146 / 372
本編
オーウェンギルド長と話してみよう
しおりを挟む
オーウェンギルド長は、ハンナが慕っているらしい強い人です。
ハンナはリリを育て上げた侍女頭だけあって、高い背筋をピンと伸ばした大人の女性です。本人には聞けませんが歳はもう小中学生位の子供がいても可笑しくはありません。
そんな人が慕う男性。それもギルド長と言うなんだか凄そうな役職の人です。イメージは紳士なスーパーマンでした。
リリとロダは改めて紹介されたオーウェンギルド長をマジマジと見ました。
「確かに物凄く強い覇気を感じる」
「でも嫌な感じではないわ」
強そう。と言う点では間違いでは無さそうです。
けれども二人が最終的に到達した視線の先は、ロダより少し低い所でした。
そうです。オーウェンギルド長はとっても背が低かったのです。
ハンナと並び立つと親子ほどの差があります。
「ああ。こう見えても俺は38だ。先祖にドワーフがいたらしくてな、先祖返りってやつさ」
「ドワーフ!うわー初めて会った!」
「おいおい、俺は背だけ先祖返っただけの人族だぞ」
ドワーフの血ならば然もありなん。ロダは目をキラキラさせてオーウェンギルド長を見ました。
オーウェンギルド長も否定はしますが、子供に憧憬の眼差しで見られるのは満更でもなさそうです。
「それで、俺を探したのは今朝の話しの件か?獣神の」
「そうなんだよ。あと三巳は三巳だよ」
話しの本題が始まった所で三巳はしょげしょげモードから素早く復帰しました。
「おう。獣神の」
「だから……三巳なんだよ……」
「おう。暴走獣神の」
「ぼ、ぼうそーじゅーしん……」
どうにもオーウェンギルド長は三巳に対して辛辣です。それでもやっぱり面白がっている節が見えるので、三巳はもう何も言わずに話しを進める事にしました。
「と言うわけで、三巳達はこの国を襲おうとしてる人達とちゃんと話しをしたいんだよ」
大雑把に此処に至るまでの経緯を説明した三巳は、達成感でムフンと鼻息を漏らしました。余りの大雑把さに途中途中でリリに補足をして貰っていたのはご愛嬌です。
「まあ、話しはわかった。つっても俺達は俺達の流儀がある。話し合いで平和に終わりゃあ良いけどよ、そうでなけりゃこっちのやり方でやらせて貰うぜ」
「うん。そうならない様に頑張るんだよ」
「そうね。これ以上心を痛める人が増えない様に頑張るわ」
何とか怖い事は避けられそうで、三巳とリリはホッと胸を撫で下ろしました。
オーウェンギルド長はそんな二人を見て苦笑いします。
(戦争ふっかける様な国の奴と話し合いなんざ難しいと思うがね。
まあ、珍しく獣神が人様の理に首突っ込んでるから姫さんは大丈夫たぁ思うがな。
問題は次に暴走が起きた時の為に最高ランクの冒険者を集めとかねぇとな)
オーウェンギルド長はギルド長に任命されるだけあって沢山の経験をしてきました。
中でも神の名がつく者達の厄介さは身に染みて良くわかっています。しかも三巳はつい先程暴走をしてしまったばかりです。
信用はまるでありませんでした。
そう、オーウェンギルド長はずっと三巳を警戒していたのです。
三巳は勿論気付いていました。けれども起こしてしまった事を思えばそれも仕方がないと理解をしています。挽回は行動で起こすしかありません。
「よーし!そうと決まれば早速……そう言えばなんて国の人達なんだ?」
意気込み新たに両拳を天に突き上げて気合いを入れる三巳ですが、肝心の事がまるでわかっていませんでした。
みんな一様に気合いに乗っかる気構えだっただけに、急な間の抜けた空気にヘナヘナと脱力しました。
「っぷは、三巳は相変わらず見切り発射だね」
「ふふっ。そこも三巳の可愛い所よ」
「おいおい、大丈夫かね。こんなんで……」
慣れてる面々は兎も角。初見のオーウェンギルド長は神らしからぬ三巳に別の意味で不安が過ぎりました。
「大丈夫です。姫様が選んだ大切なご友人ですもの」
それをハンナは胸を張って自慢気に断言しました。
(凄い自信だな。ふむ、まあ、うん。この侍女頭さんが言うんだ。少しは信じてみようかね)
取り敢えず目的地がわからない三巳は、情報を集める事から始めるのでした。
ハンナはリリを育て上げた侍女頭だけあって、高い背筋をピンと伸ばした大人の女性です。本人には聞けませんが歳はもう小中学生位の子供がいても可笑しくはありません。
そんな人が慕う男性。それもギルド長と言うなんだか凄そうな役職の人です。イメージは紳士なスーパーマンでした。
リリとロダは改めて紹介されたオーウェンギルド長をマジマジと見ました。
「確かに物凄く強い覇気を感じる」
「でも嫌な感じではないわ」
強そう。と言う点では間違いでは無さそうです。
けれども二人が最終的に到達した視線の先は、ロダより少し低い所でした。
そうです。オーウェンギルド長はとっても背が低かったのです。
ハンナと並び立つと親子ほどの差があります。
「ああ。こう見えても俺は38だ。先祖にドワーフがいたらしくてな、先祖返りってやつさ」
「ドワーフ!うわー初めて会った!」
「おいおい、俺は背だけ先祖返っただけの人族だぞ」
ドワーフの血ならば然もありなん。ロダは目をキラキラさせてオーウェンギルド長を見ました。
オーウェンギルド長も否定はしますが、子供に憧憬の眼差しで見られるのは満更でもなさそうです。
「それで、俺を探したのは今朝の話しの件か?獣神の」
「そうなんだよ。あと三巳は三巳だよ」
話しの本題が始まった所で三巳はしょげしょげモードから素早く復帰しました。
「おう。獣神の」
「だから……三巳なんだよ……」
「おう。暴走獣神の」
「ぼ、ぼうそーじゅーしん……」
どうにもオーウェンギルド長は三巳に対して辛辣です。それでもやっぱり面白がっている節が見えるので、三巳はもう何も言わずに話しを進める事にしました。
「と言うわけで、三巳達はこの国を襲おうとしてる人達とちゃんと話しをしたいんだよ」
大雑把に此処に至るまでの経緯を説明した三巳は、達成感でムフンと鼻息を漏らしました。余りの大雑把さに途中途中でリリに補足をして貰っていたのはご愛嬌です。
「まあ、話しはわかった。つっても俺達は俺達の流儀がある。話し合いで平和に終わりゃあ良いけどよ、そうでなけりゃこっちのやり方でやらせて貰うぜ」
「うん。そうならない様に頑張るんだよ」
「そうね。これ以上心を痛める人が増えない様に頑張るわ」
何とか怖い事は避けられそうで、三巳とリリはホッと胸を撫で下ろしました。
オーウェンギルド長はそんな二人を見て苦笑いします。
(戦争ふっかける様な国の奴と話し合いなんざ難しいと思うがね。
まあ、珍しく獣神が人様の理に首突っ込んでるから姫さんは大丈夫たぁ思うがな。
問題は次に暴走が起きた時の為に最高ランクの冒険者を集めとかねぇとな)
オーウェンギルド長はギルド長に任命されるだけあって沢山の経験をしてきました。
中でも神の名がつく者達の厄介さは身に染みて良くわかっています。しかも三巳はつい先程暴走をしてしまったばかりです。
信用はまるでありませんでした。
そう、オーウェンギルド長はずっと三巳を警戒していたのです。
三巳は勿論気付いていました。けれども起こしてしまった事を思えばそれも仕方がないと理解をしています。挽回は行動で起こすしかありません。
「よーし!そうと決まれば早速……そう言えばなんて国の人達なんだ?」
意気込み新たに両拳を天に突き上げて気合いを入れる三巳ですが、肝心の事がまるでわかっていませんでした。
みんな一様に気合いに乗っかる気構えだっただけに、急な間の抜けた空気にヘナヘナと脱力しました。
「っぷは、三巳は相変わらず見切り発射だね」
「ふふっ。そこも三巳の可愛い所よ」
「おいおい、大丈夫かね。こんなんで……」
慣れてる面々は兎も角。初見のオーウェンギルド長は神らしからぬ三巳に別の意味で不安が過ぎりました。
「大丈夫です。姫様が選んだ大切なご友人ですもの」
それをハンナは胸を張って自慢気に断言しました。
(凄い自信だな。ふむ、まあ、うん。この侍女頭さんが言うんだ。少しは信じてみようかね)
取り敢えず目的地がわからない三巳は、情報を集める事から始めるのでした。
11
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
あなたの幸せを祈ってる
あんど もあ
ファンタジー
ルイーゼは、双子の妹ローゼリアが病弱に生まれたために、「お前は丈夫だから」と15年間あらゆる事を我慢させられて来た。……のだが、本人は我慢させられていると言う自覚が全く無い。とうとう我慢のしすぎで命の危機となってしまい、意図せぬざまぁを招くのだった。
ドアマットだと自覚してないドアマット令嬢のお話。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~
舞
ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。
異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。
夢は優しい国づくり。
『くに、つくりますか?』
『あめのぬぼこ、ぐるぐる』
『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』
いや、それはもう過ぎてますから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる