66 / 106
65.図工の才能
しおりを挟む
「これだな」
「な、なんで分かるんですか!?」
「いや、ほとんど今と変わらねーし。この唇とかまんまお前だ」
「だ、だって、メガネかけてないし…バレないかと……てか唇って……!」
長い指でアルバムの写真を指差し、ニヤリと口角を上げて横目で見上げる部長に、思わず口元を手で覆った。
『誰かの家に来たらこういうのが定番だろ? 』
とか言い始めたと思ったら、押入れ奥深くのダンボールの中に収めていたはずのアルバム達を1秒程度で運んで来たこの悪魔は、ベッドに寝そべりながら勝手に見始めてしまったのだ。
写真は小学校の卒業アルバムだったから、慌てて名簿のページ欄を隠したわけだが、「どれが凛か当てられたら言うこと聞けよ」となんとも恐ろしいことを提案して来た為、負けられない戦いだった。
……たった今敗北したわけだが。
「お前はかなり個性的だしな。
てかこれ折り紙で何作ってんだ? イカ? タコ?」
「ろ、ロケットですっ!
後ろのそれは、ジェットエンジンの火の部分で…その……」
「プッ……ハハ……!
ホントお前のセンスは最高だな」
思いっきりバカにされて顔が火照る。
こんなロケットを作ってしまったが為にしばらく“イカ女”とか『おいスルメー!』とかってバカにされたっけ……。
思わず、頭を抱えた。
あー……今を去ることながら、思い出すと恥ずかしい黒歴史……!
「そんな眉間に皺寄せてるとすぐババアになるぞ」
「なっ…!」
ツンと眉間を押されれば目の前で私を覗き込む黒真珠のような瞳と目が合って、息を飲む。
「……凛」
「は、はいっ!!」
背筋をピンと伸ばすと、部長はククッと笑う。
「じゃ、言うこと聞いてもらおうか」
「っ……」
女の子座りをしていた私と視線を合わせるかのように、腕の力で身体を起こす部長に、何をされるのかと心臓が恐怖で暴れ始める。
その間も部長の黒真珠の瞳は私を逃してはくれないのだ。
頬にひんやりした手のひらが添えられれば、ゾクゾクと鳥肌が立つ。
確実に今、部長を身体が拒否し、恐がっているはずなのに……。
私はーー何を待っているのだろう……?
それに気づいて、また大きく心臓が揺らいだ。
「凛…俺ーー」
「な、なんで分かるんですか!?」
「いや、ほとんど今と変わらねーし。この唇とかまんまお前だ」
「だ、だって、メガネかけてないし…バレないかと……てか唇って……!」
長い指でアルバムの写真を指差し、ニヤリと口角を上げて横目で見上げる部長に、思わず口元を手で覆った。
『誰かの家に来たらこういうのが定番だろ? 』
とか言い始めたと思ったら、押入れ奥深くのダンボールの中に収めていたはずのアルバム達を1秒程度で運んで来たこの悪魔は、ベッドに寝そべりながら勝手に見始めてしまったのだ。
写真は小学校の卒業アルバムだったから、慌てて名簿のページ欄を隠したわけだが、「どれが凛か当てられたら言うこと聞けよ」となんとも恐ろしいことを提案して来た為、負けられない戦いだった。
……たった今敗北したわけだが。
「お前はかなり個性的だしな。
てかこれ折り紙で何作ってんだ? イカ? タコ?」
「ろ、ロケットですっ!
後ろのそれは、ジェットエンジンの火の部分で…その……」
「プッ……ハハ……!
ホントお前のセンスは最高だな」
思いっきりバカにされて顔が火照る。
こんなロケットを作ってしまったが為にしばらく“イカ女”とか『おいスルメー!』とかってバカにされたっけ……。
思わず、頭を抱えた。
あー……今を去ることながら、思い出すと恥ずかしい黒歴史……!
「そんな眉間に皺寄せてるとすぐババアになるぞ」
「なっ…!」
ツンと眉間を押されれば目の前で私を覗き込む黒真珠のような瞳と目が合って、息を飲む。
「……凛」
「は、はいっ!!」
背筋をピンと伸ばすと、部長はククッと笑う。
「じゃ、言うこと聞いてもらおうか」
「っ……」
女の子座りをしていた私と視線を合わせるかのように、腕の力で身体を起こす部長に、何をされるのかと心臓が恐怖で暴れ始める。
その間も部長の黒真珠の瞳は私を逃してはくれないのだ。
頬にひんやりした手のひらが添えられれば、ゾクゾクと鳥肌が立つ。
確実に今、部長を身体が拒否し、恐がっているはずなのに……。
私はーー何を待っているのだろう……?
それに気づいて、また大きく心臓が揺らいだ。
「凛…俺ーー」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる