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1 木の上の子猫
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エステルの耳に微かな猫の鳴き声が聞こえたのは、庭掃除をしていた時だった。
ひんやりした空気の中、エステルは眠気を覚まそうと目をパチパチさせて辺りを見渡す。
今年で十八歳を迎えた彼女は、年齢のわりに小柄で幼い顔立ちだ。ミルク色の肌は寒さに紅潮し、細く華奢な体躯だけを見ればいかにも頼りなさげに見える。
しかし、パッチリした深い緑の瞳と愛らしく膨らんだ唇には生き生きとしたものが滲み出ていた。
ロヴァエミニ王国は比較的に温暖な気候だが、冬の訪れを感じる早朝の庭はやはり寒い。
メイド服の上に、去年引退した庭師のお爺さんから貰った古いコートを着ているけれど、襟巻もしてくるべきだったと後悔する。
寒風にブルリと身を震わせつつ、エステルはキョロキョロと鳴き声の主を探し……見つけた。
庭で一番大きな檸檬の木の枝に、一匹の子猫が必死の様子でしがみ付いているのだ。
塀でも伝って、どこからか紛れ込んだのだろう。
小猫によくあることで、登ったのはいいものの降りられなくなってしまったらしい。
まだ薄暗い中でも、子猫のツンツンに立った綺麗な金色の毛皮と、怯えと憤りの混じったような紺碧の大きな瞳がはっきりと見えた。
とてつもなく可愛らしい子猫の姿に、思わずエステルは頬を緩ませたが、すぐ我に返る。
「少し待っていてね。すぐに助けてあげるから」
周囲に誰もいないのを良い事に、メイド服のスカートを片方、思い切りたくし上げてガーターベルトに挟みこむ。
そうして動きやすさを確保すると、エステルは木の枝に手をかけてスルスルと登り始めた。
この檸檬の大木は、リスラッキ伯爵家の庭にずっと昔からある。棘のない種類で、太い幹にはあちこち瘤があり、子どもでも登りやすい枝ぶりだ。
ここで伯爵令嬢として生まれ育ったエステルだが、寛容な両親は活発な一人娘が木登りで遊ぶのを許してくれたので、この木を登るなど朝飯前だ。
それに今は伯爵令嬢らしいドレスではなく庭仕事のできる動きやすいメイド服で、長い銀髪も邪魔にならないよう頭の後ろできっちりまとめている。
よし、とエステルはブルブル震えて警戒心も露わな目をしている子猫を見上げ、さっそく手頃な枝に手をかけて登り始めた。
「よーし、いい子だからじっとしていてね」
すぐに子猫の所まで登ったエステルだが、子猫は怯え切ってパニックを起こしているのか、こちらを見てブルブル震えながらも「シャアア!」と威嚇する。
まるで「お前なんかに助けられたくない」と言っているような気さえした。
しかし、どう見ても子猫が自力で降りられなさそうなのは明白である。
引っ掛かれるのを覚悟しつつ、エステルは子猫が暴れて落ちないよう細心の注意を払いながら手を伸ばす。
「ほら、怖くないわよ。お願いだから、下に降りる手助けをさせてくれるかしら?」
子猫に複雑な人の言葉が解かるとは思えないのだが、少しでも雰囲気が伝わればと、努めてゆっくりと言葉を紡ぐ。
しばらくその吸い込まれそうな綺麗な青い目を見つめながら話しかけていると、子猫が威嚇するのをやめた。
何か、気持ちが伝わったのだろうか。
まだ多少は不満そうなブスっとした表情ではあるものの、子猫は大人しくエステルに引き寄せられる。
「よしよし、いい子ね」
ふわふわした温かな毛並みの子猫を膝に抱き寄せ、まずはもう少し落ち着かせようと膝の上で撫でる。
すると子猫は、余計なことをするなとばかりにジロリとエステルを睨んだが、次第にグルグルと喉を鳴らして目を細め、膝の上でくるんと小さな身を丸める。
(き、きもちいい! かわいい!)
もう風の冷たさも、ここが木の上であるのも、本来の目的も一瞬で吹き飛ぶ可愛らしさだった。
背中を木の幹に預け、エステルはゆったりと息を吐く。
目の前にある屋敷の二階部屋は、まだどこもカーテンがしっかりと閉まっていた。
叔父や叔母、それに従妹のアンネリーはまだ眠っているのだろう。
しかし使用人達はもうとっくに働き出しており、厨房の煙突からはパンの焼ける良い匂いがただよってくる。
(この猫、一体どこからきたのかしら?)
首輪こそつけていないが、艶々の毛並みといい、どうも野良猫ではなさそうだ。
あとでお腹が空いているようなら、料理人に頼んで猫の食べ物を少し分けてもらおう。
使用人達は、今も両親の生前と同じくエステルに親切にしてくれる。
有難いと改めてしみじみ思いながら、しばしうっとりと猫を撫でていると、不意に下から若い男性の声が届いた。
「すみません、その猫なのですが……」
木の下を見れば、二十代半ばと思しき男性がこちらを見上げている。
緩いウェーブのかかった栗色の短い髪をきちんと整え、地味な色合いだが身なりの良い男性で、庶民とは思えない。
少なくとも、こんな早朝に他人の家の庭へ無断で立ち入るような人種には見えなかったが、つい猫をおいかけてきてしまったのだろうか?
「あ、この猫ちゃんの飼い主ですか?」
撫でる手を止めて尋ねると、膝の上の猫が気持ち良さそうに閉じていた目をパチリと開けた。
そしてハッと我に返ったようにブルブルと頭をふり、大きく口を開けた。
「無礼な! いきなり撫でるなど、慣れ慣れしいぞ!」
「っ⁉」
エステルは耳を疑う。
小さな可愛らしい子猫の口から発されたのは、紛れもなく人間の男性の声だったのだ。
ひんやりした空気の中、エステルは眠気を覚まそうと目をパチパチさせて辺りを見渡す。
今年で十八歳を迎えた彼女は、年齢のわりに小柄で幼い顔立ちだ。ミルク色の肌は寒さに紅潮し、細く華奢な体躯だけを見ればいかにも頼りなさげに見える。
しかし、パッチリした深い緑の瞳と愛らしく膨らんだ唇には生き生きとしたものが滲み出ていた。
ロヴァエミニ王国は比較的に温暖な気候だが、冬の訪れを感じる早朝の庭はやはり寒い。
メイド服の上に、去年引退した庭師のお爺さんから貰った古いコートを着ているけれど、襟巻もしてくるべきだったと後悔する。
寒風にブルリと身を震わせつつ、エステルはキョロキョロと鳴き声の主を探し……見つけた。
庭で一番大きな檸檬の木の枝に、一匹の子猫が必死の様子でしがみ付いているのだ。
塀でも伝って、どこからか紛れ込んだのだろう。
小猫によくあることで、登ったのはいいものの降りられなくなってしまったらしい。
まだ薄暗い中でも、子猫のツンツンに立った綺麗な金色の毛皮と、怯えと憤りの混じったような紺碧の大きな瞳がはっきりと見えた。
とてつもなく可愛らしい子猫の姿に、思わずエステルは頬を緩ませたが、すぐ我に返る。
「少し待っていてね。すぐに助けてあげるから」
周囲に誰もいないのを良い事に、メイド服のスカートを片方、思い切りたくし上げてガーターベルトに挟みこむ。
そうして動きやすさを確保すると、エステルは木の枝に手をかけてスルスルと登り始めた。
この檸檬の大木は、リスラッキ伯爵家の庭にずっと昔からある。棘のない種類で、太い幹にはあちこち瘤があり、子どもでも登りやすい枝ぶりだ。
ここで伯爵令嬢として生まれ育ったエステルだが、寛容な両親は活発な一人娘が木登りで遊ぶのを許してくれたので、この木を登るなど朝飯前だ。
それに今は伯爵令嬢らしいドレスではなく庭仕事のできる動きやすいメイド服で、長い銀髪も邪魔にならないよう頭の後ろできっちりまとめている。
よし、とエステルはブルブル震えて警戒心も露わな目をしている子猫を見上げ、さっそく手頃な枝に手をかけて登り始めた。
「よーし、いい子だからじっとしていてね」
すぐに子猫の所まで登ったエステルだが、子猫は怯え切ってパニックを起こしているのか、こちらを見てブルブル震えながらも「シャアア!」と威嚇する。
まるで「お前なんかに助けられたくない」と言っているような気さえした。
しかし、どう見ても子猫が自力で降りられなさそうなのは明白である。
引っ掛かれるのを覚悟しつつ、エステルは子猫が暴れて落ちないよう細心の注意を払いながら手を伸ばす。
「ほら、怖くないわよ。お願いだから、下に降りる手助けをさせてくれるかしら?」
子猫に複雑な人の言葉が解かるとは思えないのだが、少しでも雰囲気が伝わればと、努めてゆっくりと言葉を紡ぐ。
しばらくその吸い込まれそうな綺麗な青い目を見つめながら話しかけていると、子猫が威嚇するのをやめた。
何か、気持ちが伝わったのだろうか。
まだ多少は不満そうなブスっとした表情ではあるものの、子猫は大人しくエステルに引き寄せられる。
「よしよし、いい子ね」
ふわふわした温かな毛並みの子猫を膝に抱き寄せ、まずはもう少し落ち着かせようと膝の上で撫でる。
すると子猫は、余計なことをするなとばかりにジロリとエステルを睨んだが、次第にグルグルと喉を鳴らして目を細め、膝の上でくるんと小さな身を丸める。
(き、きもちいい! かわいい!)
もう風の冷たさも、ここが木の上であるのも、本来の目的も一瞬で吹き飛ぶ可愛らしさだった。
背中を木の幹に預け、エステルはゆったりと息を吐く。
目の前にある屋敷の二階部屋は、まだどこもカーテンがしっかりと閉まっていた。
叔父や叔母、それに従妹のアンネリーはまだ眠っているのだろう。
しかし使用人達はもうとっくに働き出しており、厨房の煙突からはパンの焼ける良い匂いがただよってくる。
(この猫、一体どこからきたのかしら?)
首輪こそつけていないが、艶々の毛並みといい、どうも野良猫ではなさそうだ。
あとでお腹が空いているようなら、料理人に頼んで猫の食べ物を少し分けてもらおう。
使用人達は、今も両親の生前と同じくエステルに親切にしてくれる。
有難いと改めてしみじみ思いながら、しばしうっとりと猫を撫でていると、不意に下から若い男性の声が届いた。
「すみません、その猫なのですが……」
木の下を見れば、二十代半ばと思しき男性がこちらを見上げている。
緩いウェーブのかかった栗色の短い髪をきちんと整え、地味な色合いだが身なりの良い男性で、庶民とは思えない。
少なくとも、こんな早朝に他人の家の庭へ無断で立ち入るような人種には見えなかったが、つい猫をおいかけてきてしまったのだろうか?
「あ、この猫ちゃんの飼い主ですか?」
撫でる手を止めて尋ねると、膝の上の猫が気持ち良さそうに閉じていた目をパチリと開けた。
そしてハッと我に返ったようにブルブルと頭をふり、大きく口を開けた。
「無礼な! いきなり撫でるなど、慣れ慣れしいぞ!」
「っ⁉」
エステルは耳を疑う。
小さな可愛らしい子猫の口から発されたのは、紛れもなく人間の男性の声だったのだ。
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