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〇〇〇はランクアップ?した
しおりを挟む「…それにしても、コレは、一体…」
私が勿体ないオバケと化して身悶えて(まぁ最も身悶えれる身は無いのだが。オバケなだけに!と1人ツッコミして)いる間にルアーナちゃんパパさんがママさんを抱き締めたまま部屋の惨状を改めて観察し、ぽつりと一言。
「それが、気付けばこの状態で…
良く、わからなくて…」
目尻を下げ、困惑の表情を醸し出す美人ママさん。
混乱困惑意味不明必須の現状だ、それも当たり前だろう。
混迷を極めに極めたルアーナちゃんママさんのお言葉と表情に私は土下座する勢いで謝罪の言葉を考え付く限り思うも、当然土下座(幽霊の土下座ってどんな⁈ってツッコミは受け付けないよ!)も出来ないし、思いも伝わらなくて。
ど、どうにかしなきゃ!
…と思ったら、かちゃかちゃと割れた花瓶の欠片が文字を描き始めるでは無いか。
「こ、これは…⁈」
ルアーナちゃんパパさんが驚愕しつつ、目の前で繰り広がる光景を見つめる。
“ ごめんなさい”
“ 守る為とはいえ、やり過ぎました…”
割れた花瓶の欠片での謝罪の言葉。
どうやら私はいつの間にかポルターガイスト現象の精密なコントロールが出来るようになっていたようだ。
理由は言わずもがな、だけど。
…ところでこの謝罪の言葉…というか、文字。
日本語じゃ、ない。
恐らく、この世界での、文字。
けど、どうして私はそれがわかるのだろう…?
…もしかして異世界転生チートとか?
って!
今気付いたけど、私、背後霊だから転生…してないよ⁈
という事は、異世界転移?
それのチート、なのかなぁ…?
でも言語チートは有り難いよね。
本当、今更だけどルアーナちゃんママさん達の言葉も日本語では無かったや。
うん、気付くの遅過ぎだね。
あっはっはー。
…と、まぁそんな些細な事はさておき、ルアーナちゃんパパもママも、後始末してた数名の騎士団員さん達も、乳母さんや怪我をされた侍女さんとは別の侍女さんに恐らく執事さんかな?も、綴られた花瓶の欠片文字に驚愕の視線。
ぅん?
何か変だった?
「ま、まさか…ッ」
戸惑いと驚愕に目を彷徨わせながらルアーナちゃんパパは赤ちゃんなルアーナちゃんを見やり。
「守護神…様⁈」
っと、とんでもない事を宣った。
ほぇ⁈
「まぁ!」
「まさか⁈」
「ッ⁈」
ルアーナちゃんママや騎士団員さん達、侍女さん執事さん達はそれぞれに息を飲んだり、驚愕の声を上げたり、感嘆の声を口にしたりする。
「で、でも、確かに家具達は奥様を…ルアーナお嬢様を守るような動きをされておりました‼︎」
そこに乳母さんからの証言が打ち込まれ。
「ルアーナを、守護して下さった…神、守護神様…」
ルアーナちゃんパパは感極まったのか、若干涙目になってしまった。
いやいや、待って待って!
私、背後霊!背後霊だから!
神様じゃないよ⁉︎
こんな神様いたら嫌だよ⁈
…などと焦る私の気持ちを知らず(そもそもわかる訳は無いけれども)、ルアーナちゃんパパにママ、その他の方々もルアーナちゃんを拝み倒さんばかりの表情を向けて。
“ 神ではありません“
と、いっぱいいっぱいになりながら伝えても、謙虚に生きるべき。とのお言葉ですね?などとまるでわかっていますよ。と言わんばかりにうんうんと頷かれながら言われてしまって。
わかって貰えなくて。
実は私、背後霊じゃ無くて守護霊なのかな…?
と、密かに霊としてランクアップ?してみたのであった。
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