淫獄の玩具箱

asami

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第三十七話

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 朝起きて朝食を食べた後に学校に行こうとしたとき急にお腹が痛くなった。
すぐにお母さんが救急車を呼んで病院に運ばれた。
目が覚めたとき俺は病室でベッドで寝ていた。
医者の話では急性睾丸腫瘍とかの難病らしい。
最近開発された新薬があってそれを使えば直る可能性があると言われた。
他に治療法がないのならその薬を使うしかない。
だが一つだけ重要な副作用があると医者に言われた。
身体が女体化するという副作用だ。
死ぬか女体化するかどちらかを選ばなければいけないと医者に言われて俺は女体化を選ぶしかなかった。
一週間ほど毎日注射を打つことになった。
注射を打った最初の日から身体に変化が現れた。
睾丸が小さくなって、そのかわりに胸が大きくなった。
俺は自分の体に起こった変化にとまどうだけだった。
毎日注射を打つたびに身体の変化は進んで身体が女体化していった。
オXンXンも小さくなってしまいには消えてしまった。
立ちションベンができないので、トイレでは女の子みたいに座って小便をするようになった。
俺は将来の事や学校のことが心配になって夜もなかなか寝つけなかった。



 一週間たって退院の日が来たとき、俺の身体はどこから見ても女の身体だった。
お母さんが着替えを持ってきてくれたが女物の服だった。
下着も女物のパンティーとブラジャーだった。
ブラジャーは初めてなので着け方が分からなかったがお母さんに教えてもらってなんとか付けた。
家に戻って自分の部屋のベッドで寝ているとやっと気持ちが楽になった。
翌日学校に行こうと思って制服を着ようとすると女物のセーラー服を渡された。
俺は学園祭の余興で女装したときにセーラー服を来たことがあるがまさか本当にセーラー服を着て学校に行くとは思わなかった。
学校に着いて教室に入るとき俺は友達がどんな顔をして俺がセーラー服を着ているのをみるのか不安な気持ちだった。
友達はみな俺の変化に気がつかないふりをしてくれた。
週末になって学園祭が始まった。
前日は丸一日かけて学園祭の準備だ。
俺達のクラスではお化け屋敷をすることになって窓に暗幕を張って飾りつけをして準備で大忙しだった。
当日は思ったより客が入って行列ができて整理が大変だった。
今年の学園祭にはテレビドラマの収録もかねていて、テレビ局のスタッフがカメラをもって会場を撮影して回っていた。
学園祭の最終日は恒例のミスコンだ。
今年のミスコンは応募者が少なくて盛り上がらない。
テレビドラマの撮影のためにも参加者が多くないと格好がつかない。
直前になって応募者を募集するとアナウンスがあった。
だが誰も手を上げる女の子はいない。
「おい、ちょうどいいミスコンに参加してくれ」とミスコンの実行委員の隆ちゃんに声を掛けられた。
俺はどうしようかと迷ったが隆ちゃんとは小学校の時からの古い付き合いだ。
頼みを断る訳にもいかない。
「しょうがねえな、でてもいいぜ」と俺は仕方なく答えた。
さっそく可愛らしい衣装に着替えてお化粧もすると自分で見ても別人みたいに可愛い。
ミスコンの審査がはじまって自己紹介も済むと一人一人が特技を披露する段になった。
俺の同級生の奈々恵さんがミニのプリーツスカートを着たままの格好でバレーを踊ると、場内に拍手が沸いた。
髪の毛を頭の後ろで結ってお化粧もしてるのでいつもの奈々恵さんとはまるで別人のように可愛らしい。
奈々恵さんは子供の頃からバレーをしているので身体が柔らかくて足を真上まで上げられるので見ていて本当にびっくりした。
俺は特技なんかないので、得意の宙返りをしてみせた。
クルリと後ろ向きに宙返りをすると会場が異常なくらい盛り上がった。
スカートを履いたまま宙返りをするとパンティーが丸見えになるのを俺はうっかりしていたのだと気がついて恥ずかしくて死にそうになった。
いよいよミスコンの優勝者の発表になってどうゆうわけか俺の名前が呼ばれてしまった。
会場がもりあがったというだけの理由で選ばれたらしい。
ミスコンが終わるとテレビ局のディレクターに呼び止められた。
「よかったら、テレビのバラエティー番組に出演してもらえないかな、テレビドラマの番宣なんだけど。でてくれるよね」とディレクターに誘われて断れなかった。



 翌日の午後にテレビ局に行くと、待合室でしばらく待たされたあとバラエティー番組の収録が始まった。
俺は他の俳優さんと一緒にテレビドラマの宣伝をするとディレクターに頼まれていた宙返りを披露した。
今度は恥をかかないようにとスカートの下には黒いスパッツを履いていたけどそれでも随分と注目を浴びた。
番組には有名な映画の監督もコメンティターで出演していていろいろと話を聞かれた。
番組の収録も終わって帰ろうとすると黒沢監督に声を掛けられた。
「よかったら一緒にどこかで食事をしていかないか、大事な話があるんだ」と黒沢監督に言われて俺は断る訳にはいかないと思った。
体育館をでてタクシーに乗ると六本木の中華料理の店に着いた。
しばらく食事をしながら雑談が続いた。
両親の事とか兄弟の事とか趣味や学校生活についていろいろ聞かれたのでなるべく当たり障りのない返事をした。
「ところで付き合っている男性は居るのかな」と黒沢監督に聞かれて俺は困ってしまった。
俺はもともと男だから男友達は一杯居る。
だが女の子に付き合っている男性が居るのかと聞くのは特別な関係の男性がいるのか確かめたくて聞いているはずだ。
「友達はいっぱいいますけど、特別な関係の男性はいません」と俺は曖昧に答えた。
「こんどの男の子が女の子に変身して大騒動になる映画の企画があるんだけどね。今日のミスコンを見ていて主役は京子ちゃんがぴったしだとぴんと来たんだ」と黒沢監督が話を続けた。
黒沢監督はたまたま今日テレビ番組の収録で俺の事を見ただけで俺が病気のせいで女の子になったのは知らないはず。
「見た目は女の子だけど性格は男の子っぽいのが今度の役にぴったりなんだ」と黒沢監督に言われてなるほどそうゆう事かと事情が分かった。
「是非今度の映画の主役をやって欲しいんだ、やって貰えるよね」と黒沢監督に言われて私はびっくりしてしまった。
ついちょっと前に病気で女の子になったばかりなのに今度は映画の主演女優の話だ。
俺は夢でも見ているように有頂天になった。
「本当ですか」と俺が聞くと「もちろん本当だよ、僕が映画の監督なんだから主演女優は僕が決めるんだ」と黒沢監督は自信たっぷりに答えた。
「だが今度の映画にはラブシーンもあるんだ」と黒沢監督が話を続けた。
「それも結構大胆なラブシーンでね、裸になるのも覚悟して欲しいんだ」と黒沢監督に言われて俺は戸惑った。
俺はもともと男だから上手に男優さんを相手にラブシーンをする自信はない。
「ラブシーンですか、私にもできるんでしょうか」と俺は黒沢監督に聞いてみた。
「出来るかどうか実際に演技してもらえればすぐ分かるよ、大丈夫きっと出来るから」と黒沢監督が言ってくれた。
「演技力のテストをするからこれから一緒に来てもらえるかな」と黒沢監督に言われて俺は断れなかった。


 レストランを出て裏道をしばらく歩くとラブホテルらしい建物の前に来た。
「ここなら二人だけでゆっくりできるからね」と黒沢監督に言われて俺はそうゆうものかと思った。
二人でラブホテルの部屋にはいると黒沢監督は「じゃあまず身体を見せてもらおうか、裸になって貰えるよね」と言い出した。
俺は今は女の子だがついさっきまで男の身体だった。
身体を見てもらえればきっと女優には向いていないと言われると思ったが裸になるしかしょうがない。
私がセーラー服を脱いで下着だけの姿になると「全部脱いでもらえるかな、そうしないと身体の線がよくわからないからね」と黒沢監督に言われてしまった。
俺は女の子になってからは男性の前で裸になるのは初めてだったが黒沢監督に逆らうわけにはいかない。
ブラジャーとパンティーを脱いで全裸になると恥ずかしくて身体が熱くなった。
「いい身体してるじゃないか、女らしくてとても素敵だよ」と黒沢監督が言ってくれたので俺は一安心した。
「いま大好きな男の子の前で全裸になっているって想像してご覧。そのときなんて言いたくなるのか考えてご覧。一番言いたい事はなにかな」と黒沢監督に言われた。
俺はもともと男だから男の子を好きになったことなんかない。
全裸で大好きな男の子の前に立って言う言葉なんて思いつかない。
なんでもいいから言ってみるしかない。
「私あなたが大好きなんです。私の身体も心もあなたの物です。あなたの好きにして下さい」と俺は思いつく言葉を並べてみた。
「そうだね、女の子が男の子を好きになったら言いたいことは決まってるよね。その気持ちを身体全体で表現するんだ」と黒沢監督に言われたが俺はどうしていいのか分からなかった。
俺はもうどうなってもいいと思って黒沢監督に抱きつくと「お願い早くして、もう我慢できないの」と言いながら必死でしがみついた。
「そうだ、それでいいんだ、何をして欲しいのかちゃんと言いなさい。言わなければやってあげないよ」と黒沢監督が意地悪そうな口調で俺の耳元で囁いた。
「もうだめ、あなたの好きにして欲しいの。早くして」と俺が甘えた声でおねだりすると黒沢監督は俺をベッドに押し倒してきた。
熱く煮えたぎった欲望を前にして、俺の心は逆らう気力を失った。
俺に抵抗する余裕を与えて、俺を征服するのを楽しむかのように、黒沢監督はゆっくりと俺の身体を開いてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
逆らう気持ちが、諦めの気持ちに変わったとき、ふいに体中が喜びで震えてきた。
激しい渦の流れに俺の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなった。
俺の体中に欲望の電流が流し込まれて止まらなくなり、体中が許しを求めて震え始めた。
黒沢監督の繰り返す律動は最後の時が近いことを俺の身体に告げると、準備のための痙攣を小刻みに繰り返した。
黒沢監督は俺の身体を征服すると俺の目からは涙がこぼれ落ちて止まらなくなった。
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