3 / 10
第三話
しおりを挟む
通されたのは広い食堂だった。
こちらには先程の応接室よりさらに大きいクリスタルのシャンデリアが下がっている。
奥の座席から順々に着席し、私は手前の席へと案内された。
アーロンさんは中央付近の席に座っている。
どうやらアーロンさんとは離れて食事をする必要があるようだ。
粗相をしなければいいけれど、と私はテーブルを眺める。
確かカトラリーは外側から順に取るのよね。
平たいものが魚用ナイフで……。
「緊張してる?」
思いつくマナーを頭の中で並べていた私に、誰かが声をかけてくる。
声のする方に目を向けると、正面に女性が座っていた。
年の頃は私とさほど変わらなそうに見えるが、堂々とした佇まいから社交の場に慣れているのが伺える。
淡いブロンドの髪に澄んだ青の瞳が、彼女が身につける淡いブルーのドレスによく映えていた。
「貴女は……アーロン様の婚約者、かしら?」
女性の言葉に慌てて首を横に振ると、女性は少し安堵した様子で微笑む。
「ご挨拶が遅れてごめんなさい。私はクララ・ハミルトン。歳も近いでしょうし、どうか気軽にクララと呼んでくださいませ」
「えっと、ルーシーです。よろしく、お願いします」
緊張のあまり口ごもる私を、クララは年の離れた妹でも見るかのような優しい瞳で見つめた。
程なくして晩餐会はホストであるオスカーさんの挨拶とともにスタートした。
私の隣には三十代前半くらいの男性が座っている。
男性はフランクと名乗った。
実業家の男性で、鉄道や貿易なんかの事業をしているらしい。
「いやはや、それにしてもオスカー氏の晩餐会に呼ばれるとは。私、この日を大変楽しみにしていたのですよ」
フランクさんは同意を求めるようにクララに視線を向ける。
「そうですわね。美食家オスカーと言えば、社交の場でも話を聞かない日はありませんもの」
フランクさんの言葉に同意して、クララはうっとりと目を細める。
「以前の晩餐会では、遠い島国の文化に倣って魚を生で調理したと聞きました。海産物を生でなんて……一体どんな料理だったのかしら」
「おっと、その輸送方法についても忘れないでくださいよ! 新鮮な食材を運ぶため、うちの鉄道を解放したんですから!」
そんな話をしながら、晩餐会は進行していく。
クララが言う通り、オスカーさんの用意した料理はどれも珍しく、私の五感を強烈に刺激するものばかりだった。
最初に運ばれてきたのは、琥珀色に輝く海亀のスープだ。湯気とともにふわりと立ち昇る深い滋味の香りが、一気に食欲を掻き立てる。銀のスプーンですくって口に含むと、とろりとしたゼラチン質が舌に絡みつき、濃厚な旨味がじんわりと喉の奥へと滑り落ちていった。
続いてニシンのマリネと、ロブスターのテルミドール。
マリネは爽やかなディルの香りとヴィネガーの酸味が、脂の乗った銀色のニシンの甘みを引き立てている。
ロブスターは、真っ赤な殻の中にぎっしりと詰まった純白の身が、黄金色に焦げたチーズと特製のクリームソースに覆われていた。フォークを入れるとサクッという香ばしい音の後に、ぷりっと弾けるような身が顔を出す。海の香りと焦げたチーズの匂いが鼻腔をくすぐり、噛むほどに甘い汁が口いっぱいに広がった。
メインディッシュが運ばれてくると、食堂はさらに芳醇な香りに包まれる。
こんがりと飴色に焼き上げられた七面鳥にナイフを入れた瞬間、閉じ込められていた熱い肉汁がじゅわっと溢れ出し、同時に中に詰められたトリュフのむせ返るような大地の香りが弾けた。
隣に添えられた仔牛の舌の煮込みは、艶やかな暗褐色のデミグラスソースを纏っている。ナイフがいらないほど柔らかく煮込まれており、口に入れた途端にほろほろと解け、強烈な肉の旨味へと変わっていく。
馴染みのない食材ばかりだったにも関わらず、そのどれもが暴力的なまでに美味しかった。
「これが美食家オスカーのフルコースなのね……」
仔牛の舌の煮込みに舌鼓を打ちながら、クララが感嘆の声を上げる。
同じく隣で料理を頬張りながら、フランクさんがうんうんと頷いた。
最後にデザートとして、パイナップルとマンゴーのアイスが運ばれてきた。
南国からの輸入品であるトロピカルフルーツをアイスにするなんて、さすがは美食家オスカーだと熱弁するフランクさんを横目に、私は舌の上で溶けるアイスの感触を楽しむ。
「そういえば、ずっと気になっていたことなのですが……」
ふと、フランクさんの視線が私を捉えた。
その瞳の奥には隠しきれない好奇心が宿っている。
「ホルブルック子爵のご子息が家を飛び出して市井で暮らしている、という噂は小耳に挟んでおりましたが、お嬢さんは一体、氏とどういったご関係ですかな?」
ホルブルック?と疑問に思ったが、話の内容からアーロンさんのことだということはすぐに合点がいった。
あけすけな質問に、クララが眉を寄せる。
しかしそれに気づかないまま、フランクさんは饒舌に話を続けた。
「いえね、あくまで噂ですが、孤児院から年若いお嬢さんを一人引き取ったとか。血筋を重んじる貴族出身の青年が家を捨てて、ましてや孤児院からお嬢さんを引き取るなんて! よほどの事情がおありなのでは、と思ったのですよ。例えば、そう、そのお嬢さんに……」
「フランクさん」
窘めるようにクララがフランクさんの話を遮る。
「ルーシー様はアーロン様のところにお世話になっているだけですわ。突飛な噂が飛び交うのは社交界の常ですけれども、彼は噂されるほどおかしな人ではありませんのよ」
クララはチラリとアーロンさんの方に視線を向ける。
その頬がほんのり赤く色づいているように見えたが、蝋燭の灯りでそのように見えるだけなのか、私には判別がつかなかった。
「これは失敬。少々要らぬことまで喋りすぎましたかな。私は単に、立派な家から出たくなる事情とはどのようなものか、興味があっただけなんですよ。私のような成り上がりものにとっては……」
フランクさんは誤魔化すようにワインを呷った。
ワイングラスが空になったところで、食後の紅茶が運ばれてくる。
薄茶色の水面に反射するシャンデリアの輝きを揺らして、私は目を細めた。
アーロンさんの趣味で日常的に紅茶を口にするが、ストレートはあまり好きではない。
アーロンさんが作ってくれるミルクたっぷりのロイヤルミルクティーでないと、あまり飲む気になれないのだ。
とはいえ残すのも忍びないのでカップに口をつけてみる。
苦い。
そっとカップをテーブルに戻す。
苦味の中に独特の風味があるのは、高級茶葉の特徴なのだろうか。
その味は、例えるならスプーンを舐めたような金属みのある味だった。
もしくは転んで鼻血を出した時なんかよくこんな味になるわよね、などと思いついたせいで余計に口が気持ち悪い。
美食ってよく分からないなと思いながら、私は虚空を見つめた。
食事が終わった後、クララに連れられて食堂を退室する。
この後、女性陣は先程の応接室で、男性陣は食堂に残って歓談するのだという。
応接室には紅茶やお菓子が用意されていた。
紅茶については丁重に辞退し、私は用意されていたチョコレートを摘む。
しばし和やかに歓談するムードが漂っていたが、その雰囲気は突如として響いた男性の悲鳴によってかき消された。
咄嗟に部屋を飛び出し、声のした方向へと走ると、廊下の隅で縮こまる人影がある。
「い、いいい医者だ! 医者を呼べ!」
フランクさんだ。
横を通り過ぎて、彼が来たであろう方向……食堂へと向かう。
食堂は騒然としていた。
ほとんどのゲストは廊下か、扉付近に追いやられている。
人の間を何とかくぐり抜けると、倒れたオスカーさんと、その側にしゃがみ込むアーロンさんの姿が目に入った。
アーロンさんの手はオスカーさんの首に添えられている。
その視線がオスカーさんの手元にじっと注がれていることに気づき、私の視線もオスカーさんの手元へと吸い寄せられた。
先程の挨拶の時は気が付かなかったが、オスカーさんの爪にボコボコとした白い線のような跡があることを認め、私は目を細める。
それは何かで削れてできたような線ではなく、まるで初めからそのように爪が生えてきたかのように自然に歪んでいる。
「遅かったね」
こちらに気がつくと、アーロンさんはゆっくりオスカーさんの首元から手を離す。
「何があったの? お医者さんは……」
アーロンさんはゆっくり首を横に振る。
「無駄だね、もう死んでいる」
「そんな……」
どうして、と問いかけると、アーロンさんは意味ありげに微笑んだ。
「さて、どうしてだと思う?」
私の瞳を見つめ、アーロンさんは首を傾げる。
その表情が何故か楽しそうに見えて、私は唇を引き結んだ。
✼••┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈••✼
あとがき
『霧の都の追放貴族とワケアリ少女探偵の事件簿』
をお読み頂きありがとうございます。
今日は5話まで投稿いたしますので、「お気に入り登録」をしてくれると嬉しいです。
毎日投稿予定です。コメントなど頂けると執筆の励みになります♪
こちらには先程の応接室よりさらに大きいクリスタルのシャンデリアが下がっている。
奥の座席から順々に着席し、私は手前の席へと案内された。
アーロンさんは中央付近の席に座っている。
どうやらアーロンさんとは離れて食事をする必要があるようだ。
粗相をしなければいいけれど、と私はテーブルを眺める。
確かカトラリーは外側から順に取るのよね。
平たいものが魚用ナイフで……。
「緊張してる?」
思いつくマナーを頭の中で並べていた私に、誰かが声をかけてくる。
声のする方に目を向けると、正面に女性が座っていた。
年の頃は私とさほど変わらなそうに見えるが、堂々とした佇まいから社交の場に慣れているのが伺える。
淡いブロンドの髪に澄んだ青の瞳が、彼女が身につける淡いブルーのドレスによく映えていた。
「貴女は……アーロン様の婚約者、かしら?」
女性の言葉に慌てて首を横に振ると、女性は少し安堵した様子で微笑む。
「ご挨拶が遅れてごめんなさい。私はクララ・ハミルトン。歳も近いでしょうし、どうか気軽にクララと呼んでくださいませ」
「えっと、ルーシーです。よろしく、お願いします」
緊張のあまり口ごもる私を、クララは年の離れた妹でも見るかのような優しい瞳で見つめた。
程なくして晩餐会はホストであるオスカーさんの挨拶とともにスタートした。
私の隣には三十代前半くらいの男性が座っている。
男性はフランクと名乗った。
実業家の男性で、鉄道や貿易なんかの事業をしているらしい。
「いやはや、それにしてもオスカー氏の晩餐会に呼ばれるとは。私、この日を大変楽しみにしていたのですよ」
フランクさんは同意を求めるようにクララに視線を向ける。
「そうですわね。美食家オスカーと言えば、社交の場でも話を聞かない日はありませんもの」
フランクさんの言葉に同意して、クララはうっとりと目を細める。
「以前の晩餐会では、遠い島国の文化に倣って魚を生で調理したと聞きました。海産物を生でなんて……一体どんな料理だったのかしら」
「おっと、その輸送方法についても忘れないでくださいよ! 新鮮な食材を運ぶため、うちの鉄道を解放したんですから!」
そんな話をしながら、晩餐会は進行していく。
クララが言う通り、オスカーさんの用意した料理はどれも珍しく、私の五感を強烈に刺激するものばかりだった。
最初に運ばれてきたのは、琥珀色に輝く海亀のスープだ。湯気とともにふわりと立ち昇る深い滋味の香りが、一気に食欲を掻き立てる。銀のスプーンですくって口に含むと、とろりとしたゼラチン質が舌に絡みつき、濃厚な旨味がじんわりと喉の奥へと滑り落ちていった。
続いてニシンのマリネと、ロブスターのテルミドール。
マリネは爽やかなディルの香りとヴィネガーの酸味が、脂の乗った銀色のニシンの甘みを引き立てている。
ロブスターは、真っ赤な殻の中にぎっしりと詰まった純白の身が、黄金色に焦げたチーズと特製のクリームソースに覆われていた。フォークを入れるとサクッという香ばしい音の後に、ぷりっと弾けるような身が顔を出す。海の香りと焦げたチーズの匂いが鼻腔をくすぐり、噛むほどに甘い汁が口いっぱいに広がった。
メインディッシュが運ばれてくると、食堂はさらに芳醇な香りに包まれる。
こんがりと飴色に焼き上げられた七面鳥にナイフを入れた瞬間、閉じ込められていた熱い肉汁がじゅわっと溢れ出し、同時に中に詰められたトリュフのむせ返るような大地の香りが弾けた。
隣に添えられた仔牛の舌の煮込みは、艶やかな暗褐色のデミグラスソースを纏っている。ナイフがいらないほど柔らかく煮込まれており、口に入れた途端にほろほろと解け、強烈な肉の旨味へと変わっていく。
馴染みのない食材ばかりだったにも関わらず、そのどれもが暴力的なまでに美味しかった。
「これが美食家オスカーのフルコースなのね……」
仔牛の舌の煮込みに舌鼓を打ちながら、クララが感嘆の声を上げる。
同じく隣で料理を頬張りながら、フランクさんがうんうんと頷いた。
最後にデザートとして、パイナップルとマンゴーのアイスが運ばれてきた。
南国からの輸入品であるトロピカルフルーツをアイスにするなんて、さすがは美食家オスカーだと熱弁するフランクさんを横目に、私は舌の上で溶けるアイスの感触を楽しむ。
「そういえば、ずっと気になっていたことなのですが……」
ふと、フランクさんの視線が私を捉えた。
その瞳の奥には隠しきれない好奇心が宿っている。
「ホルブルック子爵のご子息が家を飛び出して市井で暮らしている、という噂は小耳に挟んでおりましたが、お嬢さんは一体、氏とどういったご関係ですかな?」
ホルブルック?と疑問に思ったが、話の内容からアーロンさんのことだということはすぐに合点がいった。
あけすけな質問に、クララが眉を寄せる。
しかしそれに気づかないまま、フランクさんは饒舌に話を続けた。
「いえね、あくまで噂ですが、孤児院から年若いお嬢さんを一人引き取ったとか。血筋を重んじる貴族出身の青年が家を捨てて、ましてや孤児院からお嬢さんを引き取るなんて! よほどの事情がおありなのでは、と思ったのですよ。例えば、そう、そのお嬢さんに……」
「フランクさん」
窘めるようにクララがフランクさんの話を遮る。
「ルーシー様はアーロン様のところにお世話になっているだけですわ。突飛な噂が飛び交うのは社交界の常ですけれども、彼は噂されるほどおかしな人ではありませんのよ」
クララはチラリとアーロンさんの方に視線を向ける。
その頬がほんのり赤く色づいているように見えたが、蝋燭の灯りでそのように見えるだけなのか、私には判別がつかなかった。
「これは失敬。少々要らぬことまで喋りすぎましたかな。私は単に、立派な家から出たくなる事情とはどのようなものか、興味があっただけなんですよ。私のような成り上がりものにとっては……」
フランクさんは誤魔化すようにワインを呷った。
ワイングラスが空になったところで、食後の紅茶が運ばれてくる。
薄茶色の水面に反射するシャンデリアの輝きを揺らして、私は目を細めた。
アーロンさんの趣味で日常的に紅茶を口にするが、ストレートはあまり好きではない。
アーロンさんが作ってくれるミルクたっぷりのロイヤルミルクティーでないと、あまり飲む気になれないのだ。
とはいえ残すのも忍びないのでカップに口をつけてみる。
苦い。
そっとカップをテーブルに戻す。
苦味の中に独特の風味があるのは、高級茶葉の特徴なのだろうか。
その味は、例えるならスプーンを舐めたような金属みのある味だった。
もしくは転んで鼻血を出した時なんかよくこんな味になるわよね、などと思いついたせいで余計に口が気持ち悪い。
美食ってよく分からないなと思いながら、私は虚空を見つめた。
食事が終わった後、クララに連れられて食堂を退室する。
この後、女性陣は先程の応接室で、男性陣は食堂に残って歓談するのだという。
応接室には紅茶やお菓子が用意されていた。
紅茶については丁重に辞退し、私は用意されていたチョコレートを摘む。
しばし和やかに歓談するムードが漂っていたが、その雰囲気は突如として響いた男性の悲鳴によってかき消された。
咄嗟に部屋を飛び出し、声のした方向へと走ると、廊下の隅で縮こまる人影がある。
「い、いいい医者だ! 医者を呼べ!」
フランクさんだ。
横を通り過ぎて、彼が来たであろう方向……食堂へと向かう。
食堂は騒然としていた。
ほとんどのゲストは廊下か、扉付近に追いやられている。
人の間を何とかくぐり抜けると、倒れたオスカーさんと、その側にしゃがみ込むアーロンさんの姿が目に入った。
アーロンさんの手はオスカーさんの首に添えられている。
その視線がオスカーさんの手元にじっと注がれていることに気づき、私の視線もオスカーさんの手元へと吸い寄せられた。
先程の挨拶の時は気が付かなかったが、オスカーさんの爪にボコボコとした白い線のような跡があることを認め、私は目を細める。
それは何かで削れてできたような線ではなく、まるで初めからそのように爪が生えてきたかのように自然に歪んでいる。
「遅かったね」
こちらに気がつくと、アーロンさんはゆっくりオスカーさんの首元から手を離す。
「何があったの? お医者さんは……」
アーロンさんはゆっくり首を横に振る。
「無駄だね、もう死んでいる」
「そんな……」
どうして、と問いかけると、アーロンさんは意味ありげに微笑んだ。
「さて、どうしてだと思う?」
私の瞳を見つめ、アーロンさんは首を傾げる。
その表情が何故か楽しそうに見えて、私は唇を引き結んだ。
✼••┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈••✼
あとがき
『霧の都の追放貴族とワケアリ少女探偵の事件簿』
をお読み頂きありがとうございます。
今日は5話まで投稿いたしますので、「お気に入り登録」をしてくれると嬉しいです。
毎日投稿予定です。コメントなど頂けると執筆の励みになります♪
30
あなたにおすすめの小説
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。
木山楽斗
恋愛
「君とは一年後に離婚するつもりだ」
結婚して早々、私は夫であるマグナスからそんなことを告げられた。
彼曰く、これは親に言われて仕方なくした結婚であり、義理を果たした後は自由な独り身に戻りたいらしい。
身勝手な要求ではあったが、その気持ちが理解できない訳ではなかった。私もまた、親に言われて結婚したからだ。
こうして私は、一年間の期限付きで夫婦生活を送ることになった。
マグナスは紳士的な人物であり、最初に言ってきた要求以外は良き夫であった。故に私は、それなりに楽しい生活を送ることができた。
「もう少し様子を見たいと思っている。流石に一年では両親も納得しそうにない」
一年が経った後、マグナスはそんなことを言ってきた。
それに関しては、私も納得した。彼の言う通り、流石に離婚までが早すぎると思ったからだ。
それから一年後も、マグナスは離婚の話をしなかった。まだ様子を見たいということなのだろう。
夫がいつ離婚を切り出してくるのか、そんなことを思いながら私は日々を過ごしている。今の所、その気配はまったくないのだが。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。
秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。
「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」
第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。
着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。
「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。
行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。
「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」
「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」
氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。
一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。
慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。
しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。
「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」
これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる