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百川学海
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「やっぱりコスプレだと興奮する?」
歯を磨いていると唐突に夢花が尋ねてきた。俺は、学祭でのライブを思い出した。
ステージに繰り出す漢たち。逞しい歌声に盛り上がった会場。
興奮か、まぁ、興奮はしていたな。
迫力あるバンド演奏を背に歌うのは、何物にも代えがたい感動があった。人々がバンドにハマる理由もよく分かった。
「人にも依るんじゃない?」
「弥人はどう?」
「ん?俺?」
「コスプレでエッチ…したい?」
俺は、話が少しズレていたことに気づいた。あまりにも日常的に夢花が話すので、気付かなかった。
だから、口を濯いでから夢花をそっと抱きしめた。お互いのパジャマを通して、温もりが体内へ広がる。
「したくない訳ないじゃん」
「どっち?」
「したいよ」
意味を理解しながら、悪戯に問いかけてくる夢花。いつもは控えめな感じなだけに、こういう所も本当に愛しい。
俺の棒は、元気に夢花の下腹部へ当たっていた。その確かな感触と、滾る熱を求めてなのか、夢花はより強く抱きしめ返してきた。
「今度ウチのバーで、ハロウィンの仮装するから」
「あぁ、もうそんな季節か」
「終わったらその衣装で出来ると思うけど、希望とかある?」
「希望?」
「うん。私に着て欲しいもの…ある?」
俺の棒のテンションは、はち切れそうなまま夢花に縋る。好きなコスを夢花が着てくれて、そして…。
イメージより感情が先行していた。確実な興奮案件なのに、こういう時に限って妙案は湧かない。
「ごめん咄嗟に思いつかないけど、夢花は着たいのとかある?」
「私?うーん。どうしよう」
「んじゃ、なんか調べてみるか」
「うん」
******
「やっぱりオーソドックスに制服かな」
「制服でいいの?」
「まぁね」
小悪魔からナース、警察官にサンタクロース。色とりどりのタブレット画面から、夢花の視線が俺に移った。
「あの、高校の時のでよかったらあるけど…」
「え、あるの?」
「捨てるの勿体なくて」
「じゃぁ着てみてよ」
「本当にそんなのでいいの?」
自信なさげな夢花の口を、俺はキスで塞ぐ。そしてすぐに離れた。このままだと、止まらなくなりそうだった。
「着替えるね」
******
聖戦――。
それは恋人同士が互いに裸で織り成す芸術だ。物理的に裸であるかどうかは、関係ない。
お互いの恥ずかしい体と心を、受け止め合って重ね合わせる。まさに聖な行為であり、単なる性行為とは違う。
「ねぇ、これ気持ちい?」
仰向けの俺に跨りながら、腰をうねらせる夢花。イキリ勃った俺の棒は、スカートの内に隠れて見えない。
それでも確かに感じる数々の情報。脳内に、全身に、凄まじい勢いで刺激が流れ込んでくる。
「夢花ちょとッ…待ッ…」
「出ちゃう?」
夢花の手が握るように掴んでいた横腹から離れた。惜しみながら身体を這わせて、俺の手に重ねる。
「……ゥッ」
「弥人のあったかい」
必死に抑える俺に、夢花は優しく微笑んだ。
ピクリ、ピクリと夢花の布上で力強く求める俺の鼓動。
夢花はスカートをたくし上げた。外気に触れて露になる、赤黒い棒との黄緑の下着。ひんやりとしたその接触部は、見事に濃淡が変わっていた。
「私のと弥人の、混ぜ混ぜしていい?」
俺が頷いたのを確認した夢花が、棒を優しく掴んだ。
そして、夢花の下着の上で、筆を捏ね繰り始めた。
「……ッ」
俺の全神経は、たった一つの事に必死だった。
情けなく一人で、逝かないこと。ただそれだけだ。
凸凹とした溝の感触に、擦れた摩擦の熱感。
まるで、天国で溺れているようなこの状況に俺は唸る。
「そろそろ楽になりたい?」
「…え?」
「出したいのかなぁと思って」
「それは…だけど…」
「じゃぁ1回目いこっか」
俺は机に置いてあったゴムに手を伸ばした。それを受け取った夢花が、ゆっくり慎重に被せてくれた。
一度深呼吸した俺に、再び跨る夢花。俺は夢花のブレザーへ手を伸ばしていた。
「脱いだほうがいい?」
「ん、あ、これだけ」
「分かった」
「なんかすまん」
「ううん、いいよ全然」
開かれた先に、真っ白なシャツと赤いリボン。微々たる双丘は隠れて見えないが、確かにこの手の先に。
俺は、両手を夢花の腰から撫でるように胸へ運んだ。
「くすぐったい」
乾いた感触。それは双丘を包むものであり隠すもの。
脇と胸とを、フィットする位置で包み込むと果実はなびく。
「入れるよ?」
「お願いします」
「はい」
夢花は腰を浮かすと、一度スカートをお腹まで上げた。
初めから短かった絶対防衛線が敗れて、露になる下着。
それをサイドにズラすと、俺の棒を握りながら…。
「……ッ!」
「っふw」
夢花の腰が落ちた瞬間。俺の棒が包まれた瞬間。幸せホルモンのゲージが振り切れる。
「……ゥ!」
「…ぁふっ」
瞳を開いた夢花と視線が合った。
俺の手は自然と夢花の胸から離れた。何も言わずとも、その手を受け取る夢花。
握り締めあったのを確認すると、夢花は動き出す。
重なり合った肌と肌。密着と離発を繰り返し、綺麗な乙肌に糸が引く。
ッチャッチャッチャ……
耳を澄ませば聞こえてくる、いやらしい音。
いや待て、いったい何がいやらしいというのか。
これは聖戦であり、愛の証拠だ。自らの秘所で、俺の事を包んでくれる夢花の愛なのだ。
愛らしい音と、そしてなにより、この何もかもを真っ白に塗り替えてしまうような快感。
この行為は…聖交であって性交でない。セックスとはなんだ。断じて、いかがわしいものではない。
その答えは二人だけが知っている。俺と夢花だけが知っていればいい。
夢花に握られていた手を、俺は強く握り返していた。
「…ンッ」
「いぃよ…きてっ…」
「…ッ…ゥ…クッ!!」
歯を磨いていると唐突に夢花が尋ねてきた。俺は、学祭でのライブを思い出した。
ステージに繰り出す漢たち。逞しい歌声に盛り上がった会場。
興奮か、まぁ、興奮はしていたな。
迫力あるバンド演奏を背に歌うのは、何物にも代えがたい感動があった。人々がバンドにハマる理由もよく分かった。
「人にも依るんじゃない?」
「弥人はどう?」
「ん?俺?」
「コスプレでエッチ…したい?」
俺は、話が少しズレていたことに気づいた。あまりにも日常的に夢花が話すので、気付かなかった。
だから、口を濯いでから夢花をそっと抱きしめた。お互いのパジャマを通して、温もりが体内へ広がる。
「したくない訳ないじゃん」
「どっち?」
「したいよ」
意味を理解しながら、悪戯に問いかけてくる夢花。いつもは控えめな感じなだけに、こういう所も本当に愛しい。
俺の棒は、元気に夢花の下腹部へ当たっていた。その確かな感触と、滾る熱を求めてなのか、夢花はより強く抱きしめ返してきた。
「今度ウチのバーで、ハロウィンの仮装するから」
「あぁ、もうそんな季節か」
「終わったらその衣装で出来ると思うけど、希望とかある?」
「希望?」
「うん。私に着て欲しいもの…ある?」
俺の棒のテンションは、はち切れそうなまま夢花に縋る。好きなコスを夢花が着てくれて、そして…。
イメージより感情が先行していた。確実な興奮案件なのに、こういう時に限って妙案は湧かない。
「ごめん咄嗟に思いつかないけど、夢花は着たいのとかある?」
「私?うーん。どうしよう」
「んじゃ、なんか調べてみるか」
「うん」
******
「やっぱりオーソドックスに制服かな」
「制服でいいの?」
「まぁね」
小悪魔からナース、警察官にサンタクロース。色とりどりのタブレット画面から、夢花の視線が俺に移った。
「あの、高校の時のでよかったらあるけど…」
「え、あるの?」
「捨てるの勿体なくて」
「じゃぁ着てみてよ」
「本当にそんなのでいいの?」
自信なさげな夢花の口を、俺はキスで塞ぐ。そしてすぐに離れた。このままだと、止まらなくなりそうだった。
「着替えるね」
******
聖戦――。
それは恋人同士が互いに裸で織り成す芸術だ。物理的に裸であるかどうかは、関係ない。
お互いの恥ずかしい体と心を、受け止め合って重ね合わせる。まさに聖な行為であり、単なる性行為とは違う。
「ねぇ、これ気持ちい?」
仰向けの俺に跨りながら、腰をうねらせる夢花。イキリ勃った俺の棒は、スカートの内に隠れて見えない。
それでも確かに感じる数々の情報。脳内に、全身に、凄まじい勢いで刺激が流れ込んでくる。
「夢花ちょとッ…待ッ…」
「出ちゃう?」
夢花の手が握るように掴んでいた横腹から離れた。惜しみながら身体を這わせて、俺の手に重ねる。
「……ゥッ」
「弥人のあったかい」
必死に抑える俺に、夢花は優しく微笑んだ。
ピクリ、ピクリと夢花の布上で力強く求める俺の鼓動。
夢花はスカートをたくし上げた。外気に触れて露になる、赤黒い棒との黄緑の下着。ひんやりとしたその接触部は、見事に濃淡が変わっていた。
「私のと弥人の、混ぜ混ぜしていい?」
俺が頷いたのを確認した夢花が、棒を優しく掴んだ。
そして、夢花の下着の上で、筆を捏ね繰り始めた。
「……ッ」
俺の全神経は、たった一つの事に必死だった。
情けなく一人で、逝かないこと。ただそれだけだ。
凸凹とした溝の感触に、擦れた摩擦の熱感。
まるで、天国で溺れているようなこの状況に俺は唸る。
「そろそろ楽になりたい?」
「…え?」
「出したいのかなぁと思って」
「それは…だけど…」
「じゃぁ1回目いこっか」
俺は机に置いてあったゴムに手を伸ばした。それを受け取った夢花が、ゆっくり慎重に被せてくれた。
一度深呼吸した俺に、再び跨る夢花。俺は夢花のブレザーへ手を伸ばしていた。
「脱いだほうがいい?」
「ん、あ、これだけ」
「分かった」
「なんかすまん」
「ううん、いいよ全然」
開かれた先に、真っ白なシャツと赤いリボン。微々たる双丘は隠れて見えないが、確かにこの手の先に。
俺は、両手を夢花の腰から撫でるように胸へ運んだ。
「くすぐったい」
乾いた感触。それは双丘を包むものであり隠すもの。
脇と胸とを、フィットする位置で包み込むと果実はなびく。
「入れるよ?」
「お願いします」
「はい」
夢花は腰を浮かすと、一度スカートをお腹まで上げた。
初めから短かった絶対防衛線が敗れて、露になる下着。
それをサイドにズラすと、俺の棒を握りながら…。
「……ッ!」
「っふw」
夢花の腰が落ちた瞬間。俺の棒が包まれた瞬間。幸せホルモンのゲージが振り切れる。
「……ゥ!」
「…ぁふっ」
瞳を開いた夢花と視線が合った。
俺の手は自然と夢花の胸から離れた。何も言わずとも、その手を受け取る夢花。
握り締めあったのを確認すると、夢花は動き出す。
重なり合った肌と肌。密着と離発を繰り返し、綺麗な乙肌に糸が引く。
ッチャッチャッチャ……
耳を澄ませば聞こえてくる、いやらしい音。
いや待て、いったい何がいやらしいというのか。
これは聖戦であり、愛の証拠だ。自らの秘所で、俺の事を包んでくれる夢花の愛なのだ。
愛らしい音と、そしてなにより、この何もかもを真っ白に塗り替えてしまうような快感。
この行為は…聖交であって性交でない。セックスとはなんだ。断じて、いかがわしいものではない。
その答えは二人だけが知っている。俺と夢花だけが知っていればいい。
夢花に握られていた手を、俺は強く握り返していた。
「…ンッ」
「いぃよ…きてっ…」
「…ッ…ゥ…クッ!!」
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