悪役令息に憑依したけど、別に処刑されても構いません

ちぁみ

文字の大きさ
25 / 49
3章

祭り

しおりを挟む

長い夢を見ていた。
シアン・シュドレーに憑依する前の夢だ。

(あいつは…元気にしてんのかな)

憑依してから本当にいろいろとあり過ぎた。今では、いわゆる前世?はかなり昔のことのように思える。
いや、もしかしたら前世なんてのはなくてただの夢だったのかもしれない…。この世界のゲームを作った母を持つあの男のことも全て夢だった…?

確たることが何一つ分からなくて、また俺は迷宮に閉じ込められたような気分になった。

でも、なんとなく…あの男のことは夢ではなく現実にいたのだと信じたかった。



<コンコンコン>

「シアン、ディナーの時間だけどどうする?朝から何も食べてないし、何かは口にしとかないと…」

イブリンの声が扉越しに聞こえた。

「…」

俺はベッドから降りて、扉をゆっくりと開けた。

「話したいことがある。入れ」

「…うん」

イブリンを部屋にいれ、俺はベッドの上に座った。

「ずっと…気になってたけど知らないふりをしていた。彫像損壊事件の時も、魔獣討伐大会の時も、なんでかこれから起こることをお前は分かってたみたいだった。お前は、誰なんだ?」

俺は、真っ直ぐとイブリンの目を見て尋ねた。

「……。俺は…」

「…うっ」

イブリンが口を開いて何かを言おうとした瞬間、唐突に頭の痛みが襲ってきた。


「……俺は、イブリン・ヴァレント。あなたが見てきた通りの、俺だよ」

「…そうか」

何か不思議な間があったような気がした。
しかし、彼は飄々としてただ自分の名前を告げるだけだった。

「お前は迷わないんだろうな。…明日、俺はシュドレー公爵邸へ戻る」

「な、なんで?しばらくはここにいるって…」

「ここにいるのが嫌なんだ。俺は、シアン・シュドレーのはずなのに、何故かここにいるとそうでないような気がしてくる。自分が分からなくなるんだ。自分の元いた場所に戻るのが、きっと…正しいことなんじゃないのか?」

「…何を恐れているの?」

「恐れる?恐れるものなんてない。ここにいてどうなるんだ?ここにいて、国や父を忘れて、自分の役目を忘れて生きていくのか?」

「そうだよ。あなたが望む限り、アルティアでのことを忘れてこの国にいていいんだ。知らない国で不安になる気持ちは分かるよ。でも、俺はいつだって傍で支えるし何度でも助けるよ。それは、あなたがソリティアだから守るようにと命じられたからじゃない。あなたが好きだから、幸せになってもらいたいんだ」

「…俺は…俺は、そんなことをされてお前に何ができる?何を返せる?お前に、愛の言葉を囁かれても、助けられても、俺はお前に何も返すことは出来ない。それなのに…」

「バカだなぁ」

「は?」

「バカだよ、シアンは。返すことが出来ないなんて、何を今更言ってるの?返すとか言ってるけど…人の気持ちのやりとりって等価交換じゃないよ。だって、俺の気持ちって一方通行で、やってることも傍から見たら迷惑だって思う人もいるだろうし。そう思う人が、俺と同じように返してあげようなんて思うわけないでしょ。だから、俺の気持ちや俺の言葉に…わざわざ何か返さなきゃとか考えなくてもいいんだよ。それを受け止めて、シアンが思ったことを素直にやるのが俺は大事だと思う」

「素直に?」

「だ、から…まぁ、素直な答えが…俺をフることなら……それはそれで仕方ないってことだね。悲しいけど…」

そう言って急にしょぼんと顔を俯かせるので、俺は少し拍子抜けしてしまった。

「シアン、素直になるためには何が必要だと思う?」

「さぁ…」

「自分を知らなきゃいけないんだ。例えば、知ってる?シアンは、甘いもの全般ほとんど好きだけど、ショートケーキが出るといつもより雰囲気が明るくなる。反対に、苦いものは苦手で辛いものはもっとダメ。でも、社交の場に出るとそれを隠すのが本当に上手なんだ。まだあるよ。日に焼けると肌が真っ赤になるから、日陰になる場所や涼しい場所をよく好む。読書をするときは、俺が隣に座ってずっと見ていても全く気づかないくらい集中するし、猫舌なのにたまに忘れて熱いものを冷まさずに飲んじゃったりして、うっかりな一面も意外とあったりする。あとね、俺が1番好きなところどこか分かる?自分のことが分からないって苦しんで人を遠ざけたがるのに、結局ほっとけない優しいところが大好き」

「……ストーカーかよ。ほんと恥ずかしい奴」

「ふふ、ごめん。いつの間にか見ちゃうものなんだ。だから、シアンが自分を分からなくなったらストーカーの俺に聞いてください。あなたが何者か、俺が答えてみせるから」

イブリンは屈むと、ベッドに座る俺の右手を左手で持ち上げ、手の甲に優しく口付けをしてきた。

その瞬間、あんなに迷宮に入り込んでいた感覚がスッと消えていった。
黒い靄は払われて、代わりにきゅうっと昼の日差しのような暖かな何かが胸の奥底から湧いてきた。

「…ほんっと、恥ずかしい奴だ。もう寝る」

俺は手を払い除け、自分のベッドの布団を思いっきり被った。

「もしかして珍しく照れてる?かわいいなぁ」

「うるさい、もう出てけよ!」

「シアン」

急に後ろから、真剣な声が聞こえた。

「どうしても公爵邸に戻るなら、俺は止めない。それがシアンの望むことなら。でも、シアンが恐れているのはきっと、自分と向き合うことだ。アルティアにいれば、父親に縛られることで自分の立場と役割の通りに生きることができるだろう。それは、ある意味では楽なのかもしれない。でも、知らない国で知らない人と関係性を作って、あなたが知らない自分と向き合っていってほしい。俺からあなたが何者なのか言葉で言うことは簡単だ。けれど、本当の自分を受け入れ、確立するにはあなた自身の勇気が少しだけ必要だと思う」

「……」

「偉そうなこと言ってごめん。アルティアに帰る前に明日、最後にエルネを満喫してほしい。お祭り、一緒に楽しもうね」






------------------------------



「おう、おはよう!」

翌朝、ダイニングルームへ入ると紅茶を嗜んでいたオーリーが挨拶してきた。

「おはよ」

「君、昨日体調が悪かったそうだな。大丈夫か?」

「あぁ、もう大丈夫だ」

イブリンが適度な嘘をついてくれたのだなと分かった。

「シアン、おはよう。じゃあ、街に行こうか」

イブリンが中へ入って来て言った。

「なんだ、今日街へ行くのか?それなら俺も…」

「オーリー様、今日は私と酒場へ行きましょう。エルネの有名な地酒があるんですよ」

オーリーの言葉に被せるように、どこからかハルノが現れて言った。

「なんでだよ。昨日も二人でって言って誘ってきたが…。君、まさか、俺のこと好きなのか?」

「寝言は寝て言ってください」

ハルノが見たこともない表情で青筋を立ててていた。


「さ、喧嘩が始まる前に行こう」

イブリンにそう背中を押されながらダイニングルームを出ていき、馬車で街へ向かった。



街中へ着くと、やはりとても賑わっていた。

「こんなに人が賑わうところに来るのは久しぶりだ」

「そういえばそうかもね。シアン、はぐれないようにね」

そう言って、イブリンは自然に俺の手を握ってきた。

「あっ!あれ食べよ」

イブリンは急に指さした露店の方へ手を引き、走り出した。

「わっ、おい!」

俺は驚いたものの彼に引かれるままついて行った。

それからは、本当にいろいろと満喫した。
露店の料理をたくさん買って食べたり、出し物を見たり、エルネならではの人気の占い屋に行ったり、アルティアにはない書物を立ち読みしたり、有名なエルネのお菓子があるカフェで一息したり…。

まさにお祭り状態で、どこもかしこも賑わっており人々は笑顔で満ち足りていた。

人の多いところは昔から苦手だった。お祭りなら尚更だ。人々はみな幸せそうなのに、自分はどこか場違いのように思えたからだ。けれど、何故か今日は居心地が悪いと思うことはあまり無かった。

(隣にこいつがいるからか…?)

ベンチで隣に座るイブリンをチラッと見た。

「そろそろ、黄昏時だ」

「あぁ、そうだな。日が落ちてくる」

「じゃあこれ付けて」

イブリンが手渡してきたものは、目元だけが隠れるようになっている仮面だった。

「これは?」

「祭りの5日間、黄昏時から完全に日が暮れてしまうまでの時間帯だけ街の人たちは仮面をつけて踊るんだ。黄昏時って、誰が誰だか分からないだろ?だから、仮面をつけて更に分からなくして、「あなたは誰ですか?」ってふざけて聞きあったのがはじまりと言われてる。その瞬間は身分も地位も何もかも忘れて、楽しくみんなで踊ろうっていう昔からの慣習なんだ」

「…ふーん」

イブリンが話しながら仮面をつけていたので、俺も貰った仮面を言われるまま着用した。

そしてまた街中へ引っ張られると、確かに周りの人々はみな揃って仮面を付け始めていた。

ところどころでは、ふざけた様子で「あなたは誰ですか?」と尋ね合ってはペアになって踊っている人々の様子も見えた。

1番街の真ん中と思われるところまで来ると、楽器を演奏する人達も仮面を被っており、その音に合わせて踊っている人達は床に書かれている円を中心にして纏まっていた。

「俺たちも踊ろ」

「そんなこと言われたって…俺踊りなんてしたことないぞ」

「大丈夫、ここの人たちも適当に踊ってるだけだから。とにかく、何も考えずに体動かしてみて」

そう言われて、俺は音楽の音をなるべく聴きながら体を思うままに動かしてみた。しかし、上手く踊れているかは分からない。

「シアン」

呼ばれたのでイブリンを見ると、手を差し出された。俺は何となく彼の手を掴むと、体を引っ張られて一緒に踊ることに。

2人でなんて無理だと思っていたが、イブリンは驚くことに誘導するのが上手くて、俺はされるがままにただ手足を動かした。

そして刻刻と日は沈んでいき、辺りは暗くなってくる。
完全に日が落ちると、楽しい音は静寂に変わり、街中でポッポッと灯りが点されると仮面を付けた人たちはいなくなり、元の風景に戻っていた。

あの数十分の踊る時間は思いの外呆気ないものだったが、不思議と悪い気はしなかった。

「割と楽しかったでしょ?」

「…あぁ。不思議な慣習だけど、こういうのも悪くない」

俺は正直にそう答えた。
この流れに乗ろうと、俺は再び口を開いた。

「……しばらく、ここにいようと思う」

「ほんとに!?」

「あぁ。でも、予定通り休みの間だけ。その後は、普通に学園に戻る。エルネに住むっていう話は悪いけど、断る」

「……どうして?もっと、考えてみても…」

「考えたよ。考えたから、そう決めた。お前、言っただろ?少しの勇気が必要だって。だから、勇気を持って元いた場所で自分とちゃんと向き合う。知らない場所じゃなくてさ。そうやってちゃんとケリをつけないと、ダメな気がしたから」

「そっか…分かった。俺も手伝うよ。必要ないって言われてもね」

「……ほんとお前って」

どこまでも平常運転のイブリンを見て、俺は少し呆れて返した。しかし、彼はやはりいたずらっ子のように笑うのだった。

灯りが点った今、あなたは誰かと尋ねる者はもういなかった。






しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
 本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。  僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!  「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」  知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!  だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?  ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

処理中です...