【一章完結】王太子殿下は一人の伯爵令嬢を求め国を滅ぼす

山田山田

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本編【表】

第45話-無礼講

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『セリア 酒は得意な方か?』


グラスを片手に王太子は問う。


『はぁ…人よりは得意な方だと自負しております。』


セリアはそう答えると王太子はニヤリと笑みを浮かべる。


『ほぉ…それは面白い!ならばお前も飲るやるといい。』


王太子はセリアの空のグラスに酒を注ぐ。


この酒はユビター初恋と言う銘柄の酒で別名と呼ばれる酒だ。


鮮やかな赤色の果実酒で仄かに甘い香りがして口溶けもサッパリとした物で飲みやすい…が

高濃度のアルコール度数な為、飲みやすいからとグビグビ飲んでしまうと並の女性はあっという間に泥酔してしまう。

またこの果実酒には新陳代謝を上げて体温と心拍数を上昇させる効能があり、一種の興奮状態にさせる効果もある。

何も知らずこれを飲んだ人間は、この体温の上昇と胸の高鳴りを恋情と勘違いし相手に籠絡されてしまう。


市政では意中の相手にこれを盛り、婚約者や既婚者を略奪し死者が出る程の諍いに発展する事が絶えなかった為、王政はユビター酒の製造販売に規制を掛けた。

値段を平民では簡単に手が出せない程に吊り上げさせ容易に手に入れられない様させたり

安価で手に入るユビター酒は濃度が低く効能が薄い物にして販売する様に王政がユビター酒の製造販売を厳しく管理したからだ。


何故販売禁止にしないか?と言うと…
それはユビター酒の余りの嗜好性の高さと効能がもたらす効果にある。

極寒の雪国アルテアでは、戦地に行く兵士達も体を温める為にユビター酒を持ち込み愛飲している。

死の可能性が最も高い最前線に赴く兵士達は皆、ユビター酒を飲んで戦意を向上させ敵地に挑む。

体温の上昇により寒さで奪われる体力を軽減させ、興奮状態になる事で恐れを感じにくくさせているのだ。

また娯楽の少ない兵士達にとってこのユビター酒は唯一の慰めと言っても過言では無い。

それらを取り上げれば士気にも影響を及ぼす。

そう言った理由から王政もユビター酒の完全な製造販売を禁止する訳には行かず、高価なユビター酒は兵士達や高位貴族達から重宝され、時に中々首を縦に振らない人間を籠絡する為の道具として用いられる事がある。


王太子がセリアにこのユビター酒を勧める理由は明白だ。

セリアを泥酔させ。
伯爵家の令嬢にあるまじき醜態を晒させる事で弱みを握り優位な関係を築こうと言う目論見だ。

ここでも王太子の外交で培った交渉術の片鱗が垣間見える。

外交では会食を交えて話を進める事が多々ある。
上等な食事と酒で相手の緊張感や自分に対する警戒心を緩ませる接待。

美酒を振る舞う事で普段シラフなら取りえない言動や言質を誘い出す誘導。

酒の席故の戯言だったと盆を返されぬ為に侍従の他に自分の側近らを証人として傍に置く抜け目なさ。

無礼講の食事と誘い出しておきながら
その実は全てが全て

セリアの失態を誘い出す為の撒き餌
ここは最早ただ単に食事を楽しむ為の会場ではない。

王太子がセリアを貶める為に布陣を張り巡らせた
いわば敵陣ど真ん中


戦場である。


無論 賢いセリアはそんな事は承知している。
超絶利己主義のこの王太子が何の打算も無くセリアを食事に誘う筈がない。

必ず何かしらの罠があると

未だ自分に固執する王太子がこの食事会で何かを仕掛けて自分の要求を押し付けようとしている事を。

即ち振る舞われる食事は全てが獲物を捕らえる為に撒かれた毒饅頭の様なもの

ただのご馳走と気軽に口にするのは賢い者の取る行動ではない。

酒を飲む等以ての外と言う事も理解している。


理解しているが...


『頂戴いたします。』


セリアは丁寧にグラスを受け取ると、グラスを傾ける。

女殺しの異名を持つユビター酒の飲みやすさからか彼女は何の躊躇いも無く一息にグラスを空にした。


王太子はニヤリと口元を緩ませた。


『ほぉ...いける口じゃないか。もっとやるといい』


王太子は空になったばかりのユビター酒をセリアのグラスに注いだ。


『いやぁ~!セリア殿は実に果報者だ!殿下が今までお酌したお方は国王陛下以外いないと言うのに!実に羨ましいですな!』

セリアが差し支えない断りの口上を述べる前に王太子の側近であるサイン侯爵がすかさず口を挟む。



この一言がセリアに有無を言わさず"飲むしかないぞ"と言う雰囲気を遠回しに演出している。


『黙っていろ レイモンド』


王太子は相変わらずの口ぶりだが
内心はよくやったとほくそ笑んでいる。


狡猾なサイン侯爵には王太子の目論見がよく分かっていた。

サイン侯爵は"これは失礼しました"と礼をし愛想笑いをするが、その笑顔は好感どころか嫌悪さえ感じる笑顔だ。

まるで弱った獲物が力尽きるのを付き纏いながら今か今かと待つ捕食者の様な顔をしている。

こんな邪悪な顔は1代や2代でそう仕上がるモノではない。

先祖代々 卑劣を繰り返し繁栄を遂げた一族の...その卑怯者の遺伝子が如実に顔付きに現れている。

サイン侯爵家はフェレネス伯爵家やラグライア公爵家と比べれば歴史は浅い貴族家でその起源は農家が始まりと聞く。

サイン家は自分より力を持つ家に取り入れられ、強き者にはなびくが立場が逆転するとその家の資産を乗っ取ると言う卑劣な世渡りで繁栄した小悪党な一族でアルテアの貴族家からは嫌煙されている。

しかし広大な農地を有するサイン家は食糧難に苦しむ下位貴族達を従えて徐々にその勢力を拡大し近代では遂に侯爵の地位に上り詰めた。ユビター酒の製造権も独占しており莫大な富を築いている。

以前はラグライア家の配下として公爵家を後ろ盾に幅を効かせていたサイン家であったが、近代 ラグライア公爵家の権威が衰え零落しつつあると見ると今度は王太子直属の第一家臣の身に転身したと言う。

領地の広さならばラグライア公爵家に匹敵し、兵士の数は使役する奴隷も数に入れたならばアルテア屈指の二大武家であるフェレネス伯爵家やファルカシオン辺境伯家も凌駕し

王太子が率いる王太子軍の4割はサイン侯爵家の勢で構成される程の勢力を誇る。

気難しい王太子に取り入る事が出来たのも、このサイン侯爵が歴代サイン家当主達から継承した狡猾な世渡りの上手さから故だろう。


フェレネス家の一門は皆、当主よりサイン家の人間と関わらない様に言い付けられていたが、セリアはサイン家の卑劣で栄えた歴史と現サイン家当主であるサイン侯爵のあくどい噂は耳にしていた。


王太子だけでも面倒だと言うのに...アルテアにおいて狡猾さと卑劣で有名なサイン侯爵までもがセリアの相手だ。

普通の女性ならこの最悪な状況が否が応でも顔に出てしまう事だろう...


しかしセリアは



望むところです...私もフェレネス家の娘


兄上達が国を守る為に命を賭けてアルテアを害する敵と戦うと言うならば


私は家を守る為にこの魂を賭けてフェレネス家を害する敵と戦って見せましょう。



セリアはそう決意するとグラスを手に取り


『身に余る光栄痛み入ります。』


そう返すとグラスを傾け一息に酒を飲み干した。


『ほぉ…やるではないか!もう一杯』


王太子がセリアに更に酒を注ごうとすると、セリアはユビターのボトルを手にし


『御返杯致します殿下。サイン侯爵閣下も』


そう言うと王太子とサイン侯爵のグラスに並々とユビター酒を注いだ。


『ありがとうセリア。じゃあ飲み比べだな?』

『セリア殿にお酌して頂くなんて…このサイン 感無量ですぞ!』


二人はあざとい笑みを浮かべる。
セリアが自分が酔い潰される前に自分達を酔い潰してしまおうと考えている事が分かっているからだ。


かく言う二人は相当に酒が強い。
アルテア人の男性は酒に強い体質の者が多いがそんな中でも彼らはかなりの酒豪だ。


女であるセリアに負ける筈がない。
そう確固たる自信を持っているのだ。


3人は互いに酒が注がれたグラスを飲み干すとすぐに新しい酒が注がれる


2杯目


『どうだセリア?中々の美酒であろう?』

『はい。飲み口もサッパリしていてとても美味しいです。』

『お褒めに預かり光栄ですな!お2人にお飲み頂く物ですので最上級の物を用意させた甲斐がありました!』


3杯目

『ふふ…セリアよ、無理はしてくれるな?』

『いえ?私は全然平気ですよ。お気遣いありがとうございます。』

『いやはや!セリア殿は女にして酒にも強い!まさに女傑ですな!』


4杯目

『ふむ…中々やるな…だが無理は良くないぞ?』

『無理?大変美味しゅうございます。こんなに上等なお酒を頂くのは初めてなのでまだまだ頂戴したいです!』

『ははは…セリア殿は本当にアルテアの誉だ!実にアルテア人らしい豪胆なお方ですな!』


セリアは4杯目のユビター酒を軽く飲み干す。
ユビター酒はアルコール度数で言えば40度を超える。普通の女性ならばそろそろ目を回し始めるだろう。


5杯目になると流石に二人の顔色が赤くなる。

『お、おい…本当に大丈夫か?まだ飲めるのか?』

王太子も心配の声をあげる。
意固地になり痩せ我慢でもされて死なれては困るからだ。


『なにがですか?私は全然平気ですけど、それより…ボトルが空になってしまいました…サイン侯爵閣下?おかわりはまだございます?』

セリアは無礼講の言葉を利用しサイン侯爵から新しいボトルのおかわりを要求した。


『は?…は、はぁ…す、すぐにお持ち致します!そんなにサイン家の酒を気に入って頂き光栄ですな!』


サイン侯爵も呆気に取られていた。
彼は立ち上がり配下の者に耳打ちする。


『おい!もっと高濃度のユビターを持って来い!あの澄ました女がゲロを吐いて吐瀉物に塗れる醜態を晒すくらいキツい酒をだ!』


サイン侯爵は汚い言葉で配下の人間に命令する。
この食事会でセリアの醜態を晒させ弱みを握る作戦を立案したのはサイン侯爵だ。

失敗は即王太子からの無能認定に繋がる。
そうなれば…公爵への陞爵の話も遠のくだろう。


セリアには何がなんでも、ここで他の者の嫁にいけなくなる様な醜態を晒して貰わなければならない。


配下の者が新たな高濃度のユビターのボトルを持って来ると、それを強引にひったくる様に受け取ると再び作り笑顔を装い。


『大変お待たせ致しました!ささっ!セリア殿続けましょうか!』

そう言ってセリアのグラスには並々とユビター酒を注ぎ自分や王太子のグラスには半分程のユビター酒を注いだ。


『おや?お二人のグラスには半分しか入ってませんよ?』


セリアはそれを見逃さなかった。
すかさずツッコミを入れる。


『セリア殿が気に入って下さった様なので出来るだけ多く召し上がって頂きたいと言う殿下のお優しいお心遣いを察し得たのです!』

『まぁすごい、殿下はずっと下を見て何も口に出していないのに言葉に出さなくても殿下のお心が分かるだなんて、侯爵閣下は超能力者ですね』

『ははは…殿下の第一の家臣たる者、殿下の心は口に出さずとも分かって当たり前です!』

『う、うん…その通りだ。流石レイモンドだ。やはり王太子たれども客人をもてなす心は忘れてはならないのだ。』

『お心遣いありがとうございます。ですが…今日は殿下が仰った様に無礼講ですので、私に遠慮なく皆で楽しみましょうね!』


そう言うとセリアは問答無用でグラスに並々と酒を注いだ。


『あぁ!そんなに沢山!』

『むぐっ…セリア殿は手厳しいですな…ははは』

『さぁ?勝負再開と行きましょうか!』


セリアはそう言うと、高濃度の並々盛られたユビターが入ったグラスを一息で空にする。


『クソ…負けてられるか…王太子たる者 酒の強さも一番でなくてはならないのだ!』


王太子も一息でグラスを飲み干そうとするが…先程より高濃度のユビターに噎せて酒が器官に入り込み激しく咳き込んでしまう…その結果、口元や果ては鼻からユビター酒が漏れ出る…

鮮やかな赤のユビター酒を口鼻から垂れ流す王太子は傍から見れば誰かにぶん殴られ鼻血を流しているかの様に無様な顔になる。


『ぶっ!!!!』


サイン侯爵が王太子のそんな情けない顔を見て思わず吹き出す。

酒が入っている事で普段ならば堪える事が出来る笑いが抑えられなかったのだ。


『レイモンド…貴様ッ!!』

『はわわ…失礼致しました!つい……ぶっ!!!』


慌てて真剣な顔持ちになり、恐る恐る上目遣いで王太子の顔を見るサイン侯爵だが、怒った王太子の顔が更に滑稽に見えて再び吹き出す事を抑えられなかった。


『あらあら?大丈夫ですか?零れた分は私が注ぎますね。』

セリアは王太子が吐き出した分の酒も容赦なく注いだ。


そこから7杯目  8杯目となんとか高濃度のユビター酒をチビチビ飲み続ける二人とは裏腹にセリアはグビグビとグラスを空にする。


『あの…もう少し早めに飲んで頂けますか?飲み比べですので私だけ先に頂く訳には行きませんし…でも早く次が飲みたいのです。』


セリアは無礼講をとことん利用し、空のグラスを見せ付けながら言う。
顔が既に男梅の様に真っ赤な2人に対してセリアの顔は涼しげだ。

そして10杯目


『ふぅ…完飲致しました!お二人は如何です?』

『ふっ…ふふ…まだまだ余裕ら…なぁ?ヘイモンロォ…』

『うぶく…ぶく…』


王太子は泥酔の余り呂律が可愛らしい事になる。
サイン侯爵は机に突っ伏して蟹の様に泡を吹き始めた。


『あら?侯爵閣下?飲み過ぎでは?殿下…常駐医を呼ばれた方がよろしいのでは?』

『う、うん…ぼ、ぼ…』


王太子の顔色は先程まで真っ赤だったのに急に青くなり、彼は言葉にならない言葉を吐き出し
ついでに吐瀉物も吐き出した。


サイン侯爵の配下や自身専属の近衛兵や侍従達の前で醜態を晒したのはセリアではなく王太子とサイン侯爵であった。


『あらあら…大変…誰か常駐医をお連れして来て下さいますか?』


セリアは至って冷静に、顔色1つ変えずに医者を求めた。


セリアは二人の仕掛けた飲み比べの勝負に勝利した。
これは…セリアが自分の飲む酒だけアルコールの薄い者にすり替えたとか…そう言う小細工ではない。


彼女は、フェレネス家にいた時の淑女教育で、酒にもある程度耐性があるべきとアルコールに慣れる教育も施されていた。伯爵家の令嬢たる者、嫌でも社交界で酒を口にする日は来る。

そんな時に情けない姿を晒さない為の教育であったが。

セリアにアルコールは通用しない。


酒が強いだとか、酒豪だとか
そう言ったレベルの話では無く。


アルコールが彼女の体内に入った瞬間瞬く間に分解されてしまうのだ。


これはアルコール免疫体質と言う特異体質で、この広い大陸にも5人存在するかしないかと言う程珍しい体質だ。

つまり100杯飲もうとセリアは顔が赤く染まる事すらないのだ。


どんな酒豪との飲み比べでも勝ててしまうセリアだが、父親から"女の大酒飲みははしたない"と叱責され、飲酒を極力控える様に言われていたが、この体質が今日 この場において初めて役に立つ事になった。


-----------------------------------------

一方ライアンとシェーヌ達は。


「シェーヌ様ァ~!ライアン様ァ~!さっ、もっとお飲みになってぇ!」


黄色い声が蔓延る客間で城の侍女達に接待されていた。

しかしその様は王宮に仕える侍女の慎ましさの欠片も無く、卑しく媚びる娼婦同然だった。


侍女達は十重二十重にシェーヌとライアンを囲うと杯に酒を注ぎどさくさに紛れて2人の体に触れたり、自身の体を擦り付けていた。


彼女達は皆、サイン侯爵配下の男爵家・子爵家の第2から第3女で家督を継がない者として王宮に奉公に出された体だが、実際は違う。


件の飢饉で王太子派、並びにサイン侯爵配下に吸収された彼女達は様々な道具として利用されていた。


手始めに第二王子であるフェルリオ王子の失脚の為に彼女達が宛てがわれた事。

彼女達は皆若く、皆特別美しかった。

今のシェーヌやライアン達にしている様に侍女達は第二王子に擦り寄り不祥事を起こすと急に掌を返し醜聞として世に広め


結果第2王子は世継ぎの候補から除外された。


次にハイネとの婚約破棄のきっかけ作りにも彼女達は利用された。学生時代から確執があった下位貴族と高位貴族の子息・令嬢間での派閥争い。

このイザコザのきっかけを始めたのは彼女達下位貴族側だった。学園内では爵位に例外なく平等と言う理念を武器に高位貴族に積極的に嫌がらせを始めたのだ。

特にハイネの生家ラグライア公爵家は飢饉の折に愚策を講じて下位貴族達から恨みを買っている。

それらを上手くサイン家の一族が焚き付け、ハイネが王宮入りしてからも嫌がらせを続けさせて居たのだ。

陰口をワザと聞こえる様に言って挑発したり

ハイネが大事にしていた王太子からのプレゼントを紛失、または汚損させたり


それらの嫌がらせを繰り返し、耐えかねたハイネが侍女達に折檻した事を、誇張して騒ぎ立て被害者に成り代わる。


そんな風に、彼女達は色んな方法で利用されて来た。
婚姻前に純血を失うは不要の者とされるアルテア人女性である彼女達だが、そんな事を気にしている余裕はない。


彼女達もまた、飢饉で傾いた家を再興する事に必死なのだ。

人は条件次第では容易く手放す。

誇りも倫理も魂さえも。

そんな彼女達の今日の任はシェーヌとライアンの懐柔弱みを握り王太子が優位になれる様に、その火種となる事だ。

と、言ってもやる事は単純だ。
まず酒で酔わせて判断力を奪い

2人が酒で血行が良くなり体温が上昇し体に熱を帯びれば、あとはただ股を開くだけだ。

事が終わった後で、侍女達が叫び声の一つでも挙げれば駆け付けた城中勤めの兵士達が証人として駆け付け立派な不祥事の出来上がり。


サイン侯爵が仕掛けた第二の矢だ。
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