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プロローグ:星の錬金術師

飽きたと言った星を冠する錬金術師は地球に暇潰しに来た

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 「とーちゃ~く☆うんうん♪座標もばっちし──ん?砂…ばかり…だ、と…っ!?」

察知サーチ展開…!

構える錫杖から…放たれるは察知の魔術…。

これは…周囲に魔物がいるのかどうかとかを調べる時に大変重宝する魔術である。

千里眼の術式鑑定さんのお陰で…この惑星ほし地球アースである、と…結果が出ている。

──異世界転移術式は、成功した。

通常魔術師や魔導師が行える転移術式はラグリア内でしか発動しない──それは地球こちら久遠星あちらではパスがないからのだが…奇跡ではなく──“彼女”は自身の中に地球へのパスは繋がっている、と確信を持っていた。

 「…ここは…えっと……?アフリカ大陸…ですか…。なるほどなるほど…ほーすごいっ!砂だらけ!太陽が眩しい~…っ♡」

キャッキャッとはしゃぐのは──砂の上。

…砂漠の上で何をやっているのか?

ここに彼女のお守り上司が居たならば…イリスを簀巻きにして連れて帰って居ただろう…。

直射日光も紫外線も怖くないのか…?

その見るからに分厚そうな野暮ったい白ローブの下が──とは誰も思わない衣装で…ルンルンと砂の上をスキップ?している。

 「私は自由ーなのよーーっ!!ヒャッホーイ♪♪」

…や、こんな四方八方を砂に囲まれた──砂の海を徒歩で歩くその神経も可笑しいのだが…。

異世界の来訪者であるイリスのテンションが…地球を見守る神々の目に奇異に写っているとは──当の本人もまるで気にしていなかった…。



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とある神1:「…おい、なんか変なの来たぞ(笑)」 

とある神2:「…ん?てかあれ…」

とある神3:「…はい、、うちの子です…すいません」

とある神4:「…いや、いいんだけど…あの子…“破壊者”とかではないよな…?」

とある神3:「はい!それは安心してください…!あの子は私が特別に目を掛けている子なんです…!行動力が可笑しいですが……彼女の本質は地球人に危害を加えるものではないと…断言します!!」

とある神4「…うおっ!?し、静かなコイツが…饒舌に…!?…なら、問題はないか。」

とある神2:「…引き続き監視はさせて貰うぞ、久遠星の?」

とある神3:「…はい!お願いします…ッ!冥王星さんっ」

とある神2:「…久遠星の…その名では呼ばないでくれ」

とある神3:「?どうしてですか?冥王星さんは冥王星を統べてらしたでしょう…?」

とある神1:「…久遠星の…冥王星はもう…何者も住めなくなったじゃねぇか…“破壊者”の所為せいで」

とある神3:「…ッ!そう、でした…すみません…冥王星さん…配慮が足りませんでした…。」

とある神2:「…おぅ、気にすんな。久遠星のが悪い訳じゃねぇ」
………。

──その後は普通の世間話に戻った“とある神々”の会合であった…。
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