130 / 372
本編
リファラの民との再会②
しおりを挟む
リリとリファラの民達は一旦腰を落ち着ける為に移動してきました。
やって来たのは噴水広場です。復興途中の街にも噴水広場が残っていました。中央には大きなお花型の噴水が水を噴き出し虹を作り出しています。
「それで何があったの?前はお話し出来なかった筈よね」
淵に腰を掛けたリリが、同じく両隣に腰を掛けたリファラの民に尋ねます。
リファラの民はリリが元気なのが嬉しいのか、終始ニコニコ笑顔が止みません。
「この国の窮地を他国の兵士さん達とモンスター達が助けてくれた話は聞いたんだよね?」
「ええ。絵本も読ませて貰ったわ。とっても感動した」
「うん。私も捕まって強制就役をさせられていたんだけどね、解放戦線の最中に盾にされてしまったんだ」
「まあ!大丈夫なの!?怪我は!?」
「ははは。全然。擦り傷も無いさ。
って言うのも私はそこの獅子型のモンスターのレオ君に助けられてね。寧ろ私を盾にした人の方が大変そうだったんだよ」
『折角助けたのにその人間を助けようとした時には度肝を抜かれたぞ』
「あら。だって誰だって痛いのも苦しいのも嫌じゃないさ」
聞けば聞く程信じられない出来事の連発だった様子に、リリも心配するより呆気に取られてしまいました。
流石に悪い人を助けようとした例は少ないものでしたが、それでもチラホラいたのにはビックリです。
三巳もその強く優しい心に終始感動の涙が止まりません。
「それじゃあその人も助かったのね」
リリまで悪い人の心配をしだしました。
思えばとても辛い目に遭ったのに、怯えはしても一度も元婚約者達への恨み言を聞いた事がありませんでした。
恨み辛みは連鎖をします。途中で断ち切るのは並みの勇気と努力では出来ない事でしょう。
三巳は改めてリリに尊敬の眼差しを向けました。
その感動も人垣を縫って現れた第三者によって又しても驚愕に彩られます。
「本当にその節は何とも申し訳なく。一生頭が上がらない思いです」
何と。助けられた元悪い人は今ではリファラの優しやに心酔し、改心の気持ちを込めてリファラの復興に力を尽くしていたのです。
「何言ってんのさ。あんたの元の国は強い者が正義だったんだろ?それなのに弱い私達の為に一番辛い仕事を請け負ってくれてるじゃないさ。こっちこそ感謝してるよ」
豪快に笑う女性に吊られて噴水広場は明るい笑い声で溢れました。
三巳はそれをとてもとても眩しそうに目を細めます。
「それで助けられる民が増えて行くと次第にモンスターの声が聞こえる人達が出始めてね。
初めは何処そこにいるって、誰かの声がして、行ってみればモンスターに抱えられた人がいたんだ。でもその人以外いなくて、じゃあさっきの声は誰だったんだ?と思った矢先にそのモンスターからこの人をよろしくって聞こえて、やっとモンスターの声だったんだって気付いたんだよ。
当時は助け出すのに夢中で驚く暇もなかったけど、そういえば普通は聞こえないもんだよねぇ」
しみじみ話すリファラの民達が其々の思い出秘話を語り合います。そのどれもが似たり寄ったりで、混乱の最中に気付いたら言葉が通じる様になっていたというものでした。
けれどそのお陰でリファラの民の被害は最小限に抑えられたらしく、リリは改めてモンスターのみんなに深くお礼を言いました。
日も暮れて空に星々が見え始めた頃までお互いの近況報告は続きます。そして「さあ今日は暗い。帰ろうか」とした所で誰かがポツリと言いました。
「折角姫様も戻られたし、今夜は宴をしたいものだな」
小さい声だった筈のその願望は、瞬く間に同意を経て広がりを見せていきます。
「そうだよ!今夜は記念日だ!街中に報せよう!」
そしてあっという間に宴を開く事は決定事項になったのです。
「うーにゅ。ここの国民性。山の民達に通じるものがあるんだよ」
「ははっ、本当だね。別の国でみんな知らない人達なのに、なんだかとっても落ち着くや」
「それな」
三巳とロダはすっかり気の抜けた顔で空の星々を見上げます。
遠い地で、山の民達も同じ空を見ているのだろうか。と思いをはせて。
やって来たのは噴水広場です。復興途中の街にも噴水広場が残っていました。中央には大きなお花型の噴水が水を噴き出し虹を作り出しています。
「それで何があったの?前はお話し出来なかった筈よね」
淵に腰を掛けたリリが、同じく両隣に腰を掛けたリファラの民に尋ねます。
リファラの民はリリが元気なのが嬉しいのか、終始ニコニコ笑顔が止みません。
「この国の窮地を他国の兵士さん達とモンスター達が助けてくれた話は聞いたんだよね?」
「ええ。絵本も読ませて貰ったわ。とっても感動した」
「うん。私も捕まって強制就役をさせられていたんだけどね、解放戦線の最中に盾にされてしまったんだ」
「まあ!大丈夫なの!?怪我は!?」
「ははは。全然。擦り傷も無いさ。
って言うのも私はそこの獅子型のモンスターのレオ君に助けられてね。寧ろ私を盾にした人の方が大変そうだったんだよ」
『折角助けたのにその人間を助けようとした時には度肝を抜かれたぞ』
「あら。だって誰だって痛いのも苦しいのも嫌じゃないさ」
聞けば聞く程信じられない出来事の連発だった様子に、リリも心配するより呆気に取られてしまいました。
流石に悪い人を助けようとした例は少ないものでしたが、それでもチラホラいたのにはビックリです。
三巳もその強く優しい心に終始感動の涙が止まりません。
「それじゃあその人も助かったのね」
リリまで悪い人の心配をしだしました。
思えばとても辛い目に遭ったのに、怯えはしても一度も元婚約者達への恨み言を聞いた事がありませんでした。
恨み辛みは連鎖をします。途中で断ち切るのは並みの勇気と努力では出来ない事でしょう。
三巳は改めてリリに尊敬の眼差しを向けました。
その感動も人垣を縫って現れた第三者によって又しても驚愕に彩られます。
「本当にその節は何とも申し訳なく。一生頭が上がらない思いです」
何と。助けられた元悪い人は今ではリファラの優しやに心酔し、改心の気持ちを込めてリファラの復興に力を尽くしていたのです。
「何言ってんのさ。あんたの元の国は強い者が正義だったんだろ?それなのに弱い私達の為に一番辛い仕事を請け負ってくれてるじゃないさ。こっちこそ感謝してるよ」
豪快に笑う女性に吊られて噴水広場は明るい笑い声で溢れました。
三巳はそれをとてもとても眩しそうに目を細めます。
「それで助けられる民が増えて行くと次第にモンスターの声が聞こえる人達が出始めてね。
初めは何処そこにいるって、誰かの声がして、行ってみればモンスターに抱えられた人がいたんだ。でもその人以外いなくて、じゃあさっきの声は誰だったんだ?と思った矢先にそのモンスターからこの人をよろしくって聞こえて、やっとモンスターの声だったんだって気付いたんだよ。
当時は助け出すのに夢中で驚く暇もなかったけど、そういえば普通は聞こえないもんだよねぇ」
しみじみ話すリファラの民達が其々の思い出秘話を語り合います。そのどれもが似たり寄ったりで、混乱の最中に気付いたら言葉が通じる様になっていたというものでした。
けれどそのお陰でリファラの民の被害は最小限に抑えられたらしく、リリは改めてモンスターのみんなに深くお礼を言いました。
日も暮れて空に星々が見え始めた頃までお互いの近況報告は続きます。そして「さあ今日は暗い。帰ろうか」とした所で誰かがポツリと言いました。
「折角姫様も戻られたし、今夜は宴をしたいものだな」
小さい声だった筈のその願望は、瞬く間に同意を経て広がりを見せていきます。
「そうだよ!今夜は記念日だ!街中に報せよう!」
そしてあっという間に宴を開く事は決定事項になったのです。
「うーにゅ。ここの国民性。山の民達に通じるものがあるんだよ」
「ははっ、本当だね。別の国でみんな知らない人達なのに、なんだかとっても落ち着くや」
「それな」
三巳とロダはすっかり気の抜けた顔で空の星々を見上げます。
遠い地で、山の民達も同じ空を見ているのだろうか。と思いをはせて。
11
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
追放悪役令嬢、辺境の荒れ地を楽園に!元夫の求婚?ざまぁ、今更遅いです!
黒崎隼人
ファンタジー
皇太子カイルから「政治的理由」で離婚を宣告され、辺境へ追放された悪役令嬢レイナ。しかし彼女は、前世の農業知識と、偶然出会った神獣フェンリルの力を得て、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。
そんな彼女の元に現れたのは、離婚したはずの元夫。「離婚は君を守るためだった」と告白し、復縁を迫るカイルだが、レイナの答えは「ノー」。
「離婚したからこそ、本当の幸せが見つかった」
これは、悪女のレッテルを貼られた令嬢が、自らの手で未来を切り拓き、元夫と「夫婦ではない」最高のパートナーシップを築く、成り上がりと新しい絆の物語。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~
舞
ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。
異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。
夢は優しい国づくり。
『くに、つくりますか?』
『あめのぬぼこ、ぐるぐる』
『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』
いや、それはもう過ぎてますから。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
幸福なる侯爵夫人のお話
重田いの
ファンタジー
とある侯爵家に嫁いだ伯爵令嬢。
初夜の場で、夫は「きみを愛することはない」というけれど。
最終的にすべてを手にした侯爵夫人のお話。
あるいは、負い目のある伯爵令嬢をお飾りの妻にして愛人とイチャイチャ過ごそうと思ったらとんでもないハズレくじを引いちゃった侯爵のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる