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モノローグ2
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女は関係性に名前を求めてくることが多い。結婚するわけでもないのだから、居たい時に一緒に過ごせばいい。関係性に名前なんてつけたら、それこそ束縛を権利かのように言ってくる。
…それが煩わしいんだ。
城宝 碧輝 モノローグ2
俺の課の人間は勤勉だ。部下は約50人。若いやつの失敗や、ベテランのミスだってもちろんあるが、必ず俺に正直に言いにきてくれる。
「__のエリアで近隣クレームがあった件、対応どうなってる」
事業の中でどうしても起こってくるのが、近隣や提携企業との摩擦だ。プロジェクトや各企業の担当から報告を聞いて、一つ一つまとめていく。指示を出すだけなら、簡単な問題なんだが…部下達や、各担当も分かってるだろう。いつ…誰がやるかだ。俺が行けば早いのだろうが…業務を課長代理にその期間任せるなら…スケジュール調整が必要になる。
「分かった、この件について上に報告する。先方には後日対応すると言っておけ」
…面倒くさいことになった。
___
20時、事務処理がひととおり終わり、まだ残業している部下に声をかけ、会社を出て携帯を見る。すると過去に1ヶ月だけ付き合ってた女から連絡が入っていた。無視しようかと思ったが、電話をかける。
「なにかあったか」
「ううん、何もないけど…碧輝元気にしてるかなと思って」
「ああ、特に変わりない」
車に乗り、電子タバコを取り出す。
「ねえ、今は恋人いるの?」
「そんな時間ねえよ」
めんどくせぇ。
「要件はそれだけか?」
多分、こいつは次に会えないか聞いてくるだろう。
「これから少し会えない?私、明日休みなの」
「……。どこだ?」
酒を飲むなら車を置いてこないといけない。
__
まあ、こうなるとは思っていた。愚痴をひととおり聞いてやり、ホテルに行くかと聞いたらついてきた。シャワーを浴びて、服を着る。女は化粧を直しながら
「ねえ、私達また付き合わない?悪くないでしょ…?」
「……いや、いい。構う時間もないしな」
そう言って部屋の精算をして、女を連れて部屋を出る。
22時半くらいか。
「…課長?」
声を聞いて振り向く。部下の1人にホテルの前で声をかけられるとは思わなかった。目が合い、こちらを見ているのを無視して、女を送るため駅に向かう。
「ねえ、さっきの子は?」
「俺の部下だ」
ふーん、と興味なさげに呟く。駅の改札口まで来るとまたこの話だ。
「私以外にも女っているの?」
「俺の周りの女は、ヤり目的なのだけだ」
関係は断ってるが、セックスを断る理由はないからな。
「…最低。忙しくてもいいのよ、私は。碧輝が辛い時、傍にいてあげたいの。そういう人がいると安心しない?」
綺麗事を並べているが、関係性を変えると相手に求める感情も増える。俺の生活に口出しされる方が面倒だし、ヤりたい時にヤれるという事以外、俺にメリットがない。
「要らねえ、もう帰れ。俺は明日仕事なんだ」
駅の改札を過ぎる背中を見送り、俺も帰ろうとすると、前方からさっきの部下が歩いてくるのが見えた。
「…はあ」
気づかれる前に、駅の駐車場に向かう。…ちなみに、時間も遅かったし、すぐにホテルに行ったから酒は飲んでいない。
__
早朝のミーティング、トラブルの件について各担当者を集めての業務連絡を行う。そういえば、ここのプロジェクトの担当は…昨日、ホテルの前で鉢合わせした部下だ。若手ながら、人当たりもいい。少しそそっかしく、先走るクセはあるがプロジェクト関係者とも上手く付き合っている。
「俺とこいつで回る、準備しておけ」
そう言ってミーティングは解散し、再来週には先方への説明と、関係者の打合せだ。部下に資料をまとめさせ、俺は課長代理と業務調整を行う。
俺が名指しした、あいつはというと…
何から準備したらいいのか、周りと相談している。俺とも調整が必要だろうが…まあ任せておこう。しばらくぶりの長期の出張だ。また忙しくなるな、そう考えていると俺を呼ぶ声が聞こえ、顔を上げる。
「課長、訪問先の順番なんですが…!」
緊張しながら、俺に声をかけてきた。
「ああ、どこから行く?」
「課長の希望はありますか…?期間中…先方の予定優先でスケジュールを組んでも…?」
最近は生意気なのも多いが、こうやって緊張しながら聞いてきてくれるのを見ると、自然と声が柔らかくなる。
「ああ、構わないが…昼飯食う時間がないとかはやめてくれよ?」
そう言うと、緊張が緩んだのか、分かりました、と笑顔で言って席に帰っていく。かわいいと普通に思う。あいつにも、この出張は経験になるだろうし、俺も一緒に行く部下が可愛げのあるやつで良かった。
ふと、携帯を見ると昨日の女からメッセージが入っていた。
「またね」
…もう会わないと、後で返しておくか。嫌味は言ってくるだろうが…お互い本気じゃないのは分かってる。好きだから一緒にいるなんて、ガキの恋愛じゃないんだ。だが、…続けすぎるとお互いのためにならない。
本当に一緒に過ごしたい人間がいても、気づかなくなるからだ。俺はもう、そんな相手を作る気はないからいいが、この女は違う。そんな俺達の関係に名前なんてつけるべきではない。この辺りで止めたほうがいいだろう。
…と、仕事だ。
しばらくここを離れるからな…忙しくなる。
Fin...
…それが煩わしいんだ。
城宝 碧輝 モノローグ2
俺の課の人間は勤勉だ。部下は約50人。若いやつの失敗や、ベテランのミスだってもちろんあるが、必ず俺に正直に言いにきてくれる。
「__のエリアで近隣クレームがあった件、対応どうなってる」
事業の中でどうしても起こってくるのが、近隣や提携企業との摩擦だ。プロジェクトや各企業の担当から報告を聞いて、一つ一つまとめていく。指示を出すだけなら、簡単な問題なんだが…部下達や、各担当も分かってるだろう。いつ…誰がやるかだ。俺が行けば早いのだろうが…業務を課長代理にその期間任せるなら…スケジュール調整が必要になる。
「分かった、この件について上に報告する。先方には後日対応すると言っておけ」
…面倒くさいことになった。
___
20時、事務処理がひととおり終わり、まだ残業している部下に声をかけ、会社を出て携帯を見る。すると過去に1ヶ月だけ付き合ってた女から連絡が入っていた。無視しようかと思ったが、電話をかける。
「なにかあったか」
「ううん、何もないけど…碧輝元気にしてるかなと思って」
「ああ、特に変わりない」
車に乗り、電子タバコを取り出す。
「ねえ、今は恋人いるの?」
「そんな時間ねえよ」
めんどくせぇ。
「要件はそれだけか?」
多分、こいつは次に会えないか聞いてくるだろう。
「これから少し会えない?私、明日休みなの」
「……。どこだ?」
酒を飲むなら車を置いてこないといけない。
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まあ、こうなるとは思っていた。愚痴をひととおり聞いてやり、ホテルに行くかと聞いたらついてきた。シャワーを浴びて、服を着る。女は化粧を直しながら
「ねえ、私達また付き合わない?悪くないでしょ…?」
「……いや、いい。構う時間もないしな」
そう言って部屋の精算をして、女を連れて部屋を出る。
22時半くらいか。
「…課長?」
声を聞いて振り向く。部下の1人にホテルの前で声をかけられるとは思わなかった。目が合い、こちらを見ているのを無視して、女を送るため駅に向かう。
「ねえ、さっきの子は?」
「俺の部下だ」
ふーん、と興味なさげに呟く。駅の改札口まで来るとまたこの話だ。
「私以外にも女っているの?」
「俺の周りの女は、ヤり目的なのだけだ」
関係は断ってるが、セックスを断る理由はないからな。
「…最低。忙しくてもいいのよ、私は。碧輝が辛い時、傍にいてあげたいの。そういう人がいると安心しない?」
綺麗事を並べているが、関係性を変えると相手に求める感情も増える。俺の生活に口出しされる方が面倒だし、ヤりたい時にヤれるという事以外、俺にメリットがない。
「要らねえ、もう帰れ。俺は明日仕事なんだ」
駅の改札を過ぎる背中を見送り、俺も帰ろうとすると、前方からさっきの部下が歩いてくるのが見えた。
「…はあ」
気づかれる前に、駅の駐車場に向かう。…ちなみに、時間も遅かったし、すぐにホテルに行ったから酒は飲んでいない。
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早朝のミーティング、トラブルの件について各担当者を集めての業務連絡を行う。そういえば、ここのプロジェクトの担当は…昨日、ホテルの前で鉢合わせした部下だ。若手ながら、人当たりもいい。少しそそっかしく、先走るクセはあるがプロジェクト関係者とも上手く付き合っている。
「俺とこいつで回る、準備しておけ」
そう言ってミーティングは解散し、再来週には先方への説明と、関係者の打合せだ。部下に資料をまとめさせ、俺は課長代理と業務調整を行う。
俺が名指しした、あいつはというと…
何から準備したらいいのか、周りと相談している。俺とも調整が必要だろうが…まあ任せておこう。しばらくぶりの長期の出張だ。また忙しくなるな、そう考えていると俺を呼ぶ声が聞こえ、顔を上げる。
「課長、訪問先の順番なんですが…!」
緊張しながら、俺に声をかけてきた。
「ああ、どこから行く?」
「課長の希望はありますか…?期間中…先方の予定優先でスケジュールを組んでも…?」
最近は生意気なのも多いが、こうやって緊張しながら聞いてきてくれるのを見ると、自然と声が柔らかくなる。
「ああ、構わないが…昼飯食う時間がないとかはやめてくれよ?」
そう言うと、緊張が緩んだのか、分かりました、と笑顔で言って席に帰っていく。かわいいと普通に思う。あいつにも、この出張は経験になるだろうし、俺も一緒に行く部下が可愛げのあるやつで良かった。
ふと、携帯を見ると昨日の女からメッセージが入っていた。
「またね」
…もう会わないと、後で返しておくか。嫌味は言ってくるだろうが…お互い本気じゃないのは分かってる。好きだから一緒にいるなんて、ガキの恋愛じゃないんだ。だが、…続けすぎるとお互いのためにならない。
本当に一緒に過ごしたい人間がいても、気づかなくなるからだ。俺はもう、そんな相手を作る気はないからいいが、この女は違う。そんな俺達の関係に名前なんてつけるべきではない。この辺りで止めたほうがいいだろう。
…と、仕事だ。
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