは決して無かった。
七月七日、七夕の日。
天の川に橋が架かり、織姫と彦星が繋がり合うように、俺と天地も、やっと初めて繋がり合えたような、そんな気がする一日であった。
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