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本編
ロダ、親方達に可愛がられる
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三巳と別れて別のエリアに来たロダは、大工の親方達が集う大型物件の建設現場に来ています。
「おーい!ロダ坊、こっちも頼むわー!」
「うん!」
ガイガイガヤガヤ。喧騒の中でロダも頑張っています。
あっちの親方に呼ばれてはお手伝い。
こっちの親方に呼ばれてはお手伝い。
初めは簡単なお手伝いばかりだったのに、気付けば骨組みの組み立てから外壁作りまで頼まれる様になっていました。
山の村ではみんなが力を合わせて生きています。だから専門職でなくても一通りはかじっているのです。
お陰でロダも一人では出来ませんがお手伝い位ならヒョイヒョイこなせました。
「ロダ坊!そっち終わったらこっちも頼むわー!」
「うん!」
良く動く姿に気を良くした親方達は、ここぞとばかりに教え込んでいます。湯水の如く知識を吸収するロダがとっても気持ちが良くてニコニコです。厳つい顔のおじさん達なのでその笑みもどこか豪快で怖いのですが。
「ええか、ここに方杖入れんと脆くなるからな」
「うん。この材木で良い?」
「おう。当たりじゃ」
トンテンカントン。釘を打つ高い音が鳴り響きます。
ロダは材木を固定しながら親方の技を見て学んでいて、親方もロダに見やすい様に打ってくれています。
「ロダ坊は大工になる気はねぇのかい?」
「んー。村じゃ出来る人が出来る事をするスタイルだから。僕は大工より警護関係が多いよ」
「そら勿体無ぇ。鍛えりゃそこそこ使えんのによ」
「あははっ。ありがとう。
でも村は人数少ないんだ。手伝う事はあるけど、そもそも建築自体が年単位で無いから。有っても補修位」
「ほぅ、そりゃ商売上がったりってもんだな」
そもそも商売自体が成り立たない村ですが、それはきっと村で生活してみないと理解はし辛い事でしょう。
ロダは一応説明してみましたが、案の定親方は理解出来ずにポケッとした顔をしてしまいました。危うく金槌を落としかけましたが、寸でのところでロダがキャッチしたので事故は起きませんでした。
「いけねぇ、いけねぇ。スマンなロダ坊」
ロダから金槌を受け取った親方は、ぺチリと額を叩きます。
「しかし世界は広いってもんだな。俺にゃあ理解出来んがそれで生活が成り立ってるってんだろ」
「うん。みんなが助け合って生きてるよ」
作業を再開して、トンテンカントン。リズミカルに打ち付けながら親方が感心します。
ロダも手伝いながら技を見て勉強しています。
「それじゃあ怪我や病気で働けなくなったらどうすんでい」
親方が首を傾げながら次の材木の催促をしました。
「?怪我も病気も治せば元気になるでしょ?」
ロダが指示の通りに梁を這わせながら不思議がりました。
「手足が無くなったり、重い病気だったらどうしようもねぇんじゃねぇかい?」
「??治せない病気は無いし、手足が無くなる事ってあんまり無いなあ。昔そういう人もいたみたいだけど、義手とか義足付けて仕事してたって聞いた」
「そりゃ随分と発達した村だな!村なのに!」
「???義手って珍しいの?」
「そりゃあそうさ!ただくっ付けるだけでなく、本当に動かせなきゃ意味ねぇだろう。そんなんどうやったら出来んのか、俺にゃあとんとわからんなぁ」
親方は腕を組んで「う~ん」と唸ります。
ロダも仕組みはわからなかったので、同じく腕を組んで「う~ん」と唸りました。
「まあ、わからなくったって良いさな。
みんな元気で仕事が出来る。それが一番ってもんよ」
「うんっ」
考えたってわからないものはわかりません。親方はカラカラ笑って次の足場に向かいました。
ロダも道具を抱えてついて行きますが、
「おーい!ロダ坊!コッチも手伝ってくれよう!」
別の棟から別の親方に声を張り上げ呼ばれて振り返りました。先程ロダにお願いしていた親方です。
「あ。」
会話と勉強に夢中ですっかり頭から抜け落ちていました。ロダは目の前の親方に荷物だけ置いたら手伝いに行く旨、了承を取りました。
「おぅ」
目の前の親方も罰が悪そうに頭をガシガシ掻いて頷きます。
荷物を置いてから別の親方の所へ駆けていくロダを見送って、嘆息一つ吐きました。
「本当、良く動く小僧だぜ」
ニンと笑みを深くした親方は、近くに固まって仕事をする弟子達に向き直ります。
「おぉい!誰かコッチ手ぇ貸せや!」
「「「へい!親方!」」」
直ぐさま良い返事を返した弟子達に親方は、
(なんの。ウチの奴等も負けてねぇさ)
と満足気に天を仰いでカッカッと快活に笑うのでした。
「おーい!ロダ坊、こっちも頼むわー!」
「うん!」
ガイガイガヤガヤ。喧騒の中でロダも頑張っています。
あっちの親方に呼ばれてはお手伝い。
こっちの親方に呼ばれてはお手伝い。
初めは簡単なお手伝いばかりだったのに、気付けば骨組みの組み立てから外壁作りまで頼まれる様になっていました。
山の村ではみんなが力を合わせて生きています。だから専門職でなくても一通りはかじっているのです。
お陰でロダも一人では出来ませんがお手伝い位ならヒョイヒョイこなせました。
「ロダ坊!そっち終わったらこっちも頼むわー!」
「うん!」
良く動く姿に気を良くした親方達は、ここぞとばかりに教え込んでいます。湯水の如く知識を吸収するロダがとっても気持ちが良くてニコニコです。厳つい顔のおじさん達なのでその笑みもどこか豪快で怖いのですが。
「ええか、ここに方杖入れんと脆くなるからな」
「うん。この材木で良い?」
「おう。当たりじゃ」
トンテンカントン。釘を打つ高い音が鳴り響きます。
ロダは材木を固定しながら親方の技を見て学んでいて、親方もロダに見やすい様に打ってくれています。
「ロダ坊は大工になる気はねぇのかい?」
「んー。村じゃ出来る人が出来る事をするスタイルだから。僕は大工より警護関係が多いよ」
「そら勿体無ぇ。鍛えりゃそこそこ使えんのによ」
「あははっ。ありがとう。
でも村は人数少ないんだ。手伝う事はあるけど、そもそも建築自体が年単位で無いから。有っても補修位」
「ほぅ、そりゃ商売上がったりってもんだな」
そもそも商売自体が成り立たない村ですが、それはきっと村で生活してみないと理解はし辛い事でしょう。
ロダは一応説明してみましたが、案の定親方は理解出来ずにポケッとした顔をしてしまいました。危うく金槌を落としかけましたが、寸でのところでロダがキャッチしたので事故は起きませんでした。
「いけねぇ、いけねぇ。スマンなロダ坊」
ロダから金槌を受け取った親方は、ぺチリと額を叩きます。
「しかし世界は広いってもんだな。俺にゃあ理解出来んがそれで生活が成り立ってるってんだろ」
「うん。みんなが助け合って生きてるよ」
作業を再開して、トンテンカントン。リズミカルに打ち付けながら親方が感心します。
ロダも手伝いながら技を見て勉強しています。
「それじゃあ怪我や病気で働けなくなったらどうすんでい」
親方が首を傾げながら次の材木の催促をしました。
「?怪我も病気も治せば元気になるでしょ?」
ロダが指示の通りに梁を這わせながら不思議がりました。
「手足が無くなったり、重い病気だったらどうしようもねぇんじゃねぇかい?」
「??治せない病気は無いし、手足が無くなる事ってあんまり無いなあ。昔そういう人もいたみたいだけど、義手とか義足付けて仕事してたって聞いた」
「そりゃ随分と発達した村だな!村なのに!」
「???義手って珍しいの?」
「そりゃあそうさ!ただくっ付けるだけでなく、本当に動かせなきゃ意味ねぇだろう。そんなんどうやったら出来んのか、俺にゃあとんとわからんなぁ」
親方は腕を組んで「う~ん」と唸ります。
ロダも仕組みはわからなかったので、同じく腕を組んで「う~ん」と唸りました。
「まあ、わからなくったって良いさな。
みんな元気で仕事が出来る。それが一番ってもんよ」
「うんっ」
考えたってわからないものはわかりません。親方はカラカラ笑って次の足場に向かいました。
ロダも道具を抱えてついて行きますが、
「おーい!ロダ坊!コッチも手伝ってくれよう!」
別の棟から別の親方に声を張り上げ呼ばれて振り返りました。先程ロダにお願いしていた親方です。
「あ。」
会話と勉強に夢中ですっかり頭から抜け落ちていました。ロダは目の前の親方に荷物だけ置いたら手伝いに行く旨、了承を取りました。
「おぅ」
目の前の親方も罰が悪そうに頭をガシガシ掻いて頷きます。
荷物を置いてから別の親方の所へ駆けていくロダを見送って、嘆息一つ吐きました。
「本当、良く動く小僧だぜ」
ニンと笑みを深くした親方は、近くに固まって仕事をする弟子達に向き直ります。
「おぉい!誰かコッチ手ぇ貸せや!」
「「「へい!親方!」」」
直ぐさま良い返事を返した弟子達に親方は、
(なんの。ウチの奴等も負けてねぇさ)
と満足気に天を仰いでカッカッと快活に笑うのでした。
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