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本編
その探し人は
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三巳は今ムフンと気合を入れています。
ギルドの情報網とモンスターや動物達の情報網のお陰で、件の悪い事を考えている人達がわかりました。
というより人族はモンスターの目も動物の目も気にしません。三巳やリリには情報が筒抜けでした。
「らいどぅーらっていうんだな、リリの元婚約者の国」
「ライドゥーラ……」
相手も場所もわかったのでみんなで揃って森の奥へレッツラゴーです。
背の高い草木をピョーイピョイと飛び越えながら言う三巳に、ロダは好きな子の元婚約者というフレーズに複雑な顔です。
きっと元婚約者が生きていれば男同士の熱い闘志が漲っていた事でしょう。
「ええ……。あの方は、そのご家族は、リファラを取り戻す過程で亡くなってしまったのよね……」
酷い事をされたとはいえ、一度は婚約を結んでいた相手です。リリはとても傷ましい顔で目を潤ませました。
これにもロダはぐぬぬとモヤモヤします。
(僕だってリリが好きなのに、亡くなってたら正々堂々ぶつかれないじゃないか)
そんな二人を横目で見た三巳は、繊細な内容だけに耳をションモリ垂らしてふすんと鼻を鳴らしました。
「さーて、あとはこの崖を降りれば目的地だぞ」
ライドゥーラ王国は今はもうありません。
諸外国を敵に回した結果、瓦解されてしまっていました。
困ったのは国民です。いきなり住処を追われて、しかもライドゥーラ王国の元民だと知られると侮蔑の目で見られた為、逃げ隠れる様に切り立った崖に仮住まいを強いられていました。
これに涙したのはリリです。
そんなに過酷な状態では心が擦り減り、きっと生きる為にリファラを欲するのだろうと。
オーウェンギルド長は(いや、国民性だろ)と思いましたが言わずにおきました。今回はギリギリまで見届けると決めたからです。
「早くライドーラ?の民を安心出来る場所に案内しなきゃだな」
「ええ、リファラのみんなも賛同してくれたもの」
『巨大蟻のアネゴが土の耕し方教えるの楽しみってカラカラ笑ってたぞ!』
「親方も家を建てる大変さを身を以って教え込むって拳を叩いて気合入れてたよ」
和やかに予定を語る三人と一匹を、ハンナが優しく見守ります。
オーウェンギルド長は己の常識と葛藤しています。世の中の不条理さを嫌って程経験してきたからです。生暖かいこの空気に中々慣れません。
「あや。思ったより足場細いな」
目的の崖上に着いて下を見下ろした三巳は、下から吹き上がる風を受けて毛並みが揺れています。
下に続く人口の階段は、人一人すら危うい程細いものでした。
横に並んで同じ様に見下ろした面々は、その更に下の枯れかけた川を見て唸ります。落ちたら痛いでは済まないでしょう。
「おぶって行こうか?」
ロダはドキドキと期待を込めてリリに聞きました。
「ううん。大丈夫。これは私が頑張らないとだから」
けれどもムンと両拳に可愛く力を入れて気合を見せるリリに、「そう……」とガックシ肩を落とします。
「ていうか、飛べるやついねぇのか?」
そこに素朴な疑問を言ったのはオーウェンギルド長です。
階段あるから降りて行くものだと思っていた面々は、ハッとして衝撃の雷を落としました。
普段飛ぶ事をしないので、すっかりぽんと思い付かなかったのです。
「そうなんだよ……。三巳には自由な翼が羽ばたきまくりなんだよ……!」
そう言って三巳は安全な位置まで下がるとブルリとひと震えしました。
「んな!?」
「まあ!」
「三巳可愛い!」
そうして現した姿に、各々驚愕したり、感動したり、悶えたりするのでした。
ギルドの情報網とモンスターや動物達の情報網のお陰で、件の悪い事を考えている人達がわかりました。
というより人族はモンスターの目も動物の目も気にしません。三巳やリリには情報が筒抜けでした。
「らいどぅーらっていうんだな、リリの元婚約者の国」
「ライドゥーラ……」
相手も場所もわかったのでみんなで揃って森の奥へレッツラゴーです。
背の高い草木をピョーイピョイと飛び越えながら言う三巳に、ロダは好きな子の元婚約者というフレーズに複雑な顔です。
きっと元婚約者が生きていれば男同士の熱い闘志が漲っていた事でしょう。
「ええ……。あの方は、そのご家族は、リファラを取り戻す過程で亡くなってしまったのよね……」
酷い事をされたとはいえ、一度は婚約を結んでいた相手です。リリはとても傷ましい顔で目を潤ませました。
これにもロダはぐぬぬとモヤモヤします。
(僕だってリリが好きなのに、亡くなってたら正々堂々ぶつかれないじゃないか)
そんな二人を横目で見た三巳は、繊細な内容だけに耳をションモリ垂らしてふすんと鼻を鳴らしました。
「さーて、あとはこの崖を降りれば目的地だぞ」
ライドゥーラ王国は今はもうありません。
諸外国を敵に回した結果、瓦解されてしまっていました。
困ったのは国民です。いきなり住処を追われて、しかもライドゥーラ王国の元民だと知られると侮蔑の目で見られた為、逃げ隠れる様に切り立った崖に仮住まいを強いられていました。
これに涙したのはリリです。
そんなに過酷な状態では心が擦り減り、きっと生きる為にリファラを欲するのだろうと。
オーウェンギルド長は(いや、国民性だろ)と思いましたが言わずにおきました。今回はギリギリまで見届けると決めたからです。
「早くライドーラ?の民を安心出来る場所に案内しなきゃだな」
「ええ、リファラのみんなも賛同してくれたもの」
『巨大蟻のアネゴが土の耕し方教えるの楽しみってカラカラ笑ってたぞ!』
「親方も家を建てる大変さを身を以って教え込むって拳を叩いて気合入れてたよ」
和やかに予定を語る三人と一匹を、ハンナが優しく見守ります。
オーウェンギルド長は己の常識と葛藤しています。世の中の不条理さを嫌って程経験してきたからです。生暖かいこの空気に中々慣れません。
「あや。思ったより足場細いな」
目的の崖上に着いて下を見下ろした三巳は、下から吹き上がる風を受けて毛並みが揺れています。
下に続く人口の階段は、人一人すら危うい程細いものでした。
横に並んで同じ様に見下ろした面々は、その更に下の枯れかけた川を見て唸ります。落ちたら痛いでは済まないでしょう。
「おぶって行こうか?」
ロダはドキドキと期待を込めてリリに聞きました。
「ううん。大丈夫。これは私が頑張らないとだから」
けれどもムンと両拳に可愛く力を入れて気合を見せるリリに、「そう……」とガックシ肩を落とします。
「ていうか、飛べるやついねぇのか?」
そこに素朴な疑問を言ったのはオーウェンギルド長です。
階段あるから降りて行くものだと思っていた面々は、ハッとして衝撃の雷を落としました。
普段飛ぶ事をしないので、すっかりぽんと思い付かなかったのです。
「そうなんだよ……。三巳には自由な翼が羽ばたきまくりなんだよ……!」
そう言って三巳は安全な位置まで下がるとブルリとひと震えしました。
「んな!?」
「まあ!」
「三巳可愛い!」
そうして現した姿に、各々驚愕したり、感動したり、悶えたりするのでした。
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