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本編【表】
第32話-執着
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-セリア視点-
セリアはコンスタンスに跨りライアンを追う
ライアンは逃げる様にドゴンの速力を上げて駆ける。
しかしセリアの馬術とコンスタンスの脚力がやはりそれを許さない。
ファルカシオン邸はあっという間に見えなくなり
オオアマナの花畑を突風の様な速さで通り過ぎる二人、花達はその突風で揺れる。
ドゴンもコンスタンスも戦場を駆ける為の調教を受けた軍馬だが…ドゴンは老馬でコンスタンスは若い。
スタミナと騎手の腕前が重なりライアンとの距離がどんどん縮んで行く。
体力の限界を迎えたドゴンは速力を落とし遂に歩き出してしまう。
『そんなに飛ばしたらドゴンの心臓が飛び出してしまいますよ?』
『・・・』
セリアの言葉に無言で返すライアン。
彼女を振り切って逃げる事は諦め常歩のスピードまで落とす。
-やはり…私を無視する気ですか
-でも私だって引き下がりませんよ…ライアン
セリアは昨日の事は無かったかの様に日常の会話を振った。
"今日はまだ暖かい方ですね"
"でも…夜になるとまた雪が降るかも知れませんね"
"明日もこんな天気がいいです"
セリアが話題を振っても…ライアンは一向に無言を貫いた。
-ダメだダメだ…私の話はつまらな過ぎる…
セリアも普段口数が少ない事から自分から人に積極的に話し掛ける事が少なく月並みな天気の話題しか出て来ない。
これでは普段喋らないセリアが昨日の事を気にして無理に話をしようとしているのがバレバレだ。
-遠回しな会話じゃダメね...
セリアは意を決して思いの内を口にする。
『私が嫌いですか?』
『.........っ!』
変わらず口は閉ざしたままだがライアンの体がピクリと反応した。
『どうなんです?』
『君は...どう思われてると思ってる?』
漸く口を開いたライアンだが、その言葉は解答ではなく、質問に対する質問であった。
『君が心で感じている事...それが俺の答えだ。』
"君の想像している感情が俺の答えだ"と...
ライアンはこの期に及んで自分の心は明かさない
セリアは小さくため息を吐いて目を伏せた。
ライアンの心を暴くには..."いつものセリア"ではダメなのだと覚悟を決めた。
幼い頃から父の躾により封じ込めていた本当のセリアを解き放つ覚悟だ。
手網を握り締める手に力を込めたセリアはその瞳を大きく見開くと、コンスタンスを操りドゴンの前に横入りして進路を塞ぐ。
『ブルゥ~~フ!!!!』
突然進路を塞がれたドゴンは急停止すべく上体を跳ね上げて二本足で跳ね馬状態になる。
当然 ドゴンに乗っていたライアンは身を雪の中に放り出されて落馬する。
『な、何をするんだセリア!?』
突然の事で流石にライアンの無表情は崩れ驚いた表情になる。
『ライアン...質問を質問で返すのは無礼です。答えになってませんもの。』
セリアはコンスタンスから降り、雪に埋もれるライアンの前で屈み語りかける。
『何故戻って来たんだ...』
『まだ昨日の返答を頂いてませんから。』
『返答ならした...それ以上伝える事はない。』
ライアンの言う返答とは、"君の幸せを願っている"と言う言葉だ。
しかしそんな言葉は答えになっていない。
『あんなんじゃ抽象的過ぎて伝わりません。』
『賢い君なら分かるだろう。』
『分かりません。』
『君と結婚する必要はもう無い。フェレネス家に帰りなさい...』
『返答次第ではそうしても構いません。』
『どう言ったら納得する?』
ライアンの問いに少し間を置いてから口を開くセリア。
『"君が嫌いだセリア" 』
『.........っ!』
『"君が側にいるだけで苦痛だから消えて欲しい"』
『この言葉を...私の目を見て言って下さい。』
『.........』
雪の上に座り込んだままのライアンはセリアの足元にジッと目をやる。
暫くして漸く口を開き
『君が俺の側に居るのは苦痛だ...』
絞り出す様な声で呟いた。
セリアはコンスタンスに跨りライアンを追う
ライアンは逃げる様にドゴンの速力を上げて駆ける。
しかしセリアの馬術とコンスタンスの脚力がやはりそれを許さない。
ファルカシオン邸はあっという間に見えなくなり
オオアマナの花畑を突風の様な速さで通り過ぎる二人、花達はその突風で揺れる。
ドゴンもコンスタンスも戦場を駆ける為の調教を受けた軍馬だが…ドゴンは老馬でコンスタンスは若い。
スタミナと騎手の腕前が重なりライアンとの距離がどんどん縮んで行く。
体力の限界を迎えたドゴンは速力を落とし遂に歩き出してしまう。
『そんなに飛ばしたらドゴンの心臓が飛び出してしまいますよ?』
『・・・』
セリアの言葉に無言で返すライアン。
彼女を振り切って逃げる事は諦め常歩のスピードまで落とす。
-やはり…私を無視する気ですか
-でも私だって引き下がりませんよ…ライアン
セリアは昨日の事は無かったかの様に日常の会話を振った。
"今日はまだ暖かい方ですね"
"でも…夜になるとまた雪が降るかも知れませんね"
"明日もこんな天気がいいです"
セリアが話題を振っても…ライアンは一向に無言を貫いた。
-ダメだダメだ…私の話はつまらな過ぎる…
セリアも普段口数が少ない事から自分から人に積極的に話し掛ける事が少なく月並みな天気の話題しか出て来ない。
これでは普段喋らないセリアが昨日の事を気にして無理に話をしようとしているのがバレバレだ。
-遠回しな会話じゃダメね...
セリアは意を決して思いの内を口にする。
『私が嫌いですか?』
『.........っ!』
変わらず口は閉ざしたままだがライアンの体がピクリと反応した。
『どうなんです?』
『君は...どう思われてると思ってる?』
漸く口を開いたライアンだが、その言葉は解答ではなく、質問に対する質問であった。
『君が心で感じている事...それが俺の答えだ。』
"君の想像している感情が俺の答えだ"と...
ライアンはこの期に及んで自分の心は明かさない
セリアは小さくため息を吐いて目を伏せた。
ライアンの心を暴くには..."いつものセリア"ではダメなのだと覚悟を決めた。
幼い頃から父の躾により封じ込めていた本当のセリアを解き放つ覚悟だ。
手網を握り締める手に力を込めたセリアはその瞳を大きく見開くと、コンスタンスを操りドゴンの前に横入りして進路を塞ぐ。
『ブルゥ~~フ!!!!』
突然進路を塞がれたドゴンは急停止すべく上体を跳ね上げて二本足で跳ね馬状態になる。
当然 ドゴンに乗っていたライアンは身を雪の中に放り出されて落馬する。
『な、何をするんだセリア!?』
突然の事で流石にライアンの無表情は崩れ驚いた表情になる。
『ライアン...質問を質問で返すのは無礼です。答えになってませんもの。』
セリアはコンスタンスから降り、雪に埋もれるライアンの前で屈み語りかける。
『何故戻って来たんだ...』
『まだ昨日の返答を頂いてませんから。』
『返答ならした...それ以上伝える事はない。』
ライアンの言う返答とは、"君の幸せを願っている"と言う言葉だ。
しかしそんな言葉は答えになっていない。
『あんなんじゃ抽象的過ぎて伝わりません。』
『賢い君なら分かるだろう。』
『分かりません。』
『君と結婚する必要はもう無い。フェレネス家に帰りなさい...』
『返答次第ではそうしても構いません。』
『どう言ったら納得する?』
ライアンの問いに少し間を置いてから口を開くセリア。
『"君が嫌いだセリア" 』
『.........っ!』
『"君が側にいるだけで苦痛だから消えて欲しい"』
『この言葉を...私の目を見て言って下さい。』
『.........』
雪の上に座り込んだままのライアンはセリアの足元にジッと目をやる。
暫くして漸く口を開き
『君が俺の側に居るのは苦痛だ...』
絞り出す様な声で呟いた。
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