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シーズン1
3 偏食吸血鬼とキラキラ狼 3
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――仲間に不要と切り捨てられた以上、黒い森にいる意味をキルラクルシュは失った。
人間に気づかれないようラクシュと名前を変え、慣れない外の生活に戸惑いながらも旅を続けられたのは、城で暇つぶしに読んだ手記のおかげだ。
その吸血鬼も随分と変わり者だったらしい。
好奇心旺盛で世界中を旅して回った末に黒い森へ戻り、人間や他の魔物と仲良く暮らしたいと仲間に勧めた結果、仲間から忌避されて追い出されるも同然に森を捨てたようだ。
とにかく、その手記の内容を残らず覚えていたから不慣れな旅もなんとか続けられ、魔物の奴隷を売る場所も見つけたけれど、売られていた魔物に吸血鬼はいなかった。
少しなら売り物に触ってもいいと言われたから、一人づつ血の滲んでいる傷を探して舐めてみたら、もれなく気味悪がられた。
不安だったが吐き気はせず、どうやらラクシュが食べるのは他の魔物の血でも良かったらしいと判明した。
そして必死に目を逸らしていた魔物奴隷の中で、警戒しつつもラクシュをちゃんと見てくれた人狼少年を買うことにした。
奴隷商は、人狼少年をアーウェンという名前だと言い、凶暴で逃げ足が速いから絶対に首枷と鎖を外すなという忠告と一緒に売り渡した。
逃げられたら困るけれど、彼はとても弱っているようだから不自由そうな枷は外してあげたかったし、ラクシュなら簡単に捕まえられる。
逃げたら捕まえればいいかと枷を外したら、意外にも彼は逃げなかった。
一瞬、逃げるか迷うように視線を彷徨わせていたけれど、ラクシュが手招きして呼んだら素直に来てくれた時、とても嬉しくなった。
――アーウェン。きみが、すきだよ。やさしくする。大事にする。だって、私の大事な、ごはんだから。
もっと、彼に自分を好きになって欲しい。
彼がラクシュをとても好きになって喜んで血を飲ませてくれるように、一生懸命優しくしようと思った。
***
「――それで、俺を買ったんですか」
覆いかぶさったままのアーウェンに尋ねられ、ラクシュは頷いた。
「ん……」
長い話だったから口にできたのはほんの一部だったが、アーウェンは賢い。だいたい察してくれたようだ。
でも真相を知れば、もう自分にとって不要になったラクシュのご飯にはなりたくないと思うだろうに、アーウェンはちっとも離れようとしない。
「ラクシュさん、だったらどうして今まで、俺の血を一度も飲まなかったんですか?」
頬を掴む手が移動し、雪色になったラクシュの髪に、優しくかき入れられる。
手首の戒めも外されたけれど、しっかりのしかかっている重たい身体を、弱りきったラクシュは退かせない。
「ラクシュさんが欲しいなら、俺の血をいくらでも飲んでください」
「……?」
信じられない言葉にラクシュは耳を疑った。
アーウェンは、何故だか凄く嬉しそうな笑顔になっていく。
彼の周りにまた眩しいキラキラが見え始めたので、至近距離のまばゆい光に目が眩む前に、あわてて首を振った。
「いらない……」
「どうして? ずっと痩せ続けてたのは、そのせいなんでしょう? もう、死にそうな顔をしてますよ。すぐに飲んでください」
アーウェンが片手で器用に自分のシャツボタンを外す。首筋に血脈が浮いて見えた。
無意識にゴクリと喉が鳴り、飢えを我慢し続けた頭の中が真っ白になりかける。
でも、無我夢中で噛みつこうと口を開いた瞬間、ゾワリと言い尽くせない恐怖がこみ上げて飢えを凌駕した。
「――っ!! いらない!!!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。アーウェンが目を見開き、ボタンを外す手が止まる。
「いらない、いらない! アーウェン……きみの血は、いらない……っ!」
嬉しいのと嫌なのと、反対の感情が同時にこみ上げてきて、泣きじゃくりながら訴えた。
「ずっと、我慢した! きみに…………のは、嫌だから!」
アーウェンとこの家に落ち着いて暮らし始めた時、もう彼は随分とラクシュを好きになってくれたようだった。
ラクシュの為に美味しいご飯を作り、笑顔を見せてくれる彼の周りにはなんだかキラキラした綺麗な光まで見えるようになった。
でも、血を吸わせてと言おうとしたのに、もしそれで少しでも嫌がられたら、その綺麗なキラキラまで消えてしまうような気がして急に怖くなった。
まだそんなに空腹は辛くないと、自分を宥めた。
それから一年が経ち、アーウェンは人狼特有の急成長を遂げて立派な青年姿になっていた。
もうラクシュよりも背が高く、すっかり逞しい姿だ。
こんなに元気なら、少しくらい血を飲ませてと言っても大丈夫では? そう考えた。
随分と血飢えも辛くなってきたし、頼みがあると言ったらアーウェンはすごく嬉しそうな笑顔になって、何でも聞くと言ってくれた。
それなのに、ラクシュを見ていっそう煌めくようになった彼の笑顔とキラキラを前にしたら、また怖くて言い出せなくなった。
もう一年が過ぎた。
原因が血飢えと知らず、やつれていくラクシュをアーウェンはしょっちゅう心配するようになった。
だから、本当のことを言って血をもらおう……と思ったけれど、またあのキラキラを見たら、やっぱりそれが亡くなりそうで怖くて言い出せなくなった。
結局、アーウェンには弱ってきた自分の代わりに魔道具の材料集めを頼むことにした。
これはいつか、彼が一人で生きていく為にもなる知識だから。
また一年が過ぎた。
今度こそはと決心し、もしアーウェンが嫌だったら遠慮なく断れるようにと、購入証明書を焼いて見せ、それから改めて言い出そうとしたけれど、今度も言い出せなかった。
黙って工房に篭ってしまったラクシュに、アーウェンはチョコケーキを作り、持ってきてくれたから、それを食べた。
すごく美味しかった。でも、やっぱり、満たされない……。
――アーウェン、きみのキラキラは大好きだけど、私の眼には、眩しすぎるよ。
眩しすぎて目が眩み、あさましく暗い要求を、言い出せなくなる。
気づけば時は流れ、ふと、アーウェンがラクシュを『いらなくなった』のにきづいた。
アーウェンは養って貰わなくても困らないほど成長し、反対にラクシュはすっかり弱って、彼を守るという約束も果たせなくなった。
だからもう、ごはんになってと言えなくなってしまった。
でも……本当は解っている。ここまで弱り切る前に血を要求できなかっったのは……。
「……っ……きみは、もう、わたしを、いらない……だから、きみから、もらえな……っ!?」
いきなり、アーウェンが自分の指を思い切り噛んで、ラクシュの口の中に突っ込んだ。
「ん、ん……あ、ふ……」
脳髄が痺れそうなほど、甘く美味しい血の味がする。ダメだと思うのに、口の中に入れられた指に、夢中で舌を這わせてしまう。
ラクシュの口内を指で舐りながら、アーウェンが囁く。
「ラクシュさん、俺を食ってください。俺はラクシュさんに、他のヤツなんか食わせたくないんだから、ちょうどいいじゃないですか」
そう言ったアーウェンは、ラクシュが魔法なんかかけていないのに、頬を蒸気させて目に情欲を浮かばせていた。
ようやく指を引き抜かれ、ラクシュは痩せた胸を喘がせながら、恐る恐る尋ねてみた。
「アーウェン……発情、してる?」
「~っ! し、してますよ!!」
顔を真っ赤にしたアーウェンが、きまり悪そうに怒鳴る。
「だめ、だよ……アーウェン、もっといい匂いになってきた……欲しくなる……」
困惑して、なんとか抜け出そうとしたら、唇を同じもので塞がれた。
「ん、んんん……」
もがいた拍子に、久しぶりに伸びた牙がアーウェンの唇を傷つけて、血が流れこむ。
「う……ん、ん、ふ……」
さっき突っ込まれた指の血より、もっともっと美味しくて、抗えなくなる。
頭の中が真っ白になって、無我夢中でアーウェンの口を離す。両手で逞しい首をひきよせ、浮かぶ血管をめがけて牙をつきたてた。
「っ!」
短く息を飲む声も、殆ど聞えない。
耳の奥がジンジンする。身体中が火照り、脚の付け根の奥が疼いてたまらない。
「っは!」
我に返り、真っ赤に染まった口を離すと、アーウェンが荒い息を吐いていた。
「あ、あ……あ……」
頭痛も気だるさも抜け、身体中にまた力がみなぎっているのに、全身の震えが止まらない。ガチガチと歯が鳴り、舌がもつれる。
「ごめ……ごめん……ごめんね…………おねが……い……」
吸血鬼の吸った傷は、痕は残ってもすぐに血が止まる。
アーウェンの首筋に二つ開いた小さな穴から、赤い雫が一滴だけポツンと滴り、ラクシュの頬に落ちた。
「ラクシュさん……?」
少し青ざめているアーウェンに、夢中ですがりついて叫んだ。
「お、おねがい……わたしを、い、いらなく、なっても、いいんだ……でも、でも……!! きらい、に、ならない、で!!!」
アーウェンが一人立ちできるようになったのは、とても嬉しい。
その結果、彼が自分を不要になるのだとしても。
だけど、自分でも気づかないうちにラクシュはアーウェンが大好きになり過ぎて、彼に嫌われるのだけは怖くて耐えられなくなっていた。
黒い森の吸血鬼達が、表面は笑顔で内心では嫌悪しながら血をくれていたように、アーウェンも心の中でラクシュを嫌うようになるのではと怖くてたまらない。
彼に嫌われるくらいなら、何も知られる前に黙って消え去りたかった。
「きみの血、欲しがって……、噛み付いて……痛いと叫ばれて、嫌われるより……私は、飢えて死ぬ……そのほうが、ずっとよかった……」
怖くてたまらず、目を瞑って震えていたら、そっと頭を撫でられた。
「俺はもう、ラクシュさん無しじゃ生きていけません。俺を買って、こんなに好きにさせちゃったんだから、ちゃんと最後まで責任とってくださいよ」
「アーウェン……?」
大好きな声で紡がれた言葉に、驚いて顔をあげたら、アーウェンがもの凄く嬉しそうに笑っていた。
キラキラがいつもよりもっと眩しくて、たまらずに目を閉じたら、唇に軟らかいキスをされた。
「ん……ん……」
頭がぼうっとなったけれど、さっき思い切り血を吸ったせいか、もう飲みたくはならなかった。
その代わりに、身体中の火照りがいっそう強くなり、辛くてたまらない。
「アーウェン……欲しい……」
唇を離し、たまらずにハァハァと息を荒げて強請った。
「もっと、飲みたいんですか?」
噛み痕を指差され、ラクシュは首を横に振る。
「違う……こっち……」
食卓に押し倒されたまま、アーウェンの熱くなっている部分を、太腿で軽く擦った。
「ら、ラクシュさん……」
アーウェンが呻き、ラクシュは身体を下にずらして、そこへ自分の疼いてたまらない箇所を擦りつける。
黒い貫頭衣のローブはすっかりまくれ上がり、濡れた下着がアーウェンのズボンに擦れて、中から濡れた卑猥な音がする。
「あっ、あ、あっ、欲し……ちょうだい……っ!」
腰を揺らめかせるたび、こすれ合う部分から中途半端な快楽が駆け抜けて、目の奥で火花が散る。とろとろに蜜を零す秘所へ、しっかり埋め込むものが欲しくて、気が狂いそうだ。
「っ……俺も、ものすごく我慢してたんですから……っ!」
下着を引きちぎられた。そこに指を這わされ、ラクシュは悲鳴をあげる。
「んあああっ!」
位置を確かめるように弄られ、体内に節くれだった指が入ってきた。内部で蠢くたびに、ラクシュの身体がビクビクを引きつる。
「ラクシュさん……可愛い……」
気持ちよくなっているのはラクシュだけのはずなのに、アーウェンが恍惚に蕩けた顔をしている。
「あ、あ……アーウェン、きもちいい……でも……」
早く埋め込んで欲しくてたまらず、両手でアーウェンの顔を引き寄せて、顔中に口づけながら一生懸命に強請った。
「すき、アーウェン、すき……ほしい、アーウェンが、ほしい……」
「はぁ……ラクシュさん、俺も欲しい……」
衣服の擦れるような音がしたと思ったら、いきなり脚を大きく開かされ、夢中でくねらせていた腰を、がっちり掴まれた。
「ああああああ!!!!」
熱い杭に串刺しにされ、ラクシュは背を仰け反らせて嬌声をあげる。アーウェンが荒い息を繰りかえし、すぐに揺さ振られる。
「あ、ああっ!」
「ごめん、止まんな……」
奥の窄まりを突かれ、目の前が白く光った。
「―――っ!!!!」
身体の外も中も、激しく痙攣する。
「あ、だめ、あ、ああ、あ……」
痙攣が治まらないうちに、また激しく内壁を擦られて、昇り詰めた。
涙で歪む視界の中、アーウェンが歯を喰いしばって、苦しそうな顔をしているのが見える。
「は……んん……アーウェ……きもちよく、なって……」
足を彼の腰に絡めてきゅっと締めると、アーウェンはいっそう苦しそうな顔で呻いた。
「あ、ラクシュさ……ん、そんなに、したら……」
腰を掴まれ、一番奥まで深く突きこまれた。アーウェンの白目部分が、狼特有の虹彩へと変わっていく。
「く、ああ……俺、ラクシュさんを……壊しそうで、怖い……」
凶暴な光りを目に帯びたアーウェンが、喉奥で唸り声をあげた。
「だいじょう……ぶ……わたし……キルラクルシュ……」
不死身と言われた、とても頑丈な吸血鬼だ。
「んっ」
唇を塞がれ、今度はアーウェンが食べるように、長めの舌で口内を貪られる。
「ラクシュさん、の方が良い……俺のラクシュさん……」
アーウェンに恍惚の声で囁かれ、ラクシュの背骨をゾクリと何かが駆けた。さっきから激しく動悸している心臓が、いっそう早く脈打つ。
「ん……」
頷くと、嬉しそうなアーウェンのキラキラがまた増えて、自分にも移るような気がした。
眩しすぎて目を瞑り、もっと移ってくれれば良いのにと、その身体を抱きしめた。
***
「ん……」
目が覚めると、ラクシュは一人でベッドに寝ていた。
ちゃんと寝巻きを着ているし、アーウェンが台所で料理をしているらしい音がする。
あれは夢だったのかなぁと、ベッドに座り込んだまま、しばらくぼんやりした頭で考える。
しかし、あれほど重かった身体は、嘘のように軽い。
壁の時計は昼前を指していて、そっとカーテンの隙間から外を覗くと、空はうす曇だった。
スリッパを履き、寝巻きのまま台所に行った。
「あ、ラクシュさん、おはようございます」
アーウェンはやっぱり台所にいて、いつものようにキラキラ笑顔を向けられる。その首筋には、しっかりと二つの牙痕が残っており、ラクシュは目を見開いた。
「アーウェ……」
「すいません。ちょっと寝坊しちゃって、朝ごはんがまだ出来てないんです」
「あ、あの……でも……」
うろたえていると、大きな手が伸びて、ラクシュの雪色の前髪をかきあげた。
「良かった……ラクシュさん、すごく顔色が良くなってますよ」
「アーウェン……きみ……変……」
「え!?」
キルラクルシュに血を吸われた吸血鬼たちは、最低でも3日。長くて一週間は寝込んでいた。
それをなんとか伝えると、人狼青年は頭をかいて笑う。
「ああ、人狼はすごく体力があるから、それで大丈夫なんじゃないですか?」
「……ん」
ラクシュはどうしようか迷ったが、結局は頷いた。
確かに吸血鬼は弱点も多いし、体力も魔物の中で最もひ弱といっても良い。そのせいか、非常に臆病で神経質な者が多いのだ。
「…………アーウェン……」
エプロンの裾を掴んで、呟いた。
「なんですか?」
見上げると、向けられた笑みは、やっぱりキラキラ眩しくて、大好きなのに直視するのはちょっと辛い。
抱きついて、長身の胸元に顔を埋めると、アーウェンがビクリと震えた。
「ん?」
少し顔を上げると、アーウェンの顔は真っ赤になっていて、口元がわなわなしている。
「だめ?」
「ら、ラクシュさん……ああ、もうっ!!」
悲鳴のように叫ばれ、唇を貪られる。
―― ようやくアーウェンが我に返った時には、朝ごはん用に焼いていたマッシュルームとトマトが、黒焦げになっていた。
人間に気づかれないようラクシュと名前を変え、慣れない外の生活に戸惑いながらも旅を続けられたのは、城で暇つぶしに読んだ手記のおかげだ。
その吸血鬼も随分と変わり者だったらしい。
好奇心旺盛で世界中を旅して回った末に黒い森へ戻り、人間や他の魔物と仲良く暮らしたいと仲間に勧めた結果、仲間から忌避されて追い出されるも同然に森を捨てたようだ。
とにかく、その手記の内容を残らず覚えていたから不慣れな旅もなんとか続けられ、魔物の奴隷を売る場所も見つけたけれど、売られていた魔物に吸血鬼はいなかった。
少しなら売り物に触ってもいいと言われたから、一人づつ血の滲んでいる傷を探して舐めてみたら、もれなく気味悪がられた。
不安だったが吐き気はせず、どうやらラクシュが食べるのは他の魔物の血でも良かったらしいと判明した。
そして必死に目を逸らしていた魔物奴隷の中で、警戒しつつもラクシュをちゃんと見てくれた人狼少年を買うことにした。
奴隷商は、人狼少年をアーウェンという名前だと言い、凶暴で逃げ足が速いから絶対に首枷と鎖を外すなという忠告と一緒に売り渡した。
逃げられたら困るけれど、彼はとても弱っているようだから不自由そうな枷は外してあげたかったし、ラクシュなら簡単に捕まえられる。
逃げたら捕まえればいいかと枷を外したら、意外にも彼は逃げなかった。
一瞬、逃げるか迷うように視線を彷徨わせていたけれど、ラクシュが手招きして呼んだら素直に来てくれた時、とても嬉しくなった。
――アーウェン。きみが、すきだよ。やさしくする。大事にする。だって、私の大事な、ごはんだから。
もっと、彼に自分を好きになって欲しい。
彼がラクシュをとても好きになって喜んで血を飲ませてくれるように、一生懸命優しくしようと思った。
***
「――それで、俺を買ったんですか」
覆いかぶさったままのアーウェンに尋ねられ、ラクシュは頷いた。
「ん……」
長い話だったから口にできたのはほんの一部だったが、アーウェンは賢い。だいたい察してくれたようだ。
でも真相を知れば、もう自分にとって不要になったラクシュのご飯にはなりたくないと思うだろうに、アーウェンはちっとも離れようとしない。
「ラクシュさん、だったらどうして今まで、俺の血を一度も飲まなかったんですか?」
頬を掴む手が移動し、雪色になったラクシュの髪に、優しくかき入れられる。
手首の戒めも外されたけれど、しっかりのしかかっている重たい身体を、弱りきったラクシュは退かせない。
「ラクシュさんが欲しいなら、俺の血をいくらでも飲んでください」
「……?」
信じられない言葉にラクシュは耳を疑った。
アーウェンは、何故だか凄く嬉しそうな笑顔になっていく。
彼の周りにまた眩しいキラキラが見え始めたので、至近距離のまばゆい光に目が眩む前に、あわてて首を振った。
「いらない……」
「どうして? ずっと痩せ続けてたのは、そのせいなんでしょう? もう、死にそうな顔をしてますよ。すぐに飲んでください」
アーウェンが片手で器用に自分のシャツボタンを外す。首筋に血脈が浮いて見えた。
無意識にゴクリと喉が鳴り、飢えを我慢し続けた頭の中が真っ白になりかける。
でも、無我夢中で噛みつこうと口を開いた瞬間、ゾワリと言い尽くせない恐怖がこみ上げて飢えを凌駕した。
「――っ!! いらない!!!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。アーウェンが目を見開き、ボタンを外す手が止まる。
「いらない、いらない! アーウェン……きみの血は、いらない……っ!」
嬉しいのと嫌なのと、反対の感情が同時にこみ上げてきて、泣きじゃくりながら訴えた。
「ずっと、我慢した! きみに…………のは、嫌だから!」
アーウェンとこの家に落ち着いて暮らし始めた時、もう彼は随分とラクシュを好きになってくれたようだった。
ラクシュの為に美味しいご飯を作り、笑顔を見せてくれる彼の周りにはなんだかキラキラした綺麗な光まで見えるようになった。
でも、血を吸わせてと言おうとしたのに、もしそれで少しでも嫌がられたら、その綺麗なキラキラまで消えてしまうような気がして急に怖くなった。
まだそんなに空腹は辛くないと、自分を宥めた。
それから一年が経ち、アーウェンは人狼特有の急成長を遂げて立派な青年姿になっていた。
もうラクシュよりも背が高く、すっかり逞しい姿だ。
こんなに元気なら、少しくらい血を飲ませてと言っても大丈夫では? そう考えた。
随分と血飢えも辛くなってきたし、頼みがあると言ったらアーウェンはすごく嬉しそうな笑顔になって、何でも聞くと言ってくれた。
それなのに、ラクシュを見ていっそう煌めくようになった彼の笑顔とキラキラを前にしたら、また怖くて言い出せなくなった。
もう一年が過ぎた。
原因が血飢えと知らず、やつれていくラクシュをアーウェンはしょっちゅう心配するようになった。
だから、本当のことを言って血をもらおう……と思ったけれど、またあのキラキラを見たら、やっぱりそれが亡くなりそうで怖くて言い出せなくなった。
結局、アーウェンには弱ってきた自分の代わりに魔道具の材料集めを頼むことにした。
これはいつか、彼が一人で生きていく為にもなる知識だから。
また一年が過ぎた。
今度こそはと決心し、もしアーウェンが嫌だったら遠慮なく断れるようにと、購入証明書を焼いて見せ、それから改めて言い出そうとしたけれど、今度も言い出せなかった。
黙って工房に篭ってしまったラクシュに、アーウェンはチョコケーキを作り、持ってきてくれたから、それを食べた。
すごく美味しかった。でも、やっぱり、満たされない……。
――アーウェン、きみのキラキラは大好きだけど、私の眼には、眩しすぎるよ。
眩しすぎて目が眩み、あさましく暗い要求を、言い出せなくなる。
気づけば時は流れ、ふと、アーウェンがラクシュを『いらなくなった』のにきづいた。
アーウェンは養って貰わなくても困らないほど成長し、反対にラクシュはすっかり弱って、彼を守るという約束も果たせなくなった。
だからもう、ごはんになってと言えなくなってしまった。
でも……本当は解っている。ここまで弱り切る前に血を要求できなかっったのは……。
「……っ……きみは、もう、わたしを、いらない……だから、きみから、もらえな……っ!?」
いきなり、アーウェンが自分の指を思い切り噛んで、ラクシュの口の中に突っ込んだ。
「ん、ん……あ、ふ……」
脳髄が痺れそうなほど、甘く美味しい血の味がする。ダメだと思うのに、口の中に入れられた指に、夢中で舌を這わせてしまう。
ラクシュの口内を指で舐りながら、アーウェンが囁く。
「ラクシュさん、俺を食ってください。俺はラクシュさんに、他のヤツなんか食わせたくないんだから、ちょうどいいじゃないですか」
そう言ったアーウェンは、ラクシュが魔法なんかかけていないのに、頬を蒸気させて目に情欲を浮かばせていた。
ようやく指を引き抜かれ、ラクシュは痩せた胸を喘がせながら、恐る恐る尋ねてみた。
「アーウェン……発情、してる?」
「~っ! し、してますよ!!」
顔を真っ赤にしたアーウェンが、きまり悪そうに怒鳴る。
「だめ、だよ……アーウェン、もっといい匂いになってきた……欲しくなる……」
困惑して、なんとか抜け出そうとしたら、唇を同じもので塞がれた。
「ん、んんん……」
もがいた拍子に、久しぶりに伸びた牙がアーウェンの唇を傷つけて、血が流れこむ。
「う……ん、ん、ふ……」
さっき突っ込まれた指の血より、もっともっと美味しくて、抗えなくなる。
頭の中が真っ白になって、無我夢中でアーウェンの口を離す。両手で逞しい首をひきよせ、浮かぶ血管をめがけて牙をつきたてた。
「っ!」
短く息を飲む声も、殆ど聞えない。
耳の奥がジンジンする。身体中が火照り、脚の付け根の奥が疼いてたまらない。
「っは!」
我に返り、真っ赤に染まった口を離すと、アーウェンが荒い息を吐いていた。
「あ、あ……あ……」
頭痛も気だるさも抜け、身体中にまた力がみなぎっているのに、全身の震えが止まらない。ガチガチと歯が鳴り、舌がもつれる。
「ごめ……ごめん……ごめんね…………おねが……い……」
吸血鬼の吸った傷は、痕は残ってもすぐに血が止まる。
アーウェンの首筋に二つ開いた小さな穴から、赤い雫が一滴だけポツンと滴り、ラクシュの頬に落ちた。
「ラクシュさん……?」
少し青ざめているアーウェンに、夢中ですがりついて叫んだ。
「お、おねがい……わたしを、い、いらなく、なっても、いいんだ……でも、でも……!! きらい、に、ならない、で!!!」
アーウェンが一人立ちできるようになったのは、とても嬉しい。
その結果、彼が自分を不要になるのだとしても。
だけど、自分でも気づかないうちにラクシュはアーウェンが大好きになり過ぎて、彼に嫌われるのだけは怖くて耐えられなくなっていた。
黒い森の吸血鬼達が、表面は笑顔で内心では嫌悪しながら血をくれていたように、アーウェンも心の中でラクシュを嫌うようになるのではと怖くてたまらない。
彼に嫌われるくらいなら、何も知られる前に黙って消え去りたかった。
「きみの血、欲しがって……、噛み付いて……痛いと叫ばれて、嫌われるより……私は、飢えて死ぬ……そのほうが、ずっとよかった……」
怖くてたまらず、目を瞑って震えていたら、そっと頭を撫でられた。
「俺はもう、ラクシュさん無しじゃ生きていけません。俺を買って、こんなに好きにさせちゃったんだから、ちゃんと最後まで責任とってくださいよ」
「アーウェン……?」
大好きな声で紡がれた言葉に、驚いて顔をあげたら、アーウェンがもの凄く嬉しそうに笑っていた。
キラキラがいつもよりもっと眩しくて、たまらずに目を閉じたら、唇に軟らかいキスをされた。
「ん……ん……」
頭がぼうっとなったけれど、さっき思い切り血を吸ったせいか、もう飲みたくはならなかった。
その代わりに、身体中の火照りがいっそう強くなり、辛くてたまらない。
「アーウェン……欲しい……」
唇を離し、たまらずにハァハァと息を荒げて強請った。
「もっと、飲みたいんですか?」
噛み痕を指差され、ラクシュは首を横に振る。
「違う……こっち……」
食卓に押し倒されたまま、アーウェンの熱くなっている部分を、太腿で軽く擦った。
「ら、ラクシュさん……」
アーウェンが呻き、ラクシュは身体を下にずらして、そこへ自分の疼いてたまらない箇所を擦りつける。
黒い貫頭衣のローブはすっかりまくれ上がり、濡れた下着がアーウェンのズボンに擦れて、中から濡れた卑猥な音がする。
「あっ、あ、あっ、欲し……ちょうだい……っ!」
腰を揺らめかせるたび、こすれ合う部分から中途半端な快楽が駆け抜けて、目の奥で火花が散る。とろとろに蜜を零す秘所へ、しっかり埋め込むものが欲しくて、気が狂いそうだ。
「っ……俺も、ものすごく我慢してたんですから……っ!」
下着を引きちぎられた。そこに指を這わされ、ラクシュは悲鳴をあげる。
「んあああっ!」
位置を確かめるように弄られ、体内に節くれだった指が入ってきた。内部で蠢くたびに、ラクシュの身体がビクビクを引きつる。
「ラクシュさん……可愛い……」
気持ちよくなっているのはラクシュだけのはずなのに、アーウェンが恍惚に蕩けた顔をしている。
「あ、あ……アーウェン、きもちいい……でも……」
早く埋め込んで欲しくてたまらず、両手でアーウェンの顔を引き寄せて、顔中に口づけながら一生懸命に強請った。
「すき、アーウェン、すき……ほしい、アーウェンが、ほしい……」
「はぁ……ラクシュさん、俺も欲しい……」
衣服の擦れるような音がしたと思ったら、いきなり脚を大きく開かされ、夢中でくねらせていた腰を、がっちり掴まれた。
「ああああああ!!!!」
熱い杭に串刺しにされ、ラクシュは背を仰け反らせて嬌声をあげる。アーウェンが荒い息を繰りかえし、すぐに揺さ振られる。
「あ、ああっ!」
「ごめん、止まんな……」
奥の窄まりを突かれ、目の前が白く光った。
「―――っ!!!!」
身体の外も中も、激しく痙攣する。
「あ、だめ、あ、ああ、あ……」
痙攣が治まらないうちに、また激しく内壁を擦られて、昇り詰めた。
涙で歪む視界の中、アーウェンが歯を喰いしばって、苦しそうな顔をしているのが見える。
「は……んん……アーウェ……きもちよく、なって……」
足を彼の腰に絡めてきゅっと締めると、アーウェンはいっそう苦しそうな顔で呻いた。
「あ、ラクシュさ……ん、そんなに、したら……」
腰を掴まれ、一番奥まで深く突きこまれた。アーウェンの白目部分が、狼特有の虹彩へと変わっていく。
「く、ああ……俺、ラクシュさんを……壊しそうで、怖い……」
凶暴な光りを目に帯びたアーウェンが、喉奥で唸り声をあげた。
「だいじょう……ぶ……わたし……キルラクルシュ……」
不死身と言われた、とても頑丈な吸血鬼だ。
「んっ」
唇を塞がれ、今度はアーウェンが食べるように、長めの舌で口内を貪られる。
「ラクシュさん、の方が良い……俺のラクシュさん……」
アーウェンに恍惚の声で囁かれ、ラクシュの背骨をゾクリと何かが駆けた。さっきから激しく動悸している心臓が、いっそう早く脈打つ。
「ん……」
頷くと、嬉しそうなアーウェンのキラキラがまた増えて、自分にも移るような気がした。
眩しすぎて目を瞑り、もっと移ってくれれば良いのにと、その身体を抱きしめた。
***
「ん……」
目が覚めると、ラクシュは一人でベッドに寝ていた。
ちゃんと寝巻きを着ているし、アーウェンが台所で料理をしているらしい音がする。
あれは夢だったのかなぁと、ベッドに座り込んだまま、しばらくぼんやりした頭で考える。
しかし、あれほど重かった身体は、嘘のように軽い。
壁の時計は昼前を指していて、そっとカーテンの隙間から外を覗くと、空はうす曇だった。
スリッパを履き、寝巻きのまま台所に行った。
「あ、ラクシュさん、おはようございます」
アーウェンはやっぱり台所にいて、いつものようにキラキラ笑顔を向けられる。その首筋には、しっかりと二つの牙痕が残っており、ラクシュは目を見開いた。
「アーウェ……」
「すいません。ちょっと寝坊しちゃって、朝ごはんがまだ出来てないんです」
「あ、あの……でも……」
うろたえていると、大きな手が伸びて、ラクシュの雪色の前髪をかきあげた。
「良かった……ラクシュさん、すごく顔色が良くなってますよ」
「アーウェン……きみ……変……」
「え!?」
キルラクルシュに血を吸われた吸血鬼たちは、最低でも3日。長くて一週間は寝込んでいた。
それをなんとか伝えると、人狼青年は頭をかいて笑う。
「ああ、人狼はすごく体力があるから、それで大丈夫なんじゃないですか?」
「……ん」
ラクシュはどうしようか迷ったが、結局は頷いた。
確かに吸血鬼は弱点も多いし、体力も魔物の中で最もひ弱といっても良い。そのせいか、非常に臆病で神経質な者が多いのだ。
「…………アーウェン……」
エプロンの裾を掴んで、呟いた。
「なんですか?」
見上げると、向けられた笑みは、やっぱりキラキラ眩しくて、大好きなのに直視するのはちょっと辛い。
抱きついて、長身の胸元に顔を埋めると、アーウェンがビクリと震えた。
「ん?」
少し顔を上げると、アーウェンの顔は真っ赤になっていて、口元がわなわなしている。
「だめ?」
「ら、ラクシュさん……ああ、もうっ!!」
悲鳴のように叫ばれ、唇を貪られる。
―― ようやくアーウェンが我に返った時には、朝ごはん用に焼いていたマッシュルームとトマトが、黒焦げになっていた。
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