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最後は悪者に
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私は公園のベンチで、1人黄昏ていた。
頭上に広がる鉛色の空は、今にも降り出しそうなくらいに、不穏な空気を漂わせていた。
先輩と会って話がしたくてちゃんと謝りたくて、でも会ってもらえなくて。
でも、普通の感情ならそうなのかなって、納得している自分もいる。
別れた相手とすぐ会うのは気まずいと聞いたこともあるし、それ以前に先輩は私のしたことが許せなくて会いたくないと思っているのかもしれない。
後者の方が圧倒的に確率は高いが、それでも私は待つことしかできない。
先輩にちゃんと謝ってケジメをつけて、それからじゃないと前に進めないし、進んじゃいけないと思っている。
会えるタイミングがなくて、そのまま如月くんと六日が先に付き合っちゃったら、それはそれでしょうがないと諦めはつく。
それ程のことをしておいて、都合の良いのはちゃんと分かってる。
それでも、欲しいものは欲しかった。
いつから自分は、こんなに図々しくてウザったくなってしまったのだろうか。
身体だけ大人になっていくだけで、精神的には全然成長していない。
だからこうやって、ケジメをつけると言ったはずなのに先輩との思い出の場所に来てしまっている。
この公園の奥に、ひっそりとあるベンチ。
ここは私と先輩がよく訪れた思い出の場所。
いつまでも未練たらしくこの場所にいても仕方がないので、私はベンチから立ち上がろうとした。
その時、そこにいるはずはない人の声が聞こえた。
その声は、しっかりと私の名前を呼んでいた。
「七、どうしたの?」
「せ、先輩!? えっと・・・その・・・」
まさかこの場所に先輩がいるとは思わなくて、私は驚きを隠せなかった。
ずっと会いたくて、会って謝りたかった相手が目の前にいるのに、今はそれが恐く感じてしまう。
私は何も声を発せないまま、しどろもどろしていた。
「丁度良かった。前に七、話したいことがあるって言ってたよね? ここで話そうか」
すると先輩は、私の座っていたベンチの隣に腰を下ろしてきた。
先輩の表情からは、何を考えているかは読み取れない。
でも、せっかく与えられた話す機会を無駄にはしたくなかったので、私もベンチへ座りなおした。
「降ってきそうだね。湿っぽいのはあまり好きじゃないから、手短に話をしようか」
「・・・はい・・・」
そう言われて、私は立ち上がり先輩の前へ立つ。
こんな私の身勝手で傷つけてしまった相手に、ごめんなさい、なんてそんな言葉で許しを請おうとは思ってはいないが、それでも謝らずにはいられなかった。
謝ったから何になる?
そう言われてしまえば返す言葉もなくて、ただの自己満足なのかもしれない。
でも、これが私の思うケジメだから・・・果たさなくちゃいけないコトだった。
「七?」
「先輩、すみませんでした」
「え?」
私のした行動が予想外だったのか、先輩はそんな驚きの声を上げていた。
頭を下げているから表情までは分からないが、こんな声を上げている時は、決まって目を見開いて口をポカーンと開けているはずだ。
それが私の見てきた先輩だから。
「私の身勝手で、先輩を傷つけてしまってすみませんでした」
そう言ってもう一度頭を下げた。
先輩は私に何も言葉を返さない。
私は頭を下げ続けている間も、しばらく沈黙が続いた。
そしてその沈黙を破ったのは、先輩の方だった。
「謝罪の言葉なんていらないよ。七が謝ったところで元に戻るわけでもないし、何も解決はしないよ。それに、ちょっとウンザりかな」
予想はしていたが、先輩からキツく放たれるその言葉が、辛く苦しかった。
でも、私は先輩にこれ以上酷い仕打ちをしてきたんだ。
こんなもんじゃ、まだまだ緩いのだ。
「実はね、僕も四月さんに謝らなきゃいけないんだ」
「え?」
私は先輩のその言葉に、思わず顔を上げた。
先輩は、私のことを七ではなく、四月さんと言った。
そう言い終えた後の先輩の表情は、とても穏やかで優しいモノだった。
いつの日か私が惚れて、好きになった表情だった。
そんな表情とは違って、突きつけられた言葉は、あまりにも残酷な刃物のように突き刺さった。
「・・・四月さんのこと、遊びだったんだ」
「・・・え・・・?」
先輩の放ったその言葉の意味が分かっているのに、理解できていなかった。
遊び?
私と付き合ったのは、遊びだったってこと・・・?
最後の最後に明かされるそんな事実に、私は動揺を隠しきれない。
「僕も男の子だからね。女の子への欲求は当然あってさ、四月さんなら僕に惚れてるみたいだから、楽に落とせると思ったんだよ」
私は何も言葉を発せないまま、先輩をただひたすらに見つめていた。
脳内で何回もリピートされて、心に何度も突き刺さるその言葉を、ただ聞いているだけしかできなかった。
「誰でも良かったんだよ。それなりに可愛くて従順なコだったらね。だから、七が如月くんに靡いても、本当はどうでも良かったんだよ。また代わりを探せばいいやくらいでさ」
先輩は止まるコトなく、私に向かって絶望のような言葉を発し続けた。
いつも見ていた爽やかな笑顔で。
いつも見ていた優しい声音で。
今まで見たことのない苦しい表情で。
「どうだい? 幻滅したかい? 僕ってこんなヤツだったんだよ。もう四月さんとは関わらないだろうから、バラしても問題ないからね」
気がつくと私は、涙を流していた。
とても胸が苦しくなって、痛みだす。
今も尚、優しく微笑んでいる先輩の顔を見ると、溢れ出るソレを止められることはできなかった。
私は知ってしまったから・・・。
先輩の想いも、優しも、強さも。
言葉だけを聞いたら、先輩は私をダマしていたヒドい人だろう。
でも・・・でもね、私は気がついてしまった。
私だって先輩と付き合っていたから、何も如月くんだけを見ていたわけじゃなくて、ちゃんと先輩のことも見ていたんだよ。
先輩が嘘をつく時や、冗談を言う時の仕草は、片方の手の指を弾くこと。
先輩は、最後まで先輩でいようとしてくれた。
私に未練が残らない様に、あえて自分を悪者に仕立てあげようとしたんだ。
知らなければこのまま何事もなく終われたんだろうけど、知ってしまったから余計に辛くなる。
私が無慈悲に傷つけた先輩は、私が前を向ける様に導こうとしてくれていた。
それは冷静になれば、すぐにわかることでもあった。
私が先輩の身体を求めても、先輩は七の事は大切にしたいからといって、やんわりと断ってきた。
歩道を歩く時は、いつも率先して、車道側を歩いてくれた。
歩く歩幅もスピードも、いつも私に合わせてくれていた。
手料理も無理をさせてしまっていたと思うけど、それでも美味しいと言って残さず食べてくれた。
そんな優しい人が、遊びをするはずなんてない事は明白だった。
いつだって先輩は、私のことを想って行動してくれていた。
「そうですね・・・先輩は本当にヒドイ人です」
「今まで騙していてごめんね」
「ありがとうございます」
「え?」
私のその言葉が予想外だったのか、先輩は驚いていた様子だった。
先輩は私を傷つけようとした。
それで、気持ちをすっぱり断ち切れさせようと。
恋愛は誰かが笑って、その影で誰かが悲しんで傷つくもの。
そして、傷ついて悲しんだ分だけ、成長もできるモノ。
だから先輩は、あえて私を傷つけようとしたけど、ごめんなさい。
気がついてしまったから、最後まで嫌いになれそうにありません。
先輩は困惑して私の返答を待っているだろうけど、もう私は何も言わない。
先輩が私の為に選んだ選択の意図を汲むのなら、このまま黙って消えた方が良かっただろう。
私はそのまま先輩の座っているベンチの横を通り過ぎていった。
でも・・・でも、最後に一言だけ言いたかったから、私はその言葉を紡いだ。
「先輩、ちゃんと傷つけてくれて・・・ありがとうございます」
最後にその言葉だけを呟いて、その場を後にする。
私1人の力じゃなくて、先輩の補助がありながらだったけど、ちゃんとケジメをつけられた気がした。
「四月さんはさ・・・」
先輩のその言葉に私は歩みを止めた。
でも、ここで振り向く訳にはいかなかったから、振り向いたりはしなかった。
「僕と過ごして、楽しかった?」
最後の最後に見せた先輩の気持ちの吐露、弱い部分を見せつけられてさらに胸が苦しくなる。
涙が溢れて止まらないけど、ここで私が肯定したら、先輩の想いを無下にしてしまうことになる。
だから私は否定する。
「・・・さいっこうに・・・つまらなかったです!」
「そっか・・・!」
・
「さいっこうにつまらなかった・・・か・・・」
ソレは、七が満たされてる時によく使う言葉だった。
彼女の為に最後の最後は悪者になるつもりだったけど、慣れないことはするものじゃないね。
ものすごい自己嫌悪感に駆られている。
でも、七もそんなコトはお見通しだったみたいだけど。
「・・・湿っぽいのは嫌いって言ったのにな・・・」
願わくば、この鉛色の空が僕の代わりに泣いてくれないかなと思った。
そうすれば、僕は泣かずに済むはずだから。
そして、僕の願いが通じたのかポツポツと雨が降り始めた。
まだだ、こんなんじゃ泣けやしないよ。
もっと強くならないと。
しばらくして、雨は勢いを増していく。
そうだな、これくらい降ってくれないと。
そうすれば、僕も――――。
頭上に広がる鉛色の空は、今にも降り出しそうなくらいに、不穏な空気を漂わせていた。
先輩と会って話がしたくてちゃんと謝りたくて、でも会ってもらえなくて。
でも、普通の感情ならそうなのかなって、納得している自分もいる。
別れた相手とすぐ会うのは気まずいと聞いたこともあるし、それ以前に先輩は私のしたことが許せなくて会いたくないと思っているのかもしれない。
後者の方が圧倒的に確率は高いが、それでも私は待つことしかできない。
先輩にちゃんと謝ってケジメをつけて、それからじゃないと前に進めないし、進んじゃいけないと思っている。
会えるタイミングがなくて、そのまま如月くんと六日が先に付き合っちゃったら、それはそれでしょうがないと諦めはつく。
それ程のことをしておいて、都合の良いのはちゃんと分かってる。
それでも、欲しいものは欲しかった。
いつから自分は、こんなに図々しくてウザったくなってしまったのだろうか。
身体だけ大人になっていくだけで、精神的には全然成長していない。
だからこうやって、ケジメをつけると言ったはずなのに先輩との思い出の場所に来てしまっている。
この公園の奥に、ひっそりとあるベンチ。
ここは私と先輩がよく訪れた思い出の場所。
いつまでも未練たらしくこの場所にいても仕方がないので、私はベンチから立ち上がろうとした。
その時、そこにいるはずはない人の声が聞こえた。
その声は、しっかりと私の名前を呼んでいた。
「七、どうしたの?」
「せ、先輩!? えっと・・・その・・・」
まさかこの場所に先輩がいるとは思わなくて、私は驚きを隠せなかった。
ずっと会いたくて、会って謝りたかった相手が目の前にいるのに、今はそれが恐く感じてしまう。
私は何も声を発せないまま、しどろもどろしていた。
「丁度良かった。前に七、話したいことがあるって言ってたよね? ここで話そうか」
すると先輩は、私の座っていたベンチの隣に腰を下ろしてきた。
先輩の表情からは、何を考えているかは読み取れない。
でも、せっかく与えられた話す機会を無駄にはしたくなかったので、私もベンチへ座りなおした。
「降ってきそうだね。湿っぽいのはあまり好きじゃないから、手短に話をしようか」
「・・・はい・・・」
そう言われて、私は立ち上がり先輩の前へ立つ。
こんな私の身勝手で傷つけてしまった相手に、ごめんなさい、なんてそんな言葉で許しを請おうとは思ってはいないが、それでも謝らずにはいられなかった。
謝ったから何になる?
そう言われてしまえば返す言葉もなくて、ただの自己満足なのかもしれない。
でも、これが私の思うケジメだから・・・果たさなくちゃいけないコトだった。
「七?」
「先輩、すみませんでした」
「え?」
私のした行動が予想外だったのか、先輩はそんな驚きの声を上げていた。
頭を下げているから表情までは分からないが、こんな声を上げている時は、決まって目を見開いて口をポカーンと開けているはずだ。
それが私の見てきた先輩だから。
「私の身勝手で、先輩を傷つけてしまってすみませんでした」
そう言ってもう一度頭を下げた。
先輩は私に何も言葉を返さない。
私は頭を下げ続けている間も、しばらく沈黙が続いた。
そしてその沈黙を破ったのは、先輩の方だった。
「謝罪の言葉なんていらないよ。七が謝ったところで元に戻るわけでもないし、何も解決はしないよ。それに、ちょっとウンザりかな」
予想はしていたが、先輩からキツく放たれるその言葉が、辛く苦しかった。
でも、私は先輩にこれ以上酷い仕打ちをしてきたんだ。
こんなもんじゃ、まだまだ緩いのだ。
「実はね、僕も四月さんに謝らなきゃいけないんだ」
「え?」
私は先輩のその言葉に、思わず顔を上げた。
先輩は、私のことを七ではなく、四月さんと言った。
そう言い終えた後の先輩の表情は、とても穏やかで優しいモノだった。
いつの日か私が惚れて、好きになった表情だった。
そんな表情とは違って、突きつけられた言葉は、あまりにも残酷な刃物のように突き刺さった。
「・・・四月さんのこと、遊びだったんだ」
「・・・え・・・?」
先輩の放ったその言葉の意味が分かっているのに、理解できていなかった。
遊び?
私と付き合ったのは、遊びだったってこと・・・?
最後の最後に明かされるそんな事実に、私は動揺を隠しきれない。
「僕も男の子だからね。女の子への欲求は当然あってさ、四月さんなら僕に惚れてるみたいだから、楽に落とせると思ったんだよ」
私は何も言葉を発せないまま、先輩をただひたすらに見つめていた。
脳内で何回もリピートされて、心に何度も突き刺さるその言葉を、ただ聞いているだけしかできなかった。
「誰でも良かったんだよ。それなりに可愛くて従順なコだったらね。だから、七が如月くんに靡いても、本当はどうでも良かったんだよ。また代わりを探せばいいやくらいでさ」
先輩は止まるコトなく、私に向かって絶望のような言葉を発し続けた。
いつも見ていた爽やかな笑顔で。
いつも見ていた優しい声音で。
今まで見たことのない苦しい表情で。
「どうだい? 幻滅したかい? 僕ってこんなヤツだったんだよ。もう四月さんとは関わらないだろうから、バラしても問題ないからね」
気がつくと私は、涙を流していた。
とても胸が苦しくなって、痛みだす。
今も尚、優しく微笑んでいる先輩の顔を見ると、溢れ出るソレを止められることはできなかった。
私は知ってしまったから・・・。
先輩の想いも、優しも、強さも。
言葉だけを聞いたら、先輩は私をダマしていたヒドい人だろう。
でも・・・でもね、私は気がついてしまった。
私だって先輩と付き合っていたから、何も如月くんだけを見ていたわけじゃなくて、ちゃんと先輩のことも見ていたんだよ。
先輩が嘘をつく時や、冗談を言う時の仕草は、片方の手の指を弾くこと。
先輩は、最後まで先輩でいようとしてくれた。
私に未練が残らない様に、あえて自分を悪者に仕立てあげようとしたんだ。
知らなければこのまま何事もなく終われたんだろうけど、知ってしまったから余計に辛くなる。
私が無慈悲に傷つけた先輩は、私が前を向ける様に導こうとしてくれていた。
それは冷静になれば、すぐにわかることでもあった。
私が先輩の身体を求めても、先輩は七の事は大切にしたいからといって、やんわりと断ってきた。
歩道を歩く時は、いつも率先して、車道側を歩いてくれた。
歩く歩幅もスピードも、いつも私に合わせてくれていた。
手料理も無理をさせてしまっていたと思うけど、それでも美味しいと言って残さず食べてくれた。
そんな優しい人が、遊びをするはずなんてない事は明白だった。
いつだって先輩は、私のことを想って行動してくれていた。
「そうですね・・・先輩は本当にヒドイ人です」
「今まで騙していてごめんね」
「ありがとうございます」
「え?」
私のその言葉が予想外だったのか、先輩は驚いていた様子だった。
先輩は私を傷つけようとした。
それで、気持ちをすっぱり断ち切れさせようと。
恋愛は誰かが笑って、その影で誰かが悲しんで傷つくもの。
そして、傷ついて悲しんだ分だけ、成長もできるモノ。
だから先輩は、あえて私を傷つけようとしたけど、ごめんなさい。
気がついてしまったから、最後まで嫌いになれそうにありません。
先輩は困惑して私の返答を待っているだろうけど、もう私は何も言わない。
先輩が私の為に選んだ選択の意図を汲むのなら、このまま黙って消えた方が良かっただろう。
私はそのまま先輩の座っているベンチの横を通り過ぎていった。
でも・・・でも、最後に一言だけ言いたかったから、私はその言葉を紡いだ。
「先輩、ちゃんと傷つけてくれて・・・ありがとうございます」
最後にその言葉だけを呟いて、その場を後にする。
私1人の力じゃなくて、先輩の補助がありながらだったけど、ちゃんとケジメをつけられた気がした。
「四月さんはさ・・・」
先輩のその言葉に私は歩みを止めた。
でも、ここで振り向く訳にはいかなかったから、振り向いたりはしなかった。
「僕と過ごして、楽しかった?」
最後の最後に見せた先輩の気持ちの吐露、弱い部分を見せつけられてさらに胸が苦しくなる。
涙が溢れて止まらないけど、ここで私が肯定したら、先輩の想いを無下にしてしまうことになる。
だから私は否定する。
「・・・さいっこうに・・・つまらなかったです!」
「そっか・・・!」
・
「さいっこうにつまらなかった・・・か・・・」
ソレは、七が満たされてる時によく使う言葉だった。
彼女の為に最後の最後は悪者になるつもりだったけど、慣れないことはするものじゃないね。
ものすごい自己嫌悪感に駆られている。
でも、七もそんなコトはお見通しだったみたいだけど。
「・・・湿っぽいのは嫌いって言ったのにな・・・」
願わくば、この鉛色の空が僕の代わりに泣いてくれないかなと思った。
そうすれば、僕は泣かずに済むはずだから。
そして、僕の願いが通じたのかポツポツと雨が降り始めた。
まだだ、こんなんじゃ泣けやしないよ。
もっと強くならないと。
しばらくして、雨は勢いを増していく。
そうだな、これくらい降ってくれないと。
そうすれば、僕も――――。
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