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2章
温もり
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シアンがいなくなってしまった。
腕をしっかりと掴んでいたのに、消えてしまった。
俺は彼の腕を握っていた右手を強く握り、目を瞑って息を吐いた。
霧が漸く消えて、5分後。
「シアン様、どこへ行かれたのでしょうか?」
「トイレとかじゃないのか?」
「こんな時に呑気なことを…」
「……魔窟だ」
「シアン様は魔窟へ?」
「それしか考えられない。行くぞ」
半ば強制に2人を連れ、俺たちは魔窟へ走った。
「魔窟…か?」
「入口が塞がれてますね」
「岩をどかして中へ入ろう」
「待て、イブリン。魔窟は危険だ。本当にシアンは中にいるのか?」
「今はそれどころじゃ…」
「貴様たち、何をしている?」
ユーリアス、イグリム、サイラス、スヴェンの4人が揃って現れた。
「君たちこそ、なぜ魔窟に?」
オーリーが勘ぐった表情で聞く。
「…シュレイ・アデスを探しに来たのか?」
俺はユーリアスを睨みつけて言った。
「何故それを知っている?」
「…常に一緒なのに居ないのが変だと思ったんだ。彼を探しにここに?」
「…実は、シュレイが急に消えて探していたら、ある4人の男たちがシュレイとシアンさんを魔窟に閉じ込めたという話をしていたのを聞きまして…」
イグリムが宥めるような口調で言った。
「はっ…お前らんとこのシアン・シュドレーがシュレイを魔窟の中へに連れて行ったんだ」
サイラスが腕を組んで言った。
「なんだとっ!シアンはそんなことする奴じゃっ…」
「どうだか…」
「サイラス!」
サイラスとオーリーが睨み合い、イグリムが間に入る。
「黙れ!今は、それどころでは無いだろ!」
俺が怒鳴ると、2人はハッとしたように静かになった。
「ハルノ、この岩を退けよう」
「は、はい…」
ハルノと魔法を使って岩をどけると、俺たちは奥へ早足で進んでいった。ユーリアスたちも俺たちの後ろを静かに着いてくる。
(一瞬であの場所へ行きたいけど、こんな大勢がいるところではさすがに…)
「意外と魔獣はいないようだな…あいつら、きっと無事だ」
「…そうでしょうか」
オーリーが弾んだ声で言うと、ハルノが暗く答えた。
「端に不自然に広い窪みが続いている。恐らく、ここら辺は魔獣が眠る住処。だが、ここに眠っているはずの魔獣がいないということは…」
俺は冷静に説明しつうも、冷や汗を垂らす。
「お、おい…それって!」
「急ぐぞ」
背後からユーリアスが歯を噛み締めて、俺の前を出てきて走って行った。
俺も追うようにして走って行くと、目印となるあの魔獣の像が見えてきた。そして、その前には多くの魔獣が彷徨っている。
「お前たち!それぞれ、組んでシュレイを助けに行く。必ず見つけるぞ。いいな?」
「ああ!」
「うん!」
ユーリアスの一声で4人は杖を抜き、ユーリアスとイグリム、サイラスとスヴェンで分かれて覚悟をしたように返事した。
「イブリン、お前はここにいろよ」
「なぜだ」
「人数的に1人余るだろ。お前のペアのシアンは今いない。そんな中で、魔獣たちの側まで行くのは自殺行為だ。遠くから見てろ。シアンは必ず助ける」
「だが…」
"イブリン様、お任せください。逆にこの男だけを1人にするのが危険です。むしろ好都合とお考えください"
ハルノの声が俺の頭の中に流れてきた。
「……分かった」
「おう。任せろ」
オーリーがニッと笑い、俺の肩を叩いた。
そうして多くの手強い魔獣たちをたった3組の石持ちが相手になり、激しい魔法と力のぶつかり合いが続いた。
「くそっ、一体何頭いやがるんだ!?」
サイラスが汗を拭いながら叫んだ。
「あと20はいるな…」
イグリムが苦笑いしながら答えた。
(やはりこの多さでは…)
数は減ってきているが、魔力の使い過ぎで魔法の精度も下がり、少しずつ怪我をする者も増えてきている。
俺は見兼ねて、杖を持った手を後ろにやり小声で呪文を唱えた。
もちろんバレないように、彼らの魔法の攻撃のタイミングと合わせて催眠魔法をくり出した。
こんな調子で、何とか辺りの魔獣全ての意識を眠らせることができた。
「…不思議だ。まるで途中で眠らされたみたいだ」
スヴェンが眠る魔獣を見て呟いた。
「オーリー、ハルノ。行くぞ。きっともう少しだ」
そう声をかけ共に先へ先へ進んで行くと、思っていた通りにあの場所が少しずつ見えてきた。
「あれは…祭壇?」
オーリーが目を擦りながら言う。
祭壇だが、それよりも気になるのは身廊の泉の波が激しく揺れ、周りの地面も異常な程水浸しになっていることだ。
まさか、と嫌な予感が頭をよぎり拳を握った。
<バシャッ>
「ぷはぁっ…はぁっ…はぁっ…」
水面から、シュレイを抱えたシアンが顔を出した。
すかさずシアンは、シュレイの身体を上に持ち上げて、地面へ置いた。
「シアン!!」
「イブリ…」
彼が安心したような顔で俺を呼んだその時…すぐに目の前から消えてしまった。
水中へ魔獣に引きずり込まれたのだと分かった。
俺はネクタイを外しシャツの袖を捲って走り出そうとしたが、すぐにハルノに腕を掴まれた。
「何を」
「イブリン様…」
ハルノは訴えかけるような目で️こちらを見てきた。言いたいことはわかっていた。
「シュレイ!」
水中から助かったシュレイを見て、サイラスとイグリム、スヴェンが走って駆け寄り
、何度も切に名前を呼びかける。
「シ……、、シュレイ!」
遅れてユーリアスが青い顔をしてシュレイの元へ行き、自分のブレザーをシュレイに着せて抱きかかえた。
「ハルノ、お前はここにいろ。何かあった時にオーリーの相棒が居ないと大変だ」
「イブリン様!」
俺はハルノの腕を強く振り解き、泉へ飛び込んだ。
水中には、アドグーラというワニの顔をした魔獣がシアンの体を掴んでいた。
俺は杖を掴み、心の中で呪文を唱えた。
魔法でアドグーラの体には無数の傷が入り、シアンの体は解放された。
シアンの体を抱きしめ、彼の顔を見た。どうやら気を失っているようだ。
(シアン…目を覚ましてくれ)
俺は呪文を心の中でまた唱えると、シアンの唇に自分の唇を重ね、空気を体の中へ吹き込んでいく。
10秒ほど続けると、シアンは静かに目を開けて、驚いた顔をした後微かに笑みを向けた。
無事を確かめると俺はシアンの体を抱きしめ、魔獣に最後のトドメをさそうと杖を構えた。しかし、シアンが腕を掴んできた。
彼を見ると頭を横に振っていた。
俺は、シアンが言っていた「俺たちが勝手に住処を荒らしに来ているんだ」という言葉を思い出して、了承の笑みを向けて水面へ上っていった。
「はぁっ…はぁっ…」
「イブリン様」
「シアン!無事か!?」
水面へ顔を出すと、オーリーとハルノが心配した面持ちで声をかけてくる。
「オーリー、シアンを頼む」
オーリーに手伝ってもらいシアンの体を持ち上げ、水面から上げた。
「イブリン様、ご無事で何よりです」
そう言ってハルノが神妙な面持ちで手を前に出してきた。俺は少し笑って、彼の手を掴み水面から出た。
------------------------------
「ーーカハッ…ゴホッゴホッ」
勢い良く水を吐き出し、自分は死に損なったのだと分かった。
(いや…助けられたのか。イブリンに)
「シアン、大丈夫?」
「イブリン…ああ、大丈夫だ」
「良かった…本当に」
イブリンが俺を見下ろし、泣きそうな顔で笑った。
「…ありがとう。また、助けてくれて。俺、お前を呼んだんだ。聞こえた?」
「うん…聞こえた。だから来たんだ。あなたが呼んでくれたら、絶対にどこへでも駆けつけるよ」
「ん…」
優しく彼に手を握られ、俺も握り返した。
イブリンの腕の中の温もりがどこか心地よくて、思わず力を抜いて彼に体重を預ける。
「シアン?」
オーリーが心配したように声をかけてきたのが朧気に聞こえた。
「大丈夫。眠っているだけだ」
安心する声が上から聞こえて、俺は意識を手放した。
腕をしっかりと掴んでいたのに、消えてしまった。
俺は彼の腕を握っていた右手を強く握り、目を瞑って息を吐いた。
霧が漸く消えて、5分後。
「シアン様、どこへ行かれたのでしょうか?」
「トイレとかじゃないのか?」
「こんな時に呑気なことを…」
「……魔窟だ」
「シアン様は魔窟へ?」
「それしか考えられない。行くぞ」
半ば強制に2人を連れ、俺たちは魔窟へ走った。
「魔窟…か?」
「入口が塞がれてますね」
「岩をどかして中へ入ろう」
「待て、イブリン。魔窟は危険だ。本当にシアンは中にいるのか?」
「今はそれどころじゃ…」
「貴様たち、何をしている?」
ユーリアス、イグリム、サイラス、スヴェンの4人が揃って現れた。
「君たちこそ、なぜ魔窟に?」
オーリーが勘ぐった表情で聞く。
「…シュレイ・アデスを探しに来たのか?」
俺はユーリアスを睨みつけて言った。
「何故それを知っている?」
「…常に一緒なのに居ないのが変だと思ったんだ。彼を探しにここに?」
「…実は、シュレイが急に消えて探していたら、ある4人の男たちがシュレイとシアンさんを魔窟に閉じ込めたという話をしていたのを聞きまして…」
イグリムが宥めるような口調で言った。
「はっ…お前らんとこのシアン・シュドレーがシュレイを魔窟の中へに連れて行ったんだ」
サイラスが腕を組んで言った。
「なんだとっ!シアンはそんなことする奴じゃっ…」
「どうだか…」
「サイラス!」
サイラスとオーリーが睨み合い、イグリムが間に入る。
「黙れ!今は、それどころでは無いだろ!」
俺が怒鳴ると、2人はハッとしたように静かになった。
「ハルノ、この岩を退けよう」
「は、はい…」
ハルノと魔法を使って岩をどけると、俺たちは奥へ早足で進んでいった。ユーリアスたちも俺たちの後ろを静かに着いてくる。
(一瞬であの場所へ行きたいけど、こんな大勢がいるところではさすがに…)
「意外と魔獣はいないようだな…あいつら、きっと無事だ」
「…そうでしょうか」
オーリーが弾んだ声で言うと、ハルノが暗く答えた。
「端に不自然に広い窪みが続いている。恐らく、ここら辺は魔獣が眠る住処。だが、ここに眠っているはずの魔獣がいないということは…」
俺は冷静に説明しつうも、冷や汗を垂らす。
「お、おい…それって!」
「急ぐぞ」
背後からユーリアスが歯を噛み締めて、俺の前を出てきて走って行った。
俺も追うようにして走って行くと、目印となるあの魔獣の像が見えてきた。そして、その前には多くの魔獣が彷徨っている。
「お前たち!それぞれ、組んでシュレイを助けに行く。必ず見つけるぞ。いいな?」
「ああ!」
「うん!」
ユーリアスの一声で4人は杖を抜き、ユーリアスとイグリム、サイラスとスヴェンで分かれて覚悟をしたように返事した。
「イブリン、お前はここにいろよ」
「なぜだ」
「人数的に1人余るだろ。お前のペアのシアンは今いない。そんな中で、魔獣たちの側まで行くのは自殺行為だ。遠くから見てろ。シアンは必ず助ける」
「だが…」
"イブリン様、お任せください。逆にこの男だけを1人にするのが危険です。むしろ好都合とお考えください"
ハルノの声が俺の頭の中に流れてきた。
「……分かった」
「おう。任せろ」
オーリーがニッと笑い、俺の肩を叩いた。
そうして多くの手強い魔獣たちをたった3組の石持ちが相手になり、激しい魔法と力のぶつかり合いが続いた。
「くそっ、一体何頭いやがるんだ!?」
サイラスが汗を拭いながら叫んだ。
「あと20はいるな…」
イグリムが苦笑いしながら答えた。
(やはりこの多さでは…)
数は減ってきているが、魔力の使い過ぎで魔法の精度も下がり、少しずつ怪我をする者も増えてきている。
俺は見兼ねて、杖を持った手を後ろにやり小声で呪文を唱えた。
もちろんバレないように、彼らの魔法の攻撃のタイミングと合わせて催眠魔法をくり出した。
こんな調子で、何とか辺りの魔獣全ての意識を眠らせることができた。
「…不思議だ。まるで途中で眠らされたみたいだ」
スヴェンが眠る魔獣を見て呟いた。
「オーリー、ハルノ。行くぞ。きっともう少しだ」
そう声をかけ共に先へ先へ進んで行くと、思っていた通りにあの場所が少しずつ見えてきた。
「あれは…祭壇?」
オーリーが目を擦りながら言う。
祭壇だが、それよりも気になるのは身廊の泉の波が激しく揺れ、周りの地面も異常な程水浸しになっていることだ。
まさか、と嫌な予感が頭をよぎり拳を握った。
<バシャッ>
「ぷはぁっ…はぁっ…はぁっ…」
水面から、シュレイを抱えたシアンが顔を出した。
すかさずシアンは、シュレイの身体を上に持ち上げて、地面へ置いた。
「シアン!!」
「イブリ…」
彼が安心したような顔で俺を呼んだその時…すぐに目の前から消えてしまった。
水中へ魔獣に引きずり込まれたのだと分かった。
俺はネクタイを外しシャツの袖を捲って走り出そうとしたが、すぐにハルノに腕を掴まれた。
「何を」
「イブリン様…」
ハルノは訴えかけるような目で️こちらを見てきた。言いたいことはわかっていた。
「シュレイ!」
水中から助かったシュレイを見て、サイラスとイグリム、スヴェンが走って駆け寄り
、何度も切に名前を呼びかける。
「シ……、、シュレイ!」
遅れてユーリアスが青い顔をしてシュレイの元へ行き、自分のブレザーをシュレイに着せて抱きかかえた。
「ハルノ、お前はここにいろ。何かあった時にオーリーの相棒が居ないと大変だ」
「イブリン様!」
俺はハルノの腕を強く振り解き、泉へ飛び込んだ。
水中には、アドグーラというワニの顔をした魔獣がシアンの体を掴んでいた。
俺は杖を掴み、心の中で呪文を唱えた。
魔法でアドグーラの体には無数の傷が入り、シアンの体は解放された。
シアンの体を抱きしめ、彼の顔を見た。どうやら気を失っているようだ。
(シアン…目を覚ましてくれ)
俺は呪文を心の中でまた唱えると、シアンの唇に自分の唇を重ね、空気を体の中へ吹き込んでいく。
10秒ほど続けると、シアンは静かに目を開けて、驚いた顔をした後微かに笑みを向けた。
無事を確かめると俺はシアンの体を抱きしめ、魔獣に最後のトドメをさそうと杖を構えた。しかし、シアンが腕を掴んできた。
彼を見ると頭を横に振っていた。
俺は、シアンが言っていた「俺たちが勝手に住処を荒らしに来ているんだ」という言葉を思い出して、了承の笑みを向けて水面へ上っていった。
「はぁっ…はぁっ…」
「イブリン様」
「シアン!無事か!?」
水面へ顔を出すと、オーリーとハルノが心配した面持ちで声をかけてくる。
「オーリー、シアンを頼む」
オーリーに手伝ってもらいシアンの体を持ち上げ、水面から上げた。
「イブリン様、ご無事で何よりです」
そう言ってハルノが神妙な面持ちで手を前に出してきた。俺は少し笑って、彼の手を掴み水面から出た。
------------------------------
「ーーカハッ…ゴホッゴホッ」
勢い良く水を吐き出し、自分は死に損なったのだと分かった。
(いや…助けられたのか。イブリンに)
「シアン、大丈夫?」
「イブリン…ああ、大丈夫だ」
「良かった…本当に」
イブリンが俺を見下ろし、泣きそうな顔で笑った。
「…ありがとう。また、助けてくれて。俺、お前を呼んだんだ。聞こえた?」
「うん…聞こえた。だから来たんだ。あなたが呼んでくれたら、絶対にどこへでも駆けつけるよ」
「ん…」
優しく彼に手を握られ、俺も握り返した。
イブリンの腕の中の温もりがどこか心地よくて、思わず力を抜いて彼に体重を預ける。
「シアン?」
オーリーが心配したように声をかけてきたのが朧気に聞こえた。
「大丈夫。眠っているだけだ」
安心する声が上から聞こえて、俺は意識を手放した。
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