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0.5話 どこ、ここ?
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「起きてください」
鈴の音のような、澄んだ声が聞こえ、目が覚める。
目を開けると俺は、全く知らない空間にいた。かなり異質というか綺麗というか、形容しがたい空間。
拙い語彙で例えるならば、日の出時の雲海に浮き、金色のダイヤモンドダストが漂っているような、とにかく綺麗の一言でそんな空間の中椅子に座している俺。
なんとも不思議な感覚だ。しかし、ここどこだ?マジで意味が分からん。
意識が徐々にはっきりするにつれて、この空間に俺以外の存在が、目の前にいることが確認できた。そしてそれは、はっきりと俺に話しかけているようだ。
「北川 柳(やなぎ)さんですね、お待ちしておりました。」
声の主の方を見ると、ドエライ美人の女性が俺の正面に座っていた。金髪ロングで服は真っ白、昔美術の教科書で出てきた聖母マリアがこんな格好だったっけか。頭には金色の輪っかが浮いていて、背中には白い翼、、、天使じゃん。
「えと、、、あの、ど、どなた様ですか?ここって、、、」
とりあえず何とか声らしきものを喉から振り絞る。全然頭が回らない。
「私はガブレラ、天使です。そしてここは、現界と天界の間です。」
めっちゃスピってんなこいつ、と普段なら思うが目の前に広がる光景と彼女の見てくれで納得せざるを得ないが、イマイチ現実味がない。
「あーあの、俺って、道路走って転んでそれで……」
ちょい高めの変な声で質問っぽいことを伝えると、赤子に向ける母のような微笑みで返答してきた。
「あなたは道で横転し、自動車に頭を潰され即死しました。」
ちょ、えぐいえぐいえぐい!俺そんな死に方したの!?てか死んだの!?感情の整理がマジで追いつかないって……
「俺、死んだんすか……?」
「死にました。」
複雑な感情だ。死んだと聞き、泣きたくなるくらいの悲しい気持ちがこみ上げつつ、上司のパワハラや大量の業務をする必要がなくなったという安心感もあり、俺の無味乾燥な人生が終わって嬉しい気もする。
「そしたら、俺ってこのまま天国とか生まれ変わりとか、なんかあるんですかね?」
なんとなく、死んだあとの事を聞いてみる。すると天使ガブレラは表情を一切崩さず答えた。
「本来であればこれから、我らが主の下へ赴き、今後下界に転生するか、天界へ昇るか地獄へ落とすかの審判を受けていただきますが、我らが主のご命令によりヤナギ様を別世界に転生致します。」
我が主っていうのは多分神様?だと思うが、正直宗教とか全く興味ないからよく分からなかったけど、死んだらそんな感じなんだ。てか、なんて?
「転生?別世界?って俺どっか行くんですか、、、」
「はい。我らが主の啓示により、ヤナギ様が生を受けた下界とは別世界、『ゼネアル』に転生し魔王を討ち取って頂きたいとの事を承りました。」
急展開すぎだろ。うーんと、これから俺はゼネアルって場所に行って魔王を倒すって?何そのゲームみたいな羅列。
「そして魔王を討って頂きましたら、我が主より願望を1つ叶える権利を贈呈します。」
「願望って金持ちに生まれ変わるとか、そんな感じですか?」
「そう受け取っていただいて構いません。詳細は全てが終わった時、我が主にお申し付けください。」
透き通った声から堅い言葉を聞き、なんとなく理解した。でも、俺の中で疑問が生まれた。
「ちょっと聞きたいんですけど、わざわざ俺に任せないでその主?が、魔王を消せば解決すると思うんですけど、何か不都合があるんですか?」
「はい、我々は直接下界に介入を致しません。我々が下界に手を下すことで、その世界だけでなく他の世界に影響が及ぶ可能性があるからです。そして、我々下界に堕ちることは許されない存在なのです。ですので死したヤナギ様を転生させ、魔王を倒して頂く方が好都合なのです。ヤナギ様には転生先での生存相性が良いことが判明しておいでですので。」
なるほど、ってことはモーセの奇跡とか言い伝えとかの神の力って、結局のところたまたま起こった自然現象ってことなのかな。これ以上は誰かに怒られそうだからやめておこう。
要は、神様達は世界に手出しできないから、偶然ゼネアルで生きていける体の俺にお願いしたいってことだ。
勝手だなぁとは思う。
現状を全く呑み込めないし、急に転生だの魔王だの言われてもイマイチピンと来ない。しかし、めんどくさいし変に拒否して地獄に叩き落されても嫌だから、承諾しておくか。社会に出て、面倒ごとを避けてなんでも了承してしまうようになった俺って不甲斐ないよなぁ。
「正直、状況を全く呑み込めませんけどわかりました。魔王を倒します、でも俺倒せますか?」
「あなた次第ですね。」
「はい?」
え、勝てるんじゃないの?
「ゼネアルの特徴ですが・・・」と天使からの業務連絡が淡々と続く。
「文明は、科学発展しているとは言えませんが、代わりに魔法が使えます。また、ヤナギ様が生きてきた世界にはいない、動物とは別に魔物が生息しております。もちろん人間も生息しており、会話が可能です。」
魔法が使えるのか、それはちょっと気になる。しかし、文明が発達してないってことは、電気もスマホもないってことか。科学の賜物に依存してた俺には正直ちょっときつい。承諾したことを少し後悔するくらいには、不安が溜まっていく。
「ヤナギ様は別世界の人間故、いくらゼネアルに対応した身体だからといって直ぐに召されては元も子もありません。ですので、1つ能力を授けることが可能です。また、転生に当たり身体を再構築します。
「能力ですか?」
「はい、例えば魔法を自在に扱える、武力を自在に振るえる、等です。」
まあ確かに、来てすぐ魔物に殺されたりしたら意味ないしなぁ。能力か、死なない能力とか無敵とか、そんな感じでいいんじゃないかと思う。でも、魔法って使ってみたいよなあ。某ハリポタとか結構見てたし、昔よく守護霊の魔法を叫びながらぼっこ振り回してたっけ。
「ちなみに、死なないとか無敵とかそういうのはできます?」
「生死に関わる能力を授けることは、世界の均衡に影響を与えかねませんし、我々でもよほどの緊急事態にのみ使う最終手段になりますので不可です。」
そうか、あくまでその世界の範囲内でってことか。でもそれって思ったより選べないよね?剣を扱えたって遠距離攻撃で死ぬかもしれないし、魔法使えたってどんな魔法かわからないけど、わざわざ接近するよりは近づかれるまでに決着をつけたいし、魔法系の能力にしたいところだ。
昔からオンラインゲームをするときは、剣士職みたいな近接型よりは魔法職等の後方支援型を選び、安全圏から遠距離でペチペチして逃げる戦法ばかり取っていた。
しかし、欠点として魔法は魔力切れを起こした時にアイテム使用の隙をつかれたり、接近された時の対応策を何パターンも模索し、かつキャラコンで避けながら下がらないといけない。
そうなると、攻撃魔法をバンバン使ってリスクなしで敵を倒せばいいのではないか。
ということで、隙を生じずに魔法を打ち続けられる能力として、魔力を無限にして頂きたいところだが、果たして可能だろうか?一応聞いてみるか。
「じゃあ、魔力を無限にしてください」
「・・・・」
天使は急に黙る、無限って言葉に引っかかったのだろうか。
「無理なら無理でもいいんですけど、、、」
すると天使は目を瞑り天を仰ぎだした。そんなに悩ましいなら断っていいんだけど。
数秒後、天使はゆっくりと目を開け、口を開いた。
「今、我が主に確認致しました。長考の結果良しとのことですので、聞き入れましょう。」
どうやら良いみたいだ。後は、転生後の身体だったっけ。
「最後に転生後の身体についてですが、基本死んだ時の身体で世界に受肉します。」
「ちなみに転生後の肉体って、若くしたりとかできるってことですかね?なんなら赤ちゃんくらいまで」
物は試しに質問してみた。生まれなおして赤ん坊くらいから生き直そうかとも考える。
「可能です。しかし、赤子ですか?親もいないのに?」
確かに、馬鹿か俺。バブみを感じたかった気持ちはあったが仕方ない。
「そうですよね、そしたら17歳くらいの身体でもいいですか?」
何故17歳なのか、高校当時卓球部で人生で一番体が鍛えられていた時だと自負しているからだ。まあ、全然活躍できなかった苦い思い出でもあり辛い。
「かしこまりました。では、17歳の肉体で転生し魔力無限の能力を授けます。以上で終わりですが、質問は他にありますか?」
最後に質問か、面接みたいだな。就活時期はちょっと落とされ過ぎて思い出したくない。
質問とは言っても急に言われるとパッと出てこない。一応何かしら適当に質問してみるか。
「そういえば、神の奇跡で天使様と番になることはできますか?」
「やめてください。私達と下々を同じ尺度で量る愚かであることを恥じなさい。次その下劣な舌で馬鹿な戯言を吐いた時、我らが主の御前に引っ張り出し、四肢を削いだ後に無間地獄に突き落としますよ。身の程を弁えなさい人間。」
「すいません、冗談です」
天使は微笑から真顔に切り替わり罵声を浴びせてきた。お別れの前の思いついた冗談だったが、ここまで罵倒されるとは思わなかった。
正直、美人だし言葉遣い丁寧だし、童貞の俺からしたらワンチャンあるんじゃないかと少し期待してしまったのだが、流石は天使、人間の存在は虫ぐらいのレベルだと突きつけているようだ。
しょうがない、転生後に天使を思い出しながら夜のお供にしよう、、、
雰囲気は悪いままコホンと咳払いをし、また微笑に戻る上位種。心なしか目が笑っていない。ごめんって
「それではこれより『人間』を転生致します。転生先はゼネアルの『ローグ』という町になります。魔王を討伐出来ること、心よりお祈り申し上げます。」
天使がそう言うと、俺の足元に半径1メートルくらいの青い魔法陣?が出現すると、俺の体が足元から徐々に粒子状に消えていく。
かなり天使はご立腹のようだ、言葉の節々に棘を感じる。逆にもう、魔王倒した後神様に一回お願いしてみるか。
それはそうと、改めて俺は違う世界で生きていくのか。正直現状も何も呑み込めないし、不安がないといえば嘘になる。神へのお願い(天使と結婚)という、本当に極薄の希望を胸に魔王討伐に向かおう。
正直、社畜で彼女もできず、腐りながら老衰で死ぬと思っていた俺の人生。ここから俺の第二の人生が始まるんだ。
首まで粒子になった俺に、天使ガブレラは一言放った。
「因みに、我々は人間の心が読めます。」
なんて?
鈴の音のような、澄んだ声が聞こえ、目が覚める。
目を開けると俺は、全く知らない空間にいた。かなり異質というか綺麗というか、形容しがたい空間。
拙い語彙で例えるならば、日の出時の雲海に浮き、金色のダイヤモンドダストが漂っているような、とにかく綺麗の一言でそんな空間の中椅子に座している俺。
なんとも不思議な感覚だ。しかし、ここどこだ?マジで意味が分からん。
意識が徐々にはっきりするにつれて、この空間に俺以外の存在が、目の前にいることが確認できた。そしてそれは、はっきりと俺に話しかけているようだ。
「北川 柳(やなぎ)さんですね、お待ちしておりました。」
声の主の方を見ると、ドエライ美人の女性が俺の正面に座っていた。金髪ロングで服は真っ白、昔美術の教科書で出てきた聖母マリアがこんな格好だったっけか。頭には金色の輪っかが浮いていて、背中には白い翼、、、天使じゃん。
「えと、、、あの、ど、どなた様ですか?ここって、、、」
とりあえず何とか声らしきものを喉から振り絞る。全然頭が回らない。
「私はガブレラ、天使です。そしてここは、現界と天界の間です。」
めっちゃスピってんなこいつ、と普段なら思うが目の前に広がる光景と彼女の見てくれで納得せざるを得ないが、イマイチ現実味がない。
「あーあの、俺って、道路走って転んでそれで……」
ちょい高めの変な声で質問っぽいことを伝えると、赤子に向ける母のような微笑みで返答してきた。
「あなたは道で横転し、自動車に頭を潰され即死しました。」
ちょ、えぐいえぐいえぐい!俺そんな死に方したの!?てか死んだの!?感情の整理がマジで追いつかないって……
「俺、死んだんすか……?」
「死にました。」
複雑な感情だ。死んだと聞き、泣きたくなるくらいの悲しい気持ちがこみ上げつつ、上司のパワハラや大量の業務をする必要がなくなったという安心感もあり、俺の無味乾燥な人生が終わって嬉しい気もする。
「そしたら、俺ってこのまま天国とか生まれ変わりとか、なんかあるんですかね?」
なんとなく、死んだあとの事を聞いてみる。すると天使ガブレラは表情を一切崩さず答えた。
「本来であればこれから、我らが主の下へ赴き、今後下界に転生するか、天界へ昇るか地獄へ落とすかの審判を受けていただきますが、我らが主のご命令によりヤナギ様を別世界に転生致します。」
我が主っていうのは多分神様?だと思うが、正直宗教とか全く興味ないからよく分からなかったけど、死んだらそんな感じなんだ。てか、なんて?
「転生?別世界?って俺どっか行くんですか、、、」
「はい。我らが主の啓示により、ヤナギ様が生を受けた下界とは別世界、『ゼネアル』に転生し魔王を討ち取って頂きたいとの事を承りました。」
急展開すぎだろ。うーんと、これから俺はゼネアルって場所に行って魔王を倒すって?何そのゲームみたいな羅列。
「そして魔王を討って頂きましたら、我が主より願望を1つ叶える権利を贈呈します。」
「願望って金持ちに生まれ変わるとか、そんな感じですか?」
「そう受け取っていただいて構いません。詳細は全てが終わった時、我が主にお申し付けください。」
透き通った声から堅い言葉を聞き、なんとなく理解した。でも、俺の中で疑問が生まれた。
「ちょっと聞きたいんですけど、わざわざ俺に任せないでその主?が、魔王を消せば解決すると思うんですけど、何か不都合があるんですか?」
「はい、我々は直接下界に介入を致しません。我々が下界に手を下すことで、その世界だけでなく他の世界に影響が及ぶ可能性があるからです。そして、我々下界に堕ちることは許されない存在なのです。ですので死したヤナギ様を転生させ、魔王を倒して頂く方が好都合なのです。ヤナギ様には転生先での生存相性が良いことが判明しておいでですので。」
なるほど、ってことはモーセの奇跡とか言い伝えとかの神の力って、結局のところたまたま起こった自然現象ってことなのかな。これ以上は誰かに怒られそうだからやめておこう。
要は、神様達は世界に手出しできないから、偶然ゼネアルで生きていける体の俺にお願いしたいってことだ。
勝手だなぁとは思う。
現状を全く呑み込めないし、急に転生だの魔王だの言われてもイマイチピンと来ない。しかし、めんどくさいし変に拒否して地獄に叩き落されても嫌だから、承諾しておくか。社会に出て、面倒ごとを避けてなんでも了承してしまうようになった俺って不甲斐ないよなぁ。
「正直、状況を全く呑み込めませんけどわかりました。魔王を倒します、でも俺倒せますか?」
「あなた次第ですね。」
「はい?」
え、勝てるんじゃないの?
「ゼネアルの特徴ですが・・・」と天使からの業務連絡が淡々と続く。
「文明は、科学発展しているとは言えませんが、代わりに魔法が使えます。また、ヤナギ様が生きてきた世界にはいない、動物とは別に魔物が生息しております。もちろん人間も生息しており、会話が可能です。」
魔法が使えるのか、それはちょっと気になる。しかし、文明が発達してないってことは、電気もスマホもないってことか。科学の賜物に依存してた俺には正直ちょっときつい。承諾したことを少し後悔するくらいには、不安が溜まっていく。
「ヤナギ様は別世界の人間故、いくらゼネアルに対応した身体だからといって直ぐに召されては元も子もありません。ですので、1つ能力を授けることが可能です。また、転生に当たり身体を再構築します。
「能力ですか?」
「はい、例えば魔法を自在に扱える、武力を自在に振るえる、等です。」
まあ確かに、来てすぐ魔物に殺されたりしたら意味ないしなぁ。能力か、死なない能力とか無敵とか、そんな感じでいいんじゃないかと思う。でも、魔法って使ってみたいよなあ。某ハリポタとか結構見てたし、昔よく守護霊の魔法を叫びながらぼっこ振り回してたっけ。
「ちなみに、死なないとか無敵とかそういうのはできます?」
「生死に関わる能力を授けることは、世界の均衡に影響を与えかねませんし、我々でもよほどの緊急事態にのみ使う最終手段になりますので不可です。」
そうか、あくまでその世界の範囲内でってことか。でもそれって思ったより選べないよね?剣を扱えたって遠距離攻撃で死ぬかもしれないし、魔法使えたってどんな魔法かわからないけど、わざわざ接近するよりは近づかれるまでに決着をつけたいし、魔法系の能力にしたいところだ。
昔からオンラインゲームをするときは、剣士職みたいな近接型よりは魔法職等の後方支援型を選び、安全圏から遠距離でペチペチして逃げる戦法ばかり取っていた。
しかし、欠点として魔法は魔力切れを起こした時にアイテム使用の隙をつかれたり、接近された時の対応策を何パターンも模索し、かつキャラコンで避けながら下がらないといけない。
そうなると、攻撃魔法をバンバン使ってリスクなしで敵を倒せばいいのではないか。
ということで、隙を生じずに魔法を打ち続けられる能力として、魔力を無限にして頂きたいところだが、果たして可能だろうか?一応聞いてみるか。
「じゃあ、魔力を無限にしてください」
「・・・・」
天使は急に黙る、無限って言葉に引っかかったのだろうか。
「無理なら無理でもいいんですけど、、、」
すると天使は目を瞑り天を仰ぎだした。そんなに悩ましいなら断っていいんだけど。
数秒後、天使はゆっくりと目を開け、口を開いた。
「今、我が主に確認致しました。長考の結果良しとのことですので、聞き入れましょう。」
どうやら良いみたいだ。後は、転生後の身体だったっけ。
「最後に転生後の身体についてですが、基本死んだ時の身体で世界に受肉します。」
「ちなみに転生後の肉体って、若くしたりとかできるってことですかね?なんなら赤ちゃんくらいまで」
物は試しに質問してみた。生まれなおして赤ん坊くらいから生き直そうかとも考える。
「可能です。しかし、赤子ですか?親もいないのに?」
確かに、馬鹿か俺。バブみを感じたかった気持ちはあったが仕方ない。
「そうですよね、そしたら17歳くらいの身体でもいいですか?」
何故17歳なのか、高校当時卓球部で人生で一番体が鍛えられていた時だと自負しているからだ。まあ、全然活躍できなかった苦い思い出でもあり辛い。
「かしこまりました。では、17歳の肉体で転生し魔力無限の能力を授けます。以上で終わりですが、質問は他にありますか?」
最後に質問か、面接みたいだな。就活時期はちょっと落とされ過ぎて思い出したくない。
質問とは言っても急に言われるとパッと出てこない。一応何かしら適当に質問してみるか。
「そういえば、神の奇跡で天使様と番になることはできますか?」
「やめてください。私達と下々を同じ尺度で量る愚かであることを恥じなさい。次その下劣な舌で馬鹿な戯言を吐いた時、我らが主の御前に引っ張り出し、四肢を削いだ後に無間地獄に突き落としますよ。身の程を弁えなさい人間。」
「すいません、冗談です」
天使は微笑から真顔に切り替わり罵声を浴びせてきた。お別れの前の思いついた冗談だったが、ここまで罵倒されるとは思わなかった。
正直、美人だし言葉遣い丁寧だし、童貞の俺からしたらワンチャンあるんじゃないかと少し期待してしまったのだが、流石は天使、人間の存在は虫ぐらいのレベルだと突きつけているようだ。
しょうがない、転生後に天使を思い出しながら夜のお供にしよう、、、
雰囲気は悪いままコホンと咳払いをし、また微笑に戻る上位種。心なしか目が笑っていない。ごめんって
「それではこれより『人間』を転生致します。転生先はゼネアルの『ローグ』という町になります。魔王を討伐出来ること、心よりお祈り申し上げます。」
天使がそう言うと、俺の足元に半径1メートルくらいの青い魔法陣?が出現すると、俺の体が足元から徐々に粒子状に消えていく。
かなり天使はご立腹のようだ、言葉の節々に棘を感じる。逆にもう、魔王倒した後神様に一回お願いしてみるか。
それはそうと、改めて俺は違う世界で生きていくのか。正直現状も何も呑み込めないし、不安がないといえば嘘になる。神へのお願い(天使と結婚)という、本当に極薄の希望を胸に魔王討伐に向かおう。
正直、社畜で彼女もできず、腐りながら老衰で死ぬと思っていた俺の人生。ここから俺の第二の人生が始まるんだ。
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「因みに、我々は人間の心が読めます。」
なんて?
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