グッバイ現世、僕は異世界で最強になる。〜才能が全ての世界をヘタレ冒険者が押し通ります〜

アキタ

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ローダルヘイン

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 ローダルヘイン。そこはディオーネ王国の中心。ディオーネの機能、全てを司る。

 そして、相対する二大勢力が存在する。それはディオーネ冒険者ギルド本部、ディオーネ王国直属白凰騎士団。
 両方、国に属する認可された組織であるが、思想の違いによる歴史的不仲によって相入れることは無いとされている。
 現、ディオーネ王国冒険者ギルド本部長の名はリダズ・ヴィザラム。王国直属白凰騎士団コマンドールの名はジス・エブジオン。

 そして、ローダルヘインの教育機関は一つしかない。それは、王立グランディア学園。期間は三年制。入学するにも条件がある。
 年齢は満十二歳から満十五歳迄。入学と同時にレベルやステータスを含め、能力やスキルに合わせたクラスへと振り分けられ、年齢による考慮は一切無い。だが、殆どの入学者は最低基準を満たした者ばかりである。
 そして王国の教育機関を経た者しか白凰騎士団への入団権利が発生しないのだ。それ故に教育機関は国中から集う精鋭を常に揃えている。かと言って全ての学生が騎士団志望では無い。進路の自由はそれぞれに有る。

 嘉武やイヴは条件を満たす事は絶対にない。故に確定されたのは冒険者への道である。

 そんな二人は現在、ローダルヘインへと向かう道中。馬に揺られ、ゆっくりと時を過ごしていた。
 舗装された道では魔物に出会うことも無い。森や渓谷がある訳でもなく、ワイゼルからは安全に行けるルートがある。ならば力を温存して行こうとなった。

「イヴはローダルヘインへ行った事ある?」
「仕事で一回あったわね、それでも寄っただけで街中は見てないんだけど」
「そっか、それと実力テストって言うのがよく分からないんだけど、何か指標とかあったりする訳?」
「有名なのはクリメタボールね、その人が持つ得意魔法を見極め、強弱においてもある一定の測定が可能なの」
「それは楽しみだ。一体、僕の適正はなんだろう・・・」
「くれぐれも壊したりしない様にね、特殊な鉱石を使っていて割と高価らしいのよあれ」
「それは保証し兼ねるなぁ・・・」
「まあ、その前に止められるでしょうね。かく言うあたしもクリメタボールは初めてなのよ。腕が鳴るわ~」

 呑気に風を浴びる二人。これから出会うのは精鋭である冒険者達。もちろん、ディオーネの教育機関卒の冒険者達が待っているとは知らず流れの穏やかな時間を過ごす嘉武は思う。

(ーーー転生してから、今までどうにかやってこれた。本気で怖かった事もあるし、自分らしくもなく激情的にもなった。明確な敵との戦いは足が震えたりもした。それと、今思えば自然とイヴと一緒にいることが多いし。それも、ローダルヘインまでの関係なのだろうか・・・)

 どちらでも良いが、イヴを見てみるとマフアを唱えて静かに眠っている。起きているととんでもないじゃじゃ馬ではあるのだが、静かにしていれば眺めていられる様な整った顔をしている。
 どうしてここまで寝るのかと言うと、魔力の回復に一番効率が良い事と、イヴは魔力の貯蓄が可能なスキルを持っているらしい。それ故に出来るだけ、眠れる時は眠る。
 そう言えば、駄女神風に送られたこの世界。そう言えば自分の使命は何なんだ。何をする為にここへ来た?
 もう少し話聞いとけばよかったよな。
 アイツもアイツだ。自分の出世が懸かっていただろうに適当に送り出しやがって。おかげで何すればいいのか全く分からないじゃないか。
 嘉武はこの世界で何をしたいのか自問自答をする。
 ただ、強くなるだけじゃ意味が無い。
 今の僕だからこそ出来ることをこれから見つけていこう。

「まあいいや、明日から本気だそう」

 そろそろローダルヘインが見えてきた。綺麗な外壁に幾つか物見櫓がある。侵攻者を妨げる為に都の出入口は厳重に審査が行われている。
 一人一人が求められた手続きを経て行き来が認められる。公的証明証を持つ物であれば手続きは不要である。

 嘉武は馬を降り、冒険者ギルド本部からの証書を出しローダルヘインへと入っていく。

 落ち着いた雰囲気ではあるが人の往来はかなり多く、中にはパトロール中の騎士がちらほら交じる。
 一つ一つの建物がオルディスやワイゼルの比べてかなり大きく、一つの区画もかなりの大規模。街中には魔導機械による移動サービスが普及している。

「この辺りで良いはずなんだけど」と嘉武が辿り着いた建物はローダルヘイン西側、一際目立つ大きな石造り。建物の左右には高い塔が備えられている。

 ここは冒険者ギルド本部。ギルドの規模がオルディスやワイゼルとは比にならない程大きい。
 建屋内の広さは勿論、様々な物まで整備が行き届いている。冒険者本部では各地の依頼や、長期期間要する依頼も取り扱っている為冒険者のレベルもピンキリで揃っている。
 受付窓口も五人体制で、かなりの業務量をこなしていると見える。そこらの街とは違い、嫌な視線はなく横暴な冒険者も居ないのでロビーではかなり寛げそうだ。

 嘉武は受付へ証書を提出し、ギルド本部での手続きを行った。どうやら、今回の件で先客は既に数人居るらしい。各自、個別に宿は取っていいみたいなので遭遇する事もないのだが。
 それでも、顔合わせまでには五日ほどの猶予がある。

「ヨシタケはしばらくどうするの?」

 珍しくイヴから嘉武に質問する。

「僕はそこらを巡ってみるよ。暇があれば依頼の一つでもこなしておこうかな。結構金銭面がカツカツなんだよね」
「あっそう、貧乏人は大変ね。それじゃあね」

 イヴは素っ気なく嫌味を言う。
 嘉武もイヴと別れ、ギルド本部からの補助限度額ギリギリの宿を抑えて日の暮れかけた街に繰り出した。
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