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2人に流されて…最低なオレ。
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「はっ…はっ……う…ううっ……っ……」
思わず、泣いてしまった。
それすらも、恥ずかしい。
「……びしょびしょ。
そんな良かったんだ?」
泣いてるオレを気にすることなく、亜貴は指を伝う水滴を零さないように舌で舐めた。
恐くて、不安で、初めてのことで戸惑って。
でも、それでも感じていた自分自身にムカついて、腹が立って。
……もう、お嫁に行けない。
理央先輩に、向ける顔がない。
「……着替え、取ってくる。
身体怠いだろ?休んでな」
「ひっく……うぅ……」
子供のように、顔を逸らして泣く。
口も聞きたくない。
目も合わせたくない。
こんな泣き方、いつ以来だ?
「…………」
亜貴は横向きに寝ているオレを無言で後ろからそっと身体を包むと、オレの頭にキスをした。
大事そうに、壊れものに触るように。
許しを求めてるの?
絶対、許さないの、分かってるだろうに。
そのまま何も言わずに、亜貴は保健室を出て行った。
それがまた少し悲しくて、涙がシーツを濡らした。
この関係は、間違ってる。
亜貴を求めてしまうオレも、甚だおかしい。
オレは…どうするのが正しいの?
誰か、教えて。
***
「亜貴」
「…………」
廊下に出ると、待っていたかのように理央が立っていた。
朝練を終えたのか、制服に着替えている。
少し気まずそうに、目を逸らされる。
「純ちゃんは…大丈夫?」
「……中入って確認したら?
純、喜ぶんじゃん?」
理央はムッと顔を上げた。
「……もう、純ちゃんに近付かないであげて」
「なんで?」
理由は分かってるけど、わざと聞く。
「遊びなら他でやれよ。
純ちゃん、可哀想だろ?」
「それだけ?」
「っ……」
理央は拳を握った。
「……純ちゃんに、告白しようと思う」
「……へぇ」
「亜貴は…純ちゃんのこと、どう思ってるの?」
「………」
目線を下ろして、目を閉じた。
涙を流す純が、頭に浮かぶ。
「……性奴隷?
……っ」
顔を上げれば、理央はその拳を振りかざした。
顔の前でそれを片手で止める。
「亜貴…なんで、そんなになったんだよ?
それは本心なのか?」
「……留めておけるなら、なんでもいい。
女なんか、それくらいのオモチャだろ」
「亜貴っ……」
「やり合うだけ無駄なの分かってるだろ?
大会前だ。
この辺でやめとけ」
理央は拳を震わせながらも、手を下ろした。
「……亜貴。
僕は、純ちゃんを大事にするから。
そんな風に、泣かせたりしない」
「……好きにすれば?」
「もし僕と純ちゃんが付き合ったら…純ちゃんにはもう、関わるな」
「…………」
俺は理央を無視して、外に出た。
風が生温い。
今のまま、時間が止まればいいのに。
『亜貴…あきっ……!』
何度も名前を呼んで乱れながら、苦しそうに俺を見つめる純が浮かぶ。
自分の唇を、指でなぞった。
例え身体で繫がったとしても、きっと、心は手に入らない。
最初からただの、悪あがきだ。
何が正しいとか、そんなの、あるわけない。
汚い、醜い自分は、ただの男で。
頭で声を再生して、余韻に浸る、ケダモノでしかない。
でも、それでもいいと思ってる。
純との時間は、もう残り少ないだろうから……。
思わず、泣いてしまった。
それすらも、恥ずかしい。
「……びしょびしょ。
そんな良かったんだ?」
泣いてるオレを気にすることなく、亜貴は指を伝う水滴を零さないように舌で舐めた。
恐くて、不安で、初めてのことで戸惑って。
でも、それでも感じていた自分自身にムカついて、腹が立って。
……もう、お嫁に行けない。
理央先輩に、向ける顔がない。
「……着替え、取ってくる。
身体怠いだろ?休んでな」
「ひっく……うぅ……」
子供のように、顔を逸らして泣く。
口も聞きたくない。
目も合わせたくない。
こんな泣き方、いつ以来だ?
「…………」
亜貴は横向きに寝ているオレを無言で後ろからそっと身体を包むと、オレの頭にキスをした。
大事そうに、壊れものに触るように。
許しを求めてるの?
絶対、許さないの、分かってるだろうに。
そのまま何も言わずに、亜貴は保健室を出て行った。
それがまた少し悲しくて、涙がシーツを濡らした。
この関係は、間違ってる。
亜貴を求めてしまうオレも、甚だおかしい。
オレは…どうするのが正しいの?
誰か、教えて。
***
「亜貴」
「…………」
廊下に出ると、待っていたかのように理央が立っていた。
朝練を終えたのか、制服に着替えている。
少し気まずそうに、目を逸らされる。
「純ちゃんは…大丈夫?」
「……中入って確認したら?
純、喜ぶんじゃん?」
理央はムッと顔を上げた。
「……もう、純ちゃんに近付かないであげて」
「なんで?」
理由は分かってるけど、わざと聞く。
「遊びなら他でやれよ。
純ちゃん、可哀想だろ?」
「それだけ?」
「っ……」
理央は拳を握った。
「……純ちゃんに、告白しようと思う」
「……へぇ」
「亜貴は…純ちゃんのこと、どう思ってるの?」
「………」
目線を下ろして、目を閉じた。
涙を流す純が、頭に浮かぶ。
「……性奴隷?
……っ」
顔を上げれば、理央はその拳を振りかざした。
顔の前でそれを片手で止める。
「亜貴…なんで、そんなになったんだよ?
それは本心なのか?」
「……留めておけるなら、なんでもいい。
女なんか、それくらいのオモチャだろ」
「亜貴っ……」
「やり合うだけ無駄なの分かってるだろ?
大会前だ。
この辺でやめとけ」
理央は拳を震わせながらも、手を下ろした。
「……亜貴。
僕は、純ちゃんを大事にするから。
そんな風に、泣かせたりしない」
「……好きにすれば?」
「もし僕と純ちゃんが付き合ったら…純ちゃんにはもう、関わるな」
「…………」
俺は理央を無視して、外に出た。
風が生温い。
今のまま、時間が止まればいいのに。
『亜貴…あきっ……!』
何度も名前を呼んで乱れながら、苦しそうに俺を見つめる純が浮かぶ。
自分の唇を、指でなぞった。
例え身体で繫がったとしても、きっと、心は手に入らない。
最初からただの、悪あがきだ。
何が正しいとか、そんなの、あるわけない。
汚い、醜い自分は、ただの男で。
頭で声を再生して、余韻に浸る、ケダモノでしかない。
でも、それでもいいと思ってる。
純との時間は、もう残り少ないだろうから……。
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