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第百十一話
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大学の時のクラブの先輩から電話があり「今度展覧会やるんだけど、見に来てくれないかしら、」と誘われました。
大学を卒業したあと、絵を描き始めた事は聞いていたのですが、銀座で個展と聞いてびっくりしてしまいました。
当日、近くのデパートでクッキーの詰め合わせを買って会場に行きました。
展覧会の会場には、大学の時のコーラス部の同級生が大勢詰めかけていました。
狭い会場を一回りして絵を見た後、居合わせていた旧友と近所のマクドナルドでしばらくおしゃべりを続けました。
大学時代に戻ったような気分で、時間のたつのを忘れていましたが、やがて一人が用事があるからと言って席を立ったのでお開きになりました。
私は帰りにどこかデパートにでも寄って行こうかしらと思って通りを歩きはじめました。
そのとき、中年の女性が声をかけてきました。
「すぐに済みますからアンケートをお願いできませんか、図書券をお礼に差し上げますので」と頼まれました。
どうせ500円の図書券だと思いましたが、もらえる物はもらっておこうと思い、アンケートに答えることにしました。
近くのビルの上の階に連れて行かれると小さな小部屋に通されました。
「ご主人とのセックスで十分な喜びが得られますか」と聞かれて、私は素直に答えた方がいいと思い「いいえ」と答えました。
すると「今までにセックスで十分な喜びを感じた事がありますか」とまた聞かれました。
私は十分な喜びというのがどのくらいの喜びなのかよく分からなかったのでそにも「いいえ」と答えました。
アンケートの結果を何度か確かめるとアンケート係の女性は「奥さんは不感症ですね、間違いないです」と急に言われました。
そう言えばそうかもしれないと何となく思っていると「不感症の方に是非ともご協力頂きたいのです、いえ当社では不感症治療器というのを開発いたしまして」
「是非ともモニターになって頂きたいのです」と熱心な口調で口説かれました。
やっぱりなにか変な商品を売りつけるアンケートだと思って帰ろうとすると「モニターに協力して頂ければ謝礼を差し上げます」
「もちろんお客様はお金を払う必要はまったくないんですよ」
「あくまでも商品の効果を確かめる研究なんです、アメリカでの試験では大成功だったんで、日本でも有効かどうか臨床実験をする必要があるんです」となんだか訳の分からない説明を聞かされました。
まあお金もかからないならいいやと思って、不感症治療器という小さな箱を受け取って帰りました。
芳恵さんが遊びに来たとき「ねね、不感症治療器ってのあるのよ」と話題を向けると「今夜使って見るからちょっと貸してよ、ほら旦那最近あましあっちの方は元気ないのよ」と言って箱を持って帰りました。
翌日の朝電話があって「昨日のあれね、効き目あるみたい、使ってみたんだけどさ、旦那に内緒にね」そしたらいつもと全然違っててね、もう行きまくっちゃってすごいの」
「旦那も喜んじゃって、朝起きてすぐにもう一回やっちゃったのよ」とずいぶんな話しでした。
昼過ぎに芳恵さんが不感症治療器を返しに来たので「どうやって使うの」と聞いてみると、「簡単なのよ両方の足首にね、このベルト巻くのね、ベルトに電極がついててさ自動的に電流が流れるんだって」
「そんでねちょうど子宮が収縮する信号が、流れてくるんだって、それも身体の抵抗を測定してね、感じてくると濡れるじゃない、そうすると電流が自動的に強くなるだって」
「これはノーベル賞ものね」と言って教えてくれました。
芳恵さんが帰ったあと試しにこっそりと両方の足首に教えられたように電極を巻き付けてスイッチを入れてみました。
するとすぐに器械のランプが点灯して電流が流れ始めました。
小刻みに腿が震え出すと子宮の奧がきゅっとなって痺れるような感触が沸き上がってきました。
そのときちょうどドアのベルの音がして、「宅急便です」と大きな声がドアの向こうから聞こえてきました。
私は慌てて立ち上がると機械のスイッチを切るのも忘れて部屋のドアから玄関を覗き込みました。
さっき芳恵さんが帰ったときドアを閉めるのを忘れていたらしくてドアは半開きで、宅急便を手に持った男の人と目が合いました。
中年の背の低い太った男性は、見た目には男性的な風貌で私は一瞬こんな男性に抱かれてみたいと心の中に欲望がかすめました。
そのとき急に機械の電流が子宮をめがけて流れ込み、私はその場でしゃがみ込んで立てなくなりました。
男は「どうしたんですか」と言って部屋に上がり込むと私の身体を起こそうと脇の下から抱え上げました。
するとまた急に電流が強くなり私はたまらなくなって男にしがみつきました。
「奥さん感じてるじゃないか」と私の耳元で男がささやくと、私はもう頭の中が空っぽになって必死で男にしがみついて「お願い早く」と言ってしまいました。
男は部屋の中に私を戻すとすぐに押し倒して来ました。
欲望の嵐が激しい竜巻となって私の体に襲いかかってきました。
男の欲望は、楽しみを先に延ばしたいかのように、私の身体ををじらしながら開いてきました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
終わることのない永遠の時が、私の支配者に与えられた時間でした。
私の体は空高く放り上げられたまま、落ちることを許されずに回り続けました。
抵抗する気力もないくらいに私の体はもてあそばれました。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していました。
空高く飛ばされた私の身体は、果てしない空を昇り続けました。
心を失って震え続ける私の身体に、男は支配者の刃を力強く打ち下ろして来ました。
大学を卒業したあと、絵を描き始めた事は聞いていたのですが、銀座で個展と聞いてびっくりしてしまいました。
当日、近くのデパートでクッキーの詰め合わせを買って会場に行きました。
展覧会の会場には、大学の時のコーラス部の同級生が大勢詰めかけていました。
狭い会場を一回りして絵を見た後、居合わせていた旧友と近所のマクドナルドでしばらくおしゃべりを続けました。
大学時代に戻ったような気分で、時間のたつのを忘れていましたが、やがて一人が用事があるからと言って席を立ったのでお開きになりました。
私は帰りにどこかデパートにでも寄って行こうかしらと思って通りを歩きはじめました。
そのとき、中年の女性が声をかけてきました。
「すぐに済みますからアンケートをお願いできませんか、図書券をお礼に差し上げますので」と頼まれました。
どうせ500円の図書券だと思いましたが、もらえる物はもらっておこうと思い、アンケートに答えることにしました。
近くのビルの上の階に連れて行かれると小さな小部屋に通されました。
「ご主人とのセックスで十分な喜びが得られますか」と聞かれて、私は素直に答えた方がいいと思い「いいえ」と答えました。
すると「今までにセックスで十分な喜びを感じた事がありますか」とまた聞かれました。
私は十分な喜びというのがどのくらいの喜びなのかよく分からなかったのでそにも「いいえ」と答えました。
アンケートの結果を何度か確かめるとアンケート係の女性は「奥さんは不感症ですね、間違いないです」と急に言われました。
そう言えばそうかもしれないと何となく思っていると「不感症の方に是非ともご協力頂きたいのです、いえ当社では不感症治療器というのを開発いたしまして」
「是非ともモニターになって頂きたいのです」と熱心な口調で口説かれました。
やっぱりなにか変な商品を売りつけるアンケートだと思って帰ろうとすると「モニターに協力して頂ければ謝礼を差し上げます」
「もちろんお客様はお金を払う必要はまったくないんですよ」
「あくまでも商品の効果を確かめる研究なんです、アメリカでの試験では大成功だったんで、日本でも有効かどうか臨床実験をする必要があるんです」となんだか訳の分からない説明を聞かされました。
まあお金もかからないならいいやと思って、不感症治療器という小さな箱を受け取って帰りました。
芳恵さんが遊びに来たとき「ねね、不感症治療器ってのあるのよ」と話題を向けると「今夜使って見るからちょっと貸してよ、ほら旦那最近あましあっちの方は元気ないのよ」と言って箱を持って帰りました。
翌日の朝電話があって「昨日のあれね、効き目あるみたい、使ってみたんだけどさ、旦那に内緒にね」そしたらいつもと全然違っててね、もう行きまくっちゃってすごいの」
「旦那も喜んじゃって、朝起きてすぐにもう一回やっちゃったのよ」とずいぶんな話しでした。
昼過ぎに芳恵さんが不感症治療器を返しに来たので「どうやって使うの」と聞いてみると、「簡単なのよ両方の足首にね、このベルト巻くのね、ベルトに電極がついててさ自動的に電流が流れるんだって」
「そんでねちょうど子宮が収縮する信号が、流れてくるんだって、それも身体の抵抗を測定してね、感じてくると濡れるじゃない、そうすると電流が自動的に強くなるだって」
「これはノーベル賞ものね」と言って教えてくれました。
芳恵さんが帰ったあと試しにこっそりと両方の足首に教えられたように電極を巻き付けてスイッチを入れてみました。
するとすぐに器械のランプが点灯して電流が流れ始めました。
小刻みに腿が震え出すと子宮の奧がきゅっとなって痺れるような感触が沸き上がってきました。
そのときちょうどドアのベルの音がして、「宅急便です」と大きな声がドアの向こうから聞こえてきました。
私は慌てて立ち上がると機械のスイッチを切るのも忘れて部屋のドアから玄関を覗き込みました。
さっき芳恵さんが帰ったときドアを閉めるのを忘れていたらしくてドアは半開きで、宅急便を手に持った男の人と目が合いました。
中年の背の低い太った男性は、見た目には男性的な風貌で私は一瞬こんな男性に抱かれてみたいと心の中に欲望がかすめました。
そのとき急に機械の電流が子宮をめがけて流れ込み、私はその場でしゃがみ込んで立てなくなりました。
男は「どうしたんですか」と言って部屋に上がり込むと私の身体を起こそうと脇の下から抱え上げました。
するとまた急に電流が強くなり私はたまらなくなって男にしがみつきました。
「奥さん感じてるじゃないか」と私の耳元で男がささやくと、私はもう頭の中が空っぽになって必死で男にしがみついて「お願い早く」と言ってしまいました。
男は部屋の中に私を戻すとすぐに押し倒して来ました。
欲望の嵐が激しい竜巻となって私の体に襲いかかってきました。
男の欲望は、楽しみを先に延ばしたいかのように、私の身体ををじらしながら開いてきました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
終わることのない永遠の時が、私の支配者に与えられた時間でした。
私の体は空高く放り上げられたまま、落ちることを許されずに回り続けました。
抵抗する気力もないくらいに私の体はもてあそばれました。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していました。
空高く飛ばされた私の身体は、果てしない空を昇り続けました。
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