【一章完結】王太子殿下は一人の伯爵令嬢を求め国を滅ぼす

山田山田

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第39話-脅威

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『セリア…君に打ち明けないといけない事がもう一つあるんだ。』


ライアンは言い辛そうな表情でセリアを伺う様に言う。


『なんでも言って下さい。』


セリアが快活に答えるが…ライアンは俯き、何か後ろめたそうな表情だ。


『これを聞いて…君が俺に失望しないか不安だ…』


『どんな事でも受け入れます。夫婦とは一心同体の運命共同体でしょう?ライアンがどんな事を言っても受け入れますから。だから私に打ち明けて下さい。』


セリアは不安気なライアンを励ます様に力強く自身の胸を叩いて言う。


『殿下の事だ…実はセリアが王宮に呼び出しを受ける1週間前から、殿下より直々の下知状が届いて居た。内容は……端的に言えば陞爵と多額の保証を条件に君との婚約を解消し婚約者の座を明け渡せと言う内容だった。』



『それに…ライアンは了承したのですか?』


『そんな訳ないだろう!!先祖の墓に誓って君を地位や金の為に売る様な事をする訳がない!!君は物じゃないんだ!!』


『ごめんなさい…そうですよね。ライアンがそんな事する訳ありません。』


『いやこちらこそすまない…それでだ…セリアとの事をまるで商談の様に取引を持ち掛けて来た殿下に俺は腹を立てた。だから…殿下からの下知状に俺は返事を返さなかった。』


『すると数日後…練兵の最中に突然殿下自らが俺を訪ねにやって来たんだ…』


『え…』



----------------


『殿下…?何故この様な辺境の地に殿下がわざわざ…』


『ファルカシオン令息。貴殿と男同士で話がしたくて来たのだ。少し2人で歩こうでは無いか。』


突然現れた王太子にファルカシオン家に仕える兵達はざわめいた。


訓練所の周りには王宮騎士団の装束を身に纏った騎士達が囲っていた。


まるで反逆者の勢力を取り潰すかの様に騎士為は馬上から槍を手に持ちファルカシオン家の兵を囲っていた。


『そう萎縮するな!諸君等の主と内々で話があるだけだ!此度は我が王宮騎士達に諸君らの鍛錬する姿を見学させたく連れて来た。彼らの事は気にせず練兵に励まれよ!尚、此度の私の来訪は他言無用であると心得よ!!』


王太子は自分の配下の騎士にファルカシオン家の兵達の練兵を見学させる為と言ったが…馬上から兵を見下ろす騎士達は明らかにただ見学しに来ただけには見えなかった。


ファルカシオン家の兵達を封じ込め主であるライアンを孤立させる事が目的なのは明白だった。


それは王太子が"2人で歩こう"と言ってファルカシオン家の兵達からライアンを隔離したにも関わらず、自身は配下の騎士達を4人も付けている事からも明白だった。


-殿下は何の用だ?まさかとは思うが…下知状を無視した俺を不敬罪で処断しに来たのか?


『不安か?ファルカシオン令息。』


『いえ…』


何故か王太子はライアンを連れて訓練所から森の中にどんどん奥に進んで行く。


とうとうライアンの不信が疑惑に変わった。


-まさか殿下は俺を暗殺しようとしているのか?


王太子と並んで歩くライアンは自分を四方に囲みながら進む王宮騎士達に目を配る。


騎士達の腰の剣が防寒コートから外に出ている。
いつでも剣を抜ける状態だ。


ライアンはいつ、騎士達が剣を抜き襲い掛かって来ても対応出来る様に意識を集中させた。


王太子は不気味な無言を貫きながら歩く事一時間すると。森から開けた道に出た。


此処は…ライアンが幼少の頃の初陣で…若さ故の過ちから逃がした賊の一人が少女を惨殺し亡骸が見付かった場所だ。


道の隅には…少女を祀る祠があり、祠には雪国の冬でも咲く野花が献花されていた。


アルテアのみに咲く生命力の強い花リーブ
花言葉は


四季を通して一年中咲き誇るリーブの花は雪の重みにも負けず…またリーブの花は根から引き抜かれても土に帰ればまたその地に根を貼り蘇る事から死者に贈る手向けの花としてよく使われる。


彼女の祠の周りにはリーブの花々が咲き誇っていた。


ライアンもこの祠には何度も足を運んでいた。
セリアにも秘密にしどんなに忙しくとも月に1度はこの地に足を運び祠に献花していた。


この場所は…ライアンの罪と後悔を思い知らされる場所なのだ


『子供の死は…悲劇だ。』


王太子はそう言うと騎士に手渡された見た事も無い鮮やかな赤い花を祠に献花した。


『これは俺の好きな花…バラだ。アルテアにはない異国の花で元は野花に過ぎなかった花が品種改良により様々な色合いを楽しませてくれる。変化を受け入れたこの花は大陸中で愛され最も繁栄している。』


『殿下…私に何の御用でしょうか?』


意図を明かさない王太子にライアンは遂に質問を投げる。


『ファルカシオン令息…いやライアン。お前と仲良くなりに来た。』


『はい?』


突拍子の無い王太子の発言に…ライアンは困惑する。
突然の来訪から無言で歩く事一時間。


配下の兵から引き離し王太子直属の兵達に囲わせると言う不安を与えた中で


今度は気を緩ませる様な発言。


まず間違いなく自分を懐柔しようとしている事だけは分かった。


緊張させてから安心させる様な策を講じる人間には必ず裏がある。


この王太子は自分を利用しようとしている


ライアンは警戒心の高さから王太子の目論見は簡単に看破出来た。


しかし…目的が暗殺でないなら…話は聞かざるを得ない。どう対応するのであれ、まず話を聞かねば対応しようがない。



『俺はアルテア人にはバラの様になって貰いたいのだ。』


『はぁ…』


ライアンは意図を掴ませない王太子の発言に奥歯が浮く。

どうやらこの男は自分の言葉を派手に装飾せねば喋れないらしい。


『俺は留学先で知った。アルテア人程非合理的に過去の慣習に固執し変化を拒む民族いない。』


『アルテア人は勇猛に生き。慣習と共に勇猛に死ねる覚悟を持った民族ですので』


ライアンが返答すると


『では聞くが…この少女に死ぬ覚悟があったと思うか?』


王太子は祠に手を向けライアンに問い詰めた。


『・・・』


ライアンは言葉を失った。
自分の愚かさが殺めた少女に"死ぬ覚悟があった"等と言える訳がない。


『少女はまだ10歳にも満たなかったと聞く。とても死ぬ歳では無い。』


王太子がこの祠に自身を連れて来た訳が分かった。
過去の自分の罪の象徴であるこの祠に連れてくる事で自分に罪悪感を与え、これから強要するを断らせない為だ。


王太子の策略か分かっても尚、ライアンは言葉を返す事は出来なかった。


王太子がこれからどれだけ荒唐無稽な事を言おうが、少女の死が自分の罪である事実だけは変わらないからだ。


『何もライアン…お前を責めて居るのでは無い…この少女の痛ましい死は…アルテア人全員の罪なのだ。』


『アルテアには毎年数百人の賊が水を求めて侵入する。その賊の殆どは干ばつに喘ぐ隣国のサラバド人だ。』


『アルテア国が臆病な鎖国政策を辞め国の門を開き水源や資源と引き換えに他国の技術や文明を分かち合っていれば…賊がわざわざ水源を盗掘しに来る事も無く。かような死は避けられたのだ。』


王太子は少女の祠を見せ付けライアンに罪悪感を植え付けてから、"これはお前だけのせいではない"と持ち上げる事で"俺はお前の味方である"と間接的にアピールした。


心の弱い者なら、この慰めの言葉だけで王太子に易々と懐柔されてしまうだろう。


そうでないライアンですら…罪の意識で押し潰されそうな心を保つだけで精一杯なのだから。


『俺はアルテアを開国し…この様な悲劇を二度と起こさないと今は亡き母の墓前に誓った。』


-このお方は…正しいのかも知れない。


ライアンは王太子の演説を盲信こそしていないが
心が揺らぐ所があった。


王太子の言葉は合理的だ。
やり方は気に入らないが…言っている事は間違っていない。



『そこでだ。ライアンにはその誓い果たすべく手伝いをして貰いたいのだ。』


『手伝い?』


『書状にも記したが…俺はセリア・フェレネスを我が妃に迎えたい。いや!分かっている!セリアが貴君の婚約者である事は百も承知だ。』


王太子は唐突にセリアの名前を口にした。相手の心が揺らぎかけた瞬間、畳み掛ける様に核心に迫る。


この男は曲者であるとライアンは思った。


『セリアはアルテアでも類を見ない才女だ。最初言ったが…俺はアルテアを開国したいと考えている。アルテアの国際化に我が生涯を注ぐつもりだ。その際にセリアにはアルテア国の国母として共に国を支えて貰いたいのだ。』


『確かにセリアは有能な女性です。しかし…今は辺境伯夫人代理の身…殿下ともあろう御方が理由は他にもあるのでしょう?』


『流石はファルカシオン辺境伯の令息だ。勘が鋭いな…そうだ理由は他にもある。』


睨んだ通り王太子には他に目論見があった。
それを素直に認めた事は以外だったが…その理由次第では王太子の要求を飲んでも良いとライアンは考えていた。


彼は優秀な王太子だ。


性格に多少難はあれど…悪評よりも賞賛の声の方が多い傑物で…第二王子と違い女性関係も潔癖と聞く。


『俺にはラグライア公爵家のハイネと言う婚約者が居るのは知っているな?』


『存じております。』


無論 そんな事は知っている。
そのラグライア嬢の今後の扱い方と…セリアを求める本当の目論見をライアンは知りたいのだ。


『ハイネはとんでもない性悪…いや失敬…野心深い女だったのだ。彼女は家柄から陛下が俺に宛がった婚約者だったが…王宮入りし王妃教育を修了するや否や王太子妃の地位は揺らがない物と本性を表し従者の者に横暴を働き、果ては国庫から生家ラグライア公爵家をあからさまに贔屓し経済支援を行いたいと打診して来た。民から集めた血税の使い道を決めるのは国王と王妃にのみに与えられた権限であり私欲に使う等言語道断だと言うのに立場も弁えずにだ。挙句には…俺の関心が離れていると分かると淫らな誘惑で俺の関心を買おうとした。俺はハイネに失望したのだ…セリアの事がどうあれ…あの様な者を国母にする事等出来ない…無論 王妃教育に半生を費やした彼女を路頭に迷わせるのも忍びないので…時期を見て第二王子と見合いさせ、形だけの王族として迎えるつもりだ。』


『セリアを選んだもう一つの理由だが…婚約者のお前を前に言ってはならぬ事と分かって居るのだが…一目惚れだ。』


『一目惚れ…ですか?』


『彼女を初めて見たのは王家主催を社交界時。他の令嬢達が俺に媚を売って回る中、セリアがだけが落ち着き払って粛々と振舞って見せた。その姿は立って居るだけでも絵になり…俺には宝石やドレスで着飾る他の令嬢達がカカシに見え彼女だけが光り輝いて見えた。』


-分かる…俺も彼女の精神的に成熟し落ち着き払った人間性に憧れているからな。


『彼女こそ…王太子妃に…いや!後のアルテア王妃に相応しい!彼女以外に務まる者はいないと確信した。』


『だから頼む!!俺の為とは言わん!!アルテアの為に!!そしてセリアの為に!!婚約者の座から退いては貰えないだろうか!!!』


王太子は配下の騎士達の人目も憚らず深々と頭を下げた。


『殿下!?』


気位の高い人物と知っていただけに王太子の態度に驚きを隠せなかったライアン。


ライアンはその姿に…誠意らしい物を感じてしまった。


この王太子は…まるでライアンの心が読めるかの様に…完璧な受け答えをした。


今いる婚約者ハイネ嬢を婚約破棄する理由とその後の対応。


セリアを欲する理由と情熱。


そして王太子としての資質と心構え。


その全てがライアンからして模範解答。
ライアンの心を揺らすに充分な回答であった。


『・・・』


ライアンは自問した。


-彼が…セリアの能力を最大限に活かし…彼女を守れる男なのかも知れないな…


-だがしかし…一つだけ引っかかる事がある。



と仰いましたが…どうセリアの為になるのでしょうか?』


王太子は待っていましたと言わんばかりに頭を上げ、騎士達に目配せした。


一人の騎士が指笛を鳴らすと離れた場所から別の騎士が馬車に乗ってやって来た。


『アルテアは今重大な危機に直面している。』


騎士は馬車の中から一人の子供を引き摺り降ろした。
いや…子供ではない。


腕や足は子供の様に異様に痩せ細ろえた
骨と皮だけの髭を蓄えた汚い男だ。


手足には枷が羽目られている。
男の顔を見ると…ライアンは戦慄した。


忘れもしない…ライアンが幼少の頃に逃がし…少女を惨殺しただ。


『こいつは!?』


「あぅ~~?」


男はライアンが成長した姿から自分を逃がした少年と気付いていないのか…


惚けた顔でライアンを見詰めていた。


『会話は無駄だ。この男は数年前の事件を引き起こしファルカシオン・フェレネス軍がサラバドに侵攻し捕縛してから王宮の光の届かぬ地下牢に収容され気が触れてしまい…人の言葉はとっくに忘れている。』


『少女の祠の前で…仇を取るかライアン』


「あぅあぅあ~~!」


ライアンは腰の剣に手を当てた。
何百回も…"あの日こいつを殺しておけば"と自分を呪った対象の相手が目の前にいる。


切り刻み…八つ裂きにしたい…


ライアンは剣を引き抜こうとした。


が…


『いえ…結構です。』


ライアンは自分を制した。
断じてこの男に情けを掛けた訳ではない。


しかし…こんな自分が誰かも分からぬ
罪の意識さえ忘れてしまった者を切っても仕方がない…


この男には…もう誰も傷付ける事は出来ない
自殺さえも出来ないだろう…


それに…殺意をこの男だけに向けるのは間違いだ。


男に罪を犯す猶予を与えた自分自身も…等しく同罪であるとライアンは自覚しているからだ。



「うきゃきゃきゃ!!うーーー!!!」



自我すら失った男は…ライアン達を指さして突然狂った様に笑い出した。

その際に小便を垂れ流しながら…


一体どんな物を食わされたらこんな尿が出るのか…男の尿から広がる悪臭に騎士達は目を細めて鼻を覆った。


-俺があの場で殺していれば…少女も…この男もこれほど苦しむ事も無かったろうに…


ライアンは再び自己嫌悪に陥った。



『ならば俺がやろう。』


そう言うと王太子は懐から小さな筒の様な物を取り出し男に向けると。


パンッッ!!!


森中に響く轟音が当たりを包んだ。
鳥達はその音から一斉に飛び立つ。



『なっ!?』


轟音の直後。
一人ゲラゲラと笑っていた賊の男はバタリとその場に倒れ息絶えた。


『殿下…一体なにを!?』


ライアンが男の元に駆け寄ると…男の額には人差し指程の穴が開き、そこから脳髄を晒し骸と化していた。



『これが…アルテアに齎され様としている脅威だ。』


王太子はそう言うと、男を殺めた筒状道具を懐に収めた。


『これは…鉄砲と言う近付く事無く敵を殺める事が出来るとある国の新兵器だ。この武器から放たれる礫を浴びればどんな強者も一撃で死に至らしめる事が出来る。』


『こんな武器を持つ国がアルテアを襲って来た時…お前はセリアを守り切れるか?』


ライアンは答えを返せずにいた。
あまりに突然の出来事に言葉を失ってしまったのだ。


『世界は目まぐるしく変化している。アルテアの様に軍事力だけを武器に他国を牽制して居ては何れアルテアを上回る国が現れた時…この国は滅び去るのみなのだ。』


『そして…その時代はお前が思っているよりきっと近い未来にやって来る。俺はそれに抗いたい。だから国の門を開きアルテアを開国しなければならない。それは国を守る為、女子供を守る為だ。勿論…それはセリアを守る事にも繋がる。』



『俺には…アルテアには…セリアが必要なのだ。』



王太子はライアンの目を見据えて真意を伝えた。
ライアンはこの時…押し黙る事しか出来なかった。


『何を悩むライアン…お前達の間柄は親同士が定めた政略上の許嫁ではないのか?』


『・・・』


『まさかセリアに情が沸いたか?』


『いえ…しかし殿下。彼女とて人の子であり彼女にも人生があります。彼女は私の所有物ではありません。ので…私の一存で決める事は致しかねます。』



漸く吐き出せたライアンの返答は、遠回しな否定だけだった。


簡単に言うなら"俺はどっちでも構わないけどセリアの返答次第だ"と言う、まるで幼子が照れ隠しに吐く誤魔化しの様な返答だ。


"俺はセリアを愛しているから譲れません"


ライアンにはこんな簡単な一言を言い出せずにいた。
愛する者を守るに足る力が無い者に愛を語る権利は無いと自身に戒めていたからだ。


-シェーヌなら…自分の婚約者を取られそうになった時…相手が誰であれ意図も容易くNoと言うんだろうな…


ライアンはそう自嘲し自分に対する自信の無さから卑下する様な小さな笑いを浮かべた。


『ではセリア自身がyesと答えれば…異存はないと捉えて良いな?』


王太子はライアンの言葉に追撃を仕掛けてきた。


『無論…彼女の人生です。彼女がその道を選ぶなら…私に咎める権利はありませんので』


ライアンが返すと王太子の口角をあげて微笑みを浮かべた。


『それでは来週にでもセリアを王宮にお招きしようと思う。この事はくれぐれも他言無用で頼むぞ?全てはアルテアの明るい未来の為。そしてセリアの為。未来の領主として懸命な判断をしたお前に感謝する!この事は俺が王位に付いても忘れまい!』


そう言って高らかに笑いライアンの肩を叩く王太子にライアンはやはり何も言い返せずにただ拳を握るだけだった。
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