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【SS1】ハイネの譚
第20話-不要の者
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-王太子視点-
あの冷夜から半年の月日が流れた。
俺にとっては自分の中にまだ残っていた小さな弱さを払拭した夜だ。
ハイネを完全に見限ってからは気が楽になった。
僅かばかりだが俺が頭の片隅で気掛かりだったハイネの事を考えなくてよくなった分、余計な事を忘れて存分に公務に打ち込めた。
俺は本来ならば2年は掛かると言われた開港とデラガドより持ち帰った新型帆船の造船を完遂した。
俺は持ちうるツテを全て使い
アルテア国における選りすぐりの職人達と配下の臣下達が保有する奴隷達を動員し、俺が王太子として初の事業となるこの港の開港と新型帆船の開発は大成功を収めた。
今までアルテアの技術では近海漁が限界だったのに対して俺の開発した船は沖合漁業を可能にした。
それだけでなくきちんとした航海訓練を行えば、この船で極北のアルテアから大陸の果てまで航海する事も理論上可能になった。
いつか…この船を通じて他国を渡り歩きアルテアを不自由から解放する事を願って、俺はこの船にリベル・ク・リヴォニス号と名付けた。
俺の持ち帰った異国の技術がアルテアに蔓延った食糧難問題の糧となり、新鮮な海の幸がアルテアの民の食卓を飾ったと国民達は大絶賛だった。
これで…俺の悲願であるアルテアの開国にも第一歩となった。異国の技術の恩恵を受けた民やそれにより食糧難問題が緩和された地方貴族達の心は掴んだ。
あとは肝心の王太子妃の処遇だが…
この問題が俺の頭を悩ませた。
本当ならば今すぐにでもあの女を王宮から放り出してしまいたいのだが…
目の上のタンコブである父上がそれを許さないだろう。自分が王太子妃にと推薦した女を婚約破棄すれば俺の目が曇っていたと叱責を受け父上は婚約破棄を認めないだろう。
相応の理由はサインとハイネ自身が作ってくれた。
しかし王族として…そして後の王となる俺にとって世継ぎ問題は避けては通れない。
今まで歴代の王達は皆元服し妃を娶り子を成して数年の時を経てから王位を譲り渡されて来た。
慣習が何より好きな父上もそれに習い妃を持たない内は俺に王位を譲る事はしないだろう…
形だけのお飾りとしてハイネを王妃に据える事も考えたが…それでは俺に擦り寄ったハイネの思い通りになってしまう…
それは俺の誇りが許さなかった。
俺を騙したあの女の思い通りにだけはさせたくなかった。
ハイネには俺が味わったのと同じだけの落胆を味あわせたい
期待を裏切られ、希望が落胆に変わる俺の虚脱感を味あわせたかった…
まぁ俺も悪魔では無い
ハイネには我が愚弟を宛てがい形だけの王族に迎える助け舟だけは出してやるつもりだ。
これが俺のせめてもの情けだ。
そこから先をどうするかは俺の知った事ではない。
幸いレイモンドがハイネの代役にうって付けの女を見付けて来た…
セリア・フェレネス伯爵令嬢
その名も高きアルテア最強の騎馬隊を率いる"攻のフェレネス家"と評された一族の娘だ。
レイモンドの娘によれば学園内では派閥争いにも加わらず存在感のない女だと聞いたが、教養や作法においては他の貴族家から絶賛されていると聞く、娘を持つ家は"フェレネス家のセリア嬢を見習え"と言うほどらしい。
伯爵家と言えど家名の格や歴史で言えば御三家に匹敵する。寧ろ大層な肩書きだけが取り柄の御三家よりも率いれば新体制樹立後の益になる有力な一族だ。
また幼少期に姉上と似た様な病を患っていたが、それを克服した事から"神の祝福を賜った聖女"と話に尾鰭が付いて回り、"アルテアの華"とまで評されている様だ。これならばハイネの代役として名前を挙げても父上を説得出来るやも知れない。
偶然にも別の事情でフェレネスの力を取り込まなければならなかった俺はこれを幸とし早速行動を開始した。
ともあらばカカシの婚約者はもう必要ない
お別れだハイネ
-----------------
-ハイネ視点-
王宮入りした者に与えられる半年に一度の帰郷期間中
ラグライア家に殿下から一枚の手紙が届いた。
殿下からの久しぶりの手紙に僅かに期待を抱きつつ封を切った私を絶望させたのはたった2行の文章だった、
貴女より王妃に相応しい女性が現れた為
貴女との婚約を破棄させて頂きます。
思考が追い付かなかった。
突然の婚約解消を告げる手紙
頭の中が真っ白になった...
一体...何故なのか分からない...
あの日…あの夜…殿下は私を受け入れてくれたとばかり思っていた。
確かにあんな真似は気高く高潔な彼の逆鱗に触れる事も心の中で覚悟していた。
しかしあの時、私にはその一か八かに賭け彼の心を試す以外に選択肢は無かった。
結果として私の不安は払拭された
殿下は私を愛して下さった
情熱的な迄に…
彼の性格上、どの様な女が誘惑しようと彼が靡く事はない…誘惑に乗じると言う事は…その者の意に踊らされる事を指す。
それは彼のプライドが絶対に許さない
きっかけを作ったのは私だが、あの夜起きた事は殿下が自ら選び決断した事。
私を愛すると決めて下さったのだとばかりに思っていた…
それなのに…帰郷期間中の私が王宮を離れている内に…こんな紙切れ1枚で婚約解消されるなんて…
私はなんで…
殿下は何故…
なにがいけなかった…
何処で間違えてしまったのか
王宮入りしてから…いえ学生時代から…?
これでも精一杯尽くして来たのですよ…?
私よりも貴方の隣に相応しい女性とは…?
私は半生を貴方の為に費やしたのに…
こんなにお慕いしているのに…
私はただ貴方に愛されたかった…
私は貴方に愛されるに足らなかった…?
私が強くなれなかったから…?
答えの無い疑問が飛び交い私の頭の中を回る
不意に強烈な目眩を覚えた
このどうしようも無い絶望に私は卒倒した。
目を覚ますと私は自室のベッドに寝かされて居た。
部屋の外から両親達の嘆きの声が響く
無論、私を慮っての嘆きでは無い。
手に握っていた殿下からの手紙が無くなっている、当然両親に読まれたのだ。
これでラグライア家の権威復興は潰えたと両親も私と同じ位に絶望しているだろう
両親の嘆きの声は次第に私の失態の責任を擦り付け合う罵声に変わった。
『きっとお前の癇癪癖がハイネに遺伝したんだ!!それで殿下の前でも醜態を晒したに違いない!!!』
『私のせいだと仰るの!?貴方の教育が間違っていたからハイネはあんな気弱な落ちこぼれに育ったのよ!!!』
両親は我を忘れて互いを詰り合い、私が部屋に居ることもお構いなしに怒号をあげた。
しかし怒りはそう長続きしない
2人は息も絶え絶えに疲れから冷静さを取り戻した。
そして静かな声色で父が言った。
『息子が欲しかった…』
その一言は声こそ穏やかなれど、まるで鐘の音の様に私の頭の中で何度もこだました。
母も父の言葉に何の返答も返さない
同意故の沈黙だろう。
追い詰められた時に出る言動こそ、その者の本性だ
私が生まれたせいでラグライア家は跡取りを失ってしまった…
女が爵位を継げないアルテアで女児しか授からなかった貴族家は婿養子を迎えるか、自分よりも位の高い家に嫁がせる他ない…
私が生まれたせいで母は子を臨めない体になってしまった…
私が生まれたせいでサイン家にダシにされ付け入られる様になってしまった…
私が出来損ないなせいで…殿下からは見限られ…ラグライア家の復権は絶望的となってしまった…
私は疫病神だ
私が生まれたせいで…ラグライア家は滅亡の危機に瀕している
お母様の体を傷付け…子供を作れない体にしてしまってごめんなさい
役立たずでごめんなさい
生まれてきて……ごめんなさい
私は不要の者となった
死のう…
懐にしまっていた短刀を取り出し握る
本当は死にたくない…
私はただ愛されたかった…
両親からの愛が欲しくて辛い仕打ちも耐えて来た
殿下に愛されたくて嫌な女になろうとも努力して来た…
頑張れば…いつか愛してくれると信じて…
もう一度だけ貴方に会いたい…
こんな終わり方は納得出来ないもの…
彼の目を見て直接全てを聞きに行こう
その時、彼の答えが変わらなかったら…
その時は全てを諦めよう…
私は部屋を抜け出し両親の制止を振り切って家を飛び出した。
彼から全てを聞く為に。
あの冷夜から半年の月日が流れた。
俺にとっては自分の中にまだ残っていた小さな弱さを払拭した夜だ。
ハイネを完全に見限ってからは気が楽になった。
僅かばかりだが俺が頭の片隅で気掛かりだったハイネの事を考えなくてよくなった分、余計な事を忘れて存分に公務に打ち込めた。
俺は本来ならば2年は掛かると言われた開港とデラガドより持ち帰った新型帆船の造船を完遂した。
俺は持ちうるツテを全て使い
アルテア国における選りすぐりの職人達と配下の臣下達が保有する奴隷達を動員し、俺が王太子として初の事業となるこの港の開港と新型帆船の開発は大成功を収めた。
今までアルテアの技術では近海漁が限界だったのに対して俺の開発した船は沖合漁業を可能にした。
それだけでなくきちんとした航海訓練を行えば、この船で極北のアルテアから大陸の果てまで航海する事も理論上可能になった。
いつか…この船を通じて他国を渡り歩きアルテアを不自由から解放する事を願って、俺はこの船にリベル・ク・リヴォニス号と名付けた。
俺の持ち帰った異国の技術がアルテアに蔓延った食糧難問題の糧となり、新鮮な海の幸がアルテアの民の食卓を飾ったと国民達は大絶賛だった。
これで…俺の悲願であるアルテアの開国にも第一歩となった。異国の技術の恩恵を受けた民やそれにより食糧難問題が緩和された地方貴族達の心は掴んだ。
あとは肝心の王太子妃の処遇だが…
この問題が俺の頭を悩ませた。
本当ならば今すぐにでもあの女を王宮から放り出してしまいたいのだが…
目の上のタンコブである父上がそれを許さないだろう。自分が王太子妃にと推薦した女を婚約破棄すれば俺の目が曇っていたと叱責を受け父上は婚約破棄を認めないだろう。
相応の理由はサインとハイネ自身が作ってくれた。
しかし王族として…そして後の王となる俺にとって世継ぎ問題は避けては通れない。
今まで歴代の王達は皆元服し妃を娶り子を成して数年の時を経てから王位を譲り渡されて来た。
慣習が何より好きな父上もそれに習い妃を持たない内は俺に王位を譲る事はしないだろう…
形だけのお飾りとしてハイネを王妃に据える事も考えたが…それでは俺に擦り寄ったハイネの思い通りになってしまう…
それは俺の誇りが許さなかった。
俺を騙したあの女の思い通りにだけはさせたくなかった。
ハイネには俺が味わったのと同じだけの落胆を味あわせたい
期待を裏切られ、希望が落胆に変わる俺の虚脱感を味あわせたかった…
まぁ俺も悪魔では無い
ハイネには我が愚弟を宛てがい形だけの王族に迎える助け舟だけは出してやるつもりだ。
これが俺のせめてもの情けだ。
そこから先をどうするかは俺の知った事ではない。
幸いレイモンドがハイネの代役にうって付けの女を見付けて来た…
セリア・フェレネス伯爵令嬢
その名も高きアルテア最強の騎馬隊を率いる"攻のフェレネス家"と評された一族の娘だ。
レイモンドの娘によれば学園内では派閥争いにも加わらず存在感のない女だと聞いたが、教養や作法においては他の貴族家から絶賛されていると聞く、娘を持つ家は"フェレネス家のセリア嬢を見習え"と言うほどらしい。
伯爵家と言えど家名の格や歴史で言えば御三家に匹敵する。寧ろ大層な肩書きだけが取り柄の御三家よりも率いれば新体制樹立後の益になる有力な一族だ。
また幼少期に姉上と似た様な病を患っていたが、それを克服した事から"神の祝福を賜った聖女"と話に尾鰭が付いて回り、"アルテアの華"とまで評されている様だ。これならばハイネの代役として名前を挙げても父上を説得出来るやも知れない。
偶然にも別の事情でフェレネスの力を取り込まなければならなかった俺はこれを幸とし早速行動を開始した。
ともあらばカカシの婚約者はもう必要ない
お別れだハイネ
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-ハイネ視点-
王宮入りした者に与えられる半年に一度の帰郷期間中
ラグライア家に殿下から一枚の手紙が届いた。
殿下からの久しぶりの手紙に僅かに期待を抱きつつ封を切った私を絶望させたのはたった2行の文章だった、
貴女より王妃に相応しい女性が現れた為
貴女との婚約を破棄させて頂きます。
思考が追い付かなかった。
突然の婚約解消を告げる手紙
頭の中が真っ白になった...
一体...何故なのか分からない...
あの日…あの夜…殿下は私を受け入れてくれたとばかり思っていた。
確かにあんな真似は気高く高潔な彼の逆鱗に触れる事も心の中で覚悟していた。
しかしあの時、私にはその一か八かに賭け彼の心を試す以外に選択肢は無かった。
結果として私の不安は払拭された
殿下は私を愛して下さった
情熱的な迄に…
彼の性格上、どの様な女が誘惑しようと彼が靡く事はない…誘惑に乗じると言う事は…その者の意に踊らされる事を指す。
それは彼のプライドが絶対に許さない
きっかけを作ったのは私だが、あの夜起きた事は殿下が自ら選び決断した事。
私を愛すると決めて下さったのだとばかりに思っていた…
それなのに…帰郷期間中の私が王宮を離れている内に…こんな紙切れ1枚で婚約解消されるなんて…
私はなんで…
殿下は何故…
なにがいけなかった…
何処で間違えてしまったのか
王宮入りしてから…いえ学生時代から…?
これでも精一杯尽くして来たのですよ…?
私よりも貴方の隣に相応しい女性とは…?
私は半生を貴方の為に費やしたのに…
こんなにお慕いしているのに…
私はただ貴方に愛されたかった…
私は貴方に愛されるに足らなかった…?
私が強くなれなかったから…?
答えの無い疑問が飛び交い私の頭の中を回る
不意に強烈な目眩を覚えた
このどうしようも無い絶望に私は卒倒した。
目を覚ますと私は自室のベッドに寝かされて居た。
部屋の外から両親達の嘆きの声が響く
無論、私を慮っての嘆きでは無い。
手に握っていた殿下からの手紙が無くなっている、当然両親に読まれたのだ。
これでラグライア家の権威復興は潰えたと両親も私と同じ位に絶望しているだろう
両親の嘆きの声は次第に私の失態の責任を擦り付け合う罵声に変わった。
『きっとお前の癇癪癖がハイネに遺伝したんだ!!それで殿下の前でも醜態を晒したに違いない!!!』
『私のせいだと仰るの!?貴方の教育が間違っていたからハイネはあんな気弱な落ちこぼれに育ったのよ!!!』
両親は我を忘れて互いを詰り合い、私が部屋に居ることもお構いなしに怒号をあげた。
しかし怒りはそう長続きしない
2人は息も絶え絶えに疲れから冷静さを取り戻した。
そして静かな声色で父が言った。
『息子が欲しかった…』
その一言は声こそ穏やかなれど、まるで鐘の音の様に私の頭の中で何度もこだました。
母も父の言葉に何の返答も返さない
同意故の沈黙だろう。
追い詰められた時に出る言動こそ、その者の本性だ
私が生まれたせいでラグライア家は跡取りを失ってしまった…
女が爵位を継げないアルテアで女児しか授からなかった貴族家は婿養子を迎えるか、自分よりも位の高い家に嫁がせる他ない…
私が生まれたせいで母は子を臨めない体になってしまった…
私が生まれたせいでサイン家にダシにされ付け入られる様になってしまった…
私が出来損ないなせいで…殿下からは見限られ…ラグライア家の復権は絶望的となってしまった…
私は疫病神だ
私が生まれたせいで…ラグライア家は滅亡の危機に瀕している
お母様の体を傷付け…子供を作れない体にしてしまってごめんなさい
役立たずでごめんなさい
生まれてきて……ごめんなさい
私は不要の者となった
死のう…
懐にしまっていた短刀を取り出し握る
本当は死にたくない…
私はただ愛されたかった…
両親からの愛が欲しくて辛い仕打ちも耐えて来た
殿下に愛されたくて嫌な女になろうとも努力して来た…
頑張れば…いつか愛してくれると信じて…
もう一度だけ貴方に会いたい…
こんな終わり方は納得出来ないもの…
彼の目を見て直接全てを聞きに行こう
その時、彼の答えが変わらなかったら…
その時は全てを諦めよう…
私は部屋を抜け出し両親の制止を振り切って家を飛び出した。
彼から全てを聞く為に。
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感想ありがとうございます!
主人公はライアンとセリアと王太子になります!
王太子を悪役として見られる様に描写しましたが
彼もまた自分の目指す正しさを追求した者であり、やり方を間違えてしまった未熟者故にライアン達と敵対してしまいました。
彼の根本的な過ちは自分が"絶対的に正しい"と疑わない故に他者を考えや想いを全く鑑みなかった事です
お話作りに関しましては私も流行りに乗ずるべきか悩みましたが、王道のお話は如何に差別化が図れるかが肝要になり、私の腕では王道の中で差別化を図る技量が無いので逆に権力より愛を選ぶお話を作ってみようと思いました!
感想ありがとうございます!
月の光様の解釈全くその通りです!
ライアンの自己評価の低さは過去は過ちからで
この自己嫌悪は生涯彼が背負う業となり
常に自分と敵を疑い続ける性格は一生変わりません
自分が正しいか間違ってるか写し鏡となってくれるセリアとシェーヌがいたからライアンは逃げ出す事を辞め自分の持ち得る力全てで大事な物を守る為に生きる事を決意出来ました。
王太子の性格のきっかけについては今後明らかになるかも知れません。
第2王子フェルリオは残念ながら当作品では無く別作品で活躍する登場人物なので当作品に出るかはまだ分かりませんが…ハイネを掘り下げるサイドストーリーは現在更新中ですので良ければ見てやって下さい!