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立ち眩み
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強い西日に目が眩み、僕の体は目を閉じた。
目の奥に光が刺さったような感覚の記憶があるから、多分そんな感じ。
世界が揺れたのか、自分の頭が揺れたのか、僕の体は地面に座り込み、手のひらをついていた。
人が通った跡だけ草が生えてない未舗装の砂利道で、デニムの短パンだから、不意についた膝に少し擦り傷と小さな石つぶが付いていた。
いわゆるけもの道だけど、使う人が多いせいで、草は少ない。
手のひらについた、いくつもの小さい石つぶを落としながら、僕は体を立ち上がらせる。
そうだ。百円落としてないよな?
手で触ったら、ちゃんと布の上からポケットにお金が入ってることは何となく感触で確認出来た。
デニムの短パンは、しゃがむと太ももに食い込むのが不快だ。
小銭くらいなら平気だけど、ポケットも浅いから何か入れると座りにくい。
通学路には使われない裏道のような細い道は、うちから田村商店までの最短ルートだ。
普通の道を使うと、丘の上の保育園の下の道や、みかんの段々畑を横目に過ぎて、茂みに防空壕がある車道を通って、結構遠回り。
田村商店は、食器用洗剤やスポンジ、トイレットペーパー、ビニール傘とか色々扱ってる店だけど、カツみたいなお菓子とか、ポンポン菓子とか、駄菓子って言われるやつが沢山売られてる。
「ちょっと急ご」
日が暮れ始めてるのを思い出して軽く走りつつ、ひとり言がもれた。
走るのは好きだ。
いつも後ろ側からオートモードで動いてる自分の体を見てる感覚が薄れて、何か追いついて半分は自分で体を動かしてる感じがする。でも、気を付けないと、完全にマニュアルになったら、足がもつれて転ぶ。
全部を意識して動かすのは、難しいんだ。
足だけ動かすと、手を振るのを忘れる。
まぁ、普通の事なんだけど、足が早い人って、忙しいだろうなぁと思う。
あれこれ考えてる間に、けもの道を抜けて田村商店のある通りにたどり着いた。
軒下の看板には、緑下地にペンキで黄色く『田村商店』と書いてある。
店の前には、紙袋の薄いパッケージに入った野菜の種が、金属の棚にズラっと並んでいる。
それが五、六台くらいはあるから、メインのお客さんは農家なのかもしれない。
店に入る前に、念の為にポケットの百円札円を取り出して確認してみた。
『昭和六十五年』
何故かその文字だけが妙に印象に残った。
目の奥に光が刺さったような感覚の記憶があるから、多分そんな感じ。
世界が揺れたのか、自分の頭が揺れたのか、僕の体は地面に座り込み、手のひらをついていた。
人が通った跡だけ草が生えてない未舗装の砂利道で、デニムの短パンだから、不意についた膝に少し擦り傷と小さな石つぶが付いていた。
いわゆるけもの道だけど、使う人が多いせいで、草は少ない。
手のひらについた、いくつもの小さい石つぶを落としながら、僕は体を立ち上がらせる。
そうだ。百円落としてないよな?
手で触ったら、ちゃんと布の上からポケットにお金が入ってることは何となく感触で確認出来た。
デニムの短パンは、しゃがむと太ももに食い込むのが不快だ。
小銭くらいなら平気だけど、ポケットも浅いから何か入れると座りにくい。
通学路には使われない裏道のような細い道は、うちから田村商店までの最短ルートだ。
普通の道を使うと、丘の上の保育園の下の道や、みかんの段々畑を横目に過ぎて、茂みに防空壕がある車道を通って、結構遠回り。
田村商店は、食器用洗剤やスポンジ、トイレットペーパー、ビニール傘とか色々扱ってる店だけど、カツみたいなお菓子とか、ポンポン菓子とか、駄菓子って言われるやつが沢山売られてる。
「ちょっと急ご」
日が暮れ始めてるのを思い出して軽く走りつつ、ひとり言がもれた。
走るのは好きだ。
いつも後ろ側からオートモードで動いてる自分の体を見てる感覚が薄れて、何か追いついて半分は自分で体を動かしてる感じがする。でも、気を付けないと、完全にマニュアルになったら、足がもつれて転ぶ。
全部を意識して動かすのは、難しいんだ。
足だけ動かすと、手を振るのを忘れる。
まぁ、普通の事なんだけど、足が早い人って、忙しいだろうなぁと思う。
あれこれ考えてる間に、けもの道を抜けて田村商店のある通りにたどり着いた。
軒下の看板には、緑下地にペンキで黄色く『田村商店』と書いてある。
店の前には、紙袋の薄いパッケージに入った野菜の種が、金属の棚にズラっと並んでいる。
それが五、六台くらいはあるから、メインのお客さんは農家なのかもしれない。
店に入る前に、念の為にポケットの百円札円を取り出して確認してみた。
『昭和六十五年』
何故かその文字だけが妙に印象に残った。
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