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14.誤魔化しは通じませんか
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吸血鬼、ヴァンパイア、ヴァンパイア……。
グルグルと言葉を暗転させて、私の知っている吸血鬼についての知識をフル回転させる。
漫画で培ってきたイメージを全部まとめて再生したところで、純粋な疑問が湧き上がった。
「……吸血鬼? サキュバスじゃなくて……?」
「あ?」
「ひっ!!」
あなたの目つきで上からのガン付けは恐いですって!!
なんとか彼のひんやりした胸元を押し返して距離を開けるも、両肩を固定されていて大して離れられない。
てかもう、その呆れ顔もやめて欲しい。
こいつバカだって目が言ってるよぉ……。
「吸血鬼が自分で吸血鬼名乗ってんのになんでサキュバスになんだよ。
ほら、牙も生えてんだろ」
「ひっ……!」
そう言って唐突に口を開く杉村部長にゾッとするも、あくまで見せつけるだけのようで、それ以上迫って来ない。
恐る恐る顔を上げて開かれた口を覗くと、やはりさっきも見えていた異常に長い犬歯が目に付いた。
それでも……納得いかない。
というか、このご時世に吸血鬼なんて……信じてなるもんですか!!
「で、でも、今、私の血じゃなくてその……キス、で食事、したんですよね?」
吸血鬼はダメだがサキュバスは信じているとでも取れるような、なんとも子供じみた口調で、震える声を抑えながら慎重に尋ねる。
それでもサキュバスだと訴える根拠は、よく漫画にあるサキュバスが、キスで相手の生命エネルギーを吸い取ったり、人を惹きつけたりしているからだ。
間違いなく杉村部長は人気があるし、今思えば人間離れした美しい顔立ちをしている。
さっきから証明するように見せつけられてる人間らしからぬ症状を知れば知るほど疑う余地が無いが……
それでも吸血鬼が、自らを吸血鬼とこんなにんも飄々と名乗り出て、しかも吸血ではなくキスで食事のような行為をするなんてーーいやそのことに関してはまだ憶測にしか過ぎないのだけどもーー私の培ってきた吸血鬼像に反している。
ましてや、私なんかと結婚? 子供を産む?
そんなの、信じられますか!!
私の意図を汲み取ったらしい部長は顎に指を添えて急にまた真剣な表情を向けた。
「ふーん……各国に伝わる伝承の魔物……悪魔、魔女、狼男、サキュバス、インキュバス……あとはゾンビや妖怪……そんなもんか?
これらは存在すると思ってんのか?」
杉村部長は昔から存在する未確認生物を思いつくだけ名前を連ね、ニヤリと牙を見せて笑った。
い、今まで見たことなかったけど、杉村部長ってこんな風に笑うの……?
なんか、どこかの悪いお代官様みたいで、めちゃくちゃ恐くて鳥肌立つんですけど!
「そ、そんなの、見たことないから分かんないですよ!」
精一杯の反論をしたところで、杉村部長は片手で口元を押さえて顔を逸らし、ククッと笑った。
え、こんな風にも笑うの……なんかバカにされてるみたいで腹立つんですけど……。
ぽかんとしたり、唐突に冷めたりと顔の筋肉が動きを変えるのを感じていると、ようやく笑うのを終えた杉村は未だに細められたその瞳で私を見つめた。
「全部、俺たちのことだ」
う、嘘だぁ~
黒いマントを羽織り、太陽を嫌い、闇と共に生きるクールな紳士のイメージが、朝日に照らされてキラキラした部屋の中で、ガラスのように崩れて行く瞬間だった。
グルグルと言葉を暗転させて、私の知っている吸血鬼についての知識をフル回転させる。
漫画で培ってきたイメージを全部まとめて再生したところで、純粋な疑問が湧き上がった。
「……吸血鬼? サキュバスじゃなくて……?」
「あ?」
「ひっ!!」
あなたの目つきで上からのガン付けは恐いですって!!
なんとか彼のひんやりした胸元を押し返して距離を開けるも、両肩を固定されていて大して離れられない。
てかもう、その呆れ顔もやめて欲しい。
こいつバカだって目が言ってるよぉ……。
「吸血鬼が自分で吸血鬼名乗ってんのになんでサキュバスになんだよ。
ほら、牙も生えてんだろ」
「ひっ……!」
そう言って唐突に口を開く杉村部長にゾッとするも、あくまで見せつけるだけのようで、それ以上迫って来ない。
恐る恐る顔を上げて開かれた口を覗くと、やはりさっきも見えていた異常に長い犬歯が目に付いた。
それでも……納得いかない。
というか、このご時世に吸血鬼なんて……信じてなるもんですか!!
「で、でも、今、私の血じゃなくてその……キス、で食事、したんですよね?」
吸血鬼はダメだがサキュバスは信じているとでも取れるような、なんとも子供じみた口調で、震える声を抑えながら慎重に尋ねる。
それでもサキュバスだと訴える根拠は、よく漫画にあるサキュバスが、キスで相手の生命エネルギーを吸い取ったり、人を惹きつけたりしているからだ。
間違いなく杉村部長は人気があるし、今思えば人間離れした美しい顔立ちをしている。
さっきから証明するように見せつけられてる人間らしからぬ症状を知れば知るほど疑う余地が無いが……
それでも吸血鬼が、自らを吸血鬼とこんなにんも飄々と名乗り出て、しかも吸血ではなくキスで食事のような行為をするなんてーーいやそのことに関してはまだ憶測にしか過ぎないのだけどもーー私の培ってきた吸血鬼像に反している。
ましてや、私なんかと結婚? 子供を産む?
そんなの、信じられますか!!
私の意図を汲み取ったらしい部長は顎に指を添えて急にまた真剣な表情を向けた。
「ふーん……各国に伝わる伝承の魔物……悪魔、魔女、狼男、サキュバス、インキュバス……あとはゾンビや妖怪……そんなもんか?
これらは存在すると思ってんのか?」
杉村部長は昔から存在する未確認生物を思いつくだけ名前を連ね、ニヤリと牙を見せて笑った。
い、今まで見たことなかったけど、杉村部長ってこんな風に笑うの……?
なんか、どこかの悪いお代官様みたいで、めちゃくちゃ恐くて鳥肌立つんですけど!
「そ、そんなの、見たことないから分かんないですよ!」
精一杯の反論をしたところで、杉村部長は片手で口元を押さえて顔を逸らし、ククッと笑った。
え、こんな風にも笑うの……なんかバカにされてるみたいで腹立つんですけど……。
ぽかんとしたり、唐突に冷めたりと顔の筋肉が動きを変えるのを感じていると、ようやく笑うのを終えた杉村は未だに細められたその瞳で私を見つめた。
「全部、俺たちのことだ」
う、嘘だぁ~
黒いマントを羽織り、太陽を嫌い、闇と共に生きるクールな紳士のイメージが、朝日に照らされてキラキラした部屋の中で、ガラスのように崩れて行く瞬間だった。
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