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【SS1】ハイネの譚
第19話-冷夜
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-王太子視点-
吹雪が窓を揺らす冷夜
側近であるレイモンドが俺を訪ねにやって来た。
思えばこの男と出会ったのも、今日の様に酷く冷える夜だった。母上が亡くなり数日に及ぶ国葬を終えた晩に奴は現れた。
当時まだ6つになろうかと言う俺を慮う様に振る舞い甘言を弄し擦り寄る奴に俺は興味を抱いた。
奴が俺からの寵愛を求め擦り寄っている事は幼子だった当時の俺にも簡単に理解出来た
母を亡くしたばかりの幼子ならば簡単に籠絡出来ると踏んでの策略であろうと…
しかし目の付け所は悪くない…
策を弄し付け入るならば…相手の弱い部分を突く事は定石だ。その事を理解している奴は他のボンクラよりも見所があると、俺はレイモンドと親交を持つ様になった。
サイン家の黒い噂は当然把握していた。
しかしそれは俺の審査の基準には含まれなかった。
俺にとって大事なのは周りから評価ではなく
使えるか使えないかであるからだ。
周りから疎まれるのはそれだけ奴が他の貴族達から恐れられている証拠だ。
俺は奴を取り立て相談役として筆頭家臣に迎えた。
レイモンドの働きで我が勢力はそれなりに大きくなった。
奴が囲っている飢饉で首が回らなくなった下位貴族の者共も…塵も積もればなんとやらで、一人一人は取るに足らずとも集まれば強大な勢力になる…
ハイネの奴はその分を弁えず下位貴族との交流を疎かにした。ハイネはレイモンドとは違う…
ハイネには野心が無い…
親の命ずるままに王太子妃の座を得ようとしているだけだ。
それは3年の月日を経ても変わる事は無かった。
いつまで経ってもハイネは弱いままだった。
俺の右腕であるレイモンドが今宵俺を訪ねてきた理由はそれだ…
レイモンドを召抱える際に奴と交わした宣誓の時を伺いに来たのだ。
『殿下、もはや考えるまでもありませんでしょう。ハイネ様が王宮入りしてからどれだけ問題を起こして来たかは殿下もお聞き及びの事と存じますが…』
白々しい男だ…
ハイネの侍女にラグライア家の愚策により零落した家の娘を宛てがい問題を起こさせているのはお前であろうに
俺はハイネが王宮内でどの様な扱いを受けているか知っていた。
しかし敢えて口は出さなかった。
ここで屈する様ならば王太子妃が務まる器では無い。
此処で強くなるか…
屈して消えて行くかだ…
あの女を甘やかすのはもう終わりだ。
俺は3年前の何も知らなかった俺とは違う。
アルテアの置かれている状況は俺が思っている以上に深刻であった。
この程度の嫌がらせに屈するならば王太子妃に据えても何の役にも立ちはしない…アルテアの益にはならないだろう。
しかし…俺にも情けはある…
ハイネは不出来だが…努力と熱意がある事だけは認めている。
この逆境を機に目覚める事が出来れば…
そんな俺らしくもない期待感から答えを先延ばしにしていた。
しかしレイモンドはもう待ち切れないと言った風情だ。
『焦るなレイモンド、俺は約束は違わん…ハイネが俺の期待に削ぐわなかった場合…あの女はお前のモノだ。』
そう俺がサインを召抱える際に交わした宣誓とは…
サイン家が俺が王座に就く為に全力でサポートする変わり、ラグライア家の長女であるハイネと婚約破棄し、その後に奴が何をしようと一切口出ししないと言う物だ。
奴のラグライア家に対する恨みは相当な物だ。
野心家の奴が昇進以外で関心を持つモノはラグライア家の没落と滅亡だけらしい。
しかし過去の英華から父はラグライア家を深く信頼し零落の兆しを見せても擁護し続けた。
共にアルテア創立の先人となったラグライア家だけは普段厳格な父も私情を混ぜて庇い続けた。
故に未だにレイモンドは表立った行動を取れずにいた。
俺は奴がハイネを手にしたらどの様に扱うかは想像が出来ていた。こいつは表向きは穏やかで上品な口振りだが…相当なサディストだ。
ラグライア家に恨みを持つレイモンドの手に落ちれば…奴隷以下の扱いを受けるのは間違いないだろう。
無能なラグライア家が淘汰されるのは俺の知った事では無いが…仮にハイネがこれからも俺の期待に削ぐわず…何れ別れる事になろうとも、その生き地獄からだけは救ってやりたいと思っている。
それが俺に出来るせめてもの情けだった。
ハイネよ…猶予はもはや無い
お前に底力があるなら…アルテアにとって王太子妃に値する器であると示せ
--------------------------------
俺の期待は…裏切られた…
俺は信じていた…
自分の直感を…
ハイネと出会った社交界の夜に
唯一俺に諂う事なく悠然とした佇まいだったハイネを見て感じたモノ…
こいつは他の有象無象とは違うと言う直感…
許可なく俺の寝室に忍び寄って来たハイネ…
俺は何事かと明かりを灯すと…そこにはガウンの隙間から下着を覗かせ…上目遣いで俺を伺う有象無象がいた。
『何をしている…』
『殿下を…御慰めに参りました。』
そう言ってハイネはガウンを脱ぐと卑猥な下着姿を恥ずかし気もなく披露した。
嘘だと言って欲しかった。
冗談で済む話では無いが冗談だと言って欲しかった。
ハイネは今まで俺に見せた事もない表情で笑って見せた。
それは俺が今まで散々…腐るほど見せられて来た有象無象共の諂う作り笑顔だった。
笑って見せているがハイネの眉は僅かに下がり、無理にあげた口角が引き攣って居るのを俺は見逃さなかった。
この行動は…ハイネの意思じゃない…
概ね俺の関心が離れている事に気を病んだあの老いぼれ夫妻の入れ知恵だろう。
あれだけ自分で選べと教えて来たのに…
追い詰められたらコレか…
所詮人は追い詰められた時に出す姿がその人間の本性だ。
ハイネの内にある根本は…結局なにも変わっては居なかった…
ハイネは化粧付けられ…淫らながらも相変わらず美しかった…
しかし…外側がどれだけ稀有な美貌であっても
内側はそこらに居る有象無象とまるで変わらない事を…今宵ハイネ自身が証明した。
俺は…なんとも言えない感情になった。
この形容しがたい脱力感は…失望だろうか?落胆だろうか?
腸がフツフツと煮えくり返りそうな怒りでもあるが…
何故か胸が締め付けられ心臓が凍って行く様な悲しみにも似た冷たさも感じる…
そうか…きっとこれが俗に言う失恋と言うモノだ…
恋情を意識して抱いた事はないが…
俺はきっと不出来なりに俺の為に邁進するこの女を好きになりかけて居たのだ…
しかし結局は…親の言うなりで俺に近付いたあの頃のハイネと変わっては居なかった…
"変わった振り"をしていただけだ。
尻に火が付いた途端…化けの皮があっさり剥がれた…
これが答えだ…
こいつは…稀有な才女でも俺を愛する一途な女でもなんでもない…
ただ王太子妃の座が欲しいだけの俗物だ…
俺はこの売女の頬を引っぱたくべきか…
怒鳴り散らすべきか迷った…
しかし気が付けば俺は売女をベッドに押し倒していた。
『殿下…?』
『黙れ…お前は俺を慰めに来たのであろう?』
『は、はい…』
裏切りには裏切りだ…
この冷夜…俺とハイネは体を重ね、ハイネの純潔を散らした。
婚姻前に契りを交わす事はアルテアのタブーだが知った事では無い。
俺が否定すれば事実は変わる。
事を終えた後ハイネは痛みに耐えながらも何処か幸せそうに俺の手を握って来た。
これで王太子妃の地位は安泰と安堵しているのだろう…どこまでも浅はかな女だ。
俺は城中の者に見付かってはまずいからと言ってハイネを部屋に返した。
ハイネは去り際"愛しております"と言って去って行ったが虫酸が走った。
お前が可愛いのは己と家名だけであろうに…
しかしハイネ…お陰で目が覚めたよ
俺がまだ…何処か甘かったのだな?
お前に期待した俺が浅はかだった。
今宵俺の心は決まった。
貴様は到底…王太子妃の器ではないと
吹雪が窓を揺らす冷夜
側近であるレイモンドが俺を訪ねにやって来た。
思えばこの男と出会ったのも、今日の様に酷く冷える夜だった。母上が亡くなり数日に及ぶ国葬を終えた晩に奴は現れた。
当時まだ6つになろうかと言う俺を慮う様に振る舞い甘言を弄し擦り寄る奴に俺は興味を抱いた。
奴が俺からの寵愛を求め擦り寄っている事は幼子だった当時の俺にも簡単に理解出来た
母を亡くしたばかりの幼子ならば簡単に籠絡出来ると踏んでの策略であろうと…
しかし目の付け所は悪くない…
策を弄し付け入るならば…相手の弱い部分を突く事は定石だ。その事を理解している奴は他のボンクラよりも見所があると、俺はレイモンドと親交を持つ様になった。
サイン家の黒い噂は当然把握していた。
しかしそれは俺の審査の基準には含まれなかった。
俺にとって大事なのは周りから評価ではなく
使えるか使えないかであるからだ。
周りから疎まれるのはそれだけ奴が他の貴族達から恐れられている証拠だ。
俺は奴を取り立て相談役として筆頭家臣に迎えた。
レイモンドの働きで我が勢力はそれなりに大きくなった。
奴が囲っている飢饉で首が回らなくなった下位貴族の者共も…塵も積もればなんとやらで、一人一人は取るに足らずとも集まれば強大な勢力になる…
ハイネの奴はその分を弁えず下位貴族との交流を疎かにした。ハイネはレイモンドとは違う…
ハイネには野心が無い…
親の命ずるままに王太子妃の座を得ようとしているだけだ。
それは3年の月日を経ても変わる事は無かった。
いつまで経ってもハイネは弱いままだった。
俺の右腕であるレイモンドが今宵俺を訪ねてきた理由はそれだ…
レイモンドを召抱える際に奴と交わした宣誓の時を伺いに来たのだ。
『殿下、もはや考えるまでもありませんでしょう。ハイネ様が王宮入りしてからどれだけ問題を起こして来たかは殿下もお聞き及びの事と存じますが…』
白々しい男だ…
ハイネの侍女にラグライア家の愚策により零落した家の娘を宛てがい問題を起こさせているのはお前であろうに
俺はハイネが王宮内でどの様な扱いを受けているか知っていた。
しかし敢えて口は出さなかった。
ここで屈する様ならば王太子妃が務まる器では無い。
此処で強くなるか…
屈して消えて行くかだ…
あの女を甘やかすのはもう終わりだ。
俺は3年前の何も知らなかった俺とは違う。
アルテアの置かれている状況は俺が思っている以上に深刻であった。
この程度の嫌がらせに屈するならば王太子妃に据えても何の役にも立ちはしない…アルテアの益にはならないだろう。
しかし…俺にも情けはある…
ハイネは不出来だが…努力と熱意がある事だけは認めている。
この逆境を機に目覚める事が出来れば…
そんな俺らしくもない期待感から答えを先延ばしにしていた。
しかしレイモンドはもう待ち切れないと言った風情だ。
『焦るなレイモンド、俺は約束は違わん…ハイネが俺の期待に削ぐわなかった場合…あの女はお前のモノだ。』
そう俺がサインを召抱える際に交わした宣誓とは…
サイン家が俺が王座に就く為に全力でサポートする変わり、ラグライア家の長女であるハイネと婚約破棄し、その後に奴が何をしようと一切口出ししないと言う物だ。
奴のラグライア家に対する恨みは相当な物だ。
野心家の奴が昇進以外で関心を持つモノはラグライア家の没落と滅亡だけらしい。
しかし過去の英華から父はラグライア家を深く信頼し零落の兆しを見せても擁護し続けた。
共にアルテア創立の先人となったラグライア家だけは普段厳格な父も私情を混ぜて庇い続けた。
故に未だにレイモンドは表立った行動を取れずにいた。
俺は奴がハイネを手にしたらどの様に扱うかは想像が出来ていた。こいつは表向きは穏やかで上品な口振りだが…相当なサディストだ。
ラグライア家に恨みを持つレイモンドの手に落ちれば…奴隷以下の扱いを受けるのは間違いないだろう。
無能なラグライア家が淘汰されるのは俺の知った事では無いが…仮にハイネがこれからも俺の期待に削ぐわず…何れ別れる事になろうとも、その生き地獄からだけは救ってやりたいと思っている。
それが俺に出来るせめてもの情けだった。
ハイネよ…猶予はもはや無い
お前に底力があるなら…アルテアにとって王太子妃に値する器であると示せ
--------------------------------
俺の期待は…裏切られた…
俺は信じていた…
自分の直感を…
ハイネと出会った社交界の夜に
唯一俺に諂う事なく悠然とした佇まいだったハイネを見て感じたモノ…
こいつは他の有象無象とは違うと言う直感…
許可なく俺の寝室に忍び寄って来たハイネ…
俺は何事かと明かりを灯すと…そこにはガウンの隙間から下着を覗かせ…上目遣いで俺を伺う有象無象がいた。
『何をしている…』
『殿下を…御慰めに参りました。』
そう言ってハイネはガウンを脱ぐと卑猥な下着姿を恥ずかし気もなく披露した。
嘘だと言って欲しかった。
冗談で済む話では無いが冗談だと言って欲しかった。
ハイネは今まで俺に見せた事もない表情で笑って見せた。
それは俺が今まで散々…腐るほど見せられて来た有象無象共の諂う作り笑顔だった。
笑って見せているがハイネの眉は僅かに下がり、無理にあげた口角が引き攣って居るのを俺は見逃さなかった。
この行動は…ハイネの意思じゃない…
概ね俺の関心が離れている事に気を病んだあの老いぼれ夫妻の入れ知恵だろう。
あれだけ自分で選べと教えて来たのに…
追い詰められたらコレか…
所詮人は追い詰められた時に出す姿がその人間の本性だ。
ハイネの内にある根本は…結局なにも変わっては居なかった…
ハイネは化粧付けられ…淫らながらも相変わらず美しかった…
しかし…外側がどれだけ稀有な美貌であっても
内側はそこらに居る有象無象とまるで変わらない事を…今宵ハイネ自身が証明した。
俺は…なんとも言えない感情になった。
この形容しがたい脱力感は…失望だろうか?落胆だろうか?
腸がフツフツと煮えくり返りそうな怒りでもあるが…
何故か胸が締め付けられ心臓が凍って行く様な悲しみにも似た冷たさも感じる…
そうか…きっとこれが俗に言う失恋と言うモノだ…
恋情を意識して抱いた事はないが…
俺はきっと不出来なりに俺の為に邁進するこの女を好きになりかけて居たのだ…
しかし結局は…親の言うなりで俺に近付いたあの頃のハイネと変わっては居なかった…
"変わった振り"をしていただけだ。
尻に火が付いた途端…化けの皮があっさり剥がれた…
これが答えだ…
こいつは…稀有な才女でも俺を愛する一途な女でもなんでもない…
ただ王太子妃の座が欲しいだけの俗物だ…
俺はこの売女の頬を引っぱたくべきか…
怒鳴り散らすべきか迷った…
しかし気が付けば俺は売女をベッドに押し倒していた。
『殿下…?』
『黙れ…お前は俺を慰めに来たのであろう?』
『は、はい…』
裏切りには裏切りだ…
この冷夜…俺とハイネは体を重ね、ハイネの純潔を散らした。
婚姻前に契りを交わす事はアルテアのタブーだが知った事では無い。
俺が否定すれば事実は変わる。
事を終えた後ハイネは痛みに耐えながらも何処か幸せそうに俺の手を握って来た。
これで王太子妃の地位は安泰と安堵しているのだろう…どこまでも浅はかな女だ。
俺は城中の者に見付かってはまずいからと言ってハイネを部屋に返した。
ハイネは去り際"愛しております"と言って去って行ったが虫酸が走った。
お前が可愛いのは己と家名だけであろうに…
しかしハイネ…お陰で目が覚めたよ
俺がまだ…何処か甘かったのだな?
お前に期待した俺が浅はかだった。
今宵俺の心は決まった。
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