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転生者は冒険者になりたい編
7.5話 師匠が出来る
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「ヤナギさん起きてください」
琴のような妙に聞き心地の良い声によって、俺は目を開ける。
首を右に曲げるとそこにはサーシャの姿と、40代くらいのローブを羽織り眼鏡をかけた、金髪オールバックの男性が立っていた。
恐らく、この人はさっきバスタさんが言っていた魔導士だろう。
その男性は俺の方に近づくと俺に声を掛けた。
「初めまして、と言っても君が気絶しているときに見ているんだけどね。私はハウクス、『獣狩りの頂』で魔導士をしているんだ。攻撃魔法専門なんだけどね。よろしく」
そうするとハウクスは俺に握手を求めてきた。
クールっぽい人だなぁ。
「あ、初めまして、ヤナギです。この度は色々とご迷惑かけて申し訳ありません。よろしくお願いします」
「いやいや、寧ろヤナギ君はウチのバカを助けてくれた命の恩人だよ、改めてありがとう」
それなりの挨拶を交わすと俺は右手でハウクスの手を掴み、握手を交わした。
あれ?動くぞ。
「ふむ、やはり」と一言呟きハウクスさんは、俺の身体をじろじろと観察を始めた。
なんか気持ち悪いな。
「自分でも驚いてるだろう?私もだよ。君が倒れてから2日半たっているんだけど、魔法損傷の回復がかなり早い。自慢ではないけど君のような症例を何人も見てきたんだけど、初めての事だよ」
驚きと関心が入り混じったような顔を俺に向け、説明をしてくる金髪眼鏡。そんなになの?
「なんか、バスタさんからも魔力がどうこうでって話を伺ったんですけど、そんなに何ですか?」
「そうだね、ヤナギ君が倒れた原因は自分でもわかっているとは思うけど、無理やり膨大な魔力を使ったことで、 身体に負担が掛かったことによる肉体損傷だ。もしくは魔力損傷と言っている。しかし、一方でそれとはまた別に魔法を使い過ぎて魔力が枯渇したときにも、身体的損傷を負う枯渇損傷、この二点がファクターとなって人体に悪影響を及ぼし、最悪絶命する。」
長々と早口オタクのように、ハウクスさんは続ける。
「なぜかというと、魔力損傷が修復されるときには魔力が関わっていると言われていて、魔力の流れが魔法を使う時とは全く異なる動きを見せ、身体を治し始めるんだ。この原理は今でも研究されてはいるんだけど、どうも理由がつかめない。不思議だよね」
なんか難しい話をつらつら話されてる気がするけど、要は魔力の流れと量は密接に関係してて、魔力でついた傷なのに魔力が直しているという謎の現象が起きてるってことか。
矛盾してるよな。
「そうすると魔力がない状態で魔力損傷が起きるとどうなるか。わかるよね、魔力が回復するまで傷が治らないということだ」
「分かります。じゃあ、魔力ってどう回復してるんですか?」
「魔力の回復は次の日になったら、ある程度回復していることが多いんだ。一応説が何個かあって、食事から何らかの成分を摂取して回復する説。体内のエネルギーを変換している説とまあ言い出したらキリは無いんだよね。」
まあそうか。俺のいた世界みたいに医学が発達しているわけでもなさそうだし、研究は難航しているんだな。
「話を戻すと、ヤナギ君が何故初めての事なのか。それは、バスタから聞いたんだけどワイバーンと戦った時、かなりの魔力を使ったと。そうした場合、ヤナギ君の身体は魔力損傷と枯渇損傷の両方がないといけない。にも拘わらず枯渇損傷は一切なく魔力損傷のみ。それどころか、今はもう動けるようになっている。これはもうありえない話だよね」
うーん、まあ多分だけど魔力無限だから都合よく回復してってるってことなんだよなこれ。
地味だけど、多少は役に立ってるのかね。
「この一件を聞いて、私はヤナギ君に興味を持ったんだ」
ん?話変わってないか?
「あー、ありがとうございます?」と一応感謝を述べる。するとハウクスさんはニコッと笑い、ある提案を俺にした。
「ここに来たのは、ヤナギ君の様子を見に来たっていうのは勿論あるんだけど、それとは別件があってね。君の時間があるときでいいんだけど、私に魔法を習わないかい?勿論強制ではないよ、私は君を鍛えたいと個人的に思っただけだからさ」
急なお誘いだったが、これはまたとない機会だ。
こんなチャンス受けないわけがない、と言いたいところだけど、俺はいずれこの街から出て魔王の討伐に向かわなければならない。
ずっとここにはとどまれないのだ。
しかし、ワイバーンの一件で自分の力の及ばなさも痛感している。
どうするべきか。
「あの、すごい勝手なことなんですけど、俺魔王の討伐を目指してていつかこの街を出ていかないといけないんです。でも、今のままじゃ全然歯が立たないのも事実です。だから、俺が魔王に立ち向かいに行くまで、ってちょっと都合良すぎですよね・・・」
「いや、魔王討伐の事はバスタから聞いているから、全然大丈夫だよ」
普通に大丈夫みたいだった。
「じゃあ、よろしくお願いします!」
「うん、こちらこそよろしくね、あぁ任務とか自分の事優先でいいから。私もやること多いからね」
と何故かハウクスさんの弟子?になったのだった。正直結構ありがたい、毎度毎度の戦闘でこんなことになるのは目も当てられないし。
すると話を聞いていたサーシャは「私も」と話に入ってきた。
「実は魔法を習うことになったんです。時間があるときだけですけど、『獣狩りの頂』のリラさんって回復魔導士の方なんです。ヤナギさん頑張りましょうね!」
「サーシャも?うん、頑張ろうな」
ハウクスさんとサーシャが部屋を出ると、外は暗くなっていた。気が付けばもう夜だ。
体の方はというと、もう上半身を起こせるようになり、半身はある程度動かせるようになっていた。
若さからだろうか?
暫くして、ドアのノックオンが聞こえた。俺は「はい」と応答をすると扉が開いた。
部屋に入ってきたのは見たことのない女性だったが、スープを乗せたお盆を持っていたのを確認できたため、恐らくバスタさんの奥さんだろう。
「初めまして、バスタの妻です。ヤナギ君だったっけ、身体の調子はどう?」
「あ、初めまして。体は大分マシになってきました。すいません、色々ご迷惑をお掛けしてしまって・・・」
微笑を浮かべる女性はやはりバスタさんの奥さんで、ベッドのサイドテーブルにお盆を置き「食欲があったら食べてね」と言ってくれた。
「いいのよ、主人を助けてくれた恩人だもの。こんな事じゃ足りないくらい。本当にありがとうね」
奥さんは俺に頭を下げた。いや、十分すぎるんだけど!
「全然十分すぎる待遇ですよ!頭上げてください!」
「そう?ヤナギ君ってその年で結構謙虚なのね、うちの旦那にも見習わせたいくらい」
「バスタさんだって、謙虚な方だと思いますけど・・・バスタさんのお陰ですよ、俺が今生きてるのは。俺が今まで会ってきた大人で一番尊敬できる人だと思ってます」
実際、色々助言とかヒントをもらった訳だから間違いじゃない。
「そういってくれてありがとう」
少し空気が気まずい。話題を変えてバスタさんの話をする俺。
「あの、聞いていいのか分からないんですけどちょっと聞いてみたくて」
「なに?」
「バスタさんが任務中自慢してたんですけど、バスタさんが奥様に猛アプローチしたって聞いたんですけど、やっ ぱりすごかったんですか?」
そう聞いてみたかった。
任務中の写真とクソ美人の女性。今でも奥さんは貫録が出ているがそれでもかなり美人だ。
よく結婚したなと。
奥さんは時間が止まったかのように一瞬フリーズし、口を開けた。
「あー、あいつそんなこと言ってた?後でしばかないとね♪うん、ほんと。今はもう勤めてないんだけど、私がギルドの受付してた時にね、毎日毎日やれ食事だのやれデートだの好きだのって聞かされててね。ずっと断ってたんだけど、気の迷いだったのか一回食事に行ってみようと思ったの」
バスタさんすごいな、俺ならダメだったらすぐ諦めるんだけど、よほど好きだったんだろうな。恋は盲目である。
言い寄られてる側はたまったもんじゃないと思うけど。
「正直うるさい人って苦手だったから、食事をとっとと済ませた後に、もう今後はやめてってきっぱり断ろうと思ってたの。でもね、いざ行ってみたら楽しくて、気が変わったんでしょうね。好きかどうかは分からなかったけど、でもこの人なら大丈夫かもって。人生って何があるか分からないよね」
偶然だったのか、それともバスタさんの本気の思いが伝わったのか、今まで俺そこまで真剣に人を好きになったことないから、いいよなぁ。
あ、エロゲキャラはマジで好きだったけど。
「わからないもんなんですね、でもすごい羨ましい話ですよ。ここまで自分の事を好いてくれるって、幸せですよね」
「うーん、でもそれを言うならヤナギ君だってそうなんじゃないの?サーシャちゃんにプロポーズしたんでしょ?」
ここでその話をカウンターでくらうとは思わなかった。俺は「い゛っ」と変な声が出る。
「いや!プロポーズじゃなくて、ただパーティに誘っただけで!」
一応否定をしておく。すると奥さんはクスクスと笑った。
「そうみたいね。サーシャちゃんにも聞いたんだけど、顔真っ赤にしてそういってたわ。
でもサーシャちゃんね、ヤナギ君が寝てるときずっと隣で付き添ってたのよ?あ、内緒って言われてたっけ」
「え、そうなんですか?」
「うんそう。だから大事にしてあげなよ~、じゃあ食欲あったら食べてね」
と奥さんは去って行ってしまった。
なんか、まんざらでも無いみたいじゃないか。
でも、いや単純に心配だったからだろう。会って間もない人の事好きにならないだろうし。
俺はお言葉に甘えて、サイドテーブルのスープとお盆に載せてあったスプーンを手に取り、口に運んだ。
うまい。野菜のうまみと多少の香辛料だけで味付けされているからか、身体に優しい感じがする。
それにスープの暖かさが体にしみ込んで、生きてるって実感が出るようだ。
そう、身体が熱くて心臓の鼓動が五月蠅いのは料理のせいなのだ。
琴のような妙に聞き心地の良い声によって、俺は目を開ける。
首を右に曲げるとそこにはサーシャの姿と、40代くらいのローブを羽織り眼鏡をかけた、金髪オールバックの男性が立っていた。
恐らく、この人はさっきバスタさんが言っていた魔導士だろう。
その男性は俺の方に近づくと俺に声を掛けた。
「初めまして、と言っても君が気絶しているときに見ているんだけどね。私はハウクス、『獣狩りの頂』で魔導士をしているんだ。攻撃魔法専門なんだけどね。よろしく」
そうするとハウクスは俺に握手を求めてきた。
クールっぽい人だなぁ。
「あ、初めまして、ヤナギです。この度は色々とご迷惑かけて申し訳ありません。よろしくお願いします」
「いやいや、寧ろヤナギ君はウチのバカを助けてくれた命の恩人だよ、改めてありがとう」
それなりの挨拶を交わすと俺は右手でハウクスの手を掴み、握手を交わした。
あれ?動くぞ。
「ふむ、やはり」と一言呟きハウクスさんは、俺の身体をじろじろと観察を始めた。
なんか気持ち悪いな。
「自分でも驚いてるだろう?私もだよ。君が倒れてから2日半たっているんだけど、魔法損傷の回復がかなり早い。自慢ではないけど君のような症例を何人も見てきたんだけど、初めての事だよ」
驚きと関心が入り混じったような顔を俺に向け、説明をしてくる金髪眼鏡。そんなになの?
「なんか、バスタさんからも魔力がどうこうでって話を伺ったんですけど、そんなに何ですか?」
「そうだね、ヤナギ君が倒れた原因は自分でもわかっているとは思うけど、無理やり膨大な魔力を使ったことで、 身体に負担が掛かったことによる肉体損傷だ。もしくは魔力損傷と言っている。しかし、一方でそれとはまた別に魔法を使い過ぎて魔力が枯渇したときにも、身体的損傷を負う枯渇損傷、この二点がファクターとなって人体に悪影響を及ぼし、最悪絶命する。」
長々と早口オタクのように、ハウクスさんは続ける。
「なぜかというと、魔力損傷が修復されるときには魔力が関わっていると言われていて、魔力の流れが魔法を使う時とは全く異なる動きを見せ、身体を治し始めるんだ。この原理は今でも研究されてはいるんだけど、どうも理由がつかめない。不思議だよね」
なんか難しい話をつらつら話されてる気がするけど、要は魔力の流れと量は密接に関係してて、魔力でついた傷なのに魔力が直しているという謎の現象が起きてるってことか。
矛盾してるよな。
「そうすると魔力がない状態で魔力損傷が起きるとどうなるか。わかるよね、魔力が回復するまで傷が治らないということだ」
「分かります。じゃあ、魔力ってどう回復してるんですか?」
「魔力の回復は次の日になったら、ある程度回復していることが多いんだ。一応説が何個かあって、食事から何らかの成分を摂取して回復する説。体内のエネルギーを変換している説とまあ言い出したらキリは無いんだよね。」
まあそうか。俺のいた世界みたいに医学が発達しているわけでもなさそうだし、研究は難航しているんだな。
「話を戻すと、ヤナギ君が何故初めての事なのか。それは、バスタから聞いたんだけどワイバーンと戦った時、かなりの魔力を使ったと。そうした場合、ヤナギ君の身体は魔力損傷と枯渇損傷の両方がないといけない。にも拘わらず枯渇損傷は一切なく魔力損傷のみ。それどころか、今はもう動けるようになっている。これはもうありえない話だよね」
うーん、まあ多分だけど魔力無限だから都合よく回復してってるってことなんだよなこれ。
地味だけど、多少は役に立ってるのかね。
「この一件を聞いて、私はヤナギ君に興味を持ったんだ」
ん?話変わってないか?
「あー、ありがとうございます?」と一応感謝を述べる。するとハウクスさんはニコッと笑い、ある提案を俺にした。
「ここに来たのは、ヤナギ君の様子を見に来たっていうのは勿論あるんだけど、それとは別件があってね。君の時間があるときでいいんだけど、私に魔法を習わないかい?勿論強制ではないよ、私は君を鍛えたいと個人的に思っただけだからさ」
急なお誘いだったが、これはまたとない機会だ。
こんなチャンス受けないわけがない、と言いたいところだけど、俺はいずれこの街から出て魔王の討伐に向かわなければならない。
ずっとここにはとどまれないのだ。
しかし、ワイバーンの一件で自分の力の及ばなさも痛感している。
どうするべきか。
「あの、すごい勝手なことなんですけど、俺魔王の討伐を目指してていつかこの街を出ていかないといけないんです。でも、今のままじゃ全然歯が立たないのも事実です。だから、俺が魔王に立ち向かいに行くまで、ってちょっと都合良すぎですよね・・・」
「いや、魔王討伐の事はバスタから聞いているから、全然大丈夫だよ」
普通に大丈夫みたいだった。
「じゃあ、よろしくお願いします!」
「うん、こちらこそよろしくね、あぁ任務とか自分の事優先でいいから。私もやること多いからね」
と何故かハウクスさんの弟子?になったのだった。正直結構ありがたい、毎度毎度の戦闘でこんなことになるのは目も当てられないし。
すると話を聞いていたサーシャは「私も」と話に入ってきた。
「実は魔法を習うことになったんです。時間があるときだけですけど、『獣狩りの頂』のリラさんって回復魔導士の方なんです。ヤナギさん頑張りましょうね!」
「サーシャも?うん、頑張ろうな」
ハウクスさんとサーシャが部屋を出ると、外は暗くなっていた。気が付けばもう夜だ。
体の方はというと、もう上半身を起こせるようになり、半身はある程度動かせるようになっていた。
若さからだろうか?
暫くして、ドアのノックオンが聞こえた。俺は「はい」と応答をすると扉が開いた。
部屋に入ってきたのは見たことのない女性だったが、スープを乗せたお盆を持っていたのを確認できたため、恐らくバスタさんの奥さんだろう。
「初めまして、バスタの妻です。ヤナギ君だったっけ、身体の調子はどう?」
「あ、初めまして。体は大分マシになってきました。すいません、色々ご迷惑をお掛けしてしまって・・・」
微笑を浮かべる女性はやはりバスタさんの奥さんで、ベッドのサイドテーブルにお盆を置き「食欲があったら食べてね」と言ってくれた。
「いいのよ、主人を助けてくれた恩人だもの。こんな事じゃ足りないくらい。本当にありがとうね」
奥さんは俺に頭を下げた。いや、十分すぎるんだけど!
「全然十分すぎる待遇ですよ!頭上げてください!」
「そう?ヤナギ君ってその年で結構謙虚なのね、うちの旦那にも見習わせたいくらい」
「バスタさんだって、謙虚な方だと思いますけど・・・バスタさんのお陰ですよ、俺が今生きてるのは。俺が今まで会ってきた大人で一番尊敬できる人だと思ってます」
実際、色々助言とかヒントをもらった訳だから間違いじゃない。
「そういってくれてありがとう」
少し空気が気まずい。話題を変えてバスタさんの話をする俺。
「あの、聞いていいのか分からないんですけどちょっと聞いてみたくて」
「なに?」
「バスタさんが任務中自慢してたんですけど、バスタさんが奥様に猛アプローチしたって聞いたんですけど、やっ ぱりすごかったんですか?」
そう聞いてみたかった。
任務中の写真とクソ美人の女性。今でも奥さんは貫録が出ているがそれでもかなり美人だ。
よく結婚したなと。
奥さんは時間が止まったかのように一瞬フリーズし、口を開けた。
「あー、あいつそんなこと言ってた?後でしばかないとね♪うん、ほんと。今はもう勤めてないんだけど、私がギルドの受付してた時にね、毎日毎日やれ食事だのやれデートだの好きだのって聞かされててね。ずっと断ってたんだけど、気の迷いだったのか一回食事に行ってみようと思ったの」
バスタさんすごいな、俺ならダメだったらすぐ諦めるんだけど、よほど好きだったんだろうな。恋は盲目である。
言い寄られてる側はたまったもんじゃないと思うけど。
「正直うるさい人って苦手だったから、食事をとっとと済ませた後に、もう今後はやめてってきっぱり断ろうと思ってたの。でもね、いざ行ってみたら楽しくて、気が変わったんでしょうね。好きかどうかは分からなかったけど、でもこの人なら大丈夫かもって。人生って何があるか分からないよね」
偶然だったのか、それともバスタさんの本気の思いが伝わったのか、今まで俺そこまで真剣に人を好きになったことないから、いいよなぁ。
あ、エロゲキャラはマジで好きだったけど。
「わからないもんなんですね、でもすごい羨ましい話ですよ。ここまで自分の事を好いてくれるって、幸せですよね」
「うーん、でもそれを言うならヤナギ君だってそうなんじゃないの?サーシャちゃんにプロポーズしたんでしょ?」
ここでその話をカウンターでくらうとは思わなかった。俺は「い゛っ」と変な声が出る。
「いや!プロポーズじゃなくて、ただパーティに誘っただけで!」
一応否定をしておく。すると奥さんはクスクスと笑った。
「そうみたいね。サーシャちゃんにも聞いたんだけど、顔真っ赤にしてそういってたわ。
でもサーシャちゃんね、ヤナギ君が寝てるときずっと隣で付き添ってたのよ?あ、内緒って言われてたっけ」
「え、そうなんですか?」
「うんそう。だから大事にしてあげなよ~、じゃあ食欲あったら食べてね」
と奥さんは去って行ってしまった。
なんか、まんざらでも無いみたいじゃないか。
でも、いや単純に心配だったからだろう。会って間もない人の事好きにならないだろうし。
俺はお言葉に甘えて、サイドテーブルのスープとお盆に載せてあったスプーンを手に取り、口に運んだ。
うまい。野菜のうまみと多少の香辛料だけで味付けされているからか、身体に優しい感じがする。
それにスープの暖かさが体にしみ込んで、生きてるって実感が出るようだ。
そう、身体が熱くて心臓の鼓動が五月蠅いのは料理のせいなのだ。
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