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本編
巡回船は「またね!」と「初めまして!」の場
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「こんちわー!」
大きな椰子の木の下で、三巳が元気良く挨拶をしています。
目の前には大きめの屋台を思わせる店舗が立っています。そしてパドウィックが受付をしていました。
今日は島を出発する日なので最後にお買い物をしに来たのです。
そしてパドウィックは会長権限で三巳の接客をもぎ取ったのでした。
「いらっしゃい三巳ちゃん」
「パッちゃん会長なのに受付もしてるんだなー。三巳な、お買い物に来たんだよ」
「うんうんありがとう三巳ちゃん。何でも好きな物を買っていっておくれ。三巳ちゃんならオマケするよ」
「ほんと!?やったー!ありがとうパッちゃん♪」
早速台の上に並んだ商品を見てみます。
商品は現物を置いているのも勿論有りますが、高価な商品は品目を書いた板だけ置いてあります。
「これは実物見れないのか?」
「いいや見られるよ。大きい物は嵩張るし、高価な物は盗難防止で台に乗せてないだけだからね」
「それじゃあ三巳はこのバスボって実が見たいんだよ」
「バスボかい?硬くて良く跳ねるっていう珍しい実だけれど、中身はほぼ空洞で液体も無ければ食べられる部分も殆ど無いよ」
そう言いながらも背後の箱から取り出して見せてくれたのは、模様の無いバスケットボールでした。
バスケットボールは遊ぶ物で、実でもましてや食べる物でも無いと、三巳は目をパチクリさせます。
「パッちゃん。これ、実なのか?ボールにしか見えない」
「ああ。はははっ、確かに三巳ちゃんなら楽しい実かもしれない。実際にこれを買う人は鑑賞用か子供やペットの玩具用に買っていくんだ」
それなら然もありなんと頷くと、実際にバスボを触らせて貰いました。
「うにゅ。多分バスケットボールそのものっぽい」
多分を付けるのは三巳自体はバスケットボールをした事が無いからです。三巳の子供時代はまだバスケットボールは体育の授業として浸透していなかったのです。
「弾ませても良い?」
「構わないよ。とても丈夫な実だからね」
快く了承をくれるパドウィックに、ニコリと笑ってお礼を言うと、早速ボールを地面に落としてみました。
三巳の立っている場所には板がひかれていて、ボールは想像通りに弾んで手に戻ってきます。
「うにゅ。やっぱしバスケットボールっぽい」
三巳は前世でもやってみたいと思いつつやれずにいたことを思い出し、試しにドリブルにチャレンジしてみました。
バスン。バスン。とリズミカルに木を打つ音がします。鈍い音なのはその下が砂浜だからでしょう。
「うは」
ボールを見ると本能が疼く三巳は、ほっぺを紅潮させて夢中で打ちつけます。
打って、打って、打って。
「三巳、そろそろ返そう?」
クロにそう言って肩に手を置かれるまで夢中で打っていました。
「はうっ。あー。あー。パッちゃん!三巳これ欲しいです!お幾らですか!」
すっかり虜の三巳は興奮そのままの勢いでそれを購入するのでした。それも遊び用。予備用。保存用。皆で使う用に、有るだけ全部です。
「おやキップが良いね。お客さんとしてこんなに気持ちの良い子はいないよ。どれ、サービスしよう」
それなりにお値段がして嵩張る実が一気になくなり、パドウィックはニッコニコで揉み手をしました。商売人の顔です。三巳はこの瞬間に上顧客のリストにカウントされたのでした。
その他にも幾つかお買い物を済ませ、改めてパドウィック商会の人達と別れを告げたらいざ乗船再開です。
浅瀬に停めてある舟ではもう既に何人か乗っていました。
「うにゅ。知らない顔もいる」
別れがあれば出会いもある。それが巡回船の良い所かもしれません。
三巳は初めましてな人達に挨拶をして舟に乗り込みました。
三巳達2柱と1人が乗ると小さな舟はいっぱいです。
「もう直ぐ次の舟が来るから次のグループはそれに乗ってくれ」
三巳達の後からやって来た一団はそれだけで舟がいっぱいになりそうです。
船員は直ぐに人数を把握すると自分の舟を出しました。折り返し戻って来る必要を感じたからです。
手漕ぎの舟に揺られながら透明な海をユラユラユラリと進みます。船まで少し距離があるので暫しの遊覧観光です。
水底を見ればキラキラと太陽の光が反射して、その間をカラフルな魚達が気持ち良さそうに泳いでいます。
「そいえば浅瀬にはモンスターの子達いないな」
「浅瀬は海の生き物にとって有利な地形とは言い切れないんだろうね。陸の生き物にとっても射程範囲だったりするからあまり近寄らないみたいだよ」
「成る程ー」
しかしてモンスターがいないだけで鮫はいました。平べったくて縞模様ですがヒレの形が鮫っぽいです。
「ジンベエザメに似てる。羽根あるけど」
「じんべーざめ?ああ、あの魚かい?飛び鮫だよ。魚は食べるけれど人は襲わないから安心して」
クロの説明に、大人しそうな所もジンベエザメっぽいと思うのでした。
(飛ぶけど)
そしてトビウオみたいだとも思うのでした。
大きな椰子の木の下で、三巳が元気良く挨拶をしています。
目の前には大きめの屋台を思わせる店舗が立っています。そしてパドウィックが受付をしていました。
今日は島を出発する日なので最後にお買い物をしに来たのです。
そしてパドウィックは会長権限で三巳の接客をもぎ取ったのでした。
「いらっしゃい三巳ちゃん」
「パッちゃん会長なのに受付もしてるんだなー。三巳な、お買い物に来たんだよ」
「うんうんありがとう三巳ちゃん。何でも好きな物を買っていっておくれ。三巳ちゃんならオマケするよ」
「ほんと!?やったー!ありがとうパッちゃん♪」
早速台の上に並んだ商品を見てみます。
商品は現物を置いているのも勿論有りますが、高価な商品は品目を書いた板だけ置いてあります。
「これは実物見れないのか?」
「いいや見られるよ。大きい物は嵩張るし、高価な物は盗難防止で台に乗せてないだけだからね」
「それじゃあ三巳はこのバスボって実が見たいんだよ」
「バスボかい?硬くて良く跳ねるっていう珍しい実だけれど、中身はほぼ空洞で液体も無ければ食べられる部分も殆ど無いよ」
そう言いながらも背後の箱から取り出して見せてくれたのは、模様の無いバスケットボールでした。
バスケットボールは遊ぶ物で、実でもましてや食べる物でも無いと、三巳は目をパチクリさせます。
「パッちゃん。これ、実なのか?ボールにしか見えない」
「ああ。はははっ、確かに三巳ちゃんなら楽しい実かもしれない。実際にこれを買う人は鑑賞用か子供やペットの玩具用に買っていくんだ」
それなら然もありなんと頷くと、実際にバスボを触らせて貰いました。
「うにゅ。多分バスケットボールそのものっぽい」
多分を付けるのは三巳自体はバスケットボールをした事が無いからです。三巳の子供時代はまだバスケットボールは体育の授業として浸透していなかったのです。
「弾ませても良い?」
「構わないよ。とても丈夫な実だからね」
快く了承をくれるパドウィックに、ニコリと笑ってお礼を言うと、早速ボールを地面に落としてみました。
三巳の立っている場所には板がひかれていて、ボールは想像通りに弾んで手に戻ってきます。
「うにゅ。やっぱしバスケットボールっぽい」
三巳は前世でもやってみたいと思いつつやれずにいたことを思い出し、試しにドリブルにチャレンジしてみました。
バスン。バスン。とリズミカルに木を打つ音がします。鈍い音なのはその下が砂浜だからでしょう。
「うは」
ボールを見ると本能が疼く三巳は、ほっぺを紅潮させて夢中で打ちつけます。
打って、打って、打って。
「三巳、そろそろ返そう?」
クロにそう言って肩に手を置かれるまで夢中で打っていました。
「はうっ。あー。あー。パッちゃん!三巳これ欲しいです!お幾らですか!」
すっかり虜の三巳は興奮そのままの勢いでそれを購入するのでした。それも遊び用。予備用。保存用。皆で使う用に、有るだけ全部です。
「おやキップが良いね。お客さんとしてこんなに気持ちの良い子はいないよ。どれ、サービスしよう」
それなりにお値段がして嵩張る実が一気になくなり、パドウィックはニッコニコで揉み手をしました。商売人の顔です。三巳はこの瞬間に上顧客のリストにカウントされたのでした。
その他にも幾つかお買い物を済ませ、改めてパドウィック商会の人達と別れを告げたらいざ乗船再開です。
浅瀬に停めてある舟ではもう既に何人か乗っていました。
「うにゅ。知らない顔もいる」
別れがあれば出会いもある。それが巡回船の良い所かもしれません。
三巳は初めましてな人達に挨拶をして舟に乗り込みました。
三巳達2柱と1人が乗ると小さな舟はいっぱいです。
「もう直ぐ次の舟が来るから次のグループはそれに乗ってくれ」
三巳達の後からやって来た一団はそれだけで舟がいっぱいになりそうです。
船員は直ぐに人数を把握すると自分の舟を出しました。折り返し戻って来る必要を感じたからです。
手漕ぎの舟に揺られながら透明な海をユラユラユラリと進みます。船まで少し距離があるので暫しの遊覧観光です。
水底を見ればキラキラと太陽の光が反射して、その間をカラフルな魚達が気持ち良さそうに泳いでいます。
「そいえば浅瀬にはモンスターの子達いないな」
「浅瀬は海の生き物にとって有利な地形とは言い切れないんだろうね。陸の生き物にとっても射程範囲だったりするからあまり近寄らないみたいだよ」
「成る程ー」
しかしてモンスターがいないだけで鮫はいました。平べったくて縞模様ですがヒレの形が鮫っぽいです。
「ジンベエザメに似てる。羽根あるけど」
「じんべーざめ?ああ、あの魚かい?飛び鮫だよ。魚は食べるけれど人は襲わないから安心して」
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