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〜どこまでも堕ちていく
しおりを挟む注射器の中の薬液を全て注入し終えると、男は、生流の後孔からノズルをずるりと引き出し、代わりにアナルビーズと呼ばれる丸い玉が数珠状に連なった性具をねじ込んだ。
「んふんぅぅッ!」
300mlは入っていたであろう薬液を注入された後孔に、全長20㎝ほどの性具を無理やり押し込まれ、溢れた薬液が引き伸ばされた窄まりの縁からプシュプシュ噴き出す。
逆さ吊りにされているせいでビーズに押された薬液が腹の奥深くに滲み広がり、お腹全体が焼けるように熱い。
まるで身体の内側を火で炙られているような感じ。
尋常でない状況に気が動転し、生流は、起き上がれるはずもない身体を何度も持ち上げ、手錠の嵌った両手を助けを求めるように空に伸ばした。
「熱ッ……ぃッ……しんじゃ……ぅッ……」
男は全く意に介さず、イヤイヤと首を振る生流をむしろ愉しそうに眺め、舌舐めずりするように唇を歪めた。
「肌がピンク色になってきたね。高純度の媚薬だから効き目は早い筈だけど、どうかな?」
後孔に嵌ったアナルビーズの根元のフックに指を引っ掛け、ニヤつきながらじわりと引き戻す。
途端、数珠繋ぎになったビーズが敏感になった粘膜を巻き込みながらズルリと下がり、お腹の奥にぞぞっと震えが走った。
「ぁひぃぃッ!」
「こらこら。動いたら中の媚薬が漏れちゃうでしょ。それにしても可愛い声だねぇ。こんな声で泣かれたらますます泣かせたくなっちゃうよぉ」
男が再びフックをじわりと引く。
「やはぁぁぁッ……ぁッ……」
「怖がらなくて大丈夫。自分で出さないぶん、さっきよりかはラクなはずだよ?」
硬く閉じた窄まりが盛り上がり、ピンク色の粘膜の内側から小ぶりなピンポン玉ほど大きさの球体が顔を出す。
「やぁあぁぁッ、やめ……てぇ……んぁッ……ぁ……」
「そんなこと言って。そろそろ気持ち良くなってくる頃じゃない?」
男の言うように、最初の焼けるような熱さは細かな痺れに変わり、鳥肌が立つようなぞわぞわとした疼きが、髪の先から足の爪先までをすっぽりと覆い尽している。
どこをどうされても気持ち良い。後孔から引きずり出されるアナルビーズの刺激に身体が激しく反応し、最初の一個が窄まりを拡げてポコンと飛び出すと、その反動だけで、生流は太ももをビクビクと震わせて絶頂してしまった。
「ほーら、やっぱり気持ち良いんじゃない。お尻の穴をこんなにヒクつかせちゃって、このぶんじゃ全部抜く頃には相当回数イクことになりそうだねぇ」
男は、後孔から丸い玉をぶら下げて痙攣する生流を嬉々とした表情で見下ろすと、垂れ下がったフックを左右に揺さぶり、再びじわじわと引き戻した。
「あひぃぃぃっ、ひぃあぁぁぁッ……」
一気に引き抜いてしまえば良いものを、一つ抜いてはまた戻し、またいくつか抜いては一つ戻す。
強烈な排泄感に生流の背筋がぶるっと震える。
等間隔に連なった玉が、狭い腸内を肉壁を擦りながら上へ下へとぞろぞろ滑り、後孔の窄まりを内側から押し広げてポコンと外へ飛び出す。
その度に、生温かい薬液がお尻の谷間を伝い、痙攣のおさまらない肉壁が悶えるように蠢きながら新たな絶頂感を揺り起こす。
自分の力では抗えない身体の疼きに戸惑う生流を横目に、男は、白い喉を仰け反らせて喘ぐ生流に目をギラつらせ、いたぶるようにアナルビーズを引いては戻す動作を繰り返す。
「粘膜が捲れ上がってヤラシイなぁ。ちゃんと締めとかないとせっかくの媚薬がこぼれちゃう」
「んあぁぁぁんッ!」
引き出されては戻されていたビーズが、今度は、戻らずさらに引き出された。
「ほら、言ったそばからこんなに漏らして。今から全部抜くからしっかりお尻締めときなよッ!」
「んんんんッ、んふぅ、はぁぅッ、はぁッ」
ビーズというには大きすぎる球体が肉壁を広げながら排出されていく感触に、生流が薄いお腹を、ウッ、ウッ、と何度もへこませる。
暴力的な快楽に、生流の柔らかかった頬は硬く引き攣り、幼く朗らかな顔が眉間にくっきりとした苦悩のシワを作る。白い顔を目の周りだけ真っ赤にしながら歯を食いしばって堪える姿は見るからに痛々しいが、男は構わず後孔に嵌ったアナルビーズを次から次へと引っ張り出して行く。
「ん……ふぁ……あひッ、あぁぁッ……」
毒々しい紫色の玉が、窄まりの内側の粘膜をまくり上げながら一つ二つと吐き出されるたびに、生流のお腹がビクンと波打ち薬液が床にポタボタとこぼれ落ちる。
こうしてアナルビーズが完全に抜かれる頃には、生流のお尻は薬液でびちょびちょになり、それが男に卑劣な口実を作った。
「あーあ。しっかり締めとけって言ったのにこんなに漏らしちゃって。お行儀の悪いお口は閉じとかなきゃね」
取り出したのは、先ほどのアナルビーズより二回り以上大きいイボイボのついたバイブ。
それを高純度の媚薬が浸透した後孔にズブズブと差し込むと、先ほどのじれったさから一転、電動工具のような素速い動きで小刻みに突き回した。
「はああぁぁぁぅっ! あうぅっ、うぅっ!」
大小さまざまなイボが、生流の感じる部分をゴリゴリと潰しながら粘膜を往復する。浅い部分から徐々に距離を伸ばして奥深くへ。
その間もスピードは緩めない。
媚薬で敏感になった肉壁をイボイボで削ぎながら上へ下へと激しく抜き差しし、最奥をドンと突いた状態でゆっくりと回転させる。
途端、バイブに吸い付いた肉壁が一緒に捩れ生流のお腹の奥に甘い衝撃が走った。
「あぐっ……ぁっ、あっああ……」
絶頂に次ぐ絶頂。
射精を伴わない“メスイキ ”と呼ばれる終わりのない絶頂のループが生流に襲い掛かる。
唯一の救いは、後孔に意識を持っていかれていたせいでペニスの反応が鈍くなっていたことで、実際、何度も絶頂を迎えながら、生流のペニスは最初の勃起状態から少しづつ萎えはじめ、ペニスリングの締め付けにあわずに済んでいた。
しかしそれも長くは続かない。
むしろ最後のお楽しみに取っておいたと言わんばかりに、男が、生流の萎えかけのペニスを手の中に握り込んでゆっくりと扱き上げた。
「あっ、だめッ……」
「リングが外れそうになってるから直してあげてるんじゃない」
「そんな……あぁッ……」
人差し指で先端の口をぐりぐり撫で回し、親指の腹で裏筋やカリ首を刺激する。
媚薬が浸透した生流の身体は、ほんの少し弄られただけでペニスを膨張させ、根元のリングをキツく食い込ませる。
激しい締め付けに、生流のピンク色のペニスがみるみる赤黒く変色し、痛々しいほどパンパンに腫れ上がる。
男は、生流の状態を気遣うどころか、むしろ苦悶に顔を歪める生流をうっとりとした表情で眺めながら、ペニスを扱く手をさらに速めていく。
「どうして外してくれないの? って顔だよねぇ。まさか、すんなり外してもらえるとでも思ってた?」
限界まで張り詰めた生流のペニスは、充血して膨れ上がったカリの先端の口をヒクヒク喘がせながら、淫らな汁を滴らせている。
男が扱き上げる手に力を加えると、ギリギリまで追い詰められた精液がリングで狭められた尿道を突き抜け、先走りに混じってチョロチョロと流れ出た。
「うわっ、また勝手にお漏らししてぇ。我慢汁はダラダラだわ、お尻はぐちょぐちょだわ、本当にイケナイ子だねぇ、いづる君は」
「あ、今の、洒落じゃないよ? 偶然、偶然」と自分で言ってケラケラ笑うと、男は、それまでのニヤケ顔から一転して真顔になり、背中が浮き上がるほど足を吊り上げられながら両手を真横に伸ばして床を掴む生流を見下ろし、「しょうがないなぁ」と呟いた。
「可哀想だから一回イカせてあげようか。その代わり、ちゃんとお願いして」
男の言葉に、生流が固く閉じていた目をパッと開ける。
「お……おねがいッ……しま……っす……」
「うんうん。何をどうして欲しい?」
「イカせて……イキたい……ですッ……んんぁッ」
「うーん。もっと具体的に言ってくれなきゃわからないなぁ」
「おね……おねが……ひっ、いッあぁ……」
聞いている間も、男の指先は弱い裏筋をなぞり、爪先は先端の溝をグリグリと回し撫でる。
リングの下の睾丸はち切れそうなほど丸く膨らみ、後孔には最奥まで入れられたイボ付きバイブが持ち手を突き出したまま放置され、生流がビクビクと腰を浮かすたびに弱い部分を疼かせた。
「ほら、早くしないとチンポ、壊死しちゃうよ?」
「いやぁッ! いやですッ! イキたいッ! イギだぃぃぃッ!」
「どうやってイクの?」
「せっ、せーえぎッ! せーえぎ、出したいぃッ!」
「射精したいの?」
「しだぃぃッ! 射精! しゃせぇッ! しだぃぃれすぅッ!」
狂ったように叫ぶ生流を揶揄うように問い掛けると、男は、涙とよだれでぐちゃぐちゃになった生流を見て目を細め、「仕方ないな」と、ペニスの根元に嵌ったリングを外した。
途端、堰き止められていた精液が勢いよく飛び出し、生流の顔に散らばった。
「うおっ。セルフ顔射だ。やらしー」
極限まで追い詰められた末の絶頂は、凄まじい快感と大量の射精を生流にもたらした。
生流は、何度も仰け反りガクガクと痙攣しながら射精を繰り返し、男は、射精を終えた生流のペニスを握り、最後の一滴まで搾り出すように下から扱き上げてから、後孔に入れっぱなしになっていたバイブを引き抜いた。
「んあぁぁぁぁッ!」
「ごめん、ごめん。またケツイキさせちゃったかな」
すると、いきなり生流の両足がガクンと揺れ、天井の滑車がガシャガシャと回り出す。
今度は、背中が完全に床につき、吊り上げられていた足がゆっくりと元に戻った。
それから足枷ごと鎖を外され、両足が自由になる。
通常では考えられない状況下に置かれているせいか、足枷を外されただけで生流の表情に安堵が浮かぶ。
足枷を付けられていたこと自体が異常なのだというところまで考えが及ばない。
『お前はこれから大事なお客様に丸一日、二十四時間ぶっ通しで犯され続けるんだ』
ここへ連れて来られる前、案内役の男に言われた言葉が鮮明に記憶に残っていた。
男の言葉が本当なら、二十四時間後には自分は解放されることになる。つまり、二十四時間耐えれば家に帰れる。今の生流にはそれだけが心の支えだった。
抵抗して酷い目に遭わされるよりも、どうしてこんなことになったのだろうと自分の運命を呪うよりも、解放されるまでの二十四時間を、ただ耐えながら待つことを生流は選んだ。
もう一時間くらいは経っただろうか。だとすればあと二十三時間。
ぼんやりと考えながら上がった息を整えていると、ふいに両側から手首を取られ、ステージの端から伸びたリードにバンザイをさせられた状態で繋がれた。
リードは巻き取り式で長さを調節されており手を浮かす遊びすらない。
「いづる君は暴れたりしないと思うけど、万が一のために一応ね……」
筋肉隆々の男らしい軀付きには不似合いなねちっこい口調で言うと、男は、生流の両膝を開いて股の間に割り込み、生流からよく見えるよう立て膝をついて腰を突き出し、ピキピキと筋を走らせながら反り勃つ男根にローションをたっぷり塗り込んだあと、カリの部分に小さな袋に入った白い粉を振りかけた。
いつも光哉の部屋で作っている、あの、“パケ”だ。五回分はあると聞いていたが、それを全部。
「注射じゃないから平気だよ。いづる君、痛いの嫌でしょ?」
恐怖に引き攣る生流を横目に、男は、生流の白いお尻の隙間にたっぷりとローションを垂らし、絶頂の余韻にヒクつく窄まりに、白い粉まみれになった自身の先端を押し付けた。
「イヤッ! おねがいッ……それはイヤあぁぁッ!」
生流の願いも虚しく、男は、硬く張り詰めた男根を根元まで一気に差し込みカリに付いた粉を肉壁にグリグリ擦り付けると、ゆっくりと身体を起こし、生流の足首を持ち上げて繋がった部分を見ながら前後に腰を動かし始めた。
「んんんぁっ、ぁっ、あぁッ……」
強烈な熱さと得体の知れない身体の震えに、生流の顔が恐怖に引き攣る。
男はというと、生流の状態など全く顧みず、生流の細い足首を指が食い込むほど強く掴み、男根を突き入れるスピードを上げていく。
「中、とろっ、とろ……熱ッ……ホント、たまんない……」
「あひッ、んぁッ、はッ、んッ、はぁッんッ」
硬く張り出した先端が狭い肉壁をこじ開け体内の奥深くを貫いていく。
お腹が熱い。心臓の鼓動がどんどん速くなる。
媚薬を注入された時とは違う、全身の皮膚がチリチリと焼けるような、それでいてゾクゾクとした得体の知れない悪寒が肉を震わせる。
そして、恐ろしいほど気持ち良い。
今までとは比べ物にならない、気が遠くなりそうな気持ち良さ。
「本当は、乳首も、可愛いチンポも、たッくさん弄ってあげたいんだけどッ、残念ながら後がつかえててねッ……」
ーーーたすけて。
突き入れられるごとに高まっていく快感に、生流の唇が喘ぐように動く。
田之倉に白い粉を嗅がされた時の記憶がふと脳裏に蘇る。あの時のものとは違う。しかし、通常ではあり得ないほどの興奮に脳が支配され、この上なく淫らな気持ちが沸き上がる。
男の昂りが肉ヒダを擦りながら後孔を出入りするたびに、身体が快感を求めて感じる部分にカリ首が当たるよう腰をひねる。
快楽に身体が乗っ取られる。信じられないような甘ったるい声が出る。
怖い。けれども身体が言うことを聞かない。
飲み込まれまいと必死で抵抗するが、射精して間もないペニスを男に握られた瞬間、ギリギリのところで持ちこたえていた生流の理性が吹き飛んだ。
「んあぁぁぁッ、あぁぁんッ! あッ、ああぁッ!」
喘ぎ声などというものではない。もはや絶叫に近い叫びを上げながら、生流は、何十回目かの絶頂を迎えた。
「せっかく射精出来るようになったのに、中でイッちゃ勿体ないじゃん」
男は、絶頂し続ける生流になおも激しく腰を突き入れるだけでなく、握りしめたペニスを同じ速さで扱き上げる。
「ほらぁ、射精させてあげるからもっとおっきくしてぇ」
「はぁっ……はぁ……も……やめ……」
お腹の奥の苦しいところにガンガン腰を突き入れられ、生流の喉に酸っぱい胃液が迫り上がる。
苦しいのに気持ち良い。内臓が揺れるほどの激しい突き上げも、ペニスを力任せに扱かれる痛みすらも気持ち良い。
身体中の毛孔が開き皮膚がざわざわと震える。
イキそうでイケない感じが延々と続く。ただひたすら気持ち良い。
「おっかしぃなぁ。なんで完勃ちしないの? チンポ、気持ち良くないのぉ?」
「キマリすぎてるんだよ」
ただ喘ぐだけの人形と成り果てた生流を代弁するように、頭の上から別の男の声が響く。
「一袋入れただけだよ?」
「君と一緒にしちゃダメだ。初めてなんだからもっと慎重に扱わなくちゃ……」
嗜めるように言うと、別の男は、焦点の合わない目で天井を仰ぐ生流を上から覗き込むように見下ろし、生流の目の前に小さな青い粒をかざした。
「しょうがないからこれを使おうか。これ、何か分かる?」
生流がふらふらと視線を泳がす。
男は、フッ、と目を細め、
「これは、君のペニスをギンギンに勃たせてくれる薬だよ。僕のを一つわけてあげようね」
言うなり、指先に摘んだ青い粒を自分の口に放り込み、ガリガリと噛み砕いて口移しで生流の口内に押し込む。
途端、口の中に、へばりつくようなエグ味が広がり生流は顔を顰めた。
「んんんッ……」
「三十分もしたら効いてくるからね」
男の言葉に、生流に肉棒を突き立てている男が、「ズルい!」と反応する。
「そんなに掛かったんじゃ時間切れだよ」
「散々独り占めしたんだからもういいだろう。さっさとイッて、皆と交代しなさい」
チェッ、と、腰を振る男が舌打ちし、生流の身体から男根を引き抜く。
交代するのかと思いきや、新しいパケの封を切り、中身を引き抜いたカリ首に振り掛け、再びズンッと根元まで突き入れた。
「あひいぃぃぃっ! んぐぐぐぅッ……」
内臓を殴られたような衝撃に悲鳴を上げたのも束の間、もう一人の男に髪を掴まれ無理やり口の中にペニスをねじ込まれる。
「うーん。口の中も熱くて気持ち良いねぇ~」
「んんぅ、んぐぅ……」
逃れようとするものの、両手で頭を挟まれ顔を固定されているせいで動くことが出来ない。吐き出そうと舌で押し返す動きさえも、返って男根を刺激し、ますます激しく喉を突かれた。
「ああ……いい……凄くいいよ……」
下からは背中が浮き上がるほど突き上げられ、上からは、後頭部を押さえられて鼻先がお腹に埋まるほど腰を打ちつけられる。
お尻の奥が焼けるように熱い。苦しい。喉が塞がれて息が出来ない。
涙目で喘ぐ生流を、男たちのねちっこい視線がなぶり回す。
「たまんない……。これが皆んなのモノになっちゃうなんてシャクだなぁ……俺専用にしたいなぁ……ハァ……」
「同感だ……」
後ろの男が生流の身体を深く揺さぶると、前の男が負けじと膨張した男根を喉の奥に深々と押し込む。
二つの穴を同時に攻められ、生流の小さな身体がマットの上で踊り跳ねる。
「はぅッ……めっちゃ熱い……吸い付く……」
「こっちも良い具合だよ……」
「あぁぁ……イク……出るッ、出るッ、んんッ……」
後ろを突き上げていた男が、一番奥に男根を打ちつけたままビクビクと下半身を痙攣させ、口を犯していた男が、「ウゥッ」と呻いて動きを止める。
間を開けず、生流の舌の上でいきり立った男根がビクンと跳ね、熱い精液が口一杯に広がった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
二人の男が殆ど同時に射精を終えると、すぐに三人目の男がステージに飛び乗り、先走りでベチョベチョになった肉棒を生流の唇に押し付けた。
二人目の男は後ろに移動し、生流の白くて柔らかい尻肉を指先が食い込むほど強く掴みながら一心不乱に腰を振っている。
生流はというと、三人目の男の提案で両手の拘束を解かれてうつ伏せに返され、口の中に男根を目一杯咥えさせられた状態で、二人目の男に後ろから激しく身体を揺さぶられていた。
四つん這いの姿勢を取らされているせいで、前よりも深い部分に男根が突き刺さる。
上の口も、さきほど同様、両手で頭を押さえられて腰を振られているが、横を向かされていないぶん男根が真正面からダイレクトに喉の奥を突く。
先走りが気管支に入って何度もむせ返る。苦しい。息が出来ない。
助けを求めて男の腰をタップするものの、男は気に留めるどころか、涙と唾液でぐちゃぐちゃになった生流の顔を興奮と狂気の入り混じった不気味な笑みを浮かべながら見下ろし、容赦なく腰を突き入れる。
「ほら、もっとしっかり咥えやがれッ……」
前の男の狂気にあてられたように、後ろの男が、こっちも気にしろとばかり生流のお尻に全体重を乗せてガツンガツンと最奥を突く。
反動で、口の中の男根が喉の奥に嵌まり込む。ゴボッとむせて鼻から口から先走りの混じった唾液が噴き上がる。
苦しいのか気持ち良いのかも解らない。
頭が痺れて気が遠くなる。身体中のいたるところが痙攣する。
ーーーこれを二十四時間?
あまりの果てしなさに愕然とする。
あとどれくらいこんなことをされなければならないのだろう。
考えようにも、時間の感覚が全く掴めない。
少し前からペニスが急に熱くなってきたので、男に青い錠剤を飲まされてから三十分以上経っていることは解る。
しかし、それまでと合わせてどれだけの時間が経過したのかがさっぱり解らない。時間の流れが一つの流れとして体感出来ない。簡単な時間の経過すら把握出来ない。
考えているうちにも、ペニスはどんどん熱くなり生流の意思とは関係なく、ひとりでに勃起して淫な汁を滴らせる。
ペニスだけが勝手に興奮している感じ。自分の身体なのに独立した別の生き物のように感じる。
そのペニスを、後ろを犯している男の手が脇腹をくぐって乱暴に掴んだ。
「んふぅぅぅぅぅッ!」
途端に、熱い衝撃がペニスの内側を走りあっという間に射精する。
それでも男の手は止まらない。
「言ったとおりギンギンになったでしょ? これで二、三時間は楽しめるよ?」
「んんんぐぅッ、んッ、んんッ……」
口からは先走りの滴る男根を手加減なしに喉奥に押し込まれ、お尻からは今まで入れられたことのない奥の奥までズンズン腰を突き入れられる。
トドメに、ペニスの、弱い裏筋の部分だけを集中的に擦られ、射精したばかりのペニスが再び疼き出し、甘い痺れがお尻の先から頭のてっぺんに突き抜ける。
想像を絶する快感に意識が持ち堪えられない。
怖い。
けれど、口を塞がれているせいで、止めて、と言えない。
幸か不幸か、窒息しそうな息苦しさがかろうじて生流の意識をこの場に踏み留まらせていた。
「うおぉッ! イクッ、イクッ、出すからなッ! こぼさずしっかり飲めよぉぉぉぉッ!」
もう目の焦点も合わない生流を気遣うことなく、男は、生流の後頭部を両手で抱きかかえながら溜まった精液を喉の奥に吐き出す。
震える喉に男の生温かい精液が絡み付く。すぐに飲み込んでしまいたいが、喉を男根に占領されているせいで溜まった精液を上手く飲み込むことが出来ない。
男が射精を終えて男根を引き抜くと、生流の喉に残った精液が男根に貼り付いてねっとりと糸を引いた。
口を解放された安堵も束の間、後ろからも射精に向けた猛烈な突き上げが始まる。
「いづるくぅぅん、僕のも下のお口で全部飲んでくれるよねぇぇぇッ!」
勃起したペニスは握り締められたまま。男が腰を打ちつけるたびに、赤く膨れ上がった先端が精液をタラタラと滴らせる。
射精をしている自覚はない。ただ押し出されるままにタラタラ流れる。
ペニスを揺らしながら精液を撒き散らす生流を見ながら、生流にイラマチオをさせていた三人目の男がゲラゲラ笑う。
「中学生でトコロテンとはたいした淫乱坊主だなぁ。お前、ホントに中坊かぁ?」
反動で、ガクン、と肘が折れて上半身が崩れる。床に這いつくばって尻だけを上げる淫らな格好で犯され続ける生流の顔を、三人目の男が、髪を掴んで床から引き剥がす。
ーーーウソ……。
涙と汗で歪んだ視界の先にあったのは多数の仮面。
ステージ上の二人同様、全裸に目元を覆う仮面だけを身につけた男たちが円形のステージを取り囲み、ステージ上の生流を食い入るように見詰めている。
その数、ざっと二十人。
自分の番を今か今かと待ち侘びる男たちの姿に、生流の宙を彷徨っていた目の焦点が一瞬にして戻った。
「いやッ……いやぁッ……」
ここにいる男たち全員にこんなことをされたら死んでしまう。
生流の視線に気付いたのか、ギャラリーの一人が、白い粉を鼻の孔に塗りつけながら、「きやっほぉぅ!」と奇声を上げる。
「いやぁ……たすけて……」
ーーー茅野さんッ!
生流の叫びはしかし言葉にはならない。
心の声をも搔き消すように、後ろの男が最後の追い込みとばかり激しく腰を突き入れる。
華奢な身体が前後に大きく揺さぶられ、勃起したペニスがお腹の下で飛び跳ねる。
幼い顔を苦悶に歪めながら犯され続ける生流の姿にギャラリーが一斉に沸き返り、歓声を受けた後ろの男が腰の動きを暴力的に加速させる。
やがて、背中を大きく仰け反らせて絶頂すると、男は、生流の後孔の深い部分に二、三度ガクガクと腰を突き入れて精液を放出し、自分の精液でヌラヌラと光った男根を生流の中から引き抜いた。
「久しぶりにたくさん出たよ」
支えを失った生流は、そのまま膝から崩れ落ち、ひしゃげたカエルのように床の上に突っ伏した。
しかし、すぐに足首を掴まれ仰向けに返される。
射精した男と入れ替わりに、さっきまで生流にイラマチオをさせていた男が、生流の両足を開き、ローションでべとべとになった先端を忙しなく後孔に押し付けている。
「後がつかえてんだから休んでる暇なんか無いぜ?」
「やぁ……いやッ……ぁッ……」
助けを求めて顔を上げると、目の前にはまた別の男。
「ほら、早く、お口開けて」
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
ーーー茅野さん……。
生流の両目から、初めて感情的な涙が流れる。
田之倉に捕まってから何度その名を呼んだだろう。
光哉でもなく、憧れの新庄でもなく、気付くと恭平の名前ばかり繰り返している。
新庄に憧れ、光哉に想いを寄せているにもかかわらず、さっきから恭平の顔ばかりが思い浮かぶ。恭平にばかり助けを求めている。
ここに来てからずっと。いや、本当を言うとその前から、生流は、光哉よりも恭平のことを考えている時間の方が多くなっていることに自分自身で気付いていた。
もっともそれは、恭平といる時間の方が長いという単純な理由と、兄貴肌の恭平にあれこれと世話を焼かれるのが心地良いという甘えた理由もある。
自慰行為を見られるという最悪な状況から始まった関係だけに、恭平にはこれ以上みっともない姿を見られる心配はない。恭平の前では、格好を付ける必要も、みっともない自分を隠す必要もない。恭平の前では普通でいられる。ダメな自分を知られる恐れも、嫌われないようあれこれ悩む必要もない。
恭平といると安心する。
光哉に対する感情とは違う、しかし穏やかな感情が確かにある。
帰りたい。
帰りたい。
ーーー茅野さん……。
力をふり絞り、生流は、目の前に突き付けられた男根を手で振り払った。
しかし、それすらもすぐに払い退けられる。
「客に逆らうなんて教育がなってないねぇ。それとも君は、オチンチンよりこっちの方が好きなのかな」
赤、ピンク、緑、黄色、青。霞んだ視界の先に毒々しい色が見える。
それが、バラバラと口の中に放り込まれ、生流の舌の上で溶け始める。
「かや……の……さ……」
目蓋に浮かぶ恭平の顔がだんだん黒く塗りつぶされ、だんだん意識が遠退いて行く。
やがて目の前が真っ黒い闇になり生流の意識は完全に途絶えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「外交の一環、なんてのは表向きの名目で、実態は顧客確保の為のデモンストレーションだろう。
自分ンとこのネタをP Rするには一番手っ取り早い方法だ。相手の性的嗜好に合わせたキャストを用意してキメセクさせる。
しかも、定期的にキメセク出来る場所を提供してやれば、客は間違いなくネタ漬けだ」
新庄の言葉に、恭平のピアスの嵌った唇がギリリと引き攣る。覚悟していたとは言え、ハッキリと肯定されるとさすがに耐えられないものがある。しかし新庄は構わず話しを続ける。
「普通は短期間で場所を変えて開催するものだが、客もそれなりのメンツだろうし、どこでも良いというわけにはいかない。その点ここはV IPが出入りしても不自然じゃない立地だし、何より、警察の手が及ばない、奴らにとってはこの上なく安全な場所だ。基地が絡んでるとは聞いてたが、まさかここまで大掛かりなことになってるとは夢にも思わなかったぜ……」
冷静な口調で言うものの、新庄の表情の端々に怒りが燻っているのを恭平は見逃さない。新庄の凛とした眉が苛立たしげに歪むのを目の前にして、恭平は、いつになく真剣な表情で「同感です」と答えた。
上からの圧力とは言え、もうあと一歩というところまで追い詰めた田之倉をみすみす見逃すかたちで手を引かされたことへの悔しさはおそらく新庄も同じはずだと恭平は考えていた。
だから迷わず新庄を訪ねた。
感情任せの行動であったが、やはり新庄を訪ねて正解だったと恭平は思っている。
生流の発信機が示す場所を独自のルートで調査した結果、そこが、とある国の外交官名義で借りられた洋館であることが解った。
外交官名義で賃貸されている以上、たとえその中で犯罪行為が行われていたとしても、日本の警察は迂闊に手は出せない。新庄の言う、『この上なく安全な場所』とはそういう意味だ。
「おそらく警備も厳重だ。そこに乗り込むとなりゃ、それなりの準備は当然必要だろう」
「それを相談しに来たんです」
勢いだけで乗り込めるほど甘い相手でないことは恭平にも解っている。
後援団体である石破組からストップがかかっている以上、新庄が簡単に動けないことも承知の上だ。
しかし何もしなければ、生流は男たちの慰み物にされて殺される。見てはならない世界を見てしまった者に未来はない。あるのは、口封じのための死だ。それを知りながら、指を咥えて見ていることは恭平には出来なかった。
恭平は、
「新庄さんの力を貸して欲しいんですッ!」
「無謀だ」と言いたげな新庄の目を真っ直ぐ見ながら語気を強めた。
「スティンガーが動けないことは解ってます。兵隊を貸してくれとも言いません。ただ、中に入れさえすれば……」
「まさか一人で乗り込むつもりか?」
力強く頷く恭平の目を新庄の鋭い視線が貫く。
「大事な仲間なんです……」
「この前一緒にいた奴か? 確か、田之倉ンとこのバイトだとか言ってたよな」
「田之倉とは何の関係もありません。バイトになったのだって、たまたまそうなっただけで、アイツの意思じゃないんです。アイツは本当に騙されただけで……」
光哉の話では、田之倉は、光哉が生流を仕事仲間に加えてくれと頼んだ時から、生流を顧客へのサービス用のキャストとして利用するつもりでいたという。
光哉はそれを、生流がいなくなったことを田之倉に相談した時に聞かされひどくショックを受けていた。
光哉もまた、田之倉に騙された可哀想な子供の一人だ。
「だとしても、そんな危険を侵してまで助けなきゃいけない相手なのか? ヘタをすればお前もただでは済まないぞ」
「かまいません」と、恭平は、睨みつけるような真剣な眼差しを新庄に向けた。
「理屈ではないんです。俺が、そうしなければ気が済まないんです……」
バカ者と笑われても、今は生流のことしか考えられない。
最後に会った時、何か言いたげに何度も口を開き、しかしすぐに躊躇うように唇を結んだ生流の不安そうな顔が、恭平の目蓋に鮮明に焼き付いていた。
あの時無理にでも話を聞いていたら或いはこんなことにはならなかったのかも知れない。
もともと、思っていることを上手く伝えられない、見ていてもどかしくなるような一面が生流にはあった。
例えばそれは、冬の寒空に上着も無しで震えながら、しかし決して寒いと言わないところ。ショーウィンドウに並ぶジャケットを物欲しそうに眺めながら、いざ買い与えると、困ったようにうつむくところ。
コンビニのお菓子もアイスも、目をキラキラさせながら見るくせに、自分からカゴに入れることは殆どない。いつも恭平にせっつかれてようやく入れる。
他人に上手く甘えることが出来ない。
甘えることも出来なければ、他人の好意を受け取ることも出来ない。
その生流が、珍しく、『そばにいて欲しい』とわがままを言ったのだ。
今にして思えば、あの時に、もっとちゃんと生流の様子を見ていたら、こんなことにはならなかったかもしれないという思いが恭平の胸を締めつけていた。
ーーーここで行かなきゃ一生後悔する。
自分への憤りが恭平を奮い立たせる
「お願いします」と、姿勢を正して新庄に深々と頭を下げた。
いつになく真剣な恭平の姿に、新庄の目から敵意にも似た怒りがふと消える。
「覚悟は出来てるんだろうな」
恭平が、「はいッ!」と答える。
「なら力を貸してやる。ただし、スティンガーの新庄としてじゃなく、新庄武志として個人的に力を貸すだけだ。幸いお前の存在は上には知られていない。これなら上に逆らったことにはならない。お前はただ大事な仲間を助けに行くだけだ。スティンガーとは一切関係ない」
「新庄さん……」
「解ったらさっさと支度をしろ。使える奴を紹介してやる」
新庄は言うと、直立不動のままの恭平の肩をポンと叩き、密会場所の廃倉庫の出口へ向かった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
乳首の異様な熱さに目を開けると、仰向けに寝かされた身体の両側から、男がそれぞれ左右の乳首をいじくり回していた。
「あはぁ……な……ぁあんッ……」
感じやすくなっているにしてもおかしい。
男たちが乳首を撫でるたび、乳首の先からお腹の奥にビリビリと電流が走る。
乳輪全体が焼け付くように熱い。
乳首がペニスにでもなってしまったかのようにズキズキと脈を打ち、これ以上ないほど勃起する。
触れられただけでイッてしまう。感じすぎて痛い。その痛みすらも気持ち良い。
「やぁ……やらぁ……ぁッぁ……」
違法ドラッグを手当たり次第に使われ呂律の回らない口調で訴えると、乳首をいじくり回している男の一人が生流を見てニタリと笑った。
「ようやくお目覚めかい? いきなり気を失っちゃうから皆んな心配したんだよ?」
また男が変わっている。
いったい何人目だろう。
思う暇もなく、乳首を強くねじ上げられ、生流は大きく背中を仰け反らせた。
「んはあぁぁぁぁッ!」
ねじ上げられた途端、乳首からペニスからお尻から、身体中のあらゆる性感帯が一瞬にしてスパークし、生流は抗いようもなく絶頂した。
「な……んれ……か、か、か、からだ……いたいのに……きもちいッ……の……?」
涙を浮かべて身悶える生流を見て男たちが笑う。
「いづる君の乳首があんまり可愛いから、気持ち良くなるクリームをたっぷり塗ったんだ。本当はお注射してあげたかったんだけど、今日はまだ使っちゃダメなんだって。その代わり、あとで大っきなカタマリお尻に入れてあげるからね。一緒に気持ち良くなろうね」
「ひぃぃッ! ぃいいいあぁぁッ!」
男たちの指が、イッたばかりの生流の乳首を乱暴に押し潰す。
片方は、乳首を指の間に挟んでギリギリと揉み上げ、片方は、親指と中指で乳首を持ち上げ、乳首の先を親指の爪で引っ掻く。
その度に、生流の性感帯がバチバチと弾け、強制的に絶頂を迎えさせられる。
男たちの苛烈な愛撫に、生流のピンク色の乳首は赤く腫れ上がり、それが白い肌に花の蕾のように愛らしく佇み、ますます男たちを喜ばせた。
「本当に、食べちゃいたいくらい可愛いね。食べるのは無理だから舐めてやろうかね」
男の一人が腫れ上がった乳首に吸い付き乳輪ごとチューっと吸い上げる。
「あはぁン、んんッ、んふぅッ」
乳首の先が火を上げる。背筋のゾクゾクが止まらない。
乳輪ごと吸い上げると、男は唇を乳輪に貼り付けたまま、乳首の先を舌で弾くように舐め始めた。
「やっ、やぁぁッ……やめ……それッ、やら……」
硬くなった乳首を舌の先で転がし、唇で摘んで引っ張ってはパッと離す。
そうしている間も、反対側の乳首は別の男の指先で転がされ、いきなりギュッと摘まれる。
痙攣が止まらない。
「乳首、摘まれてイッてるの? ひょっとして痛いの好き?」
「ちがッ……んふぅぅぅッ」
摘まれた乳首を指先で潰されまた絶頂する。それを受け、乳首を舐めている男が根元に歯を立て、生流はまた背中を跳ね上げた。
「なんだ、やっぱり好きなんじゃないか。だったらこっちも平気だね」
意味ありげに笑うと、男は、背中を反らせて絶頂し続ける生流の首を持ち上げて頭を起こし、股間を見るよう顎で誘導した。
途端、視界に入った光景に生流は絶句した。
ーーーなに、それッ!
股の間に座り込んだ男が生流の勃起したままのペニスの先に、銀色に光る細長い棒のようなものを近付けている。
男の手付きからして、中に入れようとしているのは明らかだ。頭が理解した途端、生流の心臓が飛び上がり、背筋に戦慄が走った。
嫌だ。怖い。
しかし、恐ろしくて身体が動かせない。
自分の股間を凝視しながら引き攣る生流の顔を、男たちが卑猥な笑みを浮かべて覗き込む。
「怖がらなくて大丈夫。これはブジーといって、お医者さんも使ってるれっきとした医療器具なんだ。除菌もしっかりしてるから、おかしなことにはならない。今からこれで最高に気持ち良くしてあげるからね……」
「や、やっ……やッ……」
「ほら、動くと危ないよ。初めてだからゼリーをたっぷり塗ってあげようね。なぁに、痛いのは最初だけだ。すぐにびっくりするくらい気持ち良くなるから楽しみにしてなさい」
男の手が細長い金属製の棒を生流のペニスの先端の口につけ、ゆっくりと中に差し込んでいく。
「ひっ、ひいぃぃ……痛ッ、痛いッ、やっ、やぁぁぁぁッ!」
躊躇なく差し込まれる金属棒に、生流が顔を真っ赤にして絶叫する。
耐え難い痛みに眉間が歪む。ビリビリと電気を流されたような衝撃がペニスの内側を走り抜け、差し込まれた部分が火を噴いたように熱くなる。
あり得ないところにあり得ないモノを入れられているという異常事態が恐怖を倍増させ、生流の頬を硬く引き攣らせる。
しかし男は、生流の怯える様子すらも愉しむかのように、差し込んだ金属棒を押したり引いたりしながらゆっくりと奥へ押し込んで行く。
「ひあぁぁぁッ! ひあぅッ、あっあぁ、ひいぃぃぃぃッ!」
ペニスと言わず、下腹部全体がジンジン痺れる。
「そろそろかな」
ふいに、男が、突き出た棒の先端を指先でトントン揺らした。
瞬間、鳥肌が立つような快感が身体の芯を突き抜け、生流は背中を仰け反らせた。
「んあぁぁぁぁッ!」
焼け付くような痛みから一転、信じられないような快感が生流を襲う。
「あはぁッ、はんッ、はあぁッ、ハッ」
射精感が募るが、排出するべき管を塞がれているせいで射精出来ない。
頭がおかしくなる。
男がトントンと棒を揺らすたび、背中の皮膚がブワッと逆立ち、快感が脳天を貫く。
「おー、おー、良い反応だ。もっともっと気持ち良くなるよ」
「うあぁぁぁぁッ! んッ、んあぁぁぁッ! ぁあぁッん!」
ーーー壊れる。
言葉にならない叫びを上げながら、生流は、狂いそうな快楽に全身を跳ね上げた。
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