グッバイ現世、僕は異世界で最強になる。〜才能が全ての世界をヘタレ冒険者が押し通ります〜

アキタ

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冒険者証交付

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 それから、一週間が過ぎ嘉武とイヴは正式に冒険者として、任を受けられる事となった。「さっさと活躍して名を挙げて来い。くれぐれも気を付けろよ」とエルガーから冒険者証の交付があった。銅色をしたプレートに刻まれているのは名前、それと”階級15”の文字。
 そんな嘉武と一緒に交付を受けたのはイヴであった。貰っているプレートの色は銀。嘉武よりも上のランクであった。
 それと追加でシルフィから連絡があった。

「一ヶ月後、特別交付対象者限定の顔合わせ並びに実力テストがあるみたいです。一年に一度のチャンスですから是非行ってみては如何でしょう?」
「わかりました、前向きに考えさせてもらいます」
「あたしはどっちでも良いわ。暇なら行くし、暇じゃないなら行かない」
「場所はディオーネ王国都、ローダルヘインにて行われるみたいですよ。あまり行く機会もないですし私はオススメしますっ」
「到着までどのくらいかかりますかね」
「うーん、オルディスのから最短の街、ディグルでさえ馬で数日・・・何も無ければ大体2週間かからずに到着できるかと!」

「あまり猶予が無いみたいですね・・・」と嘉武は苦笑いした。あまり乗り気には慣れないもののシルフィは耳打ちをする。
「どうやら、冒険者として活動していく上で特別交付対象者は殆ど欠席することは無いみたいですよ。しかも良い出会いも期待できるってウワサです」
「はぁ、そこまで言うならまぁ、行ってみますかね・・・」
「その時は是非、シルフィの名前を!」

「あんたそれが目当てかい」と嘉武はツッコんだ。

 そして、嘉武はオルディス周辺の森で受注出来る依頼を出来るだけ多くこなす。上限は五件。

(多分、ローダルヘインまではきっと3日あれば着ける。それまでにどうにか移動手段を確立しないとね)

 オルディスの街を出て、見慣れた草原。嘉武はウィンドを唱え、背中へぶつける。

「あぎゃっあ!!」
 悲鳴めいた声を上げ、傍から見れば勝手に自爆したようにしか見えない程にぶっ飛ぶ。
「っつー・・・。どうにも、上手くいかないな。あの時のイヴはどう飛んでいたっけなぁ」

 何度も何度も自分の体で試し、ドォン!ドォン!と土煙を上げる。
 すると、ケタケタと笑いながら来たのはイヴ。
「ほんと、節操無しに暴れてるわね~。そんで、これは何やってんの?そういう趣味だったりするの?」
「決してそんな訳じゃ・・・」と答えるのはひっくり返った嘉武。

 立ち上がり、訳を説明する嘉武。そうすると、イヴは簡単そうに言った。

「そんなの、自分の得意な魔法を使うだけよ。あたしは周りにも影響を出さない様に風魔法を使ってるだけで速度を出すだけなら炎出した方が全然速いわよ」
「ちょっと、炎魔法は出力ミスったら爆発起こしちゃって・・・普段から使うにはまだ早いと思うんだ」
「まあ、少し見てあげるからやってみてよ」

「分かった」と言うと嘉武は両手を斜め下に向ける。そして、ウィンドを発動する。

 ドォン!!

 初撃で激しく宙に舞う嘉武。何度も何度もウィンドを打ち続け、激しく切り揉みしながら地上に叩きつけられる。

「そんなんで飛べるわけないでしょ!」とケラケラ笑うイヴ。
「フフフ、アハ、はぁーあ、あんたのそれはエアボムみたいなものよ」
「エアボム・・・?」
「なんで飛ぶのに一々爆風を起こすのよ、優しく風を扱って起爆させないで飛ばすだけでしょう」

 嘉武は考える。己の感覚はどうかしていた。全て、破裂的に発動することしか出来ていない。魔力の流れと言うものを一切考えずに魔法を扱っていた。
「・・・そうだ、そうだよ!イヴ!ありがとう!」

「まあ、感謝するなら出来てからにしてよ」

 それから嘉武は幾度となく爆発、墜落、ぶっ飛びを繰り返す。
 イヴは既に木陰で睡眠を取っていた。

 日も昏れる頃、嘉武はようやくウィンドの扱いに成功する。大した速度は出ないものの、ここから速度は伸びる余地がある。ウィンドであれば両手も空く。実験的にエアボムを追加して超加速をする嘉武。
 長時間ウィンドを扱い続けたおかげでエアボムの調節も上手くいった。

 速度を殺す方法は思い付かずズザザザ、と地を削りながら思い切りブレーキをかける。

(上手く・・・いった・・・!!やっと、成功した!!)

「イヴ!!起きてくれ!」
 嘉武は絶頂するほどの喜びをイヴへとぶつける。幾ら話しかけても起きないので肩を揺さぶる。

「んぁ、あー、えっと、マフア。あ、んで、なに、なに?」

 やはり、この女寝起きに弱い。律儀に防音魔法まで掛けて寝ていたらしい。きっとこれが、遅刻の原因のなるのだろうと嘉武は察した。

「あぁ、イヴの言ってたとおりにウィンドを扱えたんだって!」

 嘉武は引き続きイヴの方を揺さぶる。その度イヴの首がグラグラと動き、言う。

「やめて、やめて、分かったから。もう、わかった。凄いねーはい、凄いよー」

「・・・あ、ぁあ!もう少しやれば完全にモノに出来そうなんだ!後で見てくれないかな!?」
  「いや、無理、もう、明日」
 そう言ってトボトボと歩き出すイヴ。

 そして、「そうか、まあ仕方ないよな」と言う嘉武。辺りは夕陽に照らされ、辺りは眩い。オルディスの街の外壁にも夕陽が反射する。そろそろ日も落ちる頃だ。

(今日一日でかなり魔力の流れを掴めた・・・。結局、何も出来なかったけど、こんな日もあって良いよな)

 嘉武はウィンドを発動し、イヴを追い抜く。すると、爆速で追ってくる。嘉武はその勢いに巻き込まれ吹き飛ばされる。まだまだイヴには適いそうにはない。それでも嘉武は土まみれになりながら笑っていた。

 嘉武自身、後から聞いた話ではあるが、イヴはこの程度の魔法の扱いであれば所見で成功している。それ故に嘉武の苦労が一切理解できないらしい。
「」
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