ダンジョンマスターは引きこもりたい。

アリス

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第二章:ニート推奨少女、ダンジョンに三パターンのルートを作った。

玄人コースの番人達

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 「100階層まで一気に作ってみたけれど…現状達成できる冒険者っていると思う?キロタ」
 「いる訳ないですよ、マスター」
渾身の力作、『玄人コース』の各10階層毎に階層主、番人は10階層毎に強くなって行く。

例えば、10階層の階層主フロアボスである疫病の蛇竜ヨルムンガンドは全長10m、胴周りは最も太い胃の辺りが2mで最も細い箇所が尾の先20㎝はある漆黒の皮…腹側は白のモノトーンカラー。瞳は爬虫類特有のギョロリとした蛇瞳。色は深紅。

口の両端には一際鋭そうな牙。
攻撃方法としてはその凶悪そうな歯での噛み付き(毒有り)と巨大で長大な胴体による締め上げ…からの噛み付きか丸呑み。
それから魔法も使う。氷の槍アイスジャベリン土の槍アースジャベリンを散弾銃の如く無差別無慈悲に放つ。
10の階層主である彼が初登場を果たすが…まあ、体力お化けで、移動速度は時速15㎞なので対処法さえ間違えなければ撃破は可能だろう。

…が、100層以降で出て来る『小ボス部屋』や『中ボス部屋』では実力で以て挑戦者=冒険者を するだろう。

20層の階層主フロアボス深淵の暗黒竜バハムート終滅の暴風竜テンペストのどちらか確率登場する。
発生条件はパーティーのレベル差や、属性の相性、それから冒険者ランクから鑑みる実力。
…場合によっては両竜揃い踏み━━なんてこともある。討伐パーティー10名を越えた辺りがボーダーライン。
因みに暗黒竜が時・闇属性で、光属性が弱点。
暴風竜は風属性と幻属性、水魔法を組み合わせた魔法を放つ。弱点は火属性。
無論、どちらも竜種ドラゴン特有の咆哮や噛み付き、引っ掻き、尾打、頭突き、それから…竜の息吹ドラゴンブレスも撃ってくる。
当然空も飛ぶし捕まえて超高度からの叩き付けもしてくる。戦闘中に気絶しようものなら…“最終兵器・地面”が発動する、と言う挙動も取る。
…まあ、実力差を痛感して身に染みればなんて馬鹿な事は考えないだろう。

 「…テンペストは悪戯好きでバハムートは戦闘狂…マスター、これ、いいのです??」
 「いい。私が指揮官だ。」
エヴァネタ…知ってる人は居るのか?……。

因みにヨルムンガンドは真面目な好青年…凛音は“優しいお兄ちゃん”として慕っている。

100階層までしか作って居ないが、彼等階層主は専用の部屋とプライベートエリアで人化して思い思いに過ごしているのだ…。

30階層の階層主フロアボス救済の巨神兵ベルフェゴール。光と聖属性の身長30mの白亜のゴーレム。弱点は闇属性。物理に強く闇魔法に弱い。
自己を治癒する回復魔法を使うのでMP吸収攻撃か詠唱阻害マジックジャミングの手立てがないとキツイ相手。因みに防御力15000はあるので弱点属性を武器に乗せるか付与術式バフで強化するか、または超攻撃力脳筋ゴリ押しでしないと突破は不可だろう。時速30㎞で移動する超強いゴーレム。

40階層の階層主フロアボス悪魔公デーモンロード【ルシファー】。貴族服を着た悪魔の“爵位持ち公爵”…漆黒の蝙蝠の翼に山羊の角、暗黒色の髪に血に濡れた赤目。凛々しくは美しい人型魔物…吸血鬼ヴァンパイアからの上位進化である彼は黒魔術の使い手でありながら、剣や槍、鞭を使い分ける。
無論、それら武器を弾き飛ばしても徒手空拳で往なされる。
(黒魔術と呼ばれるのは火風土闇の四属性で、反対に白魔術は水光聖の三属性)
空を飛んだり歩いたり…剣による斬撃を放ったと思ったら蹴りが腹に飛んで来る━━臨機応変遠近両方殲滅型。

本人は真面目な自己中ジャイアンとか言っているが…凛音も誰も信じていない。インテリヤクザである。と思われている。
七つの大罪に通じる種族特性のスキル【傲慢】の持ち主。俺様何様ルシファー様。
攻撃力・防御力・素早さの常時+5000×レベル加算する付与バフスキル。対抗するには常に能力値低下魔法か魔術を掛けるか、天使族種族特性スキル七つの美徳に通じるスキルの中の【謙虚】。これは対峙する者の全ステータスを1000-100(謙虚のスキルレベル1の場合、1×100する)の値分固定する。

50階層、階層主──悪魔王デーモンキング【サタン】。
見事な金髪碧眼の美青年。
中性的な顔立ちに細身の美青年。その背には鴉の羽根。尾は蛇腹状になっている黒色の尾。ルシファー同様に人型魔物の悪魔族に属する。ルシファーが吸血鬼なら、サタンは淫魔型…その上位進化だ。排他的な美貌は今一時ひとときの法楽に人を堕落させる…そこに男女の別はなく。ただ、粛々と堕ちていく…彼の腕の中で。魅了チャーム洗脳ブレインマーキング魔術の使い手。片手長剣の二刀流。黒魔術と常時発動スキル、魅了チャームと魅了魔法が彼の武器。
七つの大罪に通じる種族特性スキル、【怠惰】の持ち主。掛けた者に移動の制限、思考の鈍化を付与する。

60階層──階層主、悪魔公女デーモンレディ【ベルゼブブ】。悪魔公の女性バージョン。得物は鞭と鉄扇。黒魔術と時属性の魔法が得意。属性は火と闇。七つの大罪に通じる種族特性スキル【嫉妬】の持ち主。効果は異性の人数×20%の能力値低下ステータスダウンの無条件付与バフ。他にも吸血による傀儡化や、眷属化。無数の蝙蝠型の使い魔の召喚。

70階層──階層主、水竜女王アクアドラゴンクイーンのレヴィアタン。属性は水属性。無属性の攻撃と水属性の光弾、水属性の極大魔法──大津波タイダルウェーブの使い手。

80階層──階層主、六翼の堕天使メフィスト=フェレス…属性は光と闇、聖と時属性。
騎士甲冑型、人型、幽体アストラル型…と使い分ける。
<騎士甲冑型>は武器を使用しての絶対的防御を得る。武器は大剣や槍。
背中の翼は不可視の六枚盾へと変化。空を飛べない代わりに物理攻撃が主軸。騎士のように型に沿った攻撃をしてくるので予測は可能。防御力は高いが、連携を意識したパーティー戦闘で攻略は不可能ではない。
<人型>は空も飛べて武器は片手長剣と光と闇と聖属性の三属性複合魔術、極大魔法『惑星衝突ビッグバン』の使い手。魔法と物理、武器と魔術を臨機応変に多用してくる。
<幽体型>は物理攻撃無効で魔法攻撃が唯一攻略の打開策。弱点属性は存在しない。金髪碧眼の美青年。穏和な面立ちに落ち着いた口調、丁寧な物言いはダンジョンを国とするならば、“文官”に向いている。

90階層──階層主、【風神/雷神】は風属性の魔術のスペシャリストと雷魔術のスペシャリストの2体を相手にする。
4人以上のパーティー推奨。同時に挑戦できる人数は20名まで。(それ以上は報酬の質が下がる)

100階層──階層主、【太古の粘体エンシェントスライム那由多ナユタ
虹色の巨大な粘液胴体スライムボディ。物理も魔法も効かない上に吸収する。…やがて膨張肥大した身体は階層全体を呑み込んで挑戦者をも巻き込んで喰らい尽くす。
七つの大罪に通じる種族特性スキル【暴食】を持つ。
効果は食らった者の魔法やスキル、レベルや能力値ステータスを加算固定する。
彼(または彼女)?が今まで食らった全ての魔物や人間、魔法や魔術、スキル…その全てを平呑し合成し消化させるいにしえの粘液生物。…普段は分裂して本体を階層主部屋に置いて縮小した分裂体でコアルームにいる凛音や他の階層主の元へ時折訪れては遊んでいる。マイペースで甘えん坊な弟のように凛音は接しているし思っている。

 「…ふぅ、出来た…。もうポイントはカツカツだし…オープンしよっと」

ポチッ。

ダンジョン“最後の晩餐”開設オープン──




 「…お、おい…っ!?こんな所にダンジョンが…出来てる、だと……ッ!!?」
 「ギルドに報告~ねぇ~~?」
 「リーダー、煩い。魔物寄ってくるでしょう~?!」
 「あ…お、おぅ……すまん」
 「…で、行くの?帰るの?依頼クエストの月下草は採取済み。……どうする?」

[月下草]
文字通りの満月の晩のみに咲く薬草ハーブ
上級MP回復薬マナポーションに必要な素材の一つ。見た目は白の花弁、中心が仄かに月光を閉じ込めたような金だか銀だかの不思議な色合いの花粉…月の魔力の影響を一身に受ける満月の夜は一斉にチューリップのような花が花開く。
…薫りは林檎。因みに香り付けの為に回復薬以外に香水や料理に使われたりもする。1束MP20回復する。
回復薬ポーションや料理にすると──製造者のスキルレベルにもよるが──回復量が増えたり一時的な能力値増加ステータスアップになったりするので所謂ベテラン冒険者だと難易度の高いダンジョンに潜る前に行き付けの料理屋に寄る。…まあ、近場だとか簡単な依頼の場合はその枠には嵌まらないが。
…後、付加価値のある料理を出す所は大抵お値段が張る高級店だ。
貴族や王族も時折お忍びで来る隠れた名店…街に一つはあるだろう所に上位ランカーが集まるのも必然と言えば必然であろう。
~~閑話休題~~

 「──で、行くんだな?」
 「ああ」
 「僕もどっちでもいいよ」
 「私はリーダーのザイオンに従うわ!…でも、綺麗な装飾品アクセサリーが出たら優先的に譲って欲しいな」
ほどよく引き締まった細身の赤毛の男、【リーダー】のザイオンは大剣を手に斥候である青髪の青年に目配せを送る。
スッとその姿が掻き消えた…と思っていたら、僅か数秒で戻ってきた。
 「危険はない…と言うかダンジョンだったぞ、リーダー」
 「…随分と」
 「親切…?」
 「それってどう言うーー」
 「行けば分かる。」
仲間達の困惑と戸惑いを浮かべた姿に斥候の青年──リュカはそれっきりだんまりを決めた。
 「リュカ…何その微妙な顔。さっぱり分からないんだけど!」
食って掛かるのは水色ローブのこれまた水色の魔石が先端に着いた〝水錠の杖〟と言う名のそのままズバリの水魔法使いのライラがキッと睨む。
 「まあまあ…ライラ落ち着いて。リュカは元々そうだよ、説明下手のコミュ症男だから」
笑顔で毒を吐く回復兼準前衛職のレイン…翠玉色エメラルドグリーンの肩までの長髪を首の後ろで縛ったやや幼い顔立ちの少年がライラを宥める。
 「おい、レイン…お前後で宿の裏に来い──、な」
 「やだな~。図星だからってリュカ君大袈裟だよ(笑)」
 「……殺す」
無言で短剣シミターを投げる沸点の低い斥候の短剣をひらり、ひらりと避わして笑顔(嘲笑)している回復役ヒーラーの少年。
 「あははっ☆全っ然当たらないよ~?斥候の、リュカ君♪」
 「……。」
無言で神官を追い掛け回しリーダーの返事も待たずにダンジョンへと踏み込んで行く二人に魔法使いのライラとリーダーのザイオンは揃って苦笑と共に溜め息を吐いた…。


──いらっしゃいませ、お客様。当ダンジョンをご利用誠にありがとう御座います。

 「は?」
 「へ…?」
 「…!!?!」

──早速では御座いますが、当ダンジョンのあらましを不肖このインフォメーションを勤めるこの私アガザが当ダンジョンについてご案内申し上げましょう。

渋く耳障りの良い初老の男性のようなテノールが尚も続く…

 「…と言うか──何なの、これぇ!?」

…──ベルナディア王国指定脅威度、指定攻略難易度共にSランクの『蠱毒の森』中復──それが冒険者ランク、「A」のランクを持つパーティー…【妖精の戯れフェアリーテイル】の4人+1名(件の妖精の事である、斥候のパートナー…闇妖精のサキア)の彼等はそこそこのベテラン…中堅冒険者に俗する。
前衛1後衛3…バランスが悪いと言うことなかれ。
そのの1人である神官のレインは棘付き打撃棍バトルメイス主武器メインウェポンとしてずっと愛用している。…後は鍛え上げた体術、徒手空拳か。
全体的に似たり寄ったりな痩身美形が集まったパーティー…リーダーのザイオンと魔法使いのライラは同村出身者の幼馴染みで、斥候のリュカは途中参加組、神官のレインは聖王教会からの出向…である(3年契約)。
妖精の戯れも結成から早いものでーーもう10年だ。
当初幼馴染み2人組の小規模パーティーだった…その旅路の途中で斥候のリュカとその従魔、闇妖精のサキアが加わって…神官が2度入れ替わって今に至る。




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