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異世界転移編
ヘンシン? なにそれ、食べ物の名前ですか?
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「夢じゃないのかよ」
「夢じゃないですって!」
「うおっ!」
突然耳元からでかい声が聞こえてきたので、一人で驚いてしまった。ロクサーヌが近くにいるのかと思い、あたりを見回すが誰もいない。
「少しだけ説明が足りなかったので、声だけ届けています。まずは、ステータスオープンと念じてみてください」
ステータスオープン?
すると、宙に半透明な板のようなものが浮いており、触ろうとしてみるが宙を切るだけで触ることは出来なかった。ウィンドウらしきものに、見慣れない文字が大量に書かれている。おそらくこの世界の文字で書かれているのだが、不思議と読むことが出来た。
名前:ガイ=ヤコウイン
年齢:14
種族:ヒューマン
職業:無
副業:無
称号:孤高のヒーロー(非表示)
加護:ロクサーヌの祝福
魔法:無
Lv:1
HP:30/30
MP:10/10
ST:10/10
ATK:15《+60》
DEF:10《+15》
INT:5
AGI:10
LUK:20
武器:鉄の剣(G級) ATK+60
防具:赤いシャツ(G級) DEF+8 灰色のズボン(G級) DEF+7
アクセサリー:メイガーブレスレッド(非表示)
アビリティ:無
ユニークスキル:異世界英雄(非表示)MEIGASYSTEM(非表示)
アクティブスキル:停止型アイテムボックス
パッシブスキル:下級剣術Lv1 鑑定Lv1 取得経験値UP 取得熟練度UP
「何だ? ゲームのステータス画面みたいだな」
「ふふふっ、驚きましたか? あなたのレベルはまだ1ですので、一番弱い魔物と戦っても死ぬ可能性がありますから気をつけてくださいね」
本当に異世界に転移してしまったのか? それに魔物って……ゲームとかで有名なのはスライムだけど……
「スライムもいますけど、一番弱くはないですね。一番弱いのは……あそこにいる緑色の生物ですよ」
声だけであそこと言われても方角すらわからないし、おまけを言うと草原で緑色の生物って言われても……ってあれか!
遠くに緑色の肌をした子供のような生き物がいる。今更だが眼鏡がないのに遠くが見える! そして、老眼鏡がないのに近くも見える!
「では早速鑑定をしてみてください、魔物を見ながら鑑定と念じるのです」
あ、はい。このテンションアップは老眼になった人間にしかわからないな。
そんなことを思いながら言われたとおりに魔物を見ながら鑑定と念じてみると、再び視界の片隅にウィンドウが浮び上がってきた。
名前:ゴブリン
レベル:1
詳細:知能は低いが攻撃的、群れで生活をする。
「これだけか?」
「鑑定って名前がついていますけど、要はトラスドリアの知識庫にダイレクトリンクしているので、レベルが低いまま情報を多く取り込むと脳が焼けてしまうんですよ。早い話が色々知りたければ鑑定のレベルを上げてくださいってことです」
「さらっと恐ろしいことを言ったな!」
そんなやり取りをしていると、緑色の魔物がこちらに気がついたのか、大声で何かを叫びながら近づいてくる。
「ああ、言い忘れていましたが鑑定を行うと相手に気づかれる可能性がありますので注意してください。鑑定のレベルが低いうちは気づかれると思ったほうがいいですよ」
そんな大事なことを言い忘れないでください。
「最後にユニークスキルを使うためには色々と条件がありますので、気をつけてくださいね」
「何に気をつければいいんだよ!」
即座にツッコミを入れたが返事は無かった。棒切れをもったゴブリンが目の前まで迫ってきているため、色々と確認する余裕もないまま剣を鞘から引き抜く。
両刃の剣で刀身は60cmくらいだろうか、少し短く感じるが扱いやすそうだ。
「やるしかないよな」
下級剣術Lv1となっているが、中学生時代に剣道を少し習っていたことが影響しているのかもしれない。
棒切れを振り回しながら近づいてくるゴブリンに対して、正眼の構えから突きを放つ。避けられることなくゴブリンの喉を貫通すると、少し暴れた後に動かなくなってしまった。生まれて初めて生き物を刺し殺したが、手に残る肉を突き刺す感触が気持ち悪い。
剣を引き抜くと同時に青い血液が噴出し、あたりの草花を青く染め上げる。
足元の死体を見ると、生気を失った双眸がこちらを見ているように感じた。思った以上に罪悪感がこみ上げてくるが、気にする間もなく視界の片隅にメッセージが浮び上がってきたので、先ほどと同じ要領で内容を確認する。
「レベルアップ?」
Lv:2(+1)
HP:37/37(+7)
MP:12/12(+2)
ST:20/20(+10)
ATK:18《+60》(+3)
DEF:12《+15》(+2)
INT:7(+2)
AGI:14(+4)
LUK:22(+2)
数字の後ろに2種類のカッコが表示されている。前記は装備品の数値と一致しているので何となく想像は付くが、後記はレベルアップによる上昇数値であろうか? 前の数字を覚えていないので確信がもてないが多分そうだろう。
「ゲームのデザインをする際に、有名どころのゲームはある程度プレイしたけど、近いジャンルはRPGか? しかし、説明書が無いからステータスの細かい設定がわからないのが難点だな」
……ちょっと待てよ。ためしにステータス画面のATKに対して鑑定を行ってみた。
ATK:筋力及び技能を勘案して算出される値
「おぉぉぉ……やればできるもんだ」
HP:生命力
MP:精神力
ST:鑑定不可
DEF:体力及び技能を勘案して算出される値
INT:知識及び魔力を勘案して算出される値
AGI:素早さ及び集中力を勘案して算出される値
LUK:運
なるほどね、一部雑な説明はあるけど、何となくわかってきた。数値が高いのか低いのかは全然分からないけど、今はこれで我慢しておこう。
種族:共通の特徴をもった生物
ヒューマン:トラスドリアの2割を占める種族
職業:生計を維持するために、人が日常従事する仕事
副業:本業以外に行う仕事
称号:二つ名、特殊効果もある
孤高のヒーロー:鑑定不可
加護:特定の存在から与えられるもの
ロクサーヌの祝福:鑑定不可
魔法:精神力を消費して様々な現象を起こす
アビリティ:鑑定不可
ユニークスキル:唯一のスキル
異世界英雄:鑑定不可
MEIGASYSTEM:鑑定不可
アクティブスキル:自身で発動するスキル
停止型アイテムボックス:時間停止している異空間に所有物を収納できる
パッシブスキル:常時発動型スキル
下級剣術Lv1:片手剣の扱いに補正、トラスドリアの下級剣士の動きを模倣可能
鑑定Lv1:トラスドリアの知識庫閲覧権限
取得経験値UP:通常の5倍の経験値が取得可能
取得熟練度UP:通常の5倍のスキル熟練度が取得可能
鑑定不可が多いのは、鑑定のレベルが低いからだろう……もう少しレベルが上がってから再度鑑定するとして、最後にずっと気になっていたコレを調べてみるか。
自分の右腕にはめられているブレスレッドを鑑定する。
メイガーブレスレッド:鑑定不可
……まぁ見慣れたブレスレッドだし、ポーズを決めればメイガーにでもなれるのかな?
メイガーシリーズを通じて形は様々あるものの、ブレスレッドで変身するのはお決まりなのだ。そして私の腕にはまっているブレスレッドは、初代メイガーが使用していたブレスレッドと同じ形をしている。
メタリックブラックの下地に幾何学的な金の意匠、中央には大きな赤い宝石がはめ込まれている。
「それではさっそく……」
――――――
結果から言うとメイガーにはなれなかった。遠目から見たら変なポーズをしながら叫んでいる変人にしか見えなかっただろう。
「何だよ、これは! 期待させやがって!」
この服装にはあまりにも似合わない装飾であったため、外そうとするが留め具が見つからない。
無理やり引っこ抜こうとしても、ジャストフィットしているため外れそうもなかった。
「夢じゃないですって!」
「うおっ!」
突然耳元からでかい声が聞こえてきたので、一人で驚いてしまった。ロクサーヌが近くにいるのかと思い、あたりを見回すが誰もいない。
「少しだけ説明が足りなかったので、声だけ届けています。まずは、ステータスオープンと念じてみてください」
ステータスオープン?
すると、宙に半透明な板のようなものが浮いており、触ろうとしてみるが宙を切るだけで触ることは出来なかった。ウィンドウらしきものに、見慣れない文字が大量に書かれている。おそらくこの世界の文字で書かれているのだが、不思議と読むことが出来た。
名前:ガイ=ヤコウイン
年齢:14
種族:ヒューマン
職業:無
副業:無
称号:孤高のヒーロー(非表示)
加護:ロクサーヌの祝福
魔法:無
Lv:1
HP:30/30
MP:10/10
ST:10/10
ATK:15《+60》
DEF:10《+15》
INT:5
AGI:10
LUK:20
武器:鉄の剣(G級) ATK+60
防具:赤いシャツ(G級) DEF+8 灰色のズボン(G級) DEF+7
アクセサリー:メイガーブレスレッド(非表示)
アビリティ:無
ユニークスキル:異世界英雄(非表示)MEIGASYSTEM(非表示)
アクティブスキル:停止型アイテムボックス
パッシブスキル:下級剣術Lv1 鑑定Lv1 取得経験値UP 取得熟練度UP
「何だ? ゲームのステータス画面みたいだな」
「ふふふっ、驚きましたか? あなたのレベルはまだ1ですので、一番弱い魔物と戦っても死ぬ可能性がありますから気をつけてくださいね」
本当に異世界に転移してしまったのか? それに魔物って……ゲームとかで有名なのはスライムだけど……
「スライムもいますけど、一番弱くはないですね。一番弱いのは……あそこにいる緑色の生物ですよ」
声だけであそこと言われても方角すらわからないし、おまけを言うと草原で緑色の生物って言われても……ってあれか!
遠くに緑色の肌をした子供のような生き物がいる。今更だが眼鏡がないのに遠くが見える! そして、老眼鏡がないのに近くも見える!
「では早速鑑定をしてみてください、魔物を見ながら鑑定と念じるのです」
あ、はい。このテンションアップは老眼になった人間にしかわからないな。
そんなことを思いながら言われたとおりに魔物を見ながら鑑定と念じてみると、再び視界の片隅にウィンドウが浮び上がってきた。
名前:ゴブリン
レベル:1
詳細:知能は低いが攻撃的、群れで生活をする。
「これだけか?」
「鑑定って名前がついていますけど、要はトラスドリアの知識庫にダイレクトリンクしているので、レベルが低いまま情報を多く取り込むと脳が焼けてしまうんですよ。早い話が色々知りたければ鑑定のレベルを上げてくださいってことです」
「さらっと恐ろしいことを言ったな!」
そんなやり取りをしていると、緑色の魔物がこちらに気がついたのか、大声で何かを叫びながら近づいてくる。
「ああ、言い忘れていましたが鑑定を行うと相手に気づかれる可能性がありますので注意してください。鑑定のレベルが低いうちは気づかれると思ったほうがいいですよ」
そんな大事なことを言い忘れないでください。
「最後にユニークスキルを使うためには色々と条件がありますので、気をつけてくださいね」
「何に気をつければいいんだよ!」
即座にツッコミを入れたが返事は無かった。棒切れをもったゴブリンが目の前まで迫ってきているため、色々と確認する余裕もないまま剣を鞘から引き抜く。
両刃の剣で刀身は60cmくらいだろうか、少し短く感じるが扱いやすそうだ。
「やるしかないよな」
下級剣術Lv1となっているが、中学生時代に剣道を少し習っていたことが影響しているのかもしれない。
棒切れを振り回しながら近づいてくるゴブリンに対して、正眼の構えから突きを放つ。避けられることなくゴブリンの喉を貫通すると、少し暴れた後に動かなくなってしまった。生まれて初めて生き物を刺し殺したが、手に残る肉を突き刺す感触が気持ち悪い。
剣を引き抜くと同時に青い血液が噴出し、あたりの草花を青く染め上げる。
足元の死体を見ると、生気を失った双眸がこちらを見ているように感じた。思った以上に罪悪感がこみ上げてくるが、気にする間もなく視界の片隅にメッセージが浮び上がってきたので、先ほどと同じ要領で内容を確認する。
「レベルアップ?」
Lv:2(+1)
HP:37/37(+7)
MP:12/12(+2)
ST:20/20(+10)
ATK:18《+60》(+3)
DEF:12《+15》(+2)
INT:7(+2)
AGI:14(+4)
LUK:22(+2)
数字の後ろに2種類のカッコが表示されている。前記は装備品の数値と一致しているので何となく想像は付くが、後記はレベルアップによる上昇数値であろうか? 前の数字を覚えていないので確信がもてないが多分そうだろう。
「ゲームのデザインをする際に、有名どころのゲームはある程度プレイしたけど、近いジャンルはRPGか? しかし、説明書が無いからステータスの細かい設定がわからないのが難点だな」
……ちょっと待てよ。ためしにステータス画面のATKに対して鑑定を行ってみた。
ATK:筋力及び技能を勘案して算出される値
「おぉぉぉ……やればできるもんだ」
HP:生命力
MP:精神力
ST:鑑定不可
DEF:体力及び技能を勘案して算出される値
INT:知識及び魔力を勘案して算出される値
AGI:素早さ及び集中力を勘案して算出される値
LUK:運
なるほどね、一部雑な説明はあるけど、何となくわかってきた。数値が高いのか低いのかは全然分からないけど、今はこれで我慢しておこう。
種族:共通の特徴をもった生物
ヒューマン:トラスドリアの2割を占める種族
職業:生計を維持するために、人が日常従事する仕事
副業:本業以外に行う仕事
称号:二つ名、特殊効果もある
孤高のヒーロー:鑑定不可
加護:特定の存在から与えられるもの
ロクサーヌの祝福:鑑定不可
魔法:精神力を消費して様々な現象を起こす
アビリティ:鑑定不可
ユニークスキル:唯一のスキル
異世界英雄:鑑定不可
MEIGASYSTEM:鑑定不可
アクティブスキル:自身で発動するスキル
停止型アイテムボックス:時間停止している異空間に所有物を収納できる
パッシブスキル:常時発動型スキル
下級剣術Lv1:片手剣の扱いに補正、トラスドリアの下級剣士の動きを模倣可能
鑑定Lv1:トラスドリアの知識庫閲覧権限
取得経験値UP:通常の5倍の経験値が取得可能
取得熟練度UP:通常の5倍のスキル熟練度が取得可能
鑑定不可が多いのは、鑑定のレベルが低いからだろう……もう少しレベルが上がってから再度鑑定するとして、最後にずっと気になっていたコレを調べてみるか。
自分の右腕にはめられているブレスレッドを鑑定する。
メイガーブレスレッド:鑑定不可
……まぁ見慣れたブレスレッドだし、ポーズを決めればメイガーにでもなれるのかな?
メイガーシリーズを通じて形は様々あるものの、ブレスレッドで変身するのはお決まりなのだ。そして私の腕にはまっているブレスレッドは、初代メイガーが使用していたブレスレッドと同じ形をしている。
メタリックブラックの下地に幾何学的な金の意匠、中央には大きな赤い宝石がはめ込まれている。
「それではさっそく……」
――――――
結果から言うとメイガーにはなれなかった。遠目から見たら変なポーズをしながら叫んでいる変人にしか見えなかっただろう。
「何だよ、これは! 期待させやがって!」
この服装にはあまりにも似合わない装飾であったため、外そうとするが留め具が見つからない。
無理やり引っこ抜こうとしても、ジャストフィットしているため外れそうもなかった。
応援ありがとうございます!
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