✡︎ユニオンレグヌス✡︎

〜神歌〜

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〜第九章 メモリア・白き風〜

166話❅祈りの儀式❅

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 シャナの森の入り口にパリィ達はついて、儀式の用意を始める、パリィは木の香りを頼りに、精霊が良く居る場所を探した。
 人があまり入らないせいか、すぐに見つける、それは立派な大木で、トレントかと思い大木を軽くコンコンと叩き声をかけたが違う様だった。

 そしてその大木に向かう形で直ぐ目の前に供物を捧げる小さな祭壇を用意し、パリィは深呼吸をした。
 早春だけにまだ暖かい方だが寒い、冷たい空気が肺を満たす……吐く息はまだ少し白くその寒さを感じさせる。

 祭壇の脇にマルティアの旗を一枚掲げる、そしてその周りに白い布が張られ、周りの者が中を見れない様にしてパリィはその中に入る。
 そしてパリィは祭壇の前に綺麗に座る、パリィと大木の距離は、手を伸ばしても届かない距離である、そして酒の入った壺と盃を二つ用意して、一つは大木側に、一つはパリィの座る側に置き大木側にある盃だけに酒を注いだ。

そしてパリィは上着を脱いだ。

 その衣は薄着で白く、精錬された刺繍が袖に施されており、その袖の部分は透けていて、パリィの綺麗な腕が窺えるが……。


(さ、寒い……
やっぱりこの儀式
あったかい時期にやるべきだよね
冬用の巫女の衣装をバイドに作ってもらわないと……)
パリィは寒さに震えていた。


 幸い白い布で覆われているので、その様子は誰にも見られてはいないが……。
 一瞬パリィはクスクスと笑われた気がした、パリィは精霊に見られてると思い、気を引き締め瞳を瞑り祈り始める。


「大いなる偉大な神々よ……
我ら大地の揺り籠より
温かき恵みを頂くことをお許し下さい
我ら
千年の時を経て
この地に帰し者達に
変わらぬ恵みをお与え下さい……」

 パリィがそう祈ると、何かの気配だけが感じた、そして優しい風がマルティアの旗をはためかせた。

 パキッパキッと木が割れる様な音がしたが、不思議と心地よく聞こえた、風が収まり音も無くなりパリィは瞳を開ける。

 大木側に置いた盃の酒が何者かに、飲み干されていた、そしてパリィ側の盃に、酒が注がれていた。
 注がれた酒の量で女神っぽいなと感じホッとしながら大木を見る。

 大木には古の文字でテララと彫られていた、大地の女神テララが祈りを聞き入れてくれたようだ。
 パリィは静かに座ったまま、雪の上まで下がり、大地に指をつき礼をして席に戻り、両手で丁寧に盃を持ち静かに瞳を瞑り一気に飲み干した。



 以前マルティア国の時代、千年以上前にこの儀式をグラキエス山脈でパリィはおこなったことがある。
 時期は夏、山を切り開き砦を作る為に山の神ユグムに許しを得ようとしたのだ。

 その時は同じ様に何者かが酒を飲み干した後に、その盃が伏せて置いてあり酒が加減なく、なみなみと注がれていた。

それは溢すなと言う意味がある。

 パリィは山の神に気に入られたのか、解らないが何度もこぼしながら飲み干し、盃を置き瞳を瞑り開けるとまた注がれている、なみなみと……。

 それでパリィは酔いつぶれ倒れそうになった時に、目の前の岩がひび割れユグムと彫られ、許しを得た事があった。
まるで山の神に酒に付き合わされた様な出来事であった。


 大地の女神テララは山の神よりも、力のある神ではあるが大人しく、慈愛に満ち溢れた神だ。

 そしてパリィが儀式を終え、席を立とうとした時……。

「妾には注がぬのか?」

 不意にパリィはそう言われた。

「あなたはっ!」
 パリィは驚いて声をだしたが、急に空間が変わった様に感じた。


「覚えておるか?
死の女神ムエルテじゃ……」

 ムエルテは座った姿で宙に浮き、笑みを浮かべ盃を手にパリィに注ぐように差し出している。

「なぜムエルテ様が……」
パリィはそう言いながら酒を注ぐ。

「理由などいるか?
そちが神に祈りを捧げておったのでな
来てみてやっただけじゃ

テララめ妾に驚かずおればよいものを」
ムエルテがそう言いながら、酒をゆっくりと口にする。

「そちも飲むが良い」
ムエルテがそう言いパリィに酒を注ぐ。

「いえ……私は……
そんなにお酒は強くないので……」
パリィは困りながら言う。

「ほう?
テララの酒は飲めるくせに
妾の酒は飲めぬのか?」
ムエルテはそう言いにっと怪しい笑みを浮かべる。

 パリィは本当に困った、実はこのお酒はかなり強いのだ、そして儀式として飲んだがパリィはまだ少女と言える歳である。


「つまらぬのぉ
そちが消されぬように
妾が助けてやったと言うのに
酒にも付き合わぬのか?」
ムエルテがそう言いながら酒を飲んでいる。

「消される……私が……?」
パリィが驚いた。

「知りたければ
酒に付き合え……」
ムエルテが言う。

 パリィはそう言われ丁寧に座り、ムエルテが注いだお酒を口にする。

「そうじゃ
それで良い……
そちが千年前に犯した罪を
覚えておるか?」
ムエルテが言う。

「忘れるはずがありません……
私が役目を果たさなかった為に……

マルティアの人々が……」
パリィが静かに言う。

「それは確かに
妾が許せぬ罪じゃのぉ……
だがそれではない」
ムエルテがそう言い酒を一口飲み、話を続ける。

「子殺しの罪じゃ

この世界は最高神エレナの元で
子殺しの罪が最大の罪とされておる

数万、数十万の命を奪うより

一人の我が子を殺す方が罪が重いのじゃ
不思議に思わぬか?」

ムエルテが言う。

 パリィはその昔、お腹に居る自らの子を殺めたことを思い出し、そしてその罪を忘れていた気がした、マルティアだけを考えていたのに気付いた。

「そうじゃ
それすら忘れておるようじゃ
女王になったとしても務まらぬぞ

妾はそちの子より
そちの民が

いや……

世界中の全てが危機に晒された

そちの行いでな……
それ故そなたに死の渇きを与えたのじゃ
あの苦しみは覚えておろう?」
ムエルテが思い出したくもない様な表情で言い、酒をまた口にする。

「なんで……
エレナ様はそれを
最大の罪とされたのですか?」
パリィが暗い顔で聞く、パリィの心を切り刻まれる様な話である、酒を一口飲み小さなため息の様に息を吐く。

(時の流れとは恐ろしいの……
あれだけ仲睦まじく
強き絆があったものさえ
ちりの様に消し去っておる……
ユリナ……
これがそちの選んだ道

なんとも……
煮えた銀を飲まされる様な道よの……)
 ムエルテはパリィがエレナ様と言ったことに、ユリナは本当は辛いのでは?と考え、それを見せずに過ごしているのかと心配しながら話す。

「よいか?
最高神エレナは前世ではエルフであった
そして二人の娘がおったのじゃ

一人は実の娘で一人は養女じゃったが
エレナは二人の娘を
母としてこよなく愛し大切にしておった。

そのエレナが最高神となったのだ
自らの子を
何よりも大切にしておった者が
決めることじゃ
そうなってもおかしくはなかろう?」

 ムエルテが訳を話し、パリィは理解したが何かを感じていた。

 大切な大切な、何か温かい、深い愛をそのエレナから感じたような気がしていた。

 そう思った時、強烈な眠気に襲われパリィはスッと落ちる様に眠ってしまった。


「悪いがしばし寝ておるがよい……

エミリィ……
おるなら目を覚ますがよい

妾はそちにようがあって来たのじゃ……」

 ムエルテがそう言うと、パリィが目を覚まし瞳を開くが、その瞳は美しい空色でなく漆黒の瞳をしていた……。


 そして暫く経ち、パリィは眠っていたところを護衛団に声をかけられ目を覚ました。

「あれ……ムエルテ様……」
パリィが呟いたがムエルテの姿はなく、何もなかった様に儀式は終わっていた。

 そして大木に刻まれた大地の女神テララの名の上に、命の女神ムエルテと刻まれていた。
 ムエルテは神々の中で、最高神エレナの次に力のある神である、それは死の女神と命の女神を併せ持つほかに、死者の世界『黄泉の国』を支配しているからで、大地の女神テララとは格が違うのだ。


 神々の性格もあるのだろうか、ムエルテが現れパリィも驚き、知らないことを伝えられたが、何よりも今回無事に許しを得て、必要な分の木を丁寧に切り出すことが出来る。

 建物を建てるのには使えない倒木は、薪に使う為に運び出して行く、そして数日経ちセクトリアに、小さな村の形が出来て来た。
 男達は二手に分かれ始める、村を作る者達とまだ残る雪を川に流し、農地を作ろうとする者達に分かれて作業をしている。

 雪がすっかり溶ける頃には種を撒きたい、その為には今から農地を作る必要があり、セクトリアは毎日大忙しである。


 食料が不足するのは目に見えていたからだ、パリィは若い女達を集めて暖かい格好をして、森に入って行った。

 この時期になると、森にはピルトの実を始め何種類かの木の実が落ちる、中でもセパンの実は沢山取れる、パンに入れて焼いても美味しく、焼いて塩をふれば酒の肴にもなり、広く料理に使えるのだ。

 パリィは女達にセパンの実を教え、集める為に来たのだ、命の女神ムエルテと大地の女神テララの名が彫られた大木は、神木のように綺麗に周りを男達が整えている。

 パリィと女達はその木に、軽く礼をしてから森に入った、護衛は正直パリィが居れば要らない、それに森には今も男達が材木を運び出している。


 今年の極北地域は、極北地域としては厳しい冬ではなかった様だ、ピルトの実はそんなに落ちていないが、セパンの実は大分落ちている。

 厳しい冬の年は、ピルトの実を調理する方法を教えようと、パリィはそう考えながら木の実を教えながら集めていた。


 村に帰ると賑やかになる、パリィの極北ならではのセパンの実の料理方法を、女達に教えている、パンに混ぜて焼いたり、そのまま焼いたり、すり潰せば煮物にも使える。


 マルティア国はこうした自然の恵みを、頂いて繁栄した、無論農耕や牧畜もしていたが、冬が厳しすぎる為に、限界があるのだ。
 その為に自然との共存関係を重視しなくてはならない、優しいパリィだからこそ、作れた国なのだ。


 いかに文明が発達しようとも、自然の力の前に人が作り出した物が、どれだけ無力なのかを伝え続けている、そんな地域である。


 千年前とは違い、南方地域では炭鉱技術が発達し、その技術さえ手に入れば極北地域は今まで繁栄した国が千年前のマルティア国しかない為に、山々には豊かすぎる貴重な鉱石が眠っている。

 パリィもそれは知っていたが、手をつけることはまだ考えていなかった。
 手をつければ、世界に知れ渡る、まだそれを守れる力を国家として手に入れてない、そもそも、国としてはまだ程遠いからだ。



パリィは心に描いていた。


 生活の豊かさは心の豊かさに繋がる、程よく豊かな暮らしは優しさに繋がる、豊かになり過ぎると、心は他人を思いやる事が出来なくなる、だがこの地域では自然がそれを教えてくれる。
 どの国々よりも、心の豊かな国を心に描いていた。


 その時、ようやくセクトリアに新しく出来つつある村にマルティアの旗が掲げられた、パリィが生まれ変わって初めて作った、最初の村が生まれたのだった。




ユニオンレグヌス・メモリア
~第九章 白き風~完
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