真珠の涙は艶麗に煌めく

枳 雨那

文字の大きさ
47 / 47
エピローグ

しおりを挟む
「真珠?」
「あ、あの。今日は部屋に来てくれないから、どうしてかと思って」
「ああ、悪い。考え事をしていた」
「結婚式のことなら、嫌なら無理しなくていいですから……私を避けないでください」
「ん? 全く避けてないが?」

 銀は心外だとでも言いたげに、目を丸くした。その返答に、真珠も同じ表情になる。銀はすぐに合点がいったのか、僅かに口角を上げた。

「悪い。寂しかったのか」
「はい」
「……おいで」

 腕を広げられたら、飛び込まずにはいられない。真珠は枕を放り投げ、石鹸の清潔な香りがするその肩に、顔を埋めて抱きついた。

「どういう結婚式にしたら、真珠が喜ぶか考えていた」
「……え?」
「師匠にも紹介はしたが、道場の子どもたちに自慢してやろうとか……それか、抵抗はあるが、街の中央通りを使わせてもらうとか」
「そ、そうだったんですか?」

 避けられているわけではなかった。むしろその逆で、真珠のことを想い考えてくれていたのだ。

「ありがとうございます。もうそれって、結婚式をしていいってことですか?」
「お前が喜ぶなら、そうしよう」
「やった……嬉しいです!」

 頬を撫でられ、真珠が顔を上げると、もう何度目になるか分からない、噛みつくようなキスが降ってきた。

「んうっ……ふっ……」
「真珠っ」

 舌を絡める濃厚な口づけを交わしながら、銀の手は真珠の身体をまさぐり、浴衣の帯を緩めて、さっと脱がせた。裸になった真珠を、銀は壁際に追いやり、逃げられないよう真珠の脚の間に膝を入れた。

「あっ、なにっ?」
「ここなら、月の光で顔が見える」
「えっ」

 窓から入る月の光は、ちょうど真珠の上半身を照らしていた。真っ白な肌に、ほんのりと差す赤みは、羞恥の色と、胸の先端にある蕾の色だった。真珠が恥ずかしげに目を閉じていると、銀が口を開く。

「真珠。結婚式もそうだが、俺はもう一つ考えていることがある」
「な、なんですか?」
「お前との、子どもが欲しい」

 金色の瞳に熱く見つめられ、そう言われた真珠は、お腹の奥をきゅんとさせた。銀がそう望むのなら、真珠も応えたい。銀との子どもなら、可愛すぎて溺愛してしまいそうだ。

「はいっ」
「……いいのか?」
「子育ては上手くできるか不安ですけど、琥珀さんも一緒に頑張ってくれますか?」
「ああ、もちろんだ」

 二人は微笑み合い、手を重ねて指を絡め、互いの唇を食むようなキスをした。銀の顔はそのまま下に降りて、真珠の首筋、鎖骨、胸元に赤い花を散らしながら、胸の先端を口に含んだ。

「あっ、あっ」
「いつ触っても、柔らかくて綺麗だ」
「やあっ……恥ずかしいっ」

 銀は、空いた手でもう片方の乳房を包み、感触を確かめるように指を食い込ませ、揉みしだく。ぷくりと芯を持ち始めた蕾を、指で弾いて摘まんでは、手のひらですりすりと撫でた。口に含んだ方は、舌でねっとりと舐めた後、ちゅうっと吸った。

「あんんっ!」
「気持ちいいか?」
「んっ……気持ちいいっ」

 真珠は手を銀の下腹部に伸ばし、膨らんだそこを浴衣の上から撫でた。それだけで銀がぴくりと反応するのが、嬉しかった。

「触ってくれるのか?」
「……はい」
「待ってろ。俺も脱ぐ」

 銀の素肌も、光に照らされて神秘的な白さを放っていた。最近の力仕事で日焼けしたとはいえ、女性顔負けの彫刻のような美しい肌。割れた腹筋を撫で、真珠の手も下へと降りていく。

「っ……あ……」
「い、痛くないですか?」
「大丈夫だ。気持ちいい……」

 手で握ってみると、ドクドクと脈打っていて不思議だった。力を入れすぎないように、上下に擦ると、銀は微かに色声を漏らしていく。それがあまりにも色っぽくて、真珠は次第に興奮していった。

「俺も、触る」
「んっ、ああっ……」

 銀の手も、真珠の秘所を探った。既に濡れそぼったそこは、秘裂をなぞられるだけで水音を立てる。銀の指が二本、蜜壺に差し込まれ、真珠はそれを喜びながら迎え入れた。すぐに抜き挿しが始まり、銀は知り尽くした真珠の弱点をこれでもかと擦った。

「あっ、ああっ、もっと……」
「激しくがいいのか?」
「う、んっ」

 真珠がねだると、銀は身を屈ませ、真珠の脚の間に顔を埋めた。口だけで器用に秘裂を割り、中の花芯を探って、充血した芽を舌で弄る。同時に、蜜壺の奥を指で擦って、真珠を急激に追い詰めた。

「ひっ、あっ、ああぁぁっ!」
「ん、イッたか?」
「……うんっ……あっ」

 次々に溢れてくる蜜は、銀が舐めとっていく。温かい舌の感触とその音に煽られ、真珠は再び熱い蜜を零した。

「たまらないな……」
「琥珀さん、もうっ、ちょうだい?」
「ああ。いくらでもやる」

 銀は立ち上がり、真珠の片脚を抱えて、自身のものをあてがった。真珠が期待するよりも早く、それは性急に中を進んでいく。

「ああぁっ」
「今日も、熱くうねってる」
「んんっ、おっきい……」

 真珠は銀の首に腕を回してしがみついた。銀も真珠を抱き寄せ、下から突き上げて中を擦る。

「ああっ、あんっ」
「はぁっ……真珠、しっかり掴まれ」
「えっ? なにっ……ひゃあっ!」

 銀が真珠の臀部の下に腕を通し、まるで抱っこをするかのように持ち上げた。銀の腕と腰の力だけで真珠を支える形になり、真珠は必死でしがみつく。不安定な体勢のせいで先程よりも深くなった繋がりは、真珠を昇りつめさせるのに充分な刺激だった。

「ああっ、深いっ……あんっ!」
「っく……きつ……」

 銀は休まずに腰を動かし、太腿まで真珠の愛液で濡らしながら、何度も奥を突き続けた。

「あっ、だめっ……きちゃうっ!」
「ああ、俺も、出るっ」
「んっ、あ、ひゃ、ああぁぁぁっ!」
「……あっ……」

 真珠はきゅうっと銀のものを締めつけ、お腹の奥に熱い迸りを受けながら、この上ない絶頂を迎えた。



*****



 結婚式の準備は真珠たちも含めて着々と進み、遂に二ヶ月後、銀の育った道場を借りて、こぢんまりとした式が執り行われた。司会進行は、黒曜の役目だ。

『巫女様、綺麗だなー……』
『旦那様の方も、凛々しい方だわ。美男美女でお似合いよね』
『それ思ったわ! 理想の夫婦って感じがして』

 村人たちからはそんな声が聞こえて、白無垢姿の真珠は密かに照れていた。

(お似合いだと思ってもらえる日が来るなんて……)

 感慨深く思いながら、隣にいる袴姿の銀を見る。彼は緊張しているのか、唇を真一文字に結んでいた。

「こら、式の前なのに、顔が強張こわばってる。おめでたい日くらい、にこにこしなさい」

 黒曜が銀の顔を覗き込み、そう注意した。

「分かっている。だが、上手く笑えない……」
「銀さん、無理しなくていいですよ」

 銀は、普段から表情にあまり差がない人だ。にこにこなんてもってのほかで、大勢の知らない人たちの前では難しいだろう。真珠は隣に手を伸ばし、そっと銀の手を握った。心を落ち着けたい時は、いつもこうしている。

「今日の結婚式、いい思い出にしましょうね」
「……ああ」

 銀の頬が少し緩む。それを見た黒曜が、大きな溜め息をついた。

「惚れた女の前では、そういう顔をするのよね~」
「うるさい」
「ふふっ」

 式がもうすぐで始まるという時、瑪瑙たちが二人の元へとやってきた。全員、結婚式に合わせて、袴姿になっている。彼らもまた、もともとが美形だからか、たいそう似合っている。

「真珠、銀。改めて、結婚おめでとう」
「ああ、本当に銀さんのところに嫁ぐんですね……」
「俺、明日からしばらく仕事休む……」

 祝辞を述べてくれたのは瑪瑙だけだったが、玻璃も瑠璃も顔は穏やかだった。真珠は銀と顔を見合わせて笑い、口を開いた。

「必ず幸せになります。銀さんと、お腹の子と一緒に」

 その言葉を聞いた三人は硬直し、黒曜は嬉しそうに悲鳴を上げ、村人たちからは割れんばかりの歓声が上がった。



 眠っていた真珠の原石は、異世界で、こうして素敵な輝きを手に入れました、とさ。


【完】
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

himo2
2021.08.05 himo2

すごいよかったです!ただエッチなだけじゃなくこの長さなのにストーリーがしっかりしていて次々見入ってとてもおもしろかったです!最初好きな人以外とエッチしたり2回してるのに本命はまだしてないのが寂しかったけど最後ちゃんとイチャラブあってハッピーエンドよかったです〜♡

解除
hiyo
2019.07.25 hiyo

とても楽しい物語でした。
おとぎ話は素敵です~乙女ゲームの主人公になったみたいで
幸せです。
暫くの夢の世界をありがとうございました。

解除

あなたにおすすめの小説

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

黒騎士団の娼婦

星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。