【完結済み】私達はあなたを決して許しません

asami

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 わたし、ミリア・アシュフォードは、かつて華やかな宮殿での婚約式を夢見ていた令嬢だった。だが、その夢は一瞬にして崩れ去った。ある日、王太子ルカに婚約破棄の言葉を告げられたのだ。彼の冷たい視線の向こうには、妹のエリスが立っていた。彼女の薄笑いが、わたしの心に深く刻まれた。



「ミリア、あなたの代わりに私が王太子妃になるのよ。」



エリスの言葉は、まるで悪魔のささやきのようだった。わたしはその瞬間、心の奥底に怒りと悲しみの渦が渦巻くのを感じた。自分が愛した人に裏切られ、憎しみを抱く存在となった妹に、何もかも奪われた気がした。







王太子宮殿を後にしたわたしは、自室に戻り、鏡の前に立った。目の下にクマができ、髪は乱れ、まるで心の中の混乱がそのまま表れているようだった。だが、わたしは決意した。彼らに復讐することを。



まずは、王太子の弱点を探ることにした。彼は大切な人を失うことに異常なまでの恐れを抱いているという噂を耳にした。彼を一層追い詰めるため、まずは妹のエリスをターゲットにしようと思った。彼女はいつも自分の美しさを誇示し、他人を見下す傾向がある。それを利用して、彼女の心を崩壊させる計画を立てた。







数日後、わたしはエリスの前に姿を現した。彼女の前で微笑みを浮かべながら、わたしは彼女の心を巧みに操った。



「エリス、あなたにはとても素敵な秘密があるわよ。」



彼女の目が輝く。その瞬間、わたしの心の奥で何かがざわめいた。恐ろしい感情が湧き上がる。エリスがその秘密に興味を示すたび、わたしはその恐怖を感じた。



「何なの?教えて。」



その瞬間、わたしは彼女の目に宿る好奇心が、どれほど危険なものかを知った。彼女の心を支配することで、どれほど恐ろしいことになるのかを。



わたしは彼女に向けて、ある儀式を提案した。それは、古びた書物に記された禁断の儀式で、魂を呼び覚ますものだった。エリスは興味を持ち、わたしの言葉に従うことを選んだ。







儀式の日、月明かりの下、わたしはエリスと共に森の奥深くに向かった。闇の中、儀式の準備を進める中で、彼女の心に潜む恐怖が少しずつ顔を出してきた。



「大丈夫、エリス。これはただの遊びよ。誰も傷つかないわ。」



わたしはそう言いながら、心の中でほくそ笑んでいた。彼女が恐怖に包まれる様子を想像するだけで、心が高鳴るのだ。



儀式が始まると、周囲の空気が変わった。風が吹き、木々がざわめく。彼女の顔には、恐怖が色濃く浮かんでいた。わたしはその瞬間を待っていた。



「エリス、最後に一つだけ、あなたの心の内をさらけ出してごらんなさい。」



彼女は震えながら言葉を紡いだ。「私は…ミリアを憎んでいる。彼女がすべてを奪ったから…。」



その瞬間、儀式は加速した。暗闇から何かが現れ、彼女の心に取り憑こうとした。エリスは恐怖で顔を歪め、悲鳴を上げた。わたしはその様子を見て、恐怖の中に快感を覚えた。



「これがあなたの選んだ道よ、エリス。」





儀式が終わると、エリスは変わり果ててしまった。彼女の目には恐怖が宿り、かつての自信に満ちた姿は消え失せていた。わたしはその姿を見て、復讐が成功したことを確信した。



だが、恐怖はそれだけでは終わらなかった。彼女に取り憑いたものは、わたしにも影響を及ぼすようになった。夜になると、誰もいないはずの部屋にささやき声が響き、夢の中で彼女の絶叫が聞こえた。わたしは自分のしたことの恐ろしさに気づき始める。



そして王太子ルカの元へ戻る日が来た。彼にすべてを告げ、彼の反応を見ようとした。しかし、彼の表情は変わらなかった。



「ミリア、お前が何をしたか、もう知っている。エリスの様子がおかしいんだ。お前が彼女に何をしたか…。」



彼の声には、怒りや恐れが混ざっていた。それを聞いた瞬間、わたしの心に恐怖が芽生えた。復讐が返り討ちになったのだ。






王太子の言葉は、心の底に響き渡った。わたしは自分の行いを悔い始めたが、もう後戻りはできなかった。エリスはわたしを憎み、王太子はわたしを恐れ始めた。



最終的に、わたしは自分自身が恐怖の中に閉じ込められてしまった。復讐のために選んだ道が、わたしの運命を狂わせることになるとは夢にも思わなかった。周囲には不気味な影が迫り、夜ごと囁き声が耳元で響く。



「お前は裏切り者だ。」



その声が耳にこびりつき、わたしは再び儀式を試みることを決意した。しかし、それはさらなる恐怖を招くだけだった。エリスの姿は、今や悪夢のようにわたしを追いかけ、逃れることはできなかった。







最終的に、わたしはすべてを失った。愛した人、妹、そして自分自身。復讐の代償はあまりにも大きかった。わたしは狂気に囚われ、もはや一人の人間として存在していなかった。



「どうしてこんなことになったの…。」



その問いに答えられる者は誰もいなかった。わたしはただ、闇の中で一人、かつての自分と向き合うことになったのだった。



そして、夜ごとに響く囁き声が、わたしの耳元で優しく嘲笑う。「お前は、永遠にこの恐怖から逃れることはできない。」



こうして、婚約破棄された令嬢の復讐は、裏切りの連鎖を生むだけでなく、最終的には自らを滅ぼすことになったのであった。
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