チートで護る現実《この》世界 ~ 異能者捕縛劇 ~

兎野熊八

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第二章 死者蘇生 ―レイズデッド―

現れた帰還者と天文部 その3

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「頭を上げて、キラリ」

「ダメだ、私の気が済まない」

「キラリは何も悪くない、これが私達の任務なんだから」

「わかってる! でもっ、それでも……私は帰還者の出現と奥付の転送をほぼ同時に観測して、その時すぐに頭を過ったのはメクルの事と、世界の事で、私はたった10分ぐらいしか悩まずに、世界の方をとったんだ」

「キラリ……」


 メクルは深々と頭を下げたままのキラリへと近寄ると、その両肩を抱いて起こしました。
 キラリは、泣いていました。


「ごめん、本当に、ごめんよ、私はメクルの親友失格だ……」


 裏切り者だと引っ叩いてくれ、そうでも言うかのようにキラリは唇を結んでいました。


「違うよキラリ、キラリは10分も悩んでくれたんだよ、世界と私の重さを比べて、10分もその重さに耐えてくれたんだ、本当に私の大親友だよ」


 メクルはそっとキラリを抱きしめるようにして、その背を摩りました。


「う、うう、ごめんよ……ごめんよメクルぅぅぅ」


 キラリもメクルを両手で抱きしめて鼻をすすります。
 許された事への心の緩みで、余計に涙と鼻水をキラリは流しました。


「うん、大丈夫、きっと大丈夫だから」


 一秒を争う中で、世界という重圧に耐えながら10分も悩む、それだけでメクルにとっては彼女が自分の親友であると胸が張れるのでした。


「だから今からできる事を…………って何してるのキラリ?」


 メクルの背中に回されたキラリの手が、何かをもぞもぞと服の上から探していました。


「え、うん、ブラのホックを外そうかと」

「……なぜ?」

「ほら、世界的かつ歴史的な通例によれば喧嘩した後は仲直りのエッ」


 最後の言葉を言わすものかよとメクルがキラリからバックステップで離れます。
 その速度、縮地、達人の領域でした。


「ぉぉう……逃げられた、残念」


 惜しい獲物を逃したと、既に鳴き止んだピンクの野獣は微笑みました。


「じょ、冗談は後にして、今はその、仕事を頼みに来たんだけど」


 話の路線を戻そうと、メクルは一度咳払いをします。


「ここからは幾つかの校則違反を前提に話しをするけど、いい?」

「いいよ、調んでしょ?」


 それは緊急事態宣言中の御影学園において、かなり大きな校則違反の一つでした。
 帰還者が現れたさい、全ての部活、委員会は生徒会執行部の傘下として、その活動の一切を許可無く行うことができません。
 全ての能力者、委員会メンバーを帰還者の回収へと動かせるように備えるためです。


「校則違反だけど、お願い、キラリ、もし奥付君が飛んだ世界との時間差が想像以上なら…………私、一人でも――」


 行かせて欲しい、そうはさせないとメクルの両肩を二本の腕が止めます。


「いいや、俺もだ」
「だめ、私も」


 立ち上がったヒロと、脱衣のおかげで熱中症から逃れたピーシーがメクルの肩と手を握ります。


「……うん、ごめん、3人で、その異世界に飛ばして欲しい、私達だけで奥付君を救出してくる」


 メクルは二人の手の心強さに校則違反の罪悪感を取り払われました。


「うんうん、おっけーおっけー、まぁ実はそんな事になるだろってね、すでに奥付君は発見済みなのでした、はい有能、私超有能」

「ほ、本当!?」


 メクルが再び達人の縮地でキラリへと迫りました。


「ほ、本当です、とはいえ飛んだ先だけだから、今から細かい場所も調べるけど、とりあえずついてきてん」


 と、キラリはくるりと回ると、軽い足取りで植物園の中央、天球儀の方へと向かいます。 石畳の上を歩き天球儀へと近づくと、その大きさが相当な物だとわかります。骨組みだけの天球儀、それがすり鉢状のヘコみに埋まっているのだと分かります、それでも天井に届きそうな程に巨大でした。

 さらに近づくとポールの手摺りで囲まれた円形のステージであり、そして他にもSFちっくな機械があちこちに設置してあるのが見えてきます。


「さてさて、あ、ここでストップね、近づきすぎると引力で吸い込まれるよー」


 キラリはそう言って三人を止めてから、一人で天球儀へと近づきます。
 そして天球儀近くにおかれてあったアンティークのチェアに飛び乗ると、その上で座禅を組みました。


「よし、始めるよー、一瞬だけ酸素濃度が下がるから、立ち眩みにご注意をー」


 そう言ってキラリがパンパンと手を叩きます。
 すると彼女が座っていた椅子が突如として宙へと浮かび始めました。
 そこからはまるで、アトラクションのショーを見ているようでした。



「生誕をここに、点と点、二点より生じるは線、三線より生じるは波、六波より生じるは渦、九渦より生じるは円」



 骨組みだけの天球儀の中心で小さな白い点が生まれ、点は自己分裂を始めながら黒い糸と糸で結ばれています。増え続ける点と糸がぶつかり合い、時に混ざり合い、絡み合い、ゆっくりと一定の方向へと向かい始めます。


 回転はやがて渦のように回り始め、その速度が増すにつれて円球状の白と黒の渦が生まれました。


「円すなわち天、天すなわち全、全すなわち点、循環する陰陽、巡り廻れ、編み出せ織り成せ、おいでませ! 私の『天宮てんきゅうの庭』ちゃん!」


 光が生まれました。赤い光、青い光、紫の光、それは自ら光を生み出す星、恒星でした。

 生まれた熱量が突風のようにドーム内の空間を吹き抜けます。

 天球儀、その中に生まれたモノ、それは渦巻く銀河でした。

 何かの宇宙スペクタクルショーのように、4人の目の前には銀河が回り出したのです。


「……うん、よしよし」


 と、何かに納得したのかキラリはまたパンパンと手を叩きました。
 すると回転してた銀河がピタリと止まります。


「固定完了、おっけい、三人ともこっち来てー」


 空中に浮かぶ椅子から呼ばれ、三人が天球儀へと近づきます。

 先ほどまでの熱がまだ近くを漂っているのか、近づけば近づくほど暑さを感じます。


「うへー、相変わらずすんげぇ能力だな……まさにチートっていうかさ」

「こんなのミニチュア銀河つくってるだけだよー、さぁもっと近くにこいこい」


 銀河を作っただけど当人は言うが、これがオモチャでもなんでもなく、小さいとはいえ本物の銀河なのだから、底知れない能力にヒロは思わず冷や汗を流します。三人が近づき、手摺りの側にまで来ると、


「よし、銀河内を泳いで移動するよー、あぁちょっと大きな恒星の近くを通るから眩しいかも? あと手を突っ込んだら凍るよー、手すりから先に手は伸ばされませぬように」


 またキラリがパンパンと手を叩くと、スマートホンの画面をアップにするかのように天球儀に向けて両手で掻き分けるような動作、まるで椅子に座ったまま平泳ぎをしているようでした。

 キラリの動きに合わせて、光よりも速く銀河の内を泳ぎ突き進みます。赤、青、紫、幾度もの光の点滅はイルミネーションのように綺麗でした。


「お、見つけた、これこれ、この異世界だよ、メクル」


 何回か掻き分けて移動の末、天球儀の真ん中に現れたのは地球によく似た惑星でした。


「なんとこれも完全に新発見の異世界、名前もわからない緑の星さー」


 それは地球にも似た星でした。
 のぞき込むと幾つかの大陸と海、渦巻く雲が大気の流れを表しています。


「ここに、奥付君が?」

「うん、飛んだ瞬間はすぐに察知したんだけどね、でもほぼ同時に帰還者の存在も察知したから、先にそっちを報告した後に天宮てんきゅうちゃんで後を追ったらまた新しい惑星を発見しちゃってねぇ……第なん異世界になるのやら」

「おいおいだったらさっさと行こうぜ、帰還者なんて他のチームに任せてりゃすぐ捕まるだろ、おおっし今すぐ飛ばしてくれよキラリ」


 考えるより身体を動かせタイプのヒロはすぐさまに救出への出発を提案しました。


「いやいや無理だにゃー、この惑星、地球の17倍は大きいのぜー、適当に飛ばしたって見つかりっこないって」

「地球の17倍だろうが170倍だろうが、ここで立ってても見つからねぇだろうがよ、走ってでも探すぜ俺は!」

「ヒロは元気いいねぇ、まぁそりゃそうなんだけどねぇ、ままま、もうちょっと見つけやすくするのと、あと時間差を調べるからまってね」


 そう言うとキラリは両手を前に突き出して、両指をワキワキニギニギと動かします。
 するとその指先が小さく輝いて、一本の白く長い紐が現れました。


「さてさて、どうかなぁ……」


 キラリが白い紐を輪になるように結ぶと、あやとりをするように自らの両指へと絡ませていきます。

 何度か指を外したり紐を組み替えたりをしながら網目状に編み上げると、今度は空飛ぶ椅子と共に天球儀の中に入りました。そして緑の星へと近づきます。


「おぉ冷たい、いや暑い? んーっと、よしよし、ちょっと星の管理権を奪うねぇ」


 両手に編んでいた網を今はメロンぐらいの大きさの星にくるりと被せるように巻くと、紐から手を放します。


「そんでそんでー、おー、んーガード堅いな、結構立派な管理人が護ってるぽいねぇ」


 編み目を引っ張ったり、つついたりしながらキラリが試行錯誤している下で、ヒロがメクルに訪ねます。


「なぁメクル、毎度気になってたんだけどよ、あれ何やってんだ?」

「なにって言うと……疑似惑星の管理者から権限を奪ってる、そもそも疑似銀河を作り出してるのはキラリだから、圧倒的に密度が高い情報体のキラリに勝てるわけないけど」

「ほほうなるほどね、さっぱりわからん、と、ピーシーが言ってるぜ」

「言ってない、キラリ、今、銀河の管理者、全知全能」

「ほほうなるほどね、管理者ね、よしわからんぜ、俺様にも分かるように訳してくれ」

多次元宇宙パラレルワールド、宇宙をコピー、天球儀に貼り付け、コードを調べてる」

「わからん、次の翻訳者をつれてまいれ」

「えっと、似たようなマンションが無限に……、今は二棟だけあるってことにして、その二棟のマンションにはまったく同じ人間が住んでる、私達がいるのはA棟のマンション、B等にも私達のそっくりさんが住んでいる」

「私達は双子だったんだな?」

「うん、じゃぁ妹達がいるマンションをキラリは観測し、そして見た目も住んでる人間もセキュリティーすら完全にコピーしたすごくリアルな模型をこっちに作ったの、で今はその模型マンションの権利を奪おうとセキュリティーの管理人と交渉してる……で、わかる?」

「なるほどな、つまりキラリはマンション泥棒ってことだな?」

「……あ、はい、それで大丈夫です、はい」


 メクルとピーシーが目を合わせて、両肩を落としました。


「あ、よしよし、通った通った、しぶとい管理人だったぜぇ、ええっと……」

「どうだった、こっちとの時間差は」

「慌てるでないよメクル、今全部メモるからしばし待たれよ」


 そう言って空飛ぶ椅子の下から一冊のノートとペンを取り出して、手早く書き留めるキラリ。メクルは否応なく高まる緊張感に嫌な汗が背中にたまるのを感じました。仮に時間差が取り返しのつかない程だったら……もう既に、奥付君は。



「ふんふん、おっ、おーっし! メクル! 時間差は大したことないよ! これくらいの距離でこの時間差なら私の力でなんとかなる! 最大猶予は一週間! それ以降はこっちとの時間差を調律できないから、そこらへんを目安にしといてね」



 キラリが椅子と一緒にくるくると回りながら出したサインはVでした。


「……よかった」


 ひとまずは胸をなで下ろします。

 想い人がすでに老人や1000年前の伝説の勇者として歌になっている事はなさそうでした。一安心です。しかし飛ばされた瞬間の事を考えれば、まだ確かめたい事があります。


「キラリ、大体どこらへんに飛んだか分かりそう? 奥付君、飛ぶ前にたぶんすごい怪我を負ってるの」

「んー、大雑把にならね、管理者と対話するにはちょっと小さめにコピーしたから相手の情報量が小さすぎて分からないけど、奥付君が飛んだ場所くらいならなんとか聞いてみる」


 キラリは再び椅子をくるくると回して星と対面します。
 そして編み目に指を入れると、また少しこねくり回しだしました。


「なんつうかさぁ、キラリとメクルの能力ってよ、似てるよなぁ」

 ヒロが唐突にそんな事を言います。

「え、そう? 似てないと思うけど」

「だってお前の能力も疑似世界を創造する能力だろ? で、キラリはちっちゃい銀河を作る能力、似てるじゃん」

「似てない、メクルは世界を創造する、キラリは世界を模倣する、創作と贋作」

「そんな感じだけど、ヒロ、何か気になるの?」

「いんや、ただ俺みたいな身体能力系は、お前らに比べるとちっせぇなーって思っただけだよ」

「ヒロ、一番、大きい、胸、張る」

「てめぇ胸の事いってんな? 好きでデカくなったんじゃねーっつぅの、たく」


 キラリの力を見ると、確かに自分が小さく見えるのはメクルにもわかります。
 模倣とはいえ、膨大な情報量を一から組み立て、再生、早送り、停止と自在に操っているのですから。
 

「ふむ、んーっと、おっ」


 宙に浮いていたキラリが声を上げました。


「大体の場所はわかった! ――、うん、“は”いるってさ、奥付君」

「生きて、る……よかった……よかった」



 奥付君が飛んだとき、彼は確かにトラックで跳ね飛ばされていました。
 傷を受けた事が事実な以上、致命傷や即死の可能性だってありました。
 でもとにかく今は彼が生きている、そこにいる、まだ間に合う、それだけでメクルは安堵しました。

 その喜びをメクルは噛みしめるように、拳を握りしめます。


「おぉっし! じゃぁさっさと飛ばしてくれよ、その隣のマンションとやらによう!」


 これで次の行動は決まったとヒロが肩を回し出しました。


「あはぁーそれ無理ー、だって本物の隣のマンションにいける能力じゃないし、隣にいっても仕方ないよー隣は隣で隣の私達が解決するの、ヒロちゃんにも分かりやすく言うと奥付君はこのマンションの屋上にいるって感じかなぁ、前回と同じように他の天文部員のバックアップが今回も必要になるにゃー」

 どうやらメクル達が話していた例え話をキラリも聞いていたようでした。

「だったら他の部員もさっさと呼んでくれよ、部長だろー、ささっと行って助けてくるからよ、そんで帰ってきたら全員でバカンスだ!」

「んんんん、そうしてあげたいのはやまやまだけど……かにゃぁー」


 なにがだ、ヒロがそう聞こうとした瞬間でした。
 突如、植物園の証明が落ちて天球儀近くに設置してあった機械達も動きを止めました。
 天球儀の中にあった銀河が形を失い、濁るように消えていきます。


「あちゃぁ見つかった、電源落とされたかなぁこれ」


 続けてどこからともなくメロディーが鳴り響きました。

 そのメロディーが毎朝日曜8時に再放送されている『ときめきプリキス5』の主題歌だと気づいたのはピーシーだけでした。

 メロディーの発信元はどうやらキラリのスマホからのようです。

 なぜか胸の谷間から取り出したスマホを見つめ、キラリが苦い顔をしました。


「……うん、剣ちゃんからだね」


 恐る恐る緑ボタンをスライドさせ、キラリは耳から離した位置にスマホを掲げます、


「やぁハロハロ、怒られるとすぐ泣いちゃう、剣ちゃんの可愛い可愛い家来の星埜キラリちゃんでっす」


 次に返ってきたのは剣真らしき青年の怒号でした。
 大気を切り裂き、銀河すらも真っ二つにする勢いのある怒声でした。
 どんどん青ざめていくキラリをよそに、三人は静かに集まります。
 三人共一言も交わさずに双方を見てアイコンタクト、何も言わずに頷き、



「逃げるぜ」



 ヒロの一言で、3人はこの場にいることが剣真にバレないようにと静かに天文部を後にしました。
 メクルだけは今度美味しいスイーツを教えると心の中でキラリに謝りながら、足音を消して部室を去るのでした。
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