27 / 28
番外編
このキラキラの為に生きている
しおりを挟む
ラクシュはここしばらくの間、とても忙しかった。
商売熱心なクロッカスから、祭りの日に見せたゴーグルに、鉱石ビーズを足して改良を試して欲しいと頼まれたのだ。
その結果に出来たのが、暗闇の中でも昼のように見える暗視ゴーグル。
これがなんと大人気となり、最初に造った百個は即日完売。その後も、欲しがる客が鈴猫屋に殺到しているそうだ。
地下遺跡の探索には、携帯灯の魔道具が欠かせないが、灯りは蟲や合成獣たちに、こちらの位置を知らせてしまう危険も孕んでいる。このゴーグルなら、敵に位置を知らせることなく、自分ははっきりと周囲が見えるのだ。
他の魔道具屋でも、すぐに類似品が売られ始めたようだが、他の細工師ではレンズが歪んでしまい、あまりよく見えないらしい。
――結果。
客たちに懇願されたクロッカスから、大急ぎの追加注文が入り、ラクシュはこの二週間というもの、工房にずっと篭りきりでゴーグルの製作に取り掛かっていた。
貧弱な魔物とされている吸血鬼だが、火や風に植物などを操る魔法の力は、飛びぬけて優れている。ラクシュは特にその力も強く、手の平に鉱石を乗せて念じるだけで、超高温の炎で綺麗に溶かすことができた。
だが、レンズの作成だけでなく、取り付けや外部の鉱石ビーズにも手間暇がかかる。
殆ど眠りもしないで作業に勤しむラクシュを見かね、アーウェンは手伝いたいと言ってくれたけれど、彼に魔道具造りの能力は、残念ながら相変わらずゼロだった。
なので、気持ちは大変に嬉しかったが、やはり一人でせっせと頑張ることにした。
(九十……百、できた)
木箱に揃えたゴーグルを数えてラクシュは頷く。
時計を見ると、クロッカスがもうそろそろ品物を取りに来る頃だった。なんとかギリギリ間に合った。
いつもなら作った魔道具は、街に買出しも兼ねて店へ届けに行くのだが、今回は急ぎのためにクロッカスが取りに来る。
木箱を片手で抱えて部屋の扉を開けると、気配で解っていたが、やはりアーウェンがすぐ傍にいた。どうやらノックをするか迷っていたらしい。
「っ……え、と……品物、出来たんですか」
妙にうろたえた様子のアーウェンが、しどろもどろに言いながら視線を逸らす。
「ん」
ラクシュが木箱を見せると、ヒョイと取り上げられた。
「けっこう重いじゃないですか! これは俺が運んでおきます。 もうすぐクロッカスさんも来ますし……あ、チョコケーキを作りましたから! 居間で待っていてくださいね」
木箱を肩に担いだアーウェンは、振り向きもしないで早口に言うと、そそくさと玄関に向ってしまった。
「ん?」
取り残されたラクシュは、首をかしげた。
ここ最近は、アーウェンとも食事時くらいしか顔をあわせず、彼はラクシュが倒れてしまうのではないかと、本気で心配していたようだ。
二週間前にちゃんと血を飲ませて貰ったのだし、昔は不眠不休で一ヶ月も戦い続けたこともあるのだから平気だと言ったが、どうも納得できないようだった。
それでも、これで造り終わったのだから、安心して喜んでくれると思った。
アーウェンの周囲には、あの綺麗なキラキラがたくさん見えると思ったのに……。
足早に立ち去ったアーウェンは、どこか悲しそうで、キラキラも薄れたままだ。
(アーウェン……嬉しくない?)
アーウェンが贈ってくれた室内スリッパの足元を眺めながら、スルスルと静かに歩いて居間に向う。
(……チョコケーキ、チョコケーキ……だいすき、アーウェン、の、チョコケーキ……)
いつもなら心の浮き立つ素敵な言葉も、今日はやけに胃もたれするような感じがした。
***
「――急がせて悪かったな。コイツを欲しがる客たちが、店に無いなら細工師を紹介しろって、暴動を起こしそうなんだ」
木箱を馬車に積み込んだクロッカスは、嬉しいような困ったような顔をして見せる。そして夜道を、せわしなく街まで戻っていった。
アーウェンはラクシュと共に、走り去る馬車のシルエットを見送ってから玄関の中に入り、扉が閉まると同時に歯を喰いしばった。
―― く、ああああっ!!! ラクシュさんとイチャイチャしたい!! ラクシュさんにピッタリくっつきたいっっ!! ラクシュさんラクシュさんラクシュさあああああああん!!!!!!
……と、内心の雄たけびを漏らすわけにはいかない。
「お疲れさまです、ラクシュさん」
アーウェンは内なる野獣を慎重に押し殺しつつ、なるべく平静を装い、笑って見せた。
とても惜しいが、ラクシュからさりげなく離れる。
「ん」
ラクシュは満足そうに頷き、身体をほぐすように大きく伸びをする。
逸らした喉や、きゅっと目元を瞑る表情に、思わず喉が鳴りそうになってしまい、アーウェンは慌てて目を逸らした。
「お、お風呂……沸いてますから」
ラクシュをなるべく見ないようにして声をかけ、素早く居間に戻った。茶器を片付けていると、浴室から微かに水音が聞こえてくる。
(……っ!!!! だ、だめだめだめ!! 我慢しろ!! ラクシュさんは、大仕事をやっと終えたばっかりなんだから!!!)
ティーカップを握りつぶさないように苦労しながら、アーウェンはプルプルと全身を震わせる。
本音では、今すぐ浴室に飛んでいき、ラクシュを押し倒したくてたまらない。
この二週間、指一本触っていないのだ。
ラクシュが非常に忙しいのは解っていたから、アーウェンもなるべく邪魔をしないように勤めていた。
幸いにも、畑の手入れや家の修繕に保存食作りなど、やることには事欠かず、ラクシュが工房で黙々と作業をしている間に、アーウェンも忙しく動き回った。
おかげで野菜畑には雑草一本なく、家はどこもピカピカ。食料棚には瓶詰めの果物や乾物がぎっしりだ。
しかし、その代償として、アーウェンのラクシュ補給欲求度は、限界まで高まっていた。
ようやく作業が一段落したのだから、ラクシュにゆっくり休んで欲しい気持ちと、一刻も早く抱きついてむしゃぶりつきたい欲求とのせめぎ合いだ。
「……はぁ」
茶器を流しで洗いながら、思わず溜め息が零れる。
最後にラクシュへ触れた二週間前の夜、血はたっぷりと飲ませた。本人が言う通り、二週間の不眠不休くらい平気だろう。
それは解っている……けれど、ラクシュがこんな風に工房に閉じこもっていると、あの弱りきっていた頃の姿が、どうしても浮んできてしまうのだ。
(っ……仕方ない。俺の欲求なんかより、ラクシュさんを休ませるのが先決……っ!!)
くっと涙を飲み、アーウェンは布巾でカップを丁寧に拭き、食器棚にしまっていく。
そもそも、ラクシュは血飢え以外の時は、基本的にそっちの方面に関して、非常に淡白だ。
アーウェンを大好きだと言ってくれるし、抱きたいといえば拒まれもしないが、ラクシュが積極的に誘う事はない。積極的に触りたがるのは尻尾くらいだ。
だから、ラクシュが望まないのなら、自分の欲求不満を優先になどしたくない。
今の状態で性感帯の尻尾に触られでもしたら、確実にその場で我慢できなくなるので、アーウェンはさっきから狼耳と尻尾を出さないように、全力で気を配っている。
あとはラクシュが風呂からでて自室に戻るまで、あまり顔を合わさないようにやり過ごそう……と、思った時だった。
「アーウェン」
唐突に背後から抑揚のない声があがり、アーウェンは飛び上がらんばかりに振り向く。
白いネグリジェを着たラクシュが、いつのまにかすぐ後ろにいた。湯の香りや濃い湿気も、振り向いた今ではしっかり感じるのに、どうしてかいつも、背後に回られるのには気づけない。
「は、早かったですね……」
うっかり独り言を言わなくてよかったと、アーウェンは冷や汗をかき、声を上擦らせた。
「ん」
頷いたラクシュの短い髪はまだ濡れており、毛先から細かな水滴が落ちてネグリジェの肩を濡らしている。
いつもなら、ちゃんと魔法で風を起こして髪を乾かしてくるのにと、アーウェンは苦笑した。
「ほら、まだ濡れてますよ。やっぱり疲れてるみたいですね」
ラクシュが手に持っていたタオルを取り、艶やかな純白の髪が傷まないように、丁寧に髪の水分を拭き取っていく。
こうしていると、一緒に暮らしてから数年後のことを、余計に思い出した。
あのころ、本格的な血飢えに苦しみ始めたラクシュは、魔道具の製作以外では、魔法をいっさい使わなくなった。
グショ濡れの髪でフラフラと工房に戻ろうとするラクシュを追いかけ、毎晩のようにこうして髪を拭いたものだ。
「ん……」
小さな声をあげ、ラクシュが心地良さそうに目を閉じた。赤い唇がゆっくりと開く。
「疲れて、ない……けど……きみに、拭いて、欲しかった……んだ」
いつも通りの抑揚のない声は、その奥にアーウェンだけが聞き取れる、うっとりした恍惚を含んでいた。
「ラクシュさん……?」
アーウェンは思わず息を詰め、ラクシュを凝視した。赤い目が薄っすらと開き、またすぐに閉じてしまう。瞳を閉じたまま、ラクシュはポツポツとまた声を発した。
「アーウェンに、髪……拭いて貰うの、嬉しいんだ……血も……足りてる、けど……私、君に、いっぱい、触りたくなる……」
そしてラクシュは、困惑気に首を傾げた。
「私……変に、なった?」
一瞬、アーウェンは声も出ずに、夢中でラクシュを抱き締めた。
「ん? アーウェ……?」
「……ラ、ラクシュさん!! ラクシュさんラクシュさんラクシュさんラクシュさん!!!!」
力を込めすぎないようにしなければと思うのに、どうしても強く抱き締めてしまう。がむしゃらに唇を重ね、何度も角度を変えて貪りつくした。
「すみません……俺、もう我慢できない……ラクシュさんを、思い切り抱かせてください」
「ん……」
ラクシュが小さく頷き、眩しそうに目を細めた。
「アーウェン……すごく、キラキラ……ゴーグル、取って、くる」
そのままひょいと腕から逃れそうになったラクシュを、アーウェンは後ろから必死に抱きとめた。
狼の耳と尻尾はとっくに飛び出て歓喜を示し、瞳には虹彩が浮んでいる。
「待っていられません……眩しいなら、こうしますから」
タオルをラクシュの目元に巻きつけて覆い隠し、しっかりと端を結んで目隠しをする。
「ん、でも……これ、見えない……」
少し不満そうなラクシュを抱きあげて、耳元で囁いた。
「じゃぁ、ラクシュさんがどうなっているか、俺が全部言って聞かせますから」
ラクシュを抱いて二階の寝室へと駆け込み、寝台に組み敷いた。
ドクドクと血流が耳の奥でうるさく鳴っている。理性が飛びそうなほど興奮しているのに、衣服を引き裂きたい衝動は起きなかった。代わりに、仰向けに寝たネグリジェの胸元に、小さな突起を見つけて指で摘む。
「っ、ん」
小さな声がラクシュからあがり、犬歯のわずかに伸びた口元が、勝手にニヤけた。
片方を衣服の上から指先で挟んで嬲り、もう片方を口に含む。湿った布越しに尖った感触を楽しみ、息を吹きかけながら囁いた。
「ここ、俺が触る前から、硬くなっていたみたいですけど?」
「……っ、っ……ぁ、あ……」
「直接触って欲しいんですか?」
布の上から軽く歯を立てると、組み敷いた身体が細い悲鳴をあげて仰け反った。
コクコクと懸命に頷かれる。
「アーウェン……脱がせ、て?」
「……はい」
素直に告げられる誘惑の言葉に眩暈を覚えながら、丸い木のボタンを一つづつ外していく。
薄っすらと蒸気した肌が露になり、薄桃色の突起を頂点にした胸が、浅い呼吸を繰り返している。
小さな突起を舌で舐めると、ヒクンと可愛らしく震えた。
「ラクシュさんの胸、すごく可愛いですよ。膨らんで、どんどん赤くなってくるし……」
乳首を嬲りながら、もじつかせている脚の奥に手を伸ばす。膝裏に手をかけて左右に大きく開かせた。
「こっちも、何もしてないのに濡れてるじゃないですか。これ、お風呂のお湯じゃないですよね?」
赤みを帯びてほころんだ花を指でつつき、とろみのある蜜を掬い取る。濡れた粘着音を響かせると、目隠しの下で頬を蒸気させたラクシュが頷いた。
「ん……きみに、胸……触られたら……そこも、きもちよく、なった……」
抑揚のない声にも熱い吐息が混じり、蕩けそうな色を帯びている。
率直に快楽を認めるラクシュに、やはり羞恥責めは無理のようだと、アーウェンは内心で苦笑した。
しかし、ストレートに快楽を訴えられ、アーウェンで感じると素直に告げられる方が、万倍も興奮する。
ぬかるみに指を差し込むと、離したくないというように吸い付いてきた。
「ん、アーウェ……もっと……」
ラクシュの両腕が宙をかき、アーウェンを探りあてた。白い手が首にまわり、引き寄せられる。
「はい。ラクシュさんが好きなこと、いっぱい教えてください……」
指で熱い内部をかき回すと、耳元で悩ましい吐息を立て続けに吐かれた。花芽を押すと抱きつく腕に力が篭り、短い嬌声が漏れる。
「ん、ん……そこ、きもち、い……けど……」
戸惑うように、首を傾げられる。
「アーウェン……早く、君が、欲しい……中に……」
細い足が腰に絡みつく。
「……はい」
アーウェンは掠れた声で返答をし、下穿きから痛いほど張り詰めた雄を取り出した。硬い熱をすぐにでも埋め込みたかったが、ラクシュの手をとって触れさせる。
手の平は汗ばんでいても、たぎった雄にはひんやりと心地よく感じられ、思わず呻き声が漏れた。
「ラクシュさんが、入れてくれませんか?」
両腕で身体を支えてラクシュに覆いかぶさり、雄がちょうど入り口に当たるように腰を落とす。
「ん……?」
ラクシュは首をかしげたが、すぐに了解したようで、蜜壷の入り口へと雄の切っ先を導いた。濡れた花弁の合間に、ゆっくりと先端を埋め込んでいく……。
***
「――あ……きゅって締め付けてきますよ。ここが気持ち良いんですね?」
ラクシュの腰を掴んで揺さ振りながら、アーウェンがとても嬉しそうに言う。
「ん……ん、ん」
動かされるたびに、内部のちょうどイイところを突かれるから、返答は喘ぎ声にまざってしまい、頷く動作も快楽の悶えと一緒になってしまう。
感じる場所を集中的に抉られ、また絶頂におしあげられた。
アーウェンにしがみついて身体を痙攣させていると、満足そうに髪を撫でられる。
もう何時間もこうして睦みあっているから、白い髪からは湯の湿気など無くなっているが、代わりに汗でしっとりと湿り、頬や額に張り付いていた。
(……喉、渇いた……なぁ)
目隠しのタオルはとっくに外れていたが、すぐ目の前にいるアーウェンが、あんまりキラキラと眩しいから、とても目を明けていられない。
目を瞑ったまま、ラクシュはアーウェンの首を引き寄せて、耳元で強請る。
「アーウェン……お水、欲しい……」
「はい。ちょっと待ってくださいね」
繋がったまま、アーウェンが片腕だけを離してわずかに身動きをした。寝台の横に置いてある水差しを取ったのだろう。
目を閉じて待っていると、唇が柔らかく合わさった。
口移しに流し込まれた水は、もう随分と生ぬるくなっていたけれど、喉を鳴らして夢中で飲み干す。
とても美味しかった。もしかしたら、アーウェンのキラキラが水に溶けて混ざっているのかと思うほどだ。
「ん、もっと……」
「水ですか?」
「違う……お水、と、アーウェン……両方……」
正直に欲しいものを言うと、閉じた瞼の向こうがいっそう明るくなり、キラキラの増えた気配がした。
やっぱりゴーグルを取ってくれば良かったとも思うが、この繋がった時間が途切れるのも惜しい。
だからせめて、目を瞑ったままアーウェンにしっかり抱きついて、大好きなキラキラの気配を感じることにした。
魔道具を造るのは好きだが、今回のように少し大変な時もある。
それでも頑張れるのは、同じ家の中にアーウェンがいて、ラクシュを大好きだと、キラキラで表現してくれるからだ。
たとえ世界中からチョコケーキの材料が消えたとしても、少しがっかりするくらいだけど、これだけは失くせない。
ラクシュが一番欲しいのは、いつだってアーウェンで……一仕事を終えた後のキラキラは、また格別なのだ。
きっと本当に、このキラキラ狼の為に生きている。
商売熱心なクロッカスから、祭りの日に見せたゴーグルに、鉱石ビーズを足して改良を試して欲しいと頼まれたのだ。
その結果に出来たのが、暗闇の中でも昼のように見える暗視ゴーグル。
これがなんと大人気となり、最初に造った百個は即日完売。その後も、欲しがる客が鈴猫屋に殺到しているそうだ。
地下遺跡の探索には、携帯灯の魔道具が欠かせないが、灯りは蟲や合成獣たちに、こちらの位置を知らせてしまう危険も孕んでいる。このゴーグルなら、敵に位置を知らせることなく、自分ははっきりと周囲が見えるのだ。
他の魔道具屋でも、すぐに類似品が売られ始めたようだが、他の細工師ではレンズが歪んでしまい、あまりよく見えないらしい。
――結果。
客たちに懇願されたクロッカスから、大急ぎの追加注文が入り、ラクシュはこの二週間というもの、工房にずっと篭りきりでゴーグルの製作に取り掛かっていた。
貧弱な魔物とされている吸血鬼だが、火や風に植物などを操る魔法の力は、飛びぬけて優れている。ラクシュは特にその力も強く、手の平に鉱石を乗せて念じるだけで、超高温の炎で綺麗に溶かすことができた。
だが、レンズの作成だけでなく、取り付けや外部の鉱石ビーズにも手間暇がかかる。
殆ど眠りもしないで作業に勤しむラクシュを見かね、アーウェンは手伝いたいと言ってくれたけれど、彼に魔道具造りの能力は、残念ながら相変わらずゼロだった。
なので、気持ちは大変に嬉しかったが、やはり一人でせっせと頑張ることにした。
(九十……百、できた)
木箱に揃えたゴーグルを数えてラクシュは頷く。
時計を見ると、クロッカスがもうそろそろ品物を取りに来る頃だった。なんとかギリギリ間に合った。
いつもなら作った魔道具は、街に買出しも兼ねて店へ届けに行くのだが、今回は急ぎのためにクロッカスが取りに来る。
木箱を片手で抱えて部屋の扉を開けると、気配で解っていたが、やはりアーウェンがすぐ傍にいた。どうやらノックをするか迷っていたらしい。
「っ……え、と……品物、出来たんですか」
妙にうろたえた様子のアーウェンが、しどろもどろに言いながら視線を逸らす。
「ん」
ラクシュが木箱を見せると、ヒョイと取り上げられた。
「けっこう重いじゃないですか! これは俺が運んでおきます。 もうすぐクロッカスさんも来ますし……あ、チョコケーキを作りましたから! 居間で待っていてくださいね」
木箱を肩に担いだアーウェンは、振り向きもしないで早口に言うと、そそくさと玄関に向ってしまった。
「ん?」
取り残されたラクシュは、首をかしげた。
ここ最近は、アーウェンとも食事時くらいしか顔をあわせず、彼はラクシュが倒れてしまうのではないかと、本気で心配していたようだ。
二週間前にちゃんと血を飲ませて貰ったのだし、昔は不眠不休で一ヶ月も戦い続けたこともあるのだから平気だと言ったが、どうも納得できないようだった。
それでも、これで造り終わったのだから、安心して喜んでくれると思った。
アーウェンの周囲には、あの綺麗なキラキラがたくさん見えると思ったのに……。
足早に立ち去ったアーウェンは、どこか悲しそうで、キラキラも薄れたままだ。
(アーウェン……嬉しくない?)
アーウェンが贈ってくれた室内スリッパの足元を眺めながら、スルスルと静かに歩いて居間に向う。
(……チョコケーキ、チョコケーキ……だいすき、アーウェン、の、チョコケーキ……)
いつもなら心の浮き立つ素敵な言葉も、今日はやけに胃もたれするような感じがした。
***
「――急がせて悪かったな。コイツを欲しがる客たちが、店に無いなら細工師を紹介しろって、暴動を起こしそうなんだ」
木箱を馬車に積み込んだクロッカスは、嬉しいような困ったような顔をして見せる。そして夜道を、せわしなく街まで戻っていった。
アーウェンはラクシュと共に、走り去る馬車のシルエットを見送ってから玄関の中に入り、扉が閉まると同時に歯を喰いしばった。
―― く、ああああっ!!! ラクシュさんとイチャイチャしたい!! ラクシュさんにピッタリくっつきたいっっ!! ラクシュさんラクシュさんラクシュさあああああああん!!!!!!
……と、内心の雄たけびを漏らすわけにはいかない。
「お疲れさまです、ラクシュさん」
アーウェンは内なる野獣を慎重に押し殺しつつ、なるべく平静を装い、笑って見せた。
とても惜しいが、ラクシュからさりげなく離れる。
「ん」
ラクシュは満足そうに頷き、身体をほぐすように大きく伸びをする。
逸らした喉や、きゅっと目元を瞑る表情に、思わず喉が鳴りそうになってしまい、アーウェンは慌てて目を逸らした。
「お、お風呂……沸いてますから」
ラクシュをなるべく見ないようにして声をかけ、素早く居間に戻った。茶器を片付けていると、浴室から微かに水音が聞こえてくる。
(……っ!!!! だ、だめだめだめ!! 我慢しろ!! ラクシュさんは、大仕事をやっと終えたばっかりなんだから!!!)
ティーカップを握りつぶさないように苦労しながら、アーウェンはプルプルと全身を震わせる。
本音では、今すぐ浴室に飛んでいき、ラクシュを押し倒したくてたまらない。
この二週間、指一本触っていないのだ。
ラクシュが非常に忙しいのは解っていたから、アーウェンもなるべく邪魔をしないように勤めていた。
幸いにも、畑の手入れや家の修繕に保存食作りなど、やることには事欠かず、ラクシュが工房で黙々と作業をしている間に、アーウェンも忙しく動き回った。
おかげで野菜畑には雑草一本なく、家はどこもピカピカ。食料棚には瓶詰めの果物や乾物がぎっしりだ。
しかし、その代償として、アーウェンのラクシュ補給欲求度は、限界まで高まっていた。
ようやく作業が一段落したのだから、ラクシュにゆっくり休んで欲しい気持ちと、一刻も早く抱きついてむしゃぶりつきたい欲求とのせめぎ合いだ。
「……はぁ」
茶器を流しで洗いながら、思わず溜め息が零れる。
最後にラクシュへ触れた二週間前の夜、血はたっぷりと飲ませた。本人が言う通り、二週間の不眠不休くらい平気だろう。
それは解っている……けれど、ラクシュがこんな風に工房に閉じこもっていると、あの弱りきっていた頃の姿が、どうしても浮んできてしまうのだ。
(っ……仕方ない。俺の欲求なんかより、ラクシュさんを休ませるのが先決……っ!!)
くっと涙を飲み、アーウェンは布巾でカップを丁寧に拭き、食器棚にしまっていく。
そもそも、ラクシュは血飢え以外の時は、基本的にそっちの方面に関して、非常に淡白だ。
アーウェンを大好きだと言ってくれるし、抱きたいといえば拒まれもしないが、ラクシュが積極的に誘う事はない。積極的に触りたがるのは尻尾くらいだ。
だから、ラクシュが望まないのなら、自分の欲求不満を優先になどしたくない。
今の状態で性感帯の尻尾に触られでもしたら、確実にその場で我慢できなくなるので、アーウェンはさっきから狼耳と尻尾を出さないように、全力で気を配っている。
あとはラクシュが風呂からでて自室に戻るまで、あまり顔を合わさないようにやり過ごそう……と、思った時だった。
「アーウェン」
唐突に背後から抑揚のない声があがり、アーウェンは飛び上がらんばかりに振り向く。
白いネグリジェを着たラクシュが、いつのまにかすぐ後ろにいた。湯の香りや濃い湿気も、振り向いた今ではしっかり感じるのに、どうしてかいつも、背後に回られるのには気づけない。
「は、早かったですね……」
うっかり独り言を言わなくてよかったと、アーウェンは冷や汗をかき、声を上擦らせた。
「ん」
頷いたラクシュの短い髪はまだ濡れており、毛先から細かな水滴が落ちてネグリジェの肩を濡らしている。
いつもなら、ちゃんと魔法で風を起こして髪を乾かしてくるのにと、アーウェンは苦笑した。
「ほら、まだ濡れてますよ。やっぱり疲れてるみたいですね」
ラクシュが手に持っていたタオルを取り、艶やかな純白の髪が傷まないように、丁寧に髪の水分を拭き取っていく。
こうしていると、一緒に暮らしてから数年後のことを、余計に思い出した。
あのころ、本格的な血飢えに苦しみ始めたラクシュは、魔道具の製作以外では、魔法をいっさい使わなくなった。
グショ濡れの髪でフラフラと工房に戻ろうとするラクシュを追いかけ、毎晩のようにこうして髪を拭いたものだ。
「ん……」
小さな声をあげ、ラクシュが心地良さそうに目を閉じた。赤い唇がゆっくりと開く。
「疲れて、ない……けど……きみに、拭いて、欲しかった……んだ」
いつも通りの抑揚のない声は、その奥にアーウェンだけが聞き取れる、うっとりした恍惚を含んでいた。
「ラクシュさん……?」
アーウェンは思わず息を詰め、ラクシュを凝視した。赤い目が薄っすらと開き、またすぐに閉じてしまう。瞳を閉じたまま、ラクシュはポツポツとまた声を発した。
「アーウェンに、髪……拭いて貰うの、嬉しいんだ……血も……足りてる、けど……私、君に、いっぱい、触りたくなる……」
そしてラクシュは、困惑気に首を傾げた。
「私……変に、なった?」
一瞬、アーウェンは声も出ずに、夢中でラクシュを抱き締めた。
「ん? アーウェ……?」
「……ラ、ラクシュさん!! ラクシュさんラクシュさんラクシュさんラクシュさん!!!!」
力を込めすぎないようにしなければと思うのに、どうしても強く抱き締めてしまう。がむしゃらに唇を重ね、何度も角度を変えて貪りつくした。
「すみません……俺、もう我慢できない……ラクシュさんを、思い切り抱かせてください」
「ん……」
ラクシュが小さく頷き、眩しそうに目を細めた。
「アーウェン……すごく、キラキラ……ゴーグル、取って、くる」
そのままひょいと腕から逃れそうになったラクシュを、アーウェンは後ろから必死に抱きとめた。
狼の耳と尻尾はとっくに飛び出て歓喜を示し、瞳には虹彩が浮んでいる。
「待っていられません……眩しいなら、こうしますから」
タオルをラクシュの目元に巻きつけて覆い隠し、しっかりと端を結んで目隠しをする。
「ん、でも……これ、見えない……」
少し不満そうなラクシュを抱きあげて、耳元で囁いた。
「じゃぁ、ラクシュさんがどうなっているか、俺が全部言って聞かせますから」
ラクシュを抱いて二階の寝室へと駆け込み、寝台に組み敷いた。
ドクドクと血流が耳の奥でうるさく鳴っている。理性が飛びそうなほど興奮しているのに、衣服を引き裂きたい衝動は起きなかった。代わりに、仰向けに寝たネグリジェの胸元に、小さな突起を見つけて指で摘む。
「っ、ん」
小さな声がラクシュからあがり、犬歯のわずかに伸びた口元が、勝手にニヤけた。
片方を衣服の上から指先で挟んで嬲り、もう片方を口に含む。湿った布越しに尖った感触を楽しみ、息を吹きかけながら囁いた。
「ここ、俺が触る前から、硬くなっていたみたいですけど?」
「……っ、っ……ぁ、あ……」
「直接触って欲しいんですか?」
布の上から軽く歯を立てると、組み敷いた身体が細い悲鳴をあげて仰け反った。
コクコクと懸命に頷かれる。
「アーウェン……脱がせ、て?」
「……はい」
素直に告げられる誘惑の言葉に眩暈を覚えながら、丸い木のボタンを一つづつ外していく。
薄っすらと蒸気した肌が露になり、薄桃色の突起を頂点にした胸が、浅い呼吸を繰り返している。
小さな突起を舌で舐めると、ヒクンと可愛らしく震えた。
「ラクシュさんの胸、すごく可愛いですよ。膨らんで、どんどん赤くなってくるし……」
乳首を嬲りながら、もじつかせている脚の奥に手を伸ばす。膝裏に手をかけて左右に大きく開かせた。
「こっちも、何もしてないのに濡れてるじゃないですか。これ、お風呂のお湯じゃないですよね?」
赤みを帯びてほころんだ花を指でつつき、とろみのある蜜を掬い取る。濡れた粘着音を響かせると、目隠しの下で頬を蒸気させたラクシュが頷いた。
「ん……きみに、胸……触られたら……そこも、きもちよく、なった……」
抑揚のない声にも熱い吐息が混じり、蕩けそうな色を帯びている。
率直に快楽を認めるラクシュに、やはり羞恥責めは無理のようだと、アーウェンは内心で苦笑した。
しかし、ストレートに快楽を訴えられ、アーウェンで感じると素直に告げられる方が、万倍も興奮する。
ぬかるみに指を差し込むと、離したくないというように吸い付いてきた。
「ん、アーウェ……もっと……」
ラクシュの両腕が宙をかき、アーウェンを探りあてた。白い手が首にまわり、引き寄せられる。
「はい。ラクシュさんが好きなこと、いっぱい教えてください……」
指で熱い内部をかき回すと、耳元で悩ましい吐息を立て続けに吐かれた。花芽を押すと抱きつく腕に力が篭り、短い嬌声が漏れる。
「ん、ん……そこ、きもち、い……けど……」
戸惑うように、首を傾げられる。
「アーウェン……早く、君が、欲しい……中に……」
細い足が腰に絡みつく。
「……はい」
アーウェンは掠れた声で返答をし、下穿きから痛いほど張り詰めた雄を取り出した。硬い熱をすぐにでも埋め込みたかったが、ラクシュの手をとって触れさせる。
手の平は汗ばんでいても、たぎった雄にはひんやりと心地よく感じられ、思わず呻き声が漏れた。
「ラクシュさんが、入れてくれませんか?」
両腕で身体を支えてラクシュに覆いかぶさり、雄がちょうど入り口に当たるように腰を落とす。
「ん……?」
ラクシュは首をかしげたが、すぐに了解したようで、蜜壷の入り口へと雄の切っ先を導いた。濡れた花弁の合間に、ゆっくりと先端を埋め込んでいく……。
***
「――あ……きゅって締め付けてきますよ。ここが気持ち良いんですね?」
ラクシュの腰を掴んで揺さ振りながら、アーウェンがとても嬉しそうに言う。
「ん……ん、ん」
動かされるたびに、内部のちょうどイイところを突かれるから、返答は喘ぎ声にまざってしまい、頷く動作も快楽の悶えと一緒になってしまう。
感じる場所を集中的に抉られ、また絶頂におしあげられた。
アーウェンにしがみついて身体を痙攣させていると、満足そうに髪を撫でられる。
もう何時間もこうして睦みあっているから、白い髪からは湯の湿気など無くなっているが、代わりに汗でしっとりと湿り、頬や額に張り付いていた。
(……喉、渇いた……なぁ)
目隠しのタオルはとっくに外れていたが、すぐ目の前にいるアーウェンが、あんまりキラキラと眩しいから、とても目を明けていられない。
目を瞑ったまま、ラクシュはアーウェンの首を引き寄せて、耳元で強請る。
「アーウェン……お水、欲しい……」
「はい。ちょっと待ってくださいね」
繋がったまま、アーウェンが片腕だけを離してわずかに身動きをした。寝台の横に置いてある水差しを取ったのだろう。
目を閉じて待っていると、唇が柔らかく合わさった。
口移しに流し込まれた水は、もう随分と生ぬるくなっていたけれど、喉を鳴らして夢中で飲み干す。
とても美味しかった。もしかしたら、アーウェンのキラキラが水に溶けて混ざっているのかと思うほどだ。
「ん、もっと……」
「水ですか?」
「違う……お水、と、アーウェン……両方……」
正直に欲しいものを言うと、閉じた瞼の向こうがいっそう明るくなり、キラキラの増えた気配がした。
やっぱりゴーグルを取ってくれば良かったとも思うが、この繋がった時間が途切れるのも惜しい。
だからせめて、目を瞑ったままアーウェンにしっかり抱きついて、大好きなキラキラの気配を感じることにした。
魔道具を造るのは好きだが、今回のように少し大変な時もある。
それでも頑張れるのは、同じ家の中にアーウェンがいて、ラクシュを大好きだと、キラキラで表現してくれるからだ。
たとえ世界中からチョコケーキの材料が消えたとしても、少しがっかりするくらいだけど、これだけは失くせない。
ラクシュが一番欲しいのは、いつだってアーウェンで……一仕事を終えた後のキラキラは、また格別なのだ。
きっと本当に、このキラキラ狼の為に生きている。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる