体で払ってくれませんか?

メンタルは大事に

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応えたい好意と行為

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「それでは、夕食の準備をさせていただきます」

仲居さんが頭を下げて出ていった。

ここは、箱根にある温泉旅館。明日は箱根観光の予定だ。

「浴衣はここ?」
「確かそう言ってたね」

座椅子から立ち上がった夢花が、観音開きの襖を開く。

「あった」
「ごめん、先に風呂が良かった?」
「ううん。どっちでも」
「浴衣着るなら、俺、外出て仲居さん止めてくるよ?」
「そこまでしなくてもいいよ」

いくつかあるサイズから、丈にあったものを選ぶ夢花。体を捻りながら、足元まで確認している姿が可愛い。

しばらく選んで決まったようだ。ついでに、ひとつ大きめのサイズを持って来てくれた。

「これで合うと思うけど」
「ありがとう」

そうこうしているうちに、仲居さんが戻ってきた。数人を引き連れ、入れ替わり立ち代わりでお膳から並べていく。

「海老、生きてる…」

夢花が顔を輝かせながら、俺に向かって小声で囁いた。リーダー格の仲居さんが微笑む。

「こちらは朝取れたものを、当館の専用池で泳がせていたものになります」
「へぇ…」
「甲羅は如何いたしましょう?」

料理が出揃ったのを確認して、机の傍に膝を畳んで座る仲居さん。

「夢花は剥き方、分かる?」
「分からない」
「じゃ、お願いしてもいいですか?」
「かしこまりました」

専用の道具を使い、頭尾を残して手際よく向かれる海老。

プロの技で、あっという間に完成してしまった。

「すごい…」
「ありがとうございます」
「それでは、ごゆっくり」

俺は終始、視線を向けられなかった。正直、踊り食いは苦手で夢花の反応に助かる。

「夢花、好きな物ある?俺の取っていいよ」
「え?」
「特にこれとか…」

皿の上で、身ぐるみ剥がされた海老。透明な躰をピクンピクンとさせている。

「いいの?」
「あ、あぁ…」
「それじゃ、いただきます」

ブスリ。

差し出した生海老の首元に、容赦なくフォークが刺さった。玉ヒュンに似た気分を味わう俺。

「夢花は好き嫌いとかないの?」
「んぅん、ぼうあなー」
「ごめん、食べてる最中だったね」

懐石料理特有のよく分からない小鉢を奥に押し出して、天ぷら露に生姜を溶かす。

「苦手なものはあるけど食べれなくはないよ」
「そっか」

好き嫌いの多い俺には夢花の逞しさが心強い。踊る海老を咥える夢花を見て、頬が緩んだのだった。

******

「風呂の行き方、分かる?」
「途中まで一緒だから、たぶん大丈夫…」
「あぁ、俺は部屋風呂のつもりだけど。送ってったほうがいい?」
「え?」

夢花の手が浴衣を持ったまま止まる。

俺には大衆浴場が無理だ。子どもの頃、親に連れられ入った温泉で、知らないおじさんにケツを叩かれ怒られたトラウマが消えない。

以来、温泉旅館に行くことはなかった。

「…それなら私も行かない」
「せっかくの露天風呂なのにいいの?」
「弥人と一緒に入る」
「いや、でも、さっき見た限り一人用っぽかったけど」
「そんなの入ってみないと分かんない」

少しムスっとした夢花。これが俺に対するものでなければ良いのだが…。

夢花は、浴衣を机上に置いてシャツを脱ぎ始めた。水色の下着が露になる。

俺の棒は硬直し、決意も固まった。入ってみないと分からない…か。確かにそうかもな。

******

室内の浴室ではあるが、窓からは遠くの山並みと数多の星が見えた。蛇口をひねって樽風呂に温泉の湯をためていく。

「いい感じだよ?」
「確かに」

同じ方向を向いたまま俺の太ももの上に乗る夢花。二人が並んで入るには少し狭かったのだ。

お湯が入りきっていないと、全体重が俺のケツにかかり床板の継ぎ目で痛いわけだが、脳内ドーパミンで乗り切る。

「触る?」
「…!?」

勃起した棒は、既に夢花の背中で脈打ちしていた。

痺れをきらした夢花は俺の手を掴み、そのまま胸元へ誘う。

俺は覚えたてのお椀の形で、夢花の控えめな双丘に蓋をした。掌に感じる温もりは、樽に注がれる熱より、熱く、優しく、心地良い。

とろけるような柔肌と対称的に弾力のある突起の感触。あまりにも甘美な刺激に、表面を何度も何度も擦っていた。

「そんなに擦ると乳首とれちゃう…」

まんざらでもない表情で振り返ってきた夢花に我慢できず、うっすら存在する下乳のラインをなぞりながら、乳首を摘んだ。

「気持ちいい?」
「うん…気持ちぃぃ…」

言葉の合間に漏れだす吐息に高揚する。

俺は知っていた。夢花の些細な努力に気づいていた。

いつだったか、共用していたパソコンでお気に入りの中にあった『彼を満足させる~云々』。

次の日には消えてなくなっていたが、それから夢花は色々と尽くしてくれたし、我儘にも付き合って貰った。

初めて夢花と風呂に入った日のことも思い返していた。ただ真面目に背中を流すだけだった彼女はもういない。

今日こそは、今日こそは…そういって過ぎていく日々。夢花にも気持ちよくなって欲しい一心で、俺は丁寧に揉み始めていた。

「いい感じ…」
「痛くない?」
「全っ然。というか…優しすぎて眠たくなりそう」
「のぼせる前に出る?」
「ううん、もう少しこのままして」

大自然に囲まれた旅館の中で、ゆったりと流れる時間。滴り続ける源泉に、零れ行く残湯。

しばらくすると、絶え間なく聞こえていた音が揺らぎ、跳ねた。夢花が体勢を変えて振り返ったのだ。

真正面に映る潤んだ瞳に、赤みがかった頬。至福の表情にみえた夢花が、俺の顔へ手を伸ばした。

「弥人…」
「ん?」
「私、やってみたいことがあるんだけど…」
「あぁ、いいよ」
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